暗号資産(仮想通貨)の相対取引とは?メリットやリスク、やり方について紹介

暗号資産(仮想通貨)取引をしている人のなかには、相対取引がどのような取引であるのか気になる人もいるでしょう。

暗号資産取引における相対取引とは、基本的には暗号資産の取引所を介さずに、投資家同士で直接暗号資産取引を行う方法のことをさします。OTC(over the counter)取引と呼ばれることもあります。

ただし、OTC取引の場合は、Coincheckなどの暗号資産交換業者が提供する「大口取引のお客様を対象とした大口OTC取引サービス」をさすこともあります。

この記事では、投資家同士で直接取引する方の「相対取引」について、取引がされる理由やメリット・デメリット、その具体的なやり方などについてご紹介します。

そもそも暗号資産の相対取引とは?

ビットコイン(BTC)
暗号資産における相対取引とは、基本的に投資家同士で直接取引をすることであり、暗号資産取引所を介さないことが特徴です。

そのため、暗号資産の相対取引においては、チャットやテレビ電話が世界中の人と無料で行えるSkypeやLINEがよく利用されています。チャット機能を利用することで、注文に関する内容を文字に残せるため、取引の安全性が高まるからです。

個人間で互いの口座情報さえわかっていれば、すぐに暗号資産取引をすることができます。

ただし、取引所のように仲介者がおらず、お互いの信頼が重要になってくるため、暗号資産初心者にとっては少々ハードルが高い取引方法だといえるでしょう。

暗号資産の相対取引は世界中で拡大傾向にある

ビットコイン(BTC)
暗号資産の相対取引は、世界中で拡大傾向にあります。

例えば、中国では暗号資産取引が禁止になりましたが、それ以降は中国での相対取引は増加傾向です。暗号資産市場において相対取引は急激に拡大しており、一説によると1年間で10倍の取引高になるまで成長したと言われています。

通常は暗号資産の取引所で大量に暗号資産を購入した場合、その暗号資産の価格は急騰し、逆に大量に暗号資産を売った場合は市場が暴落します。そこで大口同士の取引では、約定しやすいことが特徴である相対取引が、活発に利用される傾向があります。

なお、アメリカにおいては、ジェネシス・グローバル・トレーディング(Genesis Global Trading)が、ニューヨーク州の金融規制当局からビットライセンス(BitLicense)を受け取り、機関投資家向けのOTC取引デスクを運営していたりもします。

暗号資産の相対取引が行われる理由とは?

相対取引が行われる理由
暗号資産の相対取引が行われる理由は様々です。

1. 取引所のセキュリティ問題

これまでにも世界中の暗号資産の取引所でハッキング事件などが起きていることもあり、個人間で取引をする相対取引の方が安全だと考えるトレーダーも存在します。

個人間での相対取引では取引所のトラブルには巻き込まれることがないため、暗号資産の価格の変動に迅速に対応できます。

大口取引がしたいトレーダーで取引所内で暗号資産を保有することが心配な場合などには、相対取引が利用される場合があります。

2. 古くからある取引手法

また、相対取引は暗号資産市場だけではなく、一般的に古くから行われている取引手法です。

具体的には、スーパーや薬局などのお店でお金を払い商品を購入することも相対取引だといえます。ネットショッピングやネットオークションなども、相対取引に含まれています。

ネットオークションなどで高い評価を得続けた場合には、信頼感の高い出品者となります。その場合には、高い値段で商品を出品したとしても、信頼感の高さから、購入してもらえることもあるかもしれません。

二人の人間が取引に合意することでその場で取引が成立するため、単純明快な取引方法です。

3. 相場に関係なく取引できる

続いて、相対取引は、相場の影響を受けにくい性質もあります。

相対取引は個人間で行われるため、相場はあまり関係なく、任意の価格で取引することができます。ただし、任意の価格を設定する際には、どちらか一方が大幅に損をする価格にならないよう調整する必要があります。

また、取引所を介さないため、大量の暗号資産取引をした場合でも取引所への価格に影響を及ぼしません。自身で価格を調整できるため、相対取引によって利益を得ることもできます。

4. SNSの普及

最後に、FacebookやTwitterなどのSNSが世界に普及したことで、相対取引する相手を見つけやすくもなりました。

相対取引は、直接取引相手と会う個人間取引が多いことが特徴ですが、SNSを利用することで取引相手と直接会わなくても取引は可能です。また、SNSは取引相手の信用度がわかりやすいツールでもあります。

例えば、Facebookは世界中で10億人以上に利用されているSNSであり、実名で登録されているため、信頼性の高いツールであることが特徴です。偽名で登録した場合には、Facebookの管理会社によってアカウントが凍結される恐れもあります。

そのため、Facebookで偽名を使用する人は少なく、相対取引などのビジネスツールとしても多く利用されています。

暗号資産の相対取引のメリット

相対取引のメリット
暗号資産の相対取引のメリットは、先ほどもお伝えしたように、相場に影響を与えず大口の取引ができることが挙げられます。

暗号資産取引所の場合は、一度に取引できる金額に上限があるところが多くあります。それに反して、相対取引では取引できる数量に制限がないことが特徴です。

そのため、取引タイミングを逃さずに大口の取引がしたいトレーダーに、相対取引は選ばれる傾向です。

なお、2019年4月9日時点にて、Coincheckでも、ビットコイン(BTC)に限り、大口OTC取引を受け付けています。

数千万円などの大口の暗号資産取引を行いたい場合は、まずはCoincheckに口座開設を行い、OTC取引を利用されるのも良いでしょう。

Coincheckの口座開設はこちら

Coincheckの口座開設方法と手順についてはこちら

暗号資産の相対取引のリスク

相対取引のリスク
相対取引のリスクは、個人の信用がないと取引が成立しない点が挙げられます。

個人間で信用できる相手かを確かめるために、SNSが利用されることが多いです。しかし、例えばTwitterなどは個人情報を開示する必要がないため、やや信頼性に欠けるといえるでしょう。

また、相対取引を行う際には、詐欺事件に巻き込まれるリスクにも注意が必要です。実際に2018年4月には、兵庫県内で相対取引を装い1億9000万円ものビットコインが盗み取られました。

売り手側が暗号資産を先に渡し、買い手側が後日に現金を支払うという契約をする場合には注意が必要です。なぜなら、後日に現金を受け取れないという詐欺にあう可能性もあるためです。

さらに、小口の相対取引の場合、売値は市場価格よりも安くなる傾向があるため、取引で損をしてしまうケースもあります。売値が安くなる原因は、スプレッドが広くなるためです。

そのため、暗号資産初心者で少額の暗号資産取引が行いたい人は、暗号資産の取引所を利用すると良いでしょう。取引所で暗号資産取引に十分に慣れてから相対取引を行うことで、スムーズに相対取引が行えるようにもなるでしょう。

暗号資産の取引所・販売所で口座開設するまでの流れはこちら

相対取引は大口投資家にもメリットがある取引手法

相対取引のメリット
相対取引には取引が簡単になるなどさまざまなメリットがありますが、日本国内で詐欺被害のリスクも発生しています。

暗号資産で大口の取引を行いたいトレーダーは、相対取引のメリットとデメリットを理解したうえで行うようにしましょう。信頼できる取引相手を見つけることも大切ですが、自身が信頼のおけるトレーダーになることも、相対取引をする上では必要なことです。

多額の暗号資産を相対取引でトレードする際には、資産を失うケースもあるため、慎重に行うようにしましょう。なお、日本国内の暗号資産取引所のなかには、大口の相対取引への対応に力を入れている取引所もあります。

2019年4月1日より、Coincheckでも、ビットコイン(BTC)に限り、大口OTC取引の受付を開始しました。暗号資産の大量売買を行う際は、利用を検討してみてください。