富士通がブロックチェーンのセキュリティ強化技術を開発 ~ビットコインニュース~

日本の巨大IT企業である富士通が、複数の組織間で機密情報を安全・安心に扱うことができる、ブロックチェーンのセキュリティ技術を開発したことを発表しました。
ブロックチェーンを様々な分野に活用していくことを視野に入れ開発された技術は2つ。
①トランザクション機能限定技術
②秘密分散鍵管理によるブロックチェーン上の文書秘匿化技術

この技術により、鍵の誤用・悪用の防止が可能になり、より安全にブロックチェーンを活用できるようになります。
また、文書秘匿化技術によって、稟議や特定の組織間による承認、鍵の紛失時の救済も実現可能となります。
このプロジェクトは、日本とアメリカのFujitsu Laboratories of America, Inc.(FLA)による共同開発。
これらのセキュリティ技術を応用することで、金融、流通、サプライチェーン、公文書管理など
様々な分野へのブロックチェーンの適用領域拡大への貢献が期待されます。

▼富士通が開発した最新技術

①トランザクション機能限定技術

トランザクションを実行する際、利用先を特定の店に限定するなどの、「事前に設定したポリシー」に基づき、取引を制限できる技術。
資金の移動などに用いる鍵にポリシーを記載する仕組みを導入し、ブロックチェーンに参加している複数の計算機で取引内容とポリシーの整合性を検証
ポリシーに満たない取引はブロックチェーンに記録されないので、鍵を盗まれた場合でも被害を限定的にとどめることができます。

②秘密分散鍵管理によるブロックチェーン上の文書秘匿化技術

複数の利用で異なる鍵の断片を持ち、一定数の断片が揃い鍵を生成するような秘密分散鍵管理の秘匿制御システム
文書暗号化に適用することで、契約書の機密部分は鍵の断片を持つ当事者が協力する時にのみ登録、閲覧できますが、一般利用者には見せないなど、文書の秘匿制御が可能になります。ブロックチェーンのOSSであるHyperledgerを用いて検証されていいます。

▼今後の動き

機密情報やパーソナルデータを複数の組織間で安全・安心に扱うことのできるクラウド基盤に実装し、
様々な分野でブロックチェーンの業務適用を想定した検証を進め、2017年度以降の実用化を目指すと発表されました。
参考:ブロックチェーンのセキュリティ強化技術を開発