暗号資産(仮想通貨)のセキュリティは大丈夫?知っておきたいリスクや対策

「暗号資産(仮想通貨)」と耳にした時、セキュリティ面での不安やリスクを思い浮かべる人もいらっしゃるかもしれません。暗号資産は、はたして本当に危ないのでしょうか。

この記事ではそのような疑問にお答えすべく、以下の4つのポイントについて詳しく解説していきます。

  • 暗号資産が危ないといわれる理由
  • 仮想通貨のセキュリティについて
  • 暗号資産を安全に購入する方法
  • 時価総額の高い日本で買える暗号資産

この記事を読む事で、暗号資産のセキュリティについての知識を身につけることができます。「暗号資産には興味があるけど、安全性に不安がある」という方は、ぜひご覧ください。

執筆Coincheck Column編集部

Coincheck Column編集部は暗号資産の取引経験者やブロックチェーンの知見に深いメンバーで構成されています。これから暗号資産を始める方々に「暗号資産について正しく理解していただき安心して取引できる」ことを目的に執筆しています。/ 運営元:コインチェック株式会社

暗号資産が危ないといわれる理由

暗号資産
暗号資産が危ないというイメージは、その値動きが激しい事も影響しています。しかし、1番の原因は、過去に起きたある事件がきっかけとなっているのです。

マウントゴックス事件とは

ビットコイン(BTC)を巡る事件でもっとも大きなものに、2014年に一大ハッキング騒動として話題になった「マウントゴックス事件」があります。

マウントゴックスとは、東京に本社を構える暗号資産取引所でした。2009年に設立され、当初はトレーディングカードを扱う会社として営業していました。

2010年に事業を暗号資産販売所へ変更し、事件当時は最大級の暗号資産取引量を誇る販売所でした。報道と共に話題になったのは2014年ですが、ハッキングが起きたのは2011年です。

この時のハッキング被害は、当時売買されていたビットコイン(BTC)の価格操作でした。販売所にあるすべてのビットコイン(BTC)が、ハッキングによって大量の売り注文を発生させたのです。

このハッキングによって、ビットコイン(BTC)は1セントまで引き下げられてしまったのです。価格操作は数分ほどで復旧したものの、この事件の影響でビットコイン(BTC)は一時的に大暴落してしまいます。

当時1BTCあたり20ドル前後で推移していた価格が、事件後にはおよそ2ドルにまで下がったのです。その後マウントゴックスは運営を立て直しましたが、2014年に販売所がストップしてしまうハッキングを受け、破産申請を行う事になります。

そこから2019年の現在に至るまで、騒動による損失は補填されていません。

取引所の信頼性が暗号資産のセキュリティを左右する

マウントゴックス事件からは、ハッキングによって価格操作されたり、販売所が営業停止に追い込まれたりといったリスクがあるとわかります。

そのうえ、会員のパスワードや個人情報の流失、大量のビットコイン(BTC)の消失などもあったのです。国内外を問わず、取引所がハッキング被害にあうリスクは常につきまといます。

しかし、これらハッキング攻撃を受けるのは暗号資産そのものではなく、取引所である場合が多く、たとえハッキングで被害を受けたとしても、その被害が補償される限りは、リスクはある程度抑えられているとも言えるでしょう。

暗号資産に限らずセキュリティ対策は必要

取引所のハッキングや暗号資産の流失に限らず、現金やクレジットカードにも、詐欺や盗難のリスクは多いものです。資産を狙う犯罪との戦いは、長い歴史の中で何度も繰り返されてきました。

日本でも、今後電子決済の普及が国策として広がると予想されます。たとえ暗号資産を持たなかったとしても、1人1人がセキュリティ意識の向上に努める事は、より重要となってくるのです。

暗号資産のセキュリティはどうなっている?

セキュリティ対策
過去に起きた事件や被害は、取引所や個人のセキュリティ意識にも問題があることをご紹介しました。それでは、暗号資産自体のセキュリティはどうなっているのでしょう。

透明性の高いブロックチェーンというシステム

多くの暗号資産の仕組みには、「ブロックチェーン」と呼ばれる技術が使われています。ブロックチェーンとは、暗号資産の取引が記録されたデータの事です。

実は今までに取引所がハッキングされてビットコイン(BTC)を盗まれてしまった事はあっても、ビットコイン(BTC)のブロックチェーン事態が改ざんされた事はありません。

ビットコイン(BTC)のブロックチェーン自体は、とても透明性が高く、改ざんされにくい仕組みとなっているのです。

他にも、イーサリアム(ETH)のスマートコントラクトは、このブロックチェーンの特性を利用して、決済に契約条件や各種書類などの記録を紐づけるものです。

このスマートコントラクトの機能も、非常にセキュリティの高いものです。だからこそ、ブロックチェーンを利用したさまざまなプロジェクトが進んでいるのです。

実際に、不動産登記や医療データなど、ブロックチェーンを利用したいくつかのシステム開発は既に実現しています。このように暗号資産のセキュリティ自体は、非常にしっかりとしているものなのです。

信頼性の疑わしい暗号資産も

暗号資産の仕組み自体はセキュリティの高いものですが、それを悪用しようとする業者がいるのも事実です。たとえば、新規ICO(資金調達目的で発行される独自の暗号資産)で発行されるコインの中には、信頼性の疑わしいものも混在しています。

資金を集めるためのアイコンとして大々的な広告を打ち、開発が遅々として進まないプロジェクトなどが時々話題になる事もあります。海外の取引所で扱っているマイナーな暗号資産には、そういった悪質なものも見受けられます。

上手すぎる話に乗ってしまったり、出所が不明な情報を鵜呑みにするのは危険です。ちょっとした不注意から、資金詐欺や盗難のリスクは高まる事になるでしょう。

暗号資産が危ないのではなく、暗号資産に関わるグループの中に危険があります。暗号資産自体は、今後も市場拡大が期待される技術です。だからこそ、正しい知識の普及と法規制が重要となってくるのです。

暗号資産を安全に購入する方法とは


暗号資産を安全に購入するためには、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。

セキュリティや管理体制がしっかりしている取引所を選ぶ

暗号資産を初めて購入する際は、販売所や取引所を経由して購入するのが一般的です。取引所にアカウントを作成し、日本円を入金して暗号資産を購入します。

保管や送金も、取引所のアカウントから行っている人が多いのです。そのため、安全な暗号資産の販売所や取引所を選ぶ事が肝となります。

販売所を選ぶポイントとしては、セキュリティ体制が万全である事はもちろん、内部の管理体制がしっかりとしているかどうかも重要です。

さらに、金融庁指定の暗号資産交換業者であるか、または金融庁認定の自主規制団体に加盟しているかどうかも、1つの目安となるでしょう。

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時価総額や値動きのチェックだけでなく情報収集も大切

暗号資産を購入する人は、中長期保有者と短期保有者に大きく分けられます。現段階では、いずれも投資を目的としている人が多いでしょう。

暗号資産は歴史の浅い通貨であるため、たとえ長期保有するつもりでも、時価総額や値動きのチェックは重要です。そして、チャートのチェックだけでなく、正確な情報を選び取る事も大切です。

株式や外国為替と同様に、暗号資産も社会情勢やイベント、ニュースなどに左右されがちです。そのため、日頃から意識して暗号資産に関する情報収集をするように心がけておくのが良いでしょう。

2段階認証やパスワードの使い回しをしない

暗号資産の保存は、販売所や取引所内のアカウントか、専用のウォレットで管理する事になります。アカウントやウォレットは、IDとパスワードで管理されます。

銀行口座やクレジットカードと同様に、IDとパスワードの管理は非常に重要です。同じパスワードを使い回していたり、推測が容易な番号にするのは危険です。

1つのアカウントから情報が漏えいすると、他の資産まで乗っ取られる事にも繋がってしまいます。暗号資産の管理においても、パスワードの使い回しや簡単な番号にするのは避けるようにしましょう。

定期的にパスワードを変更したり、電話番号や認証アプリを使った2段階認証の設定を強くお勧めします。

時価総額の高い日本で買える暗号資産3選


参考までに、知名度が高く比較的歴史もあり、2019年1月時点で時価総額の高い暗号資産を3つほどご紹介します。

ビットコイン(BTC)

ビットコイン(BTC)は、暗号資産の中でもっとも有名なコインです。長きに渡って時価総額1位をキープしており、取り扱っていない販売所はほぼないといっていいでしょう。

換金性もよく、他の通貨を買うために1度ビットコイン(BTC)を買う、という買われ方をされるのも特徴です。世界で初めて作られた暗号資産であり、値動きが大きい事でも話題となりがちです。

2017年12月には一時1BTC200万円台にまでタッチしましたが、2018年12月は40万円台程度で推移していました。それでも、マウントゴックス事件当時は数百円~数千円であった事を考えると、その成長は著しいといえるでしょう。

ビットコイン(BTC)の値動きは、他の暗号資産の値動きに大きく影響します。暗号資産を理解するうえで、外す事のできないコインです。

詳しくはこちら:ビットコイン(BTC)とは何か?初心者にも分かりやすく解説

ビットコイン(BTC)取引の口座開設から購入方法を解説はこちら

リップル(XRP)

リップル(XRP)は、他のコインとは少しスタンスの違う暗号資産です。

主に銀行の決済業務に特化しており、プロジェクト名称も「リップル」と呼ばれています。リップル(XRP)は、送金や決済にかかる手間とコストを減らし、銀行間の国際送金をスムーズにする事を目的としています。

発行枚数の上限も決まっており、リップルコインはすべてが発行済みです。発行済みのコインは、そのほとんどがリップル社に保有されています。

このため、価格の高騰や乱高下時には流通しているコインを放出するなど、価格を安定させやすいといわれています。価格は1XRPあたりおよそ35円となっており、高騰時の10分の1程度で推移しています(2019年1月18日時点)。

リップル(XRP)は送金決済に特化する事で、現在世界中の大手銀行との提携が進んでいます。国際送金の手数料が安くなったり、送金にかかる日数を減らせるメリットがあるため、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を抜いて主要コインとなる可能性もゼロではありません。

日本でも人気の暗号資産の一つで、現在も動向が注目されているコインです。

詳しくはこちら:リップル(XRP)の特徴とは?

リップル(XRP)の口座開設・購入方法までの流れはこちら

イーサリアム(ETH)

ビットコイン(BTC)が暗号資産の基軸通貨であるのに対し、イーサリアム(ETH)はさまざまなプロジェクトのベースとして流通しています。

ビットコイン(BTC)以外のコインは「アルトコイン」と呼ばれますが、その筆頭がイーサリアム(ETH)とも言われています。他のアルトコインやトークンも、イーサリアム(ETH)のブロックチェーンを利用しているものが多いのからです。

イーサリアム(ETH)のの価格は1ETHあたりおよそ13,000円となっています(2019年1月18日時点)。2017年12月の高騰時に比べると、ほぼ10分の1にまで下落しています。

下落傾向の原因には、複数の要素が絡んでおり、イーサリアム(ETH)自体が抱える問題も原因の1つとなっていました。しかし、投資家の間では「下落している今が狙い目」との見方もあります。

イーサリアムは多くの大企業が提携している暗号資産でもあり、順調にアップデートを繰り返し、問題解決に向けた動きも顕著です。今後も引き続き、注目したい暗号資産の1つと言えるでしょう。

詳しくはこちら:イーサリアム(ETH)とは何か?

イーサリアム(ETH)取引の口座開設から購入方法を解説はこちら

暗号資産のセキュリティについてのまとめ

セキュリティのまとめ
主要な暗号資産だけでも、それぞれに特色がある事がわかります。

暗号資産は、未来のビジネスに使われる可能性もあるテクノロジーの一つです。暗号資産のセキュリティ自体は、透明性に優れており強固なものである場合が多く、今後更なる発展を遂げる可能性もあります。

「暗号資産が危ない」というイメージは、暗号資産を扱う業者やグループ、購入する側のリスク管理などが問題となっていることが多いです。そのため、暗号資産を購入する際には、情報を取捨選択して正しい知識を身につけ、安全な販売所を選ぶ事が大切です。