【2020年最新】バーチャル株主総会の実施企業と10の事例を紹介

「バーチャル株主総会は自社でも導入できるかな?」

「バーチャル株主総会は具体的にどのように実施をするの?」

コロナ禍で注目を集めるバーチャル株主総会は、自社でも実施できるものなのか気になりますよね。

バーチャル株主総会は2020年6月時点で120社以上が実施しており、昨年の10倍以上とも言われています

バーチャル株主総会には下記のように「ハイブリッド参加型バーチャル株主総会」と「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」の2種類があり、それぞれ実施方法が異なります。

バーチャル株主総会

そこでこの記事では

◎2020年最新のバーチャル株主総会の10の事例
◎事例から見えてきたバーチャル株主総会の3つのメリット
◎バーチャル株主総会の3つの課題

をまとめてご紹介します。バーチャル株主総会の具体的な実施方法も紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

執筆Sharely編集部

Sharelyはバーチャル株主総会を滞りなく実現させるクラウドサービスです。バーチャル株主総会を検討している企業様に「バーチャル株主総会について正しく理解していただき安心して実施していただく」ことを目的に執筆しています。/ 運営元:コインチェック株式会社

【2020年度最新】バーチャル株主総会10の事例

コロナ禍で注目を集めているバーチャル株主総会。冒頭でも述べたように2020年6月時点で120社以上が実施しており、昨年の10倍以上とも言われています。その中から下記10社の事例を詳しくご紹介します。

バーチャル株主総会

バーチャル株主総会の詳細を知りたい方は、まずは以下の記事をチェックしてみてください。

ハイブリッド参加型バーチャル株主総会の3つの事例

ハイブリッド参加型バーチャル株主総会とはリアル出席型株主総会の開催にプラスして、会場に出向けない株主がオンラインでの動画中継などを通じ傍聴できる方法です。

ここでは、2020年に実施された3つの事例をご紹介します。

株主とのコミュニケーションを重視「サイボウズ株式会社」

バーチャル株主総会

出典:サイボウズ株式会社「株主総会」

ソフトウェア開発をしているサイボウズ株式会社は、株主や一般参加者とのコミュニケーションを大切にした株主総会を開催しています。

今年は外出自粛要請が出ていた3月下旬開催ということもあり、ゲストや株主とのセッションを中止。YouTubeでのリアルタイム配信で株主総会を開催しました。

YouTube傾聴ができる対象者は株主と、事前申し込みをした一般参加者です。配信前に傾聴用のURLが送付されます

株主総会当日は、議長を除く一部の役員はZoomを使用したオンラインでの出席となりました。事前の呼びかけもあって会場に足を運んだ株主は4名、YouTubeでの傾聴は最大510名という結果なったようです。

また、インターネット上に寄せられた質問に対しても大きな支障なく対応できたようで、遠隔であっても株主や一般参加者の声に耳を傾ける姿が見られました。

株主総会後は、自社ホームページより株主総会当日の様子が誰でも見られるようになっています。

バーチャル株主総会

参考:サイボウズ株式会社「株主会議2020」,サイボウズ株式会社「株主総会」

事前の質問受付で対応した「日本郵政株式会社」

バーチャル株主総会

出典:日本郵政株式会社公式サイト

日本郵政株式会社はコロナウイルスの感染拡大に伴い外出自粛が強く要請されていることを受け、株主総会会場の座席を大幅に減らしリアルタイムでの動画配信を実施しました。

自社サイトのリンクから傾聴することができ、事前の準備が不要となっています。

特徴は、オンラインでの参加者は質問や発言ができないため、事前に質問受付フォームを用意しているところです

株主総会後も、事前に寄せられた質問の回答を公式サイト内で公開しています。

バーチャル株主総会

参考:日本郵政株式会社「株主総会」,日本郵政株式会社「第15回定時株主総会招集ご通知」

ターゲットを絞り動画配信を実施「株式会社安川電機」

バーチャル株主総会

出典:株式会社安川電機「第104回定時株主総会インターネット中継/配信のご案内」

産業用ロボットの開発などの生産を行う「株式会社安川電機」も新型コロナウイルス拡大防止の観点より、ハイブリッド参加型での株主総会に踏み切りました。

特徴は、傾聴対象者を2月29日時点で普通株式を100株以上保有している株主に限定しているところです。対象者は招集通知書に同封されているパスワードを使用することで、リアルタイムで傾聴できるようになります。

また、リアルタイムで傾聴できない株主のために期間限定での録画配信も実施し、多くの株主が株主総会の内容を把握できるよう努めています。

バーチャル株主総会

参考:株式会社安川電機「第104回定時株主総会招集ご通知」
株式会社安川電機「ハイブリッド参加型バーチャル株主総会」の実施について」
株式会社安川電機「第104回定時株主総会インターネット中継/配信のご案内」

ハイブリッド出席型バーチャル株主総会の7つの事例

ハイブリッド出席型バーチャル株主総会とは、リアル出席型株主総会の開催にプラスし、会場に出向けない株主がオンラインで会社法上の「出席」ができる方法です。2020年6月時点では、13社で実施されました。ここでは、2020年に開催された7社の事例をご紹介します。

リアルタイムで株主が視聴「アステリア株式会社」

バーチャル株主総会

出典:アステリア株式会社「新型コロナ感染予防対策として公共交通機関の利用や3密を避けるための「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」を開催」

企業向けのソフトウェア開発などを行っているアステリア株式会社は、3密や株主の公共交通機関利用を避けるために、ハイブリッド出席型株主総会の実施へと踏み切りました。

基盤技術にブロックチェーンを用いた株主への質問や議決権投票ができるシステムを使用しリアル出席型株主総会と変わらないクオリティでのライブ配信を提供。ブロックチェーン技術を活用し随時議決権の投票や質問を記録していくことで、投票の改ざんを防止できるところが特徴です。

株主は株主総会の招集通知に記載されているIDとパスワードがないとシステムにログインできない仕組みとなっており、セキュリティ対策もされています。

当日はYouTubeLiveでのリアルタイム配信とブロックチェーンでの質問、議決権行使を組み合わせて実施。特殊なアプリを使用せずスマートフォンやパソコンから手軽に出席できるよう工夫をした結果、約500名がオンライン経由での投票を行いました。

バーチャル株主総会

参考:アステリア株式会社「新型コロナ感染予防対策として公共交通機関の利用や3密を避けるための「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」を開催」
アステリア株式会社「第22回株主総会招集通知」

たった1日でバーチャル株主総会の準備を実現「株式会社ガイアックス」

バーチャル株主総会

出典:株式会社ガイアックス「日本初、議長をはじめ取締役・執行役がオンラインで参加する 「出席型」オンライン株主総会を開催! 〜コロナウィルス感染の早期沈静化、経済活動継続に向けて〜」

ソーシャルメディアなどを手掛ける株式会社ガイアックスは、コロナウイルスの感染拡大が急速に進む中たった1日でハイブリッド出席型バーチャル株主総会の実施準備を行いました。

「株主の声を見落とさないように」という思いから法律上の成立条件を確認しつつ、Zoomミーティングでの開催を決定。急な変更だったため電話窓口を設置し、株主からの質問に随時返答。電話で本人確認を行った上で参加手順の説明を行いました

当日はZoomに入室した株主1名1名の株主番号を確認し、出席番号を付与。役員や取締役もオンライン参加にすることで、3密を回避することができました。

スクリーン上では役員陣と出席者の顔が並んで画面上に表示されることで、緊張感が生まれたという声も。全員の顔が見えている状態なので、質問があるときは手を挙げるだけで発言できるようなルールにしました。また、株主総会会場ではZoomの映像を大きく映し、オンラインでの出席者の様子が分かるよう配慮したとのことです。

突然の実施方法変更でしたが例年と比べて出席者数が大きく減少することもなく、オンラインでの参加では遠方の株主の出席も見受けられました。

バーチャル株主総会

参考:株式会社ガイアックス「【株主総会完全オンライン化】2020年3月27日開催予定の当社第22回定時株主総会に関するお知らせ 〜東京都の外出自粛要請を受け、完全オンラインに急遽切り替え〜」
株式会社ガイアックス「株主総会のオンライン化を1日で達成?!当たり前を疑うカルチャーにより実現」
株式会社ガイアックス「日本初、議長をはじめ取締役・執行役がオンラインで参加する 「出席型」オンライン株主総会を開催! 〜コロナウィルス感染の早期沈静化、経済活動継続に向けて〜」

株主以外にもライブ中継で配信「ソフトバンクグループ株式会社」

バーチャル株主総会

出典:ソフトバンクグループ株式会社「第40回定時株主総会」

ソフトバンクグループ株式会社は定時株主総会招集通知内でコロナウイルス感染拡大防止のため会場への来場を控えてもらうよう呼びかけた上で、自社サイト内でリアルタイム配信することを早い段階から通知していました。

特徴は、ホームページにアクセスするだけで傾聴できるため、事前準備等が不要で手軽に参加できるところです。それだけでなく株主の質問や意見を取り入れられるよう、事前にオンライン上で質問を募集しています

当日は議長を含め役員全員がオンラインでの出席となり、株主の参加は株主総会会場に23人、オンライン参加は122人という結果となりました。オンラインで寄せられた質問を読み上げながら回答する場面もあったとのことです。株式総会の動画は、現在も公式サイトより傾聴することができます。

バーチャル株主総会

参考:ソフトバンクグループ株式会社「第40回定時株主総会招集ご通知」
gooニュース「会社と株主の距離を密にする「バーチャル総会」コロナ対策で急増、日本は後れを取り戻せるか」

Zoomのウェビナーを利用し双方の意思疎通ができるように「株式会社アドウェイズ

バーチャル株主総会

出典:PRTIMES「新時代の株主総会の形とは?「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」開催の舞台裏」

インターネット広告事業やメディア、アプリケーションの開発を行っている「株式会社アドウェイズ」は、昨年まで300名が参加できる会場を借りて株主総会を実施していました。

しかし、今年はコロナの影響を考慮し、株主がリスクなく参加できるようハイブリッド出席型を選択。例年までとは異なる状況に、何度もリハーサルを重ねました。

とくに

・代表取締役以外の役員はオンラインでの出席となるため、オンライン映像の投影方法
・会場とオンラインの双方でコミュニケーションを取るための環境作り

には苦戦したと語っています。

また、出席型を実現するためにZoomのウェビナーを活用。事前にオンラインでの出席を望む有権者には申し込みをしてもらい、接続テストを実施して当日に挑みました。

当日はウェビナーのQ&A機能を使い、株主からの質問を代読をしながら回答していく方法でスムーズに進行することに成功。インターネットでの議決権行使は株主総会開催中も利用可能とすることで、リアルタイムでの議決権行使も実現しました。

当初はハードルが高いと思っていたハイブリッド出席型での株主総会もとくに問題なく終えることができ、リスクを背負ってでも挑戦してよかったと感想を述べています。

バーチャル株主総会

参考:株式会社アドウェイズ「第20期定時株主総会招集ご通知」
株式会社アドウェイズ「株主・投資家出席型バーチャル決算説明会開催に関するお知らせ」

事前に質問や意見を募集して実施「SBテクノロジー株式会社」

バーチャル株主総会

出典:YouTube「SBテクノロジー第32期定時株主総会ライブ配信」

ソフトバンクの連結子会社で情報通信事業を展開している「SBテクノロジー株式会社」はオンラインでの決済説明会に続き、株主総会もハイブリッド参加型で実施しました。

コロナ禍という状況を踏まえ、規模の縮小や濃厚接触の回避、時間の短縮を意識してこの方法を導入したとのことです。

当日の株主総会では質問の受付ができないため、事前に事業報告を動画で公開しインターネット経由での質問受付をしています。

また、「自宅のインターネット環境から株主総会が視聴できるのか」という株主からの不安を解決するために、事前に視聴テストも実施しました。マニュアル等も準備し、インターネットの該当ページより手軽に確認できるようになっているので、バーチャル株主総会になじみがない株主でも参加しやすくなっています。

バーチャル株主総会

当日は Microsoft Teamsを利用し、リアルタイムでの配信を実施。文書やイラストを用いて報告事項を説明し、会場に足を運んでいない株主でも理解できるように工夫されていました。現在は、YouTubeで株主総会の様子を一般公開しています。

バーチャル株主総会

参考:PRTIMES「SBT、株主総会をMicrosoft Teamsによるライブ配信で実施」
SBテクノロジー株式会社「第32期定時株主総会開催報告」
YouTube「SBテクノロジー第32期定時株主総会ライブ配信」

独自システムで円滑に実施「株式会社ビーマップ」

バーチャル株主総会

出典:株式会社ビーマップ「第22期定時株主総会を「インターネット出席型」で実施しました」

幅広い分野のインフラ構築を手掛けている株式会社ビーマップはコロナ禍での3密を避けるという観点から、独自システムを使用したハイブリッド出席型での株主総会を実施しました。

会場の規模縮小に伴い、書面やインターネット上で議決権行使を行った株主に対して後日QUOカードを送付するよう配慮。オンラインでの出席には株主番号と議決権行使個数の入力が必要となり、セキュリティ対策も実施しています。

当日は自社開発をしたシステムを使うことで、質疑応答や決議も滞ることなく終えることができました。

バーチャル株主総会

参考:株式会社ビーマップ「2020年3月期決算短信発表の延期及び定時株主総会について」
株式会社ビーマップ「第22期定時株主総会を「インターネット出席型」で実施しました」
株式会社ビーマップ「第 22 期定時株主総会招集ご通知 インターネット参加に関する株主通知事項」

ウェビナーのQ&A機能を活用「株式会社ベクター」

バーチャル株主総会

出典:株式会社ベクター公式サイト

オンラインソフトウェア流通サイトを運営している株式会社ベクターは、コロナ禍の状況を踏まえてZoomのウェビナーを使用したハイブリッド出席型での株主総会を実施しました。

株主に行ってもらう事前準備を、下記のように2段階に分けた点が特徴です。

①オンライン参加の事前申し込み

 ・Zoomのダウンロードとアカウント取得。

 ・申し込みメールアドレスに、株主番号と氏名を送付する。

②ウェビナーへの登録

 ・申し込み完了後ウェビナーへの登録URLが送付されるため、株主番号や氏名などを入力登録する。
 ・申し込み確認後、株主総会当日のURLやパスワードが送付される。

事前の準備期間や方法を明確にすることで、株主が参加しやすい環境を整えています。

当日は、質疑応答のタイミングでウェビナーのQ&A機能を使い、リアルタイムでの質問が実現しました。発言時以外は株主のマイクやカメラはオフ設定になっており、プライバシーに配慮された出席ができるようになっています。

バーチャル株主総会

参考:

株式会社ベクター「参加型オンライン株主総会のご案内」
株式会社ベクター「第32期定時株主総会招集ご通知」

出席型株主総会の詳細は以下のリンクから。

事例から見えてきたバーチャル株主総会の3つのメリット

バーチャル株主総会

ここからは、バーチャル株主総会を実施した事例から分かる3つのメリットを紹介します。

1.リアル出席型株主総会に足を運べない人の意見が聞ける
2.コロナ禍でも安全に配慮して開催できる
3.株主への情報開示がしやすくなる

メリット①株主総会に足を運べなかった人の意見が聞ける

リアル出席型株主総会のみの場合、開催地から遠い場所に住んでいる株主はなかなか株主総会に参加できないという一面がありました。

株主総会会場とオンラインでの出席、参加を組み合わせられるハイブリッド型バーチャル株主総会なら、住んでいる地域に左右されることなく携わることが可能です。

実際にハイブリッド型バーチャル株主総会を実施して「遠方の株主の参加があった」という声や「東京での開催では足を運べないので、今後も続けて欲しい」という声がありました

また、自宅にいながら手軽に参加できることで議決権行使の活発化や複数の株主総会への積極的な参加が見込めます。

株主総会に参加しにくい若い世代や遠方の株主の意見が企業側に届けられ、株主の声を反映できるところは大きなメリットだと言えるでしょう。

参考:gooニュース「会社と株主の距離を密にする「バーチャル総会」コロナ対策で急増、日本は後れを取り戻せるか」

メリット②コロナ禍でも安全に開催できる

コロナウイルス完全拡大防止を目的として、ハイブリッド型バーチャル株主総会を導入した企業は多いです。リアル出席型株主総会ではどうしても会場に人が集中してしまいますが、ハイブリッド型バーチャル株主総会なら3密を回避し予定通りに開催できます。

また、企業は従業員に対し、安全配慮義務があります。労働契約法5条には「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働ができるよう、必要な配慮をするものとする。」と記載されているので、具体的な施策を導入しないと最悪の場合は損害賠償請求につながります。

2020年のハイブリッド型バーチャル株主総会では、従業員の安全も考慮して役員もオンライン参加というケースが目立ちました。

株主と従業員の双方の安全が確保でき、コロナ禍でも安心して開催できるところはハイブリッド型バーチャル株主総会ならではのメリットでしょう。

参考:厚生労働省「新型コロナウイルスについて」
「労働契約法」

コロナ禍での株主総会は柔軟な対応が必須

コロナウイルスの終息が見込めない中、株主総会も臨機応変な対応が求められています。従来通りのリアル出席型株主総会も可能ですが経済産業省では安全や健康面に配慮するため、企業側と株主双方に例年とは異なる方法での実施やスケジュール調整を検討してほしいと述べています

コロナ禍での株主総会はどのような点に気をつけるべきか具体的に把握したい場合は、ぜひ下記の記事もチェックしてみてください。

コロナ 株主総会

参考:経済産業省「株主総会(オンラインでの開催等)、企業決算・監査等の対応」

メリット③情報開示しやすくなる

リアル参加型株主総会の場合は、参加している有権者にしか直接情報を伝えられませんでした。バーチャル株主総会なら動画配信ツールを使用し、リアルタイムで生の声を届けられます。

オンライン上での配信方法には主に下記の3パターンがありますが、それぞれ異なる特徴があります。

バーチャル株主総会

例えば、株主のみに動画配信をする場合は、より多くの株主と現状や今後のビジョンを共有でき自社への協力や理解を得やすくなります。

一般公開する場合は株主だけでなく多くの人に興味や関心を持ってもらうきっかけとなり、未来の株主を獲得できるかもしれません

株式を保有したい人やしている人にとって、株主総会での情報は重要な指針となります。バーチャル株主総会なら情報開示の充実や透明化を図れるため、双方にとってメリットがあると言えるでしょう。

バーチャル株主総会の3つの課題

バーチャル株主総会

バーチャル株主総会はまだまだ発展段階の方法なので主に3つの課題を抱えています。どのようなことに注意をしながら実施を検討する必要があるのか、ぜひ参考にしてみてください。

企業側も株主側も設備を整える必要がある

日本経済新聞がバーチャル株主総会を実施した13社を対象にアンケートを実施したところ、11社から課題が残るという回答がありました。下記のように企業が課題だと認識しているほとんどの事項が設備関連となっています。

バーチャル株主総会

主に環境づくり」「本人確認方法」「株主へのサポート」の3つの課題に分けられます。

参考:日本経済新聞「バーチャル総会「参加しやすさ」課題に本社調査」

円滑に進行できる環境作り

リアル出席型株主総会の場合は会場のセッティングを行えば進行できますが、バーチャル株主総会の場合は

・株主総会会場のセッティング
・オンラインで配信するためのセッティング
・オンラインとリアルな株主総会会場を繋ぐセッティング

の3つが必要となります。とくに、オンラインと株主総会会場を繋ぐセッティングはどちらにいても双方の状況が把握できるように配慮する必要があります。

現在は株主総会会場に大型モニターを設置しオンライン参加者の様子が把握できるようにする、株主総会会場にもカメラを設置しオンライン参加者が見れるようにするという方法が一般的なようです。

このときに

・カメラに映りたくない人はどうするのか
・個人情報を映さないよう注意喚起や配慮が必要なのか(名前や住居の様子など)

などといった課題も残っています。

セキュリティ対策を含めどのように本人確認をするのかも課題

株主が所有している議決権や発言権が悪用されないためにも、どのように本人確認をするのかが課題となっています。

ハイブリッド参加型バーチャル株主総会で一般公開をしている場合は別ですが、質問や発言ができる出席型の場合は本人確認を怠ると乗っ取りや第三者による議決権行使が起こってしまうかもしれません。

現在は

・株主番号や氏名等の確認をしてURLなどを送付
・株主のみに動画配信URLのパスワードを配布
・入室時にその場で本人確認をする

という方法が主流です。本人確認はしっかりとしたいところですがあまり複雑にしてしまうと株主側の負担が増えてしまうので、ちょうどいいバランスを取るのが難しいという声もあります。

「どこまでサポートをする?」株主へのサポート体制に悩む声も

パソコンやオンラインでの作業に慣れていない株主が多いと、バーチャル株主総会に参加するというハードルが高く参加人数が増えない可能性があります。

できるだけ簡単に参加ができるよう下記のような工夫が見受けられますが、問い合わせ窓口等を設置するとなると企業側の負担が増えることも懸念されています。

・ホームページにアクセスするだけで傾聴できるようにする
・株主向けのマニュアルを作成する
・問い合わせ窓口を設置する
・テスト配信日を設定する

どのようなツールを導入してどこまでサポートをすべきなのか、線引きに悩んでいる企業も多いでしょう。

株主とのコミュニケーション方法を疑問視する声がある

会社法314条には「取締役、会計参与、監査役及び執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。」と定められています。

そのため、バーチャル株主総会を実施する場合は、何らかの方法で意見を反映させることが必要です。

現在は下記のように実施しているケースが多いですが、それぞれ課題を抱えています。

バーチャル株主総会

とくに、事前に質問を募集し株主総会当日に回答をする方法では「有利な質問を選んでいるのではないか」という声が実際に挙がっています。

今後は、株主と企業が円滑にコミュニケーションを取れるようにすることが大きな課題となりそうです。

参考:会社法

【ハイブリッド参加型バーチャル株主総会の場合は、とくに注意!】

経済産業省が発表している「さらなる対話型株主総会プロセスに向けた中長期課題に関する勉強会とりまとめ」によると、ハイブリッド参加型の場合は

・インターネット等の手段を用いて参加する株主は会社法上の出席株主ではないことから、当日の決議に参加することはできないことを通知する。
・議決権行使の意思のある株主は基本的に事前の議決権行使を行うことが必要なので、誤解のないよう事前に招集通知等で通知する。

と述べられています。「当日質問ができるとは知らなかった」という株主もいるため、事前通知が欠かせません。ただし、これだけでは質問や意見を受け付けられないことになるので、事前に質問を募集するなどの工夫が必要です。

参考:経済産業省「さらなる対話型株主総会プロセスに向けた中長期課題に関する勉強会とりまとめ」

セキュリティや通信障害を不安視する意見も

バーチャル株主総会ではインターネットを経由するため、サーバー攻撃や通信障害が発生する可能性はゼロではありません。

経済産業省が発表している「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド(案)」でも通信障害やサイバー攻撃は発生する可能性があるとし対策として

・できる範囲でのサーバーセキュリティ対策を導入する
・ハイブリッド型バーチャル株主総会参加者、出席者に通信障害等が起こりうることの告知
・推奨するインターネット環境の提示

を挙げています。実際にハイブリッド型バーチャル株主総会を実施した企業の注意事項を見てみると、「通信障害が起こる可能性がある」「リアルタイムでの傾聴を保証するものではない」という言葉が記載されているケースが多いです。

今後オンラインでの参加者や出席者が増えていくとこのようなリスクは一段と高くなるため、具体的な対策を検討しておく必要があるでしょう。

参考:経済産業省「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド(案)」

バーチャル株主総会は円滑に実施できるよう、予め計画を立てることが大切です。

sharely

「バーチャル株主総会はどのように開催したらいいの?」「自社にはどのような方法が合っているの?」など気になっている方は、バーチャル株主総会支援サービス「Sharely(シェアリー)」へ気軽にお問い合わせください。

Sharelyの特徴は以下の通りです。

1.参加型・出席型いずれも対応
議決権行使や質問を行うことができる
2.シナリオ作成+αが可能
シナリオの作成やご提案ほか、シナリオに合わせた業務設計ができる
3.既存の提携業者は変更なしでOK 招集通知の印刷業者や証券代行業者などの変更は一切不要
4.経済産業省の実務ガイドラインに準拠
適切なバーチャル株主総会を開催することができる

バーチャル株主総会・Sharelyに関するQ&A

Q.バーチャル株主総会の「参加型」と「出席型」の違いはなんですか?

A.大きな違いは株主が議決権を行使できるかできないかの違いです。「参加型」は行使できないが「出席型」は行使できます。

詳しくはこちらをご覧ください。

Q.事前に議決権行使をした出席株主が、当日も出席し議決権行使をした場合にどの投票が有効になりますか?

A.当日参加した株主の議決権行使に関しては、事前の議決権行使をしている株主が当日出席する場合、事前の投票は無効にして当日の投票を優先する必要があります。

Q.入場を控える様に招集通知に記載することは可能でしょうか?

表現については注意する必要がありますが、株主の入場を控えて頂く様に招集通知で周知することは適法と考えられます。

ただ、周知したとはいえ実際に来場した株主が会場に入れない、という対応をした場合に決議が取り消しの可能性があります。

Q.入場を控える様に招集通知に記載した場合に通信途絶が発生すると、決議取り消し事由になりえますでしょうか?

A.物理的な場所での参加というオプションが与えられていれば、敢えてオンライン参加を選ぶ以上は通信途絶のリスクは株主が甘受すべきとの解釈だが、入場謝絶の通知をする以上は通信途絶が決議取り消し事由に該当し得ると考えられます。

まとめ

いかがでしたか?

バーチャル株主総会の事例を通じて、バーチャル株主総会はどのように実施すべきか把握できたかと思います。

最後にこの記事の内容をまとめてみると

◎2020年に実施されたバーチャル株主総会の事例は次の10社

バーチャル株主総会

◎事例から見えてきたバーチャル株主総会ならではのメリットは次の3つ

1)リアル出席型株主総会に足を運べなかった遠方の人や若い世代の意見が聞ける
2)コロナ禍でも安全に配慮して開催できる
3)株主への情報開示がしやすくなる

◎バーチャル株主総会が抱える課題は次の3つ

1)企業側も株主側も円滑に株主総会ができるよう、設備を整える必要がある
2)株主とのコミュニケーション方法を工夫する必要がある
3)セキュリティや通信障害を不安視する意見もあり、対策が必要

この記事をもとに、バーチャル株主総会の実施を検討してみてはいかがでしょうか。