モネロ(XMR)とは?匿名通貨の仕組みや規制動向・注意点を解説

モネロ(XMR)は、高い匿名性・プライバシー性を持つ暗号資産であり、匿名通貨の代表的な存在と言われています。

2025年終盤~2026年初頭にかけ、アメリカを中心とした暗号資産関係の動向の変化が大きな原因のひとつとされる価格の大幅高騰を受け、再び注目が集まった暗号資産です。

本記事では、モネロ(XMR)の特徴や将来性、注意点などを幅広く解説していきます。

なお、モネロ(XMR)は現在日本国内での取扱いがなく、本記事は同通貨の取引や購入、海外取引所の利用を推奨するものではありません。

モネロ(XMR)とは

モネロ(XMR)とは

モネロ(XMR)とは、匿名性の高い暗号資産・アルトコインで、代表的な匿名通貨のひとつです。

匿名通貨とは、暗号資産のなかでも特に匿名性・プライバシー性の高いものを指し、モネロ(XMR)のほかにはZcash(ジーキャッシュ・ZEC)やDash(ダッシュ・DASH)などが挙げられます。

モネロ(XMR)を代表とした匿名通貨は、一般的にビットコインやイーサリアムと異なり、取引の詳細内容や相手などが見えにくいような仕組みとなっていることが多いです。

モネロ(XMR)の特徴

モネロ(XMR)の特徴

匿名通貨として名高いモネロ(XMR)の代表的な特徴を紹介します。

高い匿名性を持ち匿名通貨とも呼ばれる

先述の通り、モネロ(XMR)は高い匿名性から「匿名通貨」とよばれる暗号資産・アルトコインのカテゴリに属しています。

匿名通貨はその高い匿名性から身代金要求型のマルウェアであるランサムウェアによる支払いなどに使われてしまう一方、検閲への対策としても活用できる暗号資産としても注目されています。

ステルスアドレスやリング署名などの匿名化技術を採用している

モネロはすべての取引がデフォルトで匿名性を持っています。

ステルスアドレスやリング署名、RingCTという3つの技術により、取引の送信者・受信者・金額が秘匿されています。

そのため、モネロ(XMR)の取引は追跡が極めて困難とされ、送受信の履歴が第三者から見えにくい設計です。

ビットコインとは異なるPoWを採用している

モネロのコンセンサスアルゴリズムはPoWですが、PoWで代表的なビットコインとは異なるマイニングアルゴリズムを採用しています。

モネロは誰もがマイニングできること、平等なマイニング機会を維持することを理念として掲げています。RandomXというマイニングアルゴリズムを採用しており、GPUよりもCPUでの採掘効率が高いとされています。そのため、ビットコインなどのマイニングに用いられるASIC(特定の計算に特化した専用機器)に対する耐性があり、私たちの持つスマートフォンやPCでのマイニングが可能です。

反対に、ビットコインはSHA-256d(Double SHA-256)というコンセンサスアルゴリズムを採用しており、これに対応した専用機器のASICが多数登場しています。

そのため、マイナーの分散性に関してはビットコインよりもモネロに優位性があるといえるでしょう。

モネロ(XMR)の将来性

モネロ(XMR)の将来性

モネロ(XMR)は高い匿名性を持つことが強みの暗号資産であるため、将来性を考える際にポジティブな面とネガティブな面が極端になりがちです。モネロ(XMR)の将来性を紹介します。

国による規制の可能性がある

モネロ(XMR)は高い匿名性から、資金洗浄などを危惧して規制に乗り出す国が多く存在します。後述しますが、日本でもアンチマネーロンダリング(AML)の観点から、暗号資産交換業者に関連する制度が整備された段階でモネロ(XMR)を取引できる国内暗号資産取引所は消滅しました。

しかし、各国が規制に動くことは、モネロの匿名性の高さを示しているともいえ、高いプライバシー性が求められる場面では注目される可能性があります。

制裁下や通貨危機下で活用される可能性がある

経済制裁や通貨危機といった有事の局面で、資産を保全する手段のひとつとして活用が見込まれるケースがあります。

実際、2025年末~2026年初頭にかけ、アメリカの規制強化下で高い匿名性が評価されたとされ、価格が急騰したケースがあります。

なんらかの政治的・経済的な危機が発生した場合、暗号資産を用いて資産防衛を行うにしても、ビットコイン(BTC)などは取引履歴が公開されているため、専門的な知識がなければ、第三者から取引を追跡されやすいといえます。

一方で、モネロ(XMR)は追跡が難しいため、プライバシーを保ちやすいといえます。また、コンセンサスアルゴリズム的にビットコインよりも省エネルギー的であるため、国際情勢が悪化しても電力的な問題でモネロのセキュリティが大幅に下がることは考えにくいといえます。

プライバシーを優先したいユーザーから注目される可能性がある

現状、暗号資産取引において、高いプライバシー性を重視したいというユーザーの声は多数を占めているわけでは無いでしょう。

しかし、上記のような何らかの危機下などにおいては、プライバシー性を重視するユーザーが増加し、結果としてモネロ(XMR)が注目される可能性もあるといえます。

モネロ(XMR)の注意点

モネロ(XMR)の注意点

モネロ(XMR)は高い匿名性から注目されている暗号資産ですが、その高いプライバシー性に起因する注意点が存在します。

日本国内の暗号資産取引所では購入できない

モネロ(XMR)は日本国内の暗号資産取引所で購入することができません。

先述の通り、暗号資産交換業者の制度が制定されたタイミングで、アンチマネーロンダリング(AML)の観点から、国内での取り扱いが廃止されました。

Coincheckでも、2018年5月にモネロ(XMR)の取り扱い廃止が発表され、同年6月に廃止されています。

参考:仮想通貨 Watch「コインチェックがモネロ(XMR)の取り扱いを廃止」

また、この規制動向は日本国内に留まりません。近年では、国際的なAML/CFT基準の厳格化に伴い、海外の大手暗号資産取引所(BinanceやOKXなど)においても、モネロをはじめとする匿名通貨の取扱終了(上場廃止)や欧州等の一部地域での取引制限に踏み切る事例が相次いでいます。

参考:Binance公式サポート

51%攻撃を仕掛けられたことがある

2025年8月、Qubicというブロックチェーンプロジェクトが、モネロに対し51%攻撃を行ったと主張しています。実際に51%攻撃が成功したかは定かではないという意見も存在しますが、少なくとも30%前後のハッシュパワーは独占されていたようです。そのため、51%攻撃ではない「セルフィッシュマイニング」という異なる攻撃手法が取られたとする意見もあります。

また、Qubicはモネロのブロックチェーンの破壊を狙って51%攻撃を仕掛けたわけではないようで、この事件後もモネロは安定的に稼働しています。

モネロに限らず、51%攻撃のような行為が行われる際は、ブロックチェーンコミュニティやエンジニアによるイデオロギー的なものが大きく、ブロックチェーンから大きく資金が流出することは稀です。攻撃を受けたブロックチェーンに熱心な開発コミュニティが残っていれば、反対に攻撃に対する対策が議論・実装されることもあるため、モネロの場合は必ずしもネガティブになりすぎる必要はないかもしれません。

参考:CRYPTO TIMES「モネロ、51%攻撃で暴落|事実上の乗っ取り状態へ」

ダークマーケットでも活用される

モネロ(XMR)は、インターネット上の犯罪行為における決済手段として使われる側面も存在します。

金融庁の資料では、ダークウェブ上の決済手段で匿名通貨であるモネロ(XMR)とダッシュ(DASH)が使われているとの調査結果が掲載されています。

このように、送信者や金額が完全に秘匿されるモネロ(XMR)の仕組みは、国際的なマネーロンダリング・テロ資金供与対策(AML/CFT)の観点から非常に大きなリスクとみなされています。

規制当局や捜査機関による不正取引の追跡が極めて困難であるため、プライバシーコイン一般が犯罪組織に悪用されやすいという本質的な課題を抱えています。

出典:金融庁「ブロックチェーンを用いた金融取引のプライバシー保護と追跡可能性に関する調査研究」
引用:金融庁公式サイト

Coinhive事件とは

Coinhive事件とは

モネロを巡った国内の大きな事件として、「Coinhive事件」が挙げられます。

Coinhive事件とは、Webページに訪れたユーザーの端末を用いてモネロ(XMR)のマイニングを行う「Coinhive」を設置したことが不正指令電磁的記録保管罪に問われるとして起訴された事件です。

この事件は2018年ごろ周知され、一審無罪、二審有罪となるものの、最終的に最高裁まで争う形となり、2022年1月に最高裁で無罪を獲得しています。

Coinhive事件を巡っては、そもそもWebサイトで表示される広告や、特に動画広告などの動作はCoinhiveよりも悪質ではないかといった意見も多く散見され、検挙を行った警察などへの批判も見られました。

モネロ(XMR)はどこで買えるか

モネロ(XMR)はどこで買えるか

モネロ(XMR)は、2026年5月時点では日本国内の暗号資産取引所で購入することができません。先述の通り、アンチマネーロンダリング(AML)の観点から、国内での取り扱いが廃止されたためです。

海外の暗号資産取引所では取り扱いがある場合もありますが、海外取引所の利用には、国内の法規制や各取引所の利用規約、税務上の取り扱いなどに注意が必要です。匿名性の高い暗号資産は各国で規制の対象となることもあるため、最新の制度や取り扱い状況を確認することが大切です。

まとめ|モネロ(XMR)について

モネロ(XMR)は高い匿名性をもつ暗号資産であり、匿名通貨の代表的なコインです。

高いプライバシー性を持つ一方で、マネーロンダリング等の不正利用リスクや、各国政府・主要取引所による規制・取扱終了の動向など、投資家として留意すべき厳格なリスクが存在します。

日本国内からは購入できず、今後の国際的な規制強化の流れも含め、その動向には慎重な見極めが必要です。