ビットコインと金・銀の相関性とは?連動しないと言われる理由と見方も解説

ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)は、円やドルなどの法定通貨とは異なり、現物の紙幣が無い点が特徴です。

ですが、実はこのビットコインには実物資産の「金」と様々な共通点があり、「デジタルゴールド」とも呼ばれていることをご存知でしょうか?また、現物資産との連動性という観点では、銀との関係も気になるところです。

この記事では、ビットコインと金、銀の類似点や違い、価格の連動性について解説していきます。

ビットコイン(BTC)と金の相関性が語られる理由

ビットコイン(BTC)と金の相関性が語られる理由

ビットコインと金は、いくつかの共通する性質から、値動きにも相関があるのではないかと言われることがあります。ただし、両者の相関性は常に高いわけではありません。

特定の政治状況や経済環境によって、一時的に似た値動きを見せる局面がある一方で、明確な相関が見られない期間も存在します。そのため、どのような場面で相関的な動きをするかを整理しておくことが重要です。

政治・財務不安で同じ値動きをすることがある

ビットコインと金は、政治不安や金融市場の混乱などの限られた局面で、似た値動きを見せることがあると言われています。

たとえば、2020年のコロナ危機では、経済の先行き不安が高まったことや、各国による金融緩和策の実施を背景に、市場全体の流動性が拡大しました。この局面では、各国の経済との関連性が薄いと言われる金とビットコインに資金が向かったとする見方もなされています。

また、必ずしも同時に動くとは限らず、一方がやや遅れて同様の方向へ動くケースが指摘されることもあります。

相関性自体は無いもしくは微弱と考えられている

長期的には、金とビットコインに「相関性自体は無いもしくは微弱」と考えられています。

これは、いずれの資産も国家が直接発行していないという共通点がある一方で、市場における位置付けや参加者層などが異なるためと考えられています。

避難資産(セーフヘブン)かリスク資産的かの差

ビットコインと金の逆相関が観測される局面の例として、株式市場の大幅な下落局面が挙げられます。

ビットコインはボラティリティが大きく、「リスク資産」と捉えられる側面があります。そのため、株式市場が大きく調整する局面では、株式と同様に売りが優勢になるケースがあるのです。

こういった場面では、金はリスク資産とは逆の立ち位置である「避難資産(セーフヘブン)」と捉えられることが多く、買いが入りやすくなることがあると言われます。

このように、ビットコインと金は避難資産(セーフヘブン)かリスク資産的かの差によって逆相関のような動きを見せることもあります。

金との相関性の前提知識「無国籍アセット」とは

金との相関性の前提知識「無国籍アセット」とは

「無国籍アセット」とは、特定の国家の信用に直接依存しないとされる資産のことです。たとえば、円は日本という国家の信用を背景に市場で地位を築いているといえます。しかし、金は特定の国家が価値を保証しているわけではありません。そのため、金は無国籍アセットの代表格として語られることが多いです。

特定の国や世界経済の先行きに不安が高まる局面では、国家の信用に左右されにくい資産に注目が集まることがあります。こうした性質から、無国籍アセットは資産の分散先のひとつとして認識されています。

ビットコイン(BTC)と銀の関係性

ビットコイン(BTC)と銀の関係性

銀も金と同様に、国家が直接発行している資産ではないという点で無国籍アセット的に語られることがあります。ただし、銀は産業用途での需要が大きいという特徴も持っています。

そのため、景気後退懸念が高まる局面では産業需要の鈍化が意識され、価格が下落する傾向があるとされます。ビットコインも景気動向や市場心理の影響を受ける場面があることから、局面によっては相関や逆相関のように見える動きが生じる可能性があります。

ビットコイン(BTC)と金・銀の共通点

ビットコイン(BTC)と金・銀の共通点

そもそもビットコインは、法定通貨のドルや円などのように、種類が様々ある暗号資産の中のひとつの通貨のことを指しています。

国が発行しているものではない

ビットコインは法定通貨などとは違い、国が発行しているものではありません。ビットコインは中央に管理者がいてコントロールされているものではなく、あらかじめ組み込まれたプログラムによって、参加者全体で分散管理されています。

金や銀も同様に、国が発行しているものではありません。この「国が発行しているものではない」という無国籍アセット的な点が、ビットコインと金や銀の大きな共通点のひとつです。

全体量が決まっている

ビットコインも、金や銀も、その全体量は決まっています。

ビットコインの最大発行枚数は、あらかじめ2100万BTCと決まっており、プログラムに書き込まれています。

また、金の場合もこれまでに掘り出した総量が決まっていて、約15万トンです。まだ採掘されていない金も世界のどこかに眠っている可能性はゼロではありませんが、あまり高くないと言われています。銀も同様に、自然のものである以上、採掘できる上限があります。

どちらにも共通していえるのは、希少性があるということです。そこで、暗号資産も金や銀も購入するには当然お金が必要になりますが、身近なところで法定通貨と置き換えて考えてみましょう。

法定通貨も全体量が決まっており、2025年末時点で日本で流通しているお札を集めると、約121兆円になると言われています。

詳しくはこちら:日本の紙幣の流通量

たとえば、急に国の政策などによって、円の流通量を倍の242兆円にしたとしたら、円の価値は大幅に下落するでしょう。

ビットコインなどの暗号資産や金、銀も、全体量が決まっているからこそ希少価値があるといえるのです。

需要と供給によって価格が変動する

ビットコインや金、銀の価値が変動しないかと言われれば、決してそうではありません。

金や銀の場合は、たとえば原油・米ドル・世界経済情勢などによる様々な影響によって、常に変動を続けています。

ビットコインの場合は、2009年の0.07円程度から2017年には200万円以上と、非常に大きく価値が上昇しました。

その理由のひとつとしては、暗号資産が世の中のお金のシステムを大きく変えうる存在として注目されたからでしょう。

では、暗号資産や金の価値はなぜ変動するのかというと、それは需要と供給のバランスが一一因だといえます。簡単にいうと、それを欲しいと思う人が多くいると価値が上がり、欲しいと思う人が減ると価値が下がるという、市場の原理によって価格が変動することを指します。

実際にビットコインの登場当初は、注目度も低く需要が低かったためにその価値は低く、人々の興味が集まるにつれて徐々に価値も上がっていきました。

長い年月を経ても状態が劣化しない

ビットコインも金や銀も、両者とも状態が劣化しないという共通の特徴もあります。

ビットコインの誕生から15年以上経とうとしていますが、ビットコインはそもそも電子データですので、劣化することはありません。

暗号資産を保有している人の中には、いま紹介した共通点から着想を得て、ビットコインを「仮想の金 = デジタルゴールド」と捉えている人もいるようです。

ビットコイン(BTC)と金・銀の違いとは

ビットコイン(BTC)と金・銀の違いとは

ここでは、ビットコインと金や銀の相違点を解説します。

支払いの可否

金は基本的に資産を安全に保有するためのものですが、ビットコインは支払いのためにも使用できます。

日常生活で、現金ではなくクレジットカードや電子マネーなど、キャッシュレスで支払いをしているという方も多いのではないでしょうか。

現在、日本でビットコインなどの暗号資産で支払いができる場所はあまり多くはありませんが、徐々に増えていることも事実です。この流れが加速すると、暗号資産は、クレジットカードや電子マネーのように実用的なものになるかもしれません。

税金の扱い

ビットコインと金や銀では、利益が出た場合の税金の扱いが異なります。

まず、ビットコインなどの暗号資産は、購入して保有しているだけであれば、基本的に課税されません。ただし、売却や決済などによって利益が確定した場合、その利益は「雑所得」として扱われます。

一方、金や銀の売却益は、「譲渡所得」として扱われます。売却価格がそのまま譲渡所得になるわけではなく、取得費や特別控除、所有期間などを踏まえて譲渡所得が計算されます。

最終的な税額は、本人が給与所得者かどうかなどの条件で異なります。税金等の詳細については、管轄の税務署や税理士等にお訊ねいただくか、または国税庁タックスアンサーをご参照ください。

歴史の長さ

ビットコインは、2008年にSatoshi Nakamotoと呼ばれる人物によって考案されました。名前だけを見ると日本人かと思われますが、実態はベールに包まれています。

現在では数多くの暗号資産が存在していて、ビットコインは最初に誕生した暗号資産です。

ビットコインのはじまりを2008年と考えた場合、2026年時点でもまだ18年しか歴史がなく、まだまだ発展途上です。そのため、価値も変動しやすく、投資対象としても話題となっています。

それに対して金は、紀元前3100年頃よりエジプトで価値のあるものとして使用され、その価値はいまだに世界で認められています。

ビットコイン(BTC)と金についてのまとめ

ビットコイン(BTC)と金についてのまとめ

ビットコインは、実在する金や銀と相反する存在でありながら、類似点も多くあることがわかります。

相関性についても、特定の経済環境や市場心理の変化によって似た値動きが観測される局面はあるものの、長期的に強い相関があるとは必ずしもいえないとされています。また、局面によっては逆方向に動くこともあります。

一部では、市場が不安定化した初期段階ではビットコインが相対的に強く反応し、その後、より伝統的な避難資産とされる金へ資金が移動する場面があるとの見方もあります。

こうした動きの背景には、取引のしやすさや市場規模の違いなど、両者の市場構造の差が影響している可能性も指摘されています。

このように、両者は単純に「連動する」「しない」と断定できる関係ではありません。それぞれの特徴や税制上の扱いなども踏まえながら、資産としての性質を理解しておくことが重要です。