2026年2月のイスラエル・米国のイラン介入や、2022年のロシアのウクライナ侵攻、また予期される中国の台湾進攻による危機感などにより、金融市場は大荒れといえる状況です。
このような世界情勢の緊張に加え、インフレ等の金融市場の急落や急変により、資産防衛という言葉が注目されることが多いです。
本記事では、資産防衛についての解説と、資産防衛にビットコインが使えるかについて解説します。
目次
資産防衛とは
資産防衛とは、世界情勢の緊張や通貨危機、金融市場の急変動が発生している、または発生が予想される局面で、自身の持つ資産の価値を守るための行動です。
私たちは普通に生活していると、給与所得や金融所得などを得て生活しています。日本に在住している場合、一般的には日本円で各所得を得て、貯金をしていきます。
つまり、平時での生活では、特定の通貨や、値動きが似たような資産を集中して保有しています。
しかし、有事になった場合や金融危機が発生した場合では、資産の価格が急落することが多く発生するため、金融市場から見て「安全」と判断される資産に交換する動きが金融市場では一般的になります。
資産防衛はどのような場面で必要なのか
資産の価格の急変動が発生する際に行う資産防衛ですが、実際にどのような場面で必要になるのでしょうか。
この章では、資産防衛が必要になる場面を紹介します。
預金封鎖
国が債務超過に陥り、財政破綻やハイパーインフレが発生した際、国や中央銀行は預金封鎖という行動をとることがあります。
預金封鎖とは、銀行が預金を引き出せなくすることです。第二次世界大戦後の日本でも預金封鎖的な動きが取られたことがあります。戦後日本の場合は預金封鎖と同時に通貨を切り替える「新円切替」を行ったことがあり、当時を知る高齢者の間では「円が紙くずになった」と表現している人もいます。
預金封鎖が起きるシチュエーションでは、基本的に封鎖された預金の価値は、インフレにより日を追うごとに下落していくため、資産防衛が必要になります。
通貨切り替え
前項で触れた通貨切り替えは、通貨切り替えが発生したタイミングで旧紙幣の価値が通用しなくなり、今まで貯めた法定通貨の価値がほぼゼロになります。
戦後日本で行われた通貨切り替えでは、旧紙幣から新紙幣の切り替えに、一人あたりの金額制限が設けられていました。
通貨危機
通貨危機とは、何らかの事情により特定の国の通貨の価格が下落することです。1990年代後半のアジア通貨危機や2000年代のジンバブエドルの急落、第1次世界大戦後のドイツの通貨危機などが挙げられます。
ジンバブエやドイツの例は通貨危機が極端であり、札束があってもパン一斤が購入できるかどうかといった状況になりました。
つまり、通貨危機下では現物資産の価値が相対的に上昇しやすくなります。
大規模な国際紛争
大規模な国際紛争が発生すると、それにあわせて国際金融市場が同時安になることが一般的です。
基本的に先進国は政治的なイデオロギーの違いによる対立こそあれ、平時にはある程度国境を越えた商取引が行われています。しかし、大規模な国際紛争が勃発すると、経済制裁や戦火による商取引の停止などにより、瞬間的に経済の動きが大幅に鈍化します。
そのため、金融市場に結び付いた株などの価格が急落する傾向にあります。
資産防衛はインフレ下で重要視される
資産防衛は、先ほど紹介したようなわかりやすい危機だけでなく、慢性的なインフレ下でも重要視されます。
例えば、日本円で年に5%のインフレが発生している場合では、日本円の価値が年に5%下落しているということになります。
そのため、インフレ下ではインフレの影響を受けない資産を活用することで、資産防衛を行うことが可能です。
これまで取られていた資産防衛の手段と安全資産
これまで、様々な世界情勢の変化や通貨危機、インフレなどにより資産防衛が行われてきましたが、実際にどのような資産を活用して資産防衛を行ってきたのでしょうか。
資産防衛に使われてきた、インフレや価格変動に強い「安全資産」と呼ばれる資産クラスと、有効な場面を解説します。
ゴールド・金
ゴールド・金は有史以来、人類が広く変わらない価値として信仰している物質です。
金は物質的な安定性が高く時間がたっても輝きと美観を維持することができ、希少性も高いことから、歴史的に人々から価値を感じられてきました。工業化以降の時代では、金の物質的特性による需要もあります。
資産としてゴールドを見た場合では、実質的な物価等を考慮した場合、価値が不変的だと表現されることが一般的です。物価ベースで考えた際、金の価格は長期的には上昇も下落もしないとされることが多いです。
基軸通貨(現在では米ドル)
国際貿易や金融取引で世界中で価値が認められる、信用力が最も強い通貨のことを基軸通貨といいます。現在では米ドル(アメリカ・ドル)が基軸通貨ですが、第二次世界大戦前はポンド・スターリング(イギリス・ポンド)、大航海時代には金貨や銀貨のスペイン・ペソが基軸通貨でした。
基軸通貨は国際的な商取引で使われるため、シーレーンがある程度安全になっている必要があるといえます。そのため、基軸通貨の価値は、基本的に経済力だけでなく軍事力に大きく依存しているといえるでしょう。
現在は米中の対立や、ロシアと欧州の対立など国際情勢が不安定化しており、特に米中間の争いにより、世界の覇権が入れ替わる可能性もある状況です。
そのため、基軸通貨が入れ替わるタイミングだと予想するエコノミストが多く、実際に米ドルはユーロやゴールドなどと比較して安くなっている傾向があるといえるでしょう。つまり、大きな国際情勢の変化が起きる最中は、基軸通貨というものが存在しなくなるため、資産防衛には適さない可能性もあります。
先進国(特に米国)の国債
国債とは国家が発行する債券であり、先進国の国債はその国力に依存して価値が維持される傾向にあります。
基本的に先進国は国が経済力や生産力を持っているため、国自体が破綻することは稀です。
国債は利息収入も発生し、概ねインフレ率以上の利息となることが多いため、安全資産といわれ、資産防衛に適しているといえるでしょう。
スイスフラン
国際金融市場では、スイスフランは安全資産だといわれています。永世中立国を掲げるスイスは地政学的・財政的に安定しているといわれており、プライベートバンクなども集中しています。
これまで、世界経済が荒れた際は資産をスイスフランに交換する動きが活発化し、有事の際に注目される通貨の一つです。
過去には日本円もスイスフランと同様、有事の際の避難先に該当していましたが、2020年頃よりプライマリーバランスの悪化や、中国との地政学的リスクなどが危険視され、「有事の円買い」は発生しにくくなっています。
ビットコイン(暗号資産)を資産防衛で使う際の注意点やリスク
資産防衛手段として注目されつつあるビットコインや暗号資産ですが、注意点やリスクももちろん存在します。
また、ビットコインをはじめとした暗号資産は登場してからの歴史が短いため、世界的な危機ではどのような動きをするか、全く予想がつきにくいとも言えます。
そのため、資産防衛を行う際はビットコイン・暗号資産だけに頼らず、総合的に判断して複数のポートフォリオを組むべきです。
ビットコイン・暗号資産をもちいた資産防衛の注意点やリスクを紹介します。
価格変動が大きく時価総額は小さめ
ビットコインをはじめとした暗号資産は、ゴールドや米ドル・日本円などの法定通貨などのほかの資産クラスと比較すると時価総額が小さく、価格変動が大きいです。
そのため、資産防衛として長期間ビットコイン・暗号資産を保有していると、売却したいタイミングで価格が下落している可能性もあるでしょう。
出口がある保証はない
暗号資産はシェアを拡大しているものの、まだ実店舗などで使うことは一般的ではありません。また、有事の際などに暗号資産を法定通貨や現物資産に交換可能な信頼できる業者が存在するという確証も得られないため、暗号資産を使うための「出口」がある保証はできないのが現実です。
紛失・ハッキングのリスク
暗号資産を保管する場合、紛失やハッキングのリスクは常に付きまといます。
通貨危機や財政危機などの場面ではあまり想定できませんが、国際紛争などの場面ではハッキングが多発します。利用している暗号資産取引所やその他サービスだけでなく、幅広いインターネット回線も攻撃される可能性があることは注視しなければなりません。
ビットコイン(暗号資産)で資産防衛を図る際のポイント
ビットコインや暗号資産を用いた資産防衛を行う際のリスクや注意点を踏まえた上で、実際に行うときのポイントを紹介します。
厳重なウォレットの管理
ハッキングやインターネット回線の脆弱化を懸念したうえで、自身でウォレット管理を行いましょう。緊迫した状況下では、ウォレットは特定の事業者等が管理しているものではなく、自身で管理できるものを選択することが良いです。
自分の考えうる最悪の状況を考慮し、その状況でも対応できるウォレット運用方法を構築していくことが資産防衛につながります。
ほかの資産クラスも活用する
資産防衛ではビットコインや暗号資産のみに頼らず、ほかの資産クラスも活用しましょう。暗号資産は価値の移転という側面においては非常に優れた性質を持ちますが、高い安定性を狙う場合は、ほかの手段が適しているからです。
幅広いポートフォリオを組むことで、リスクを分散することにつながります。
持ち出し先についても考慮する
有事の際の資産防衛としてビットコインや暗号資産を選択した場合、持ち出し先でどう扱うかも考えておく必要があります。
先述の通り、ビットコインや暗号資産はまだ店舗決済などでは使用しにくいため、暗号資産のみを持って生活することは困難だといえるでしょう。
ビットコイン(暗号資産)はCoincheckでかんたんに購入できる
今回、資産防衛と関連して解説したビットコインは、Coincheckでかんたんに購入することができます。
Coincheckでは、ビットコインをはじめとした暗号資産を500円相当から購入することができ、ビットコインや暗号資産の性質を知りたい・試してみたいという方にもおすすめです。
これまで暗号資産を取引したことがない方や、初めて投資を行う方でもかんたんに操作できるスマホアプリを用意しています。
つみたてサービスを使えばボラティリティを抑えられる
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ビットコインでの資産防衛まとめ
国際情勢や金融市場の緊張が高まる中、資産防衛の手段としてビットコインが注目されつつあります。
ビットコインをはじめとした暗号資産は登場してまだ日が浅いため、実際に資産防衛として使うには、本記事で紹介したような知識が必要になるでしょう。
資産防衛が必要になる場面には遭遇したくないですが、万が一に備えることも重要です。実際に資産防衛としてビットコインや暗号資産を使わなくとも、知識として覚えておいても良いのではないでしょうか。