ビットコイン関連のニュースが流れることが多くなり、興味を持つ人も増えています。しかし、興味はあるものの、どのようなものかよくわからないという人も多いでしょう。
実態のない通貨にどんな価値があるのかも気になるところです。そこで、ビットコイン(BTC)の価値について解説します。
そもそもビットコイン(Bitcoin/BTC)って一体?
ビットコインの価値を理解するにあたっては、ビットコイン(BTC)とはどのようなものなのかを理解しておくことが大切です。
ビットコイン(BTC)は、数ある仮想通貨(暗号資産)のなかでも最初に世の中に登場しました。そのため、暗号資産の元祖です。
デジタルデータ
ビットコイン(BTC)に代表される暗号資産は、インターネット上だけで使用できるという特徴があります。
日本円やドルなどの法定通貨のように、紙幣や硬貨といった実物は存在せず、デジタルデータです。そのため、デジタル通貨と呼ばれることもあります。
取引履歴が公開されている
また、ビットコイン(BTC)は、どのアドレスでどのような取引が行われたかについて、誰でもネット上で確認できることも特徴です。アドレスとは、ネット上の口座番号のようなものだと理解すればよいでしょう。
しかし、アドレスだけみても、誰が行った取引かまでは特定できない仕組みになっています。高度な暗号技術が使われていることもあり、日本以外では暗号通貨や暗号資産と呼ぶのが一般的です。
詳しくはこちら:ビットコイン(Bitcoin/BTC)とは何か?初心者にも分かりやすく解説
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暗号資産と法定通貨は何が違うのか?
ビットコイン(BTC)などの暗号資産の特徴を理解する場合、円やドルなどの法定通貨との違いを知ることが有効です。主な違いには例えば下記が挙げられます。
1. 実物の有無
1つ目は、紙幣や硬貨などの実物があるかどうかです。
法定通貨は、紙幣や硬貨が発行されるのに対し、暗号資産では紙幣や硬貨は発行されないという違いがあります。暗号資産は、現実の世界で現物をやりとりして交換することはできず、ネット上で取引することになります。
2. 取引される場所
2つ目は、取引される場所の違いです。
法定通貨の主な取引場所は、銀行や証券会社になります。一方、暗号資産の主な取引場所は、暗号資産交換業者が開設している取引所と呼ばれるが一般的です。
3. 価値の保証の仕組み
3つ目は、誰が価値を保証しているかの違いです。
法定通貨は、通貨を発行している国家や一定地域内での流通を法律で強制しています。いわば国などの中央管理者がその価値を保証している状態です。
暗号資産は、通貨の価値を信じている人がいることによって、その価値が保証されています。ビットコイン(BTC)の価値は、取引市場に参加している人の需要と供給によって決まる仕組みです。
詳しくはこちら:暗号資産とは何か?初心者にもわかりやすく解説
ビットコイン(Bitcoin/BTC)ってどんな仕組み?
ビットコイン(BTC)の通貨システムを支えている主な技術は、ブロックチェーン技術です。
ビットコイン(BTC)の取引は、一定の間隔で生成されるブロックと呼ばれるものに格納されます。ブロックに書き込まれた取引履歴は、マイニングと呼ばれる作業によって取引検証が行われる仕組みです。
マイニング
マイニングには、誰でも参加できます。多くの参加者が取引検証行為を行い、いち早く検証を終えた人が報酬としてビットコイン(BTC)を受け取れるのです。
ただし現在ではビットコイン(BTC)の取引検証は、膨大な計算を行わないとできないため、高い計算能力を持つマシンを大量に投入する必要があります。
取引検証における計算競争とは、正解を得るために必要となるノンスと呼ばれる値を探す競争です。ある値を入力すると、ランダムな値を出力するハッシュ関数を使用します。
ハッシュ
ハッシュとは、バラバラに砕くという意味です。ポテトを砕いて揚げたハッシュポテトのハッシュと同じ意味になります。
ハッシュ関数から出力される値から、入力するノンスを推定することはできない仕組みです。そのため、正解となるハッシュ値を得るためには、さまざまなノンスの値を総当り的に何度も入力して試すことになります。
結果的に、計算能力が高いマシンを使っている人が、計算競争に勝つ確率が高くなるのがマイニングの特徴です。
マイニングによって検証されたブロックは、ビットコインシステムに参加している人によって承認されます。取引検証の結果が正しいかどうかは、簡単にわかる仕組みです。
正解となるハッシュ値は、先頭にゼロがたくさん並びます。承認を行う人は、正解だとされたノンスをハッシュ関数に入れてみて、多くのゼロが最初に並ぶハッシュ値が出力されることで正解だと確認するのです。
詳しくはこちら:ビットコイン(BTC)のマイニングとは?仕組みとやり方は?
ブロックチェーン
承認されたブロックは、1つ前のブロックにつなげられます。こうしてブロックは時系列にチェーン状に伸びていくのです。これがブロックチェーンです。
ビットコイン(BTC)は、多くの不特定多数の人がビットコイン(BTC)という報酬獲得を目指してマイニングを行い、それをシステム参加者が承認してブロックチェーンが伸びていくことで成立しています。
詳しくはこちら:ブロックチェーンとは?基礎知識やメリット・デメリットをわかりやすく解説
ビットコイン(Bitcoin/BTC)に価値がつくのはどうして?
暗号資産は、法定通貨のような紙幣や硬貨がないにもかかわらず価値が認められ、市場で価格が付き取引されています。
暗号資産に価値がある理由を理解する場合、法定通貨と比較して認識する方法が有効です。
法定通貨の価値
法定通貨の価値が認められる主な理由は、例えば以下の2つが挙げられます。
1つは、金や銀などと交換できる兌換通貨であれば、交換対象となる金や銀などの価値が裏付けです。もう1つは、発行している管理者への信頼です。
金や銀などと交換できない不換通貨の場合、通貨発行を司る国などに対する信用が通貨価値の裏付けとなります。
暗号資産の価値
一方、暗号資産の価値が認められる理由は、通貨として役に立つからです。暗号資産の価値は、数学に基づく特徴などが裏付けになります。
電子データである暗号資産の優位性は、紙幣のような損傷が起こることがなく、送金や小さな単位への分割も簡単に行えることなどです。
また、ビットコイン(BTC)の場合は、総発行量に上限が設けられていることにより、インフレで価値が目減りするリスクが小さいことも、価値の理由としてあげられます。
ビットコイン(BTC)の普及
さらに、認知度が上がることによる需要の増加も、通貨価値上昇を後押しする状況です。
ビットコイン(BTC)の価値につながる特性を理解するにあたっては、信頼性向上と認知度向上による普及がポイントになります。
ビットコイン(BTC)の場合、利用者や暗号資産交換業者、ビットコイン支払いを受け入れる新興業者などの増加によって、信頼性の向上と認知度向上を図ることが可能です。
ビットコイン(BTC)を取引や支払手段などとして利用する人や、ビットコイン支払いを受け入れる業者などが増えることも、通貨価値向上につながります。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)を利用するメリット
ビットコイン(BTC)の価値を認めて利用する主なメリットには、例えば下記が挙げられます。
1. 稀少性がある
1つ目は、発行量上限が2100万BTC(ビーティーシィー、通貨単位)に設定されているため、稀少性があるということです。
採掘可能量に制限がある金などと同じように、希少性が認められると考えられています。
2. 簡単に法定通貨と交換可能
2つ目は、取引所で売買することで、簡単に法定通貨との交換ができることです。
法定通貨との双方向のやりとりができることで流動性が高まります。
3. 国際送金コストがやすくなる
3つ目は、国際送金コストが安くなることです。
手数料が割高になる法定通貨の国際送金を使わなくても、ビットコイン(BTC)で送金すれば、ネット上には国境がないため安い手数料で送金できます。
4. 決済手段として利用できる
4つ目は、決済手段として利用できることです。
ビットコイン(BTC)は、法定通貨と同じように、物やサービスを購入する場合の支払手段としても利用できます。
5. 投資対象になる
5つ目は、投資対象になることです。
ビットコイン価格は需要と供給の変化により変動するため、売買によって利益が得られます。
6. 自国通貨が暴落した際の逃避先
6つ目は、自国通貨が暴落した際などに、資産の逃避先として利用できることです。
以前キプロスなどで発生した通貨危機では、実際に自国通貨からビットコイン(BTC)に資産を移動する動きが見られました。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)を利用するデメリット
ビットコイン(BTC)の価値を理解するにあたっては、デメリットを認識しておくことも大切です。主なデメリットには、例えば下記が挙げられます。
1. 認知度が高くない
1つ目は、認知度が高くないことです。
2017年には、ビットコインの高騰に関する報道や、ビットコイン支払いに対応した大手量販店の宣伝などが行われました。その結果、日本では、暗号資産やビットコイン(BTC)という名称に対する認知度は高くなったといわれています。
しかし、多くの人は、ビットコイン(BTC)に関して詳しくは知らないという状況です。また、ビットコイン(BTC)の存在を認知していない人もまだまだいます。
広く認知されて実際に使う人が増えれば増えるほど、その価値が上がるのが通貨の特徴です。通貨価値の観点からは、ビットコイン(BTC)の認知度が十分上がっていないことがデメリットだといえます。
2. システムが発展途上
2つ目のデメリットは、ビットコイン(BTC)の通貨システムにはまだ改善の余地があり、発展途上のものであることです。
たとえば、取引データの増加に伴う処理の遅れというスケーラビリティ問題は、ビットコインシステムが稼働してから何年も経過してから問題視され、解決策がとられつつあります。
今後も、実際に通貨システムとして稼働することで、新たな機能面での問題点が発見される可能性もあるでしょう。機能が完全ではないことは、通貨価値の点においてはマイナスに働く要因です。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)が信用される理由
ビットコイン(BTC)が信用される主な理由には、例えば下記が挙げられます。
1. 国家や中央銀行の管理下にない
1つ目は、国家や中央銀行の管理下になく、その影響を受けないことです。
ビットコイン(BTC)は、不特定多数の人が自由にブロックチェーン技術に基づく通貨システムに参加しており、中央に管理者が存在しない特徴があります。
そのため金融政策の影響を受けず、独立した存在であることが信用される理由の一つです。
2. 通貨発行量の上限が定められている
2つ目は、通貨発行量の上限が定められていることです。
上限が設定されていることで、過度な通貨発行が抑えられます。また、新規発行ペースもブロック生成スピードに従うため、恣意的に変更できないことも特徴です。
大量の通貨発行による物価上昇や、通貨価値棄損が生じるリスクがないことなどが、信用につながっています。
3. 取引の改ざんができない
3つ目は、取引の改ざんができないことです。
ブロックチェーン上の取引履歴を書き換えることは、技術的に不可能だとされています。この点も、ビットコイン(BTC)の信用向上の理由の1つです。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)には価値がないと考える人も
一方で、ビットコイン(BTC)には価値がないと考える人も存在します。その主な根拠としては、例えば3つあげられます。
1. 送金手数料の高騰
1つ目は、送金手数料の高騰があることです。
価格が高騰すると、ビットコイン(BTC)の送金手数料が割高になってしまうことがあります。その矛盾が、ビットコインの価値減少につながると考えているのです。
2. 他の暗号資産の方が優れている
2つ目は、ビットコイン(BTC)よりも優れた暗号資産がほかにもあることです。
例えばビットコイン(BTC)にはない機能を備えたコインや、送金スピードが速いコインがあり、ビットコイン(BTC)の優位性を疑う根拠としてあげられます。
3. ビットコイン(BTC)そのものが価値を生まない
3つ目は、ビットコイン(BTC)そのものが価値を生まないことです。
例えば賃貸マンションへの投資や、株式などの有価証券への投資は、賃貸収入や配当などのインカムゲインを生みます。
一方、ビットコイン(BTC)は保有していても利息などを生まない通貨です。この点をもって、ビットコイン(BTC)に価値がないとする考え方もあります。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)に将来性はある?
ビットコイン(BTC)の将来性に関しては、例えば下記の3つの点に注目して考えてみるのも良いでしょう。
1. セキュリティ
1つ目は、セキュリティです。
ブロックチェーンに書き込まれた取引履歴が改ざんされるような事態になると、通貨価値は下落します。
しかし、過去に1度もビットコイン(BTC)のシステムはハッキングされた事例がなく、システムもダウンしたことがない点は、認識しておく必要があるでしょう。
2. アップグレードの余地
2つ目は、アップグレードの余地です。
新技術が開発されてビットコインシステムに組み込まれれば、さらに価値は上昇する可能性があります。
これまでにも、Segwitというトランザクション情報の圧縮技術などが導入されています。
3. ビットコインETF
3つ目は、ビットコインETF(エクスチェンジトレーデッドファンド)の上場動向です。
上場が承認されると機関投資家の資金が流入し、需要が増加すると見込まれています。需要の増加は、価値の上昇に寄与するでしょう。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)を手に入れるには?
ビットコイン(BTC)を手に入れる主な方法は、4つあります。
1. 暗号資産の取引所に口座を開設
1つ目は、暗号資産の取引所に口座を開設して購入する方法です。初心者でもできる一般的な方法だといえます。
詳しくはこちら:ビットコイン(Bitcoin/BTC)取引の口座開設から購入方法を解説
2. 友人と交換
2つ目は、友人・知人などと交換する方法です。ビットコインアドレスを確保して送金してもらえば入手できます。
3. マイニングで稼ぐ
3つ目は、マイニングで稼ぐ方法です。高性能のマシンなどを必要とするため、現在ではかなりハードルは高くなっています。
4. 対価として受け取る
4つ目は、サービス提供や商品販売の対価として受け取る方法です。
支払手段としてビットコイン支払いができる環境を整えることができれば、取得できるようになります。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)は法定通貨のような感覚で利用することもできる
世界中でビットコイン(BTC)を取引できる場所や、ビットコイン(BTC)での支払いを認める店舗が増えています。
ビットコイン(BTC)は、数ある暗号資産のなかでも、法定通貨のような感覚で支払手段として使えることが特徴です。ビットコイン(BTC)は、多くの人が利用するようになることで、通貨価値が高まります。
ビットコイン(BTC)の価値を活かすためには、仕組みを理解するだけでなく、積極的に利用してみるのも良いでしょう。
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