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オンチェーン分析を元にしたCoincheckのレポートを一覧で表示しています。

カテゴリー: Coincheck Prime Onchain Report

本レポートでは、暗号資産デリバティブ市場で存在感を急速に高める分散型取引所(DEX)「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」を取り上げます。 Hyperliquidは、暗号資産にとどまらず、銀・原油・金・米国株・為替などの従来型金融商品まで、期限なく売買できるパーペチュアル先物を、24時間365日グローバルに取引できる金融インフラへと急速に進化しています。 以下では、オンチェーン分析ツール「Dune Analytics」から取得したデータをもとに、Hyperliquidの現状と金融業界への示唆を整理します。 このレポートでわかること 暗号資産DEXが、株・コモディティ・為替まで広がった背景 累計取扱高4兆ドル超など、データが示す利用の厚み 休場なし・少額から参入できる点が、既存金融と比べて意味すること Coincheckの無料登録はこちら 目次 Hyperliquidとはなにか ブロックチェーン上に金融を再構築する 誕生の経緯と思想 HyperCoreとHyperEVMの違い Hyperliquidのトラクション HyperliquidへのBridgeボリューム 取引高の全体像 カテゴリー別・トークン別の取引高 既存の金融からみる可能性 24時間365日のグローバルな取引 アクセシビリティの向上 取扱商品の多様化と予測市場・プライベート市場への拡大 まとめ 免責事項 References Hyperliquidとはなにか Hyperliquid(ハイパーリキッド)は、独自のレイヤー1ブロックチェーン「Hyperliquid L1」上に構築された分散型取引所(DEX)です。中央集権型取引所(CEX)と同等の処理速度を、ブロックチェーンの透明性とノンカストディ(利用者が自分のウォレットで資産を管理する仕組み)環境で実現している点が、最大の特徴です。 【Hyperliquidの基本スペック】 項目 内容 名称 Hyperliquid(ハイパーリキッド) 種別 分散型取引所(DEX)/独自のレイヤー1ブロックチェーン 提供サービス パーペチュアル先物・スポット取引、HyperEVMによるスマートコントラクト ネイティブトークン HYPE(2024年11月リリース) 取扱銘柄数 230銘柄(暗号資産・コモディティ・株式・為替などを含む/2026年4月時点) 取引手数料 テイカー 0.045% / メイカー 0.015%(パーペチュアル先物・基本ティア) ネットワーク手数料 ゼロ(ガス代不要) 取引時間 24時間365日 開発元 Hyperliquid Labs(創業者:Jeff Yan氏) メインネット稼働 2023年 ブロックチェーン上に金融を再構築する Hyperliquidは、パーペチュアル先物(決済期日がなく、ファンディングレートと呼ばれる調整金で価格均衡を保つ仕組みのこと)を中心としたDEXです。独自のレイヤー1ブロックチェーン「Hyperliquid L1」上に構築されており、CEX(中央集権型取引所)に匹敵するスピードと流動性を、ブロックチェーンの透明性を活かしながら、ノンカストディ(利用者が自身のウォレットで資産の秘密鍵を直接管理する形態)環境で提供します。 最大の特徴は、暗号資産にとどまらない幅広い商品ラインナップです。Hyperliquidでは、暗号資産はもちろん、株価指数・個別株・コモディティ・外国為替・さらにはプライベート企業株のパーペチュアル先物まで取引できます。ブロックチェーンが「金融インフラ」として既存市場に並ぶ段階に入りつつあることを示す、象徴的な展開です。 誕生の経緯と思想 Hyperliquidを創業したのは、Jeff Yan(ジェフ・ヤン)氏です。2013年の国際物理オリンピックで金メダルを獲得した物理学の俊才で、ハーバード大学で数学・コンピュータサイエンスを専攻後、高頻度取引(HFT)で知られるクオンツトレーディング会社「Hudson River Trading」でクオンツトレーダーとして経験を積みました。 転機は2022年に起きたFTX(暗号資産取引所)の経営破綻です。FTX破綻によって中央集権型取引所のリスクが露呈する中、Jeff氏は、「本当に分散化された、誰も支配できない取引所を作る」という決意のもと、2023年にHyperliquidのメインネットを立ち上げました。 注目すべきは、そのチーム規模と資金調達方針です。立ち上げ時のチームはわずか11名。VC(ベンチャーキャピタル)からの資金調達を一切断り、Jeff氏が自己資金で開発費用を賄いました。その理由は明確で、「VCが大量のトークンを持つことは、ネットワークに傷(scar on the network)を残すことになる。誰もが公平に使える信頼中立的なプラットフォーム(credibly neutral platform)を作るためには、インサイダーを作ってはいけない」という思想によるものです。 2024年11月にリリースされたネイティブトークン「HYPE」の配布方針にも、この思想が色濃く反映されています。全供給量の31%がこれまでの利用者に直接エアドロップ(無償配布)され、39%が将来のコミュニティ向けに留保。VCや機関投資家への配布はゼロという、業界では極めて異例の配布構造が採用されました。 HyperCoreとHyperEVMの違い Hyperliquidのアーキテクチャは、大きく2つのレイヤーで構成されています。 HyperCore(取引エンジン) HyperCoreは、Hyperliquidの取引エンジンそのものです。オーダーブック形式でパーペチュアル先物を処理します。公式ドキュメントによれば、現在のメインネットは1秒間に約20万件の注文を処理可能で、注文から約定までの往復応答時間は中央値0.2秒とされています。CEXと遜色のない速度をブロックチェーン上で実現している点が、大きな特徴です。ネットワーク手数料(ガス代)はゼロ、取引手数料はパーペチュアル先物の基本ティアでテイカー(注文を消費する側)0.045%・メイカー(注文を供給する側)0.015%で、14日間の累計取引量に応じたティア制により段階的に引き下げられます。 HyperEVM(スマートコントラクト基盤) HyperEVMは、Ethereumと互換性のあるスマートコントラクト実行環境(EVM:Ethereum Virtual Machine)です。HyperCoreの上で動作し、DeFi(分散型金融)プロトコルやdApp(分散型アプリケーション)の開発・デプロイを可能にします。HyperEVMの登場により、Hyperliquidは単なる取引所を超え、独自のエコシステムを持つプラットフォームへと進化しました。 両者の関係を端的に言えば、「HyperCoreが高速道路、HyperEVMがその上に建つ街」です。HyperCore上で高速・低コストの取引が行われる一方、HyperEVMでは多様なDeFiサービスが展開される構造となっています。 Hyperliquidのトラクション 以下では、オンチェーン分析ツール「Dune Analytics」と21Shares Research が Dune Analytics上で公開しているコミュニティデータセットのデータをもとに、Hyperliquidの実際の利用状況を確認します。 HyperliquidへのBridgeボリューム Hyperliquidで取引するには、まず外部のブロックチェーンからHyperliquidへ資金を移す必要があります。 この異なるブロックチェーン間で資産を橋渡しする仕組みをBridgeといい、Hyperliquidへの主な流入経路はArbitrumチェーンからのUSDC(米ドルに連動するステーブルコイン)送金です。HyperEVMチェーン上での資金移動も加わるため、以下の数値はArbitrumおよびHyperEVM両チェーンの合算値となります。 TVL(Total Value Locked:総預入残高)は、2026年5月11日時点、ArbitrumおよびHyperEVM合算で約49.2億ドル(約7,626億円)で推移しており、日々数千人規模のユーザーがBridgeを通じて資金を移動させています。 Hyperliquidの日次TVLの推移 また、2026年5月4日週では、1日の純流入が約2億4,790万ドル(流入:19,089アドレス / 2億7,850万ドル、流出:21,763アドレス / 3,060万ドル)と、活発な資金流入が続いていることが確認できます。 Hyperliquidの日次流入出金額 Bridgeの規模・回数と曜日パターン Bridgeの入金規模を ①100万ドル以上をWhale、②10万ドル〜100万ドルをLarge、③1万ドル〜10万ドルをMedium、④1,000ドル〜1万ドルをSmall、⑤1,000ドルより小さい規模をMicro という5つのティアに分け、参入するユーザー層の規模を明らかにしました。 参入しているアドレス数は45%程度がMicro、28%程度をSmall、18%程度をMediumのユーザーが占めており、7割程度は投資金額が1万ドルに満たないユーザーによって構成されています。 入金規模のティア別のBridgeのアクティブアドレス数の分布 一方で、取引高で見ると、全体のBridge額の85%程度が100万ドル以上をBridgeする大口ユーザーによって構成されていることがわかります。 入金規模のティア別のBridgeによる入金金額の分布 また、ユーザー層と曜日で集計すると、Bridgeの入金額は土日よりも平日の方が大きく、特に、Whaleのような大口のユーザーの入金規模が大幅に下がっていることがわかります。 曜日別でのBridgeによる入金金額 この傾向は、規模の大きいティアほど顕著に現れます。以下は各ティアの平日の平均値に対する曜日別のBridge入金額の比率を示したものです。最も規模の大きいWhaleでは、土・日の入金額が平日平均の約6割〜約7割程度まで落ち込みます。 曜日別・入金規模のティア別での入金額の平日比 一方、小口のMicroティア(累積入金額1,000ドル未満)では土日の落ち込みがほとんどなく、個人ユーザーの入金行動はほぼ平日と変わりません。 規模が大きくなるほど平日に集中し、週末に入金が減るという行動パターンから、個人投資家ではなく機関投資家のような法人もHyperliquidを利用している可能性を示唆しています。 なお、このデータはあくまでBridge入金の規模・回数に関するもので、Hyperliquid上での実際の取引活動との直接的な因果関係を示すものではありません。入金タイミングと取引タイミングは必ずしも一致せず、入金済み資金が後日取引に使われるケースも多いためです。ただし、大口入金が週末に萎む傾向は、大規模ユーザーの活動リズムを把握する参考指標として注目できます。 取引高の全体像 【累計取扱高】4.18兆ドル(サービス開始から1077日間の累計、2026年4月30日時点) 【直近日次取扱高】36.6億ドル(2026年4月30日時点) 【上場銘柄数】230銘柄(暗号資産・コモディティ・株式・為替等を含む) 2026年4月30日時点で累計取扱高4.18兆ドルという数字は、わずか約3年で達成した規模で、直近の日次取扱高36.6億ドルを年換算すると約1.3兆ドル規模となります。東京証券取引所プライム市場の2025年の年間取引額が、約1,420兆円(約9.2兆ドル)であることを考えると、Hyperliquidという1つのプラットフォームの取引高が、東証プライムの取引高の1/7に相当する規模に達していることがわかります。 カテゴリー別・トークン別の取引高 Hyperliquidの取引は、主要暗号資産が圧倒的なシェアを持ちつつ、多様なカテゴリーに広がっています。 カテゴリー 日次取引高 上場銘柄数 シェア 主要暗号資産 $3.26B 4銘柄 89.1% L1・インフラ $132M 45銘柄 3.6% ミームコイン $130M 19銘柄 3.5% その他暗号資産 $102M 143銘柄 2.8% DeFi $22.8M 18銘柄 0.6% コモディティ $4.27M 1銘柄(※) 0.1% ※ データは2026年4月30日時点。コモディティ銘柄はこの集計時点での上場数(詳細後述) 取引量では主要暗号資産(BTC・ETH・SOL・HYPE)が全体の約89%を占めますが、銘柄数では「その他暗号資産」が143銘柄を占めており、Hyperliquidが幅広い暗号資産のオンチェーン取引場所として機能していることがわかります。 カテゴリー別週次取引高(2026年4月30日) トークン別週次取扱高(2026年4月27日週) 銘柄 カテゴリー 週次取扱高 BTC(ビットコイン) 主要暗号資産 $14.0B ETH(イーサリアム) 主要暗号資産 $4.97B HYPE(Hyperliquid) 主要暗号資産 $1.38B SOL(ソラナ) 主要暗号資産 $891M ZEC(ジーキャッシュ) L1・インフラ $455M DOGE(ドージコイン) ミームコイン $315M XRP(エックスアールピー) L1・インフラ $143M PUMP ミームコイン $111M MEGA(MegaETH) その他暗号資産 $105M HYPEは、Hyperliquid自身のネイティブトークンで、週次取扱高$1.38Bと第3位に位置しています。また、ミームコインの取引も活発で、PUMP・DOGEといった銘柄が上位に入っています。 ミームコインは、特定のインターネットミームやキャラクターを題材にした暗号資産で、事業価値(ファンダメンタルズ)を持たず投機的な色合いが強い銘柄です。機関投資家は、コンプライアンスやリスク管理の観点からこうした銘柄を運用対象に組み込むことが難しく、主に個人投資家によって取引される傾向があります。つまり、Hyperliquidが機関投資家層だけでなくリスクの高い投機的な取引を受け入れるようなユーザー層にも広く利用されていることを示しています。 既存の金融からみる可能性 Hyperliquidが従来の暗号資産の分散型取引所(DEX)と一線を画すのが、暗号資産以外の金融商品への展開です。先述した通り、現時点ではまだ0.1%程度に満たない中ですが、金・原油・株式・為替といった従来型金融商品のパーペチュアル先物を取引できる点は、既存金融の観点から複数の重要な含意を持ちます。 以下では、24時間取引・アクセシビリティ・商品多様性の3点から整理します。 24時間365日のグローバルな取引 従来の金融市場は各取引所の営業時間内に限られており、土日・祝日は取引できない商品がほとんどです。コモディティ先物の主要取引所も週末は休場します。 一方、Hyperliquidは土日・祝日を問わず、24時間365日取引が可能です。オンチェーンデータから、実際に土日も相当規模の取引が行われていることが確認できます。 曜日別・カテゴリー別 平均日次取引高(既存金融商品) カテゴリー 平均(月〜金) 土曜日 日曜日 土日の比率 コモディティ $147M/日 $21.4M/日 $49.0M/日 約15〜33% 株価指数・ETF $68.9M/日 $13.3M/日 $19.3M/日 約19〜28% 株式 $12.9M/日 $2.0M/日 $2.5M/日 約15〜19% 外国為替 $5.73M/日 $3.9M/日 $8.0M/日 約67〜139% 特筆すべきは外国為替(EUR・JPY)で、土日の取引量は、平日と同水準、あるいはそれ以上となっています。コモディティ(金・原油など)の土日取引も平日の15〜30%程度を維持しており、休場なしの取引インフラとしての需要が、オンチェーンデータ上で確認できます。 タイムゾーンの異なる投資家が既存取引所の開場時間に縛られることなく、必要なタイミングで取引できる環境によって米国株・コモディティ・為替を問わず、24時間いつでもパーペチュアル先物にアクセスできる点は、グローバル展開を見据えた運用において実質的な利点となります。 アクセシビリティの向上 従来の金融サービスには、口座開設審査・最低取引単位・為替手数料などの参入障壁があります。 Hyperliquidでは、ウォレット(暗号資産の財布)とUSDCがあれば取引を開始できる構造となっており、KYC(Know Your Customer:本人確認手続き)は現状プロトコルレベルでは設けられていません。 利用にあたっては、各自の居住国・地域の法令や規制をご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。 取引手数料はパーペチュアル先物の基本ティアでテイカー0.045%・メイカー0.015%と、既存の証券会社や先物取引所と比較しても低水準です。ネットワーク手数料(ガス代)はかかりません。 この構造は、金融インフラが整っていない地域からのアクセスや、少額から多様な資産クラスへの分散投資という観点で評価されています。一方、規制環境の整備状況や各国の法令対応については、引き続き動向を注視する必要があります。 取扱商品の多様化と予測市場・プライベート市場への拡大 既存金融商品のオンチェーン取扱高は、規模・商品多様性の両面から見ても、HyperliquidがDEXの枠を超えた金融プラットフォームとして機能しはじめています。 コモディティ(商品先物) 商品 累計取扱高 SILVER(銀先物) $50.9B(約7.9兆円) CL(WTI原油先物) $46.4B(約7.2兆円) BRENTOIL(ブレント原油先物) $20.7B(約3.2兆円) GOLD(金先物) $11.4B(約1.8兆円) COPPER(銅先物) $2.24B(約3,472億円) NATGAS(天然ガス先物) $1.31B(約2,031億円) PLATINUM(プラチナ先物) $1.13B(約1,752億円) 銀先物(SILVER)の累計取扱高が509億ドルと最大規模で、原油2銘柄(CL・BRENTOIL)を合計すると671億ドルになります。これらのコモディティは、現物購入や既存の先物口座なしで、USDCだけでエクスポージャー(価格変動リスクの取得)を取ることができます。 株価指数・個別株 2025年10月にローンチされたHIP-3(Hyperliquid Improvement Proposal 3)により、外部の開発者がHyperCore上に独自のパーペチュアル先物市場を構築できるようになりました。この仕組みを活用してトークン化された株式・株価指数の取引市場は急速に拡大しており、オンチェーンデータにはNVDA(エヌビディア)・TSLA(テスラ)・AAPL(アップル)など、主要米国株のパーペチュアル先物が多数記録されています。 商品 累計取扱高 XYZ100(株価指数) $36.6B(約5.7兆円) SP500 / USA500(S&P500) $20.5B(約3.2兆円) NVDA(エヌビディア) $4.67B(約7,237億円) TSLA(テスラ) $4.06B(約6,293億円) INTC(インテル) $2.74B(約4,246億円) HOOD(ロビンフッド) $2.54B(約3,934億円) CRCL(サークル) $2.14B(約3,318億円) SNDK(ウエスタンデジタル) $2.07B(約3,209億円) GOOGL(グーグル) $2.02B(約3,129億円) MU(マイクロン) $1.70B(約2,641億円) PLTR(パランティア) $1.26B(約1,950億円) COIN(コインベース) $1.22B(約1,891億円) AMZN(アマゾン) $1.20B(約1,862億円) META(メタ) $909M(約1,409億円) MSFT(マイクロソフト) $826M(約1,281億円) AAPL(アップル) $520M(約806億円) 外国為替 EUR(ユーロ)の累計取扱高が8.67億ドル(約1,344億円)、JPY(日本円)が7.53億ドル(約1,167億円)と、為替取引も相当規模で行われています。これらは既存のFX市場と同様の価格追従性を持ちながら、24時間365日取引可能という特性を持ちます。 プライベート市場(未上場企業株) Hyperliquidでは、OpenAI・SpaceX・Anthropicといった未上場ユニコーン企業株の価格に連動したパーペチュアル先物を取引することができます。 銘柄 企業概要 累計取扱高 ANTHROPIC Claude(AIアシスタント)開発元 $44.9M OPENAI GPT・ChatGPT開発元(評価額約3,000億ドル) $40.2M SPACEX イーロン・マスク創業の宇宙開発企業 $39.8M 従来はこれらの企業株に対して一部の機関投資家や大口投資家しかアクセスできませんでしたが、Hyperliquidでは、個人投資家でも、少額から価格変動リスクへアクセスできます。ただし、あくまでパーペチュアル先物(価格連動型の取引)であり、実際の株式を保有・議決権行使することはできません。また、参照価格の信頼性や流動性リスクには注意が必要です。 Hyperliquidにおける既存金融商品 累計取扱高トップ12 HIP-4 予測市場への参入 さらに注目すべき動きが、2026年5月2日にローンチされた「HIP-4(Hyperliquid Improvement Proposal 4)」です。HIP-4は、将来の出来事(イベント)の結果に応じてYes/Noで決済される「アウトカム市場(Outcome Markets)」を導入する提案です。これは、いわゆる「予測市場(Prediction Market)」とほぼ同義の機能を持ちます。 ローンチ当初の取扱市場は「BTCの日次価格予測(UTC 06:00決済)」のみですが、将来的には暗号資産マイルストーン・マクロ経済指標・スポーツ・選挙結果など多様なイベントへの展開が予定されています。また、HIP-3と同様に、将来的にはユーザーが独自に予測市場を開設できる「パーミッションレス(許可不要)」モデルへの移行も計画されています。 ローンチ初日のデータでは、Hyperliquidの予測市場は約605万コントラクト(1コントラクト≒1円換算のバイナリ型)を記録。現時点での規模はPolymarket(1億9,000万コントラクト)やKalshi(5億4,600万コントラクト)と比較すると小さいですが、Hyperliquidのオーダーブック型インフラとDEXとしての流動性を活かした今後の成長が注目されます。 関連記事:「予測市場Polymarketの成長と日本市場への示唆【Onchain Report】」予測市場の仕組み・Polymarketの成長・日本市場への示唆について詳しく解説しています。 まとめ Hyperliquidは、「暗号資産の取引所」という枠を超え、グローバルな金融インフラとして急速に存在感を高めています。 観点 従来の金融 Hyperliquid 取引時間 平日の限られた時間帯 24時間365日 アクセス 口座開設・審査が必要 ウォレットとUSDCのみ 最低取引単位 銘柄により数千〜数万ドル 1ドル未満から可能 取扱商品 各国規制に基づく許認可商品 暗号資産・株式・商品先物・為替・未上場株 透明性 取引所の内部処理 全取引がオンチェーンで公開 資産管理 金融機関が管理 ユーザー自身が管理 もちろん課題もあります。規制の不透明さ、スマートコントラクトのリスク、流動性の偏り、参照価格の信頼性など、既存金融と比べて未成熟な部分は少なくありません。しかし、累計取扱高4.18兆ドル、Bridge TVL約49.2億ドル(約7,626億円)という実績は、単なる投機的ツール以上のものとして機能し始めていることを示しています。 金融の「包摂性(Financial Inclusion)」──すなわち、世界中の誰もが公平に金融サービスにアクセスできる世界の実現──という観点において、Hyperliquidは一つの有力な解となりうるDEXといえるでしょう。今後の規制対応と商品ラインナップの拡大が、さらなる資金流入と市場参加者の多様化をどこまで促進するか、金融業界・Web3業界の双方から引き続き注目されます。 免責事項 本レポートは、キリフダ株式会社が情報提供を目的として作成したものです。 本レポートの内容は、人工知能(AI)を活用して生成・編集されています。情報の正確性・完全性については万全を期しておりますが、AIによる生成物であることの性質上、誤りや不正確な情報が含まれる可能性があります。内容については必ずご自身でご確認ください。 本レポートは、特定の金融商品・暗号資産への投資を勧誘・推奨するものではありません。掲載されている情報は、いかなる投資判断の根拠となるものでもなく、投資に関する最終的な決定はご自身の判断と責任においてお願いいたします。 暗号資産への投資には価格変動リスクをはじめとするさまざまなリスクが伴います。投資を行う際は、関連法令・規制を遵守の上、必要に応じて専門家にご相談ください。 © 2026 キリフダ株式会社 All Rights Reserved. References [Dune] オンチェーンデータ:Dune Analytics(Coincheckメディア公式ダッシュボード) —dune.com データ更新日:2026年5月11日。1USD≒155円で換算。 [1] Hyperliquid創業経緯:Wu Blockchain Exclusive Interview / Fortune / PANews —chaincatcher.com [2] 技術スペック・取引手数料:Hyperliquid公式ドキュメント —hyperliquid.gitbook.io fees ページ —hyperliquid.gitbook.io [3] HIP-4(アウトカム市場):Hyperliquid公式ドキュメント HIP-4ページ —hyperliquid.gitbook.io [4] HIP-3/HIP-4概要:CoinGecko Learn —coingecko.com [5] HIP-4市場シェア:Cryptopolitan —cryptopolitan.com [6] 東証株式売買代金:日本取引所グループ 統計月報 —jpx.co.jp

本レポートは、分散型予測市場「Polymarket(ポリマーケット)」の急拡大を、オンチェーンデータを手がかりに整理したものです。 なぜ従来型の予測市場が抱えた課題を超えて流動性が拡大したのか、取引はどのカテゴリに集中しているのか、予測精度と市場操作リスクはどう議論されているのかを順に見たうえで、日本市場で同様の仕組みをそのまま持ち込む際の制度的な論点と、設計上の示唆(2ポイント制)に触れます。 なお本記事は情報提供を目的とした調査・解説であり、特定の金融商品や暗号資産の投資を勧誘するものではありません。 このレポートでわかること Polymarketの成長が、オンチェーンデータ上でどのように確認できるか 予測精度や市場操作リスクなど、解釈に効く論点 日本で同様の仕組みを検討する際の規制上の前提と、設計面の一つの方向性 Coincheckの無料登録はこちら 目次 Polymarket(ポリマーケット)とは なぜ今、Polymarketなのか Polymarketの全体像とメカニズム 予測市場の仕組み 取引の仕組み 市場の形式 収益モデル 予測市場が求められる背景 予測市場が情報源になる理由 既存の金融商品では取引できないリスクをカバー 実際にどれくらい伸びているのか 取引高・ユーザー数の推移 PolymarketとKalshiのサービス特性比較 具体的にどうして伸びているのか タグ別取引額 ユーザーの特性 具体的なユースケース 予測精度と市場操作リスク 予測精度 市場操作リスク 日本市場における課題と具体的アプローチ 日本の規制障壁 設計上の工夫としての2ポイント制 まとめ|Polymarketの成長実感と日本展開の論点 免責事項 References Polymarket(ポリマーケット)とは Polymarketとは、選挙の行方や経済指標の結果など、これから起こりうる出来事について、参加者同士がシェアを売ったり買ったりしながら、「どれだけ起きそうか」を価格として見える化していく、ブロックチェーン上の予測市場です。 これまでには、法定通貨を中心とした中央集権型のサービスや、初期の分散型プロトコルで、流動性の育ち方や結果の確定の仕方などに課題が指摘されてきました。Polymarketでは、注文のマッチングやオラクル設計といった仕組みを組み合わせることで、そうした制約の一部を緩め、取引しやすさとサービスの広がりを後押ししている、という見立てができます。 項目 内容 プラットフォームの種類 ブロックチェーン上で稼働する予測市場。取引・精算にスマートコントラクト等を利用する。 取引の対象 将来の現実世界の出来事の結果。政治、地政学、マクロ、スポーツ、文化など幅広いテーマが扱われる。 決済手段 主としてステーブルコインのUSDC(オンチェーン)。 価格の意味 YES/NO等のシェア価格は需給により変動する。Polymarketの公式説明では、価格は当該出来事が起きる確率の目安として読み取れる、とされる。 精算 マーケットが解決したのち、的中した結果のシェアには原則として1シェアあたり1 USDCが支払われる設計となる。外れたシェアは価値を失う。 出典:Polymarket公式ドキュメント「What is Polymarket」 なぜ今、Polymarketなのか 世論調査もメディアも、バイアスや遅効性という構造的な限界を抱えています。こうした中、「ある事象が起きる確率は何%か」をリアルタイムで数値化するプラットフォームとして急成長しているのが、分散型予測市場「Polymarket(ポリマーケット)」です。 2024年の米大統領選において世論調査を上回る精度で結果を反映したと評価されたことで注目を集め、その後も地政学・マクロ経済・スポーツと取引対象を拡大し続けています。一時的なブームではなく、世論と金融が交差する新たな情報インフラとして定着しつつあるとの見方もあります。 以下では、仕組みとトラクションをさらに分解し、日本国内での展開をめぐる規制上の論点まで踏み込みます。 Polymarketの全体像とメカニズム Polymarketがこれほどの流動性と信頼を獲得できた理由は、先行サービスの失敗を設計で克服した点にあります。 法定通貨建ての中央集権型サービスIntradeは、運営会社への資金依存リスクから2013年に閉鎖に至りました。ブロックチェーン型のAugurは分散型という点では前進の一歩となったものの、オンチェーンオーダーブックの使いづらさとオラクルの解決遅延がプロトレーダーの参入を妨げ、流動性は十分には育ちませんでした。 Polymarketはこの2つの失敗を教訓に、CLOBとUMAオラクルの組み合わせによって、初めてこの壁を乗り越えたと位置づけられています。 予測市場の仕組み Polymarketの市場は、特定の未来の出来事(例:「2024年の米国大統領選挙でトランプが勝利するか?」)に対して「YES」か「NO」のシェアを取引する場です。シェアの価格は0〜1ドルで変動し、的中すれば1ドル、外れれば0ドルになります。 「市場は60%の確率で事象Aが起こると予測している」という状態は、具体的に以下のような取引の流れで形成されます。 市場の開始「トランプが勝利するか?」という市場が立ち上がります。 価格の形成多くの参加者が「トランプが勝つ」と考え、YESシェアを買い求めます。需要が高まるとYESシェアの価格は上昇します。 確率の可視化YESシェアの価格が「0.60ドル(60セント)」で取引されているとします。これは、参加者が「1ドルを得るために、今0.60ドルを支払うリスクを取ってもよい」と判断している状態です。つまり、市場全体として「トランプが勝利する確率は60%である」と評価していることになります。逆に、NOシェアは「0.40ドル」で取引されます(合計が常に1ドルになるため)。 結果の確定選挙が終わり、トランプの勝利が確定すると、YESシェアを持っていた人は1シェアにつき1ドルを受け取ります(0.60ドルで買っていれば0.40ドルの利益)。NOシェアを持っていた人のシェアは0ドル(無価値)になります。 このように、参加者が自らの資金を投じて取引するため、無償のアンケートと異なり身銭をきった確率評価が価格に反映されます。 取引の仕組み 構成要素 機能と役割 従来モデルとの違い CLOB(中央リミットオーダーブック) 買い手と売り手の注文を直接マッチングさせる。 AMM方式に比べ、大口取引時のスリッページを抑制し、プロのトレーダーの参入を促した。 UMA(楽観的オラクル) 「現実に何が起きたか」をオンチェーンに記録する。 中央集権的な運営者ではなく、トークンホルダーによる分散型の合意形成で不正・改ざんを防止する。 Conditional TokensFramework(CTF) ERC-1155ベースのトークン規格。YES/NOシェアの発行・管理・結果確定時の自動精算を担う。 「価格=確率」の仕組みを技術的に支える基盤。条件付きトークンの分割・統合を可能にし、複雑な市場設計にも対応する。 市場の形式 Polymarketが採用するバイナリ・アウトカム・マーケットとは、ある事象が「起きるか/起きないか」という2択に対してシェアを取引する形式です。価格そのものが発生確率(%)として直感的に読み取れる点が、参加者にとっての分かりやすさと流動性の高さを両立させています。 収益モデル 取引手数料(Taker Fees)2026年よりテイカー手数料(0.01%〜)を導入。日次収益が100万ドルを超える日も出ています。 メーカーリベートプログラムマーケットメーカーへのリベート還元により流動性を維持します。 データ収益化リアルタイムの予測データを機関投資家・研究機関等に提供する収益源として拡張可能です。 予測市場が求められる背景 予測市場が情報源になる理由 SNSの普及でフェイクニュースやエコーチェンバーが深刻化する中、ユーザーは専門家の意見や世論調査ではなく、市場参加者が資金を賭けて形成した確率的評価を求めるようになっています。 Polymarketの価格はリアルタイムの先行指標として機能しており、金融機関がニュース速報より先にオッズの変動を確認するケースも報告されています。ただし市場操作リスクが完全に排除されているわけではないため、その点は後述します。 既存の金融商品では取引できないリスクをカバー 現在の金融市場は株価・為替など特定の資産クラスに限定されています。しかし現実のビジネスリスクは「規制の変更」「選挙結果」「地政学的な事象」など、より広範な事象に紐付いています。Polymarketはこれら従来ヘッジ手段がなかったリスクを取引可能なアセットに変えることを実現しています。 具体例:海運会社のリスクヘッジ ある日本の海運会社がスエズ運河の封鎖リスクを懸念しているとします。封鎖されれば迂回ルートで多大な追加費用が発生しますが、従来この地政学リスクを直接ヘッジする金融商品はほぼ存在しませんでした。 Polymarketに「スエズ運河が1週間以上封鎖されるか?」という市場があれば、海運会社はYESシェアを購入することで封鎖時の損失を相殺できます。あらゆる事象を数値化し、直接売買できるようにしたことが予測市場の最大の意義です。 実際にどれくらい伸びているのか データ出典:Dune※Polymarket(Polygon上のオンチェーンデータ)を自社で集計・加工したものです。2026年4月20日時点。 取引高・ユーザー数の推移 オンチェーンデータ上の複数チャートは、以下の2つの成長フェーズを明確に示しています。 フェーズ①:離陸期(2024年〜2024年11月)大統領選に向けた政治市場の立ち上がりで取引高が急増。2024年11月6日(大統領選当日)には単日約3億4,770万ドルのスパイクが確認できます。 フェーズ②:加速期(2025年〜現在)選挙後も成長は継続し、むしろ加速しています。累積取引量は2025年以降に急角度の上昇カーブを描いており、月間取引高は2026年3月時点で約100億ドルに達しています。 【主要KPIサマリー】 Polymarketの月間取引高の推移(2026年4月20日時点) Polymarketの月間アクティブユーザー数の推移(2026年4月20日時点) Polymarketの単日最高取引高の推移(2026年4月20日時点) 指標 数値 備考 月間取引高(2026年3月) 約95億ドル — 月間アクティブユーザー(2026年3月) 約78万ウォレット — 1日最高取引高(2026年2月28日) 約4億2,500万ドル イラン関連市場の急騰が契機 PolymarketとKalshiのサービス特性比較 サービス特性と規制体制が根本的に異なります。 比較項目 Polymarket Kalshi 規制体制 暗号資産ネイティブ・分散型。米国向けはQCX, LLC(Polymarket US)がCFTCのDCM認可を取得し(2025年11月)、規制された米国市場への再参入を進行中。 CFTC規制下のDesignated Contract Market(正規の米国取引所) 決済 USDC(ブロックチェーン上) USD(法定通貨・銀行決済) 強いカテゴリ 政治・地政学・暗号資産・グローバルイベント スポーツ・マクロ経済指標(CPI・雇用統計等) ユーザー層 グローバルの暗号資産ネイティブ層 米国の個人・機関投資家 透明性 オンチェーンで取引が完全公開 中央集権型システム。取引の透明性はKalshi社の開示に依存 規制リスク グローバルでの法規制対応が各国ごとに残存 米国内での州レベル訴訟が複数進行中(2026年) KalshiとPolymarketの流通量の比較(USD) 両者の月間取引量を比較すると、2024年〜2025年前半はPolymarketが優位に推移していましたが、2025年9月を境にKalshiが逆転しています。2026年3月にはKalshiが約130億ドル、Polymarketが約95億ドルとなり、取引量においてはKalshiが先行する状態が続いています。ただし両者ともに急成長しており、予測市場全体の拡大を両プラットフォームが牽引している構図です。 上図のように、取引高などはオンチェーン上の活動を集計した結果として示されます。オンチェーンの考え方や、データを確認する際のヒントは、次の記事で整理しています。 初心者でも分かるオンチェーン分析!特徴やデータの入手方法を簡単解説! Coincheck 具体的にどうして伸びているのか データ出典:Dune※Polymarket(Polygon上のオンチェーンデータ)を自社で集計・加工したものです。2026年4月20日時点。 タグ別取引額 取引カテゴリが多様化していることが確認できます。 タグ 特徴・代表的なマーケット Politics(政治) 大統領選、各国議会選挙、政策決定、政府機関閉鎖リスクなど Geopolitics(地政学) 中東情勢(イラン・イスラエル)、ウクライナ停戦、台湾海峡緊張度など Macro/Finance(マクロ) FRB金利決定、CPI・雇用統計の着地、金価格の節目突破など Crypto(暗号資産) BTC・ETHの価格節目、新規上場、規制動向など Sports/Culture スーパーボウル、アカデミー賞、ニッチスポーツイベントなど 政治・地政学・マクロ系が取引額の上位を占める時期がある一方、直近(2026年4月)の24時間取引額ではスポーツが首位となっており、カテゴリ別の順位はイベントの時期によって変動します。 Polymarketの成長は特定イベントへの依存ではなく、複数カテゴリにわたる継続的な取引が支えており、「予測市場を習慣的に使うユーザー」が形成されつつあることを示しています。 Polymarketのタグ別取引額 ユーザーの特性 オンチェーンデータから、参加者の構造が読み取れます。 全ユーザーの約74%が50ドル未満の少額取引に留まっており、ライトユーザーが大多数を占めています。一方、1,000ドル以上の大口ユーザーは全体の約1.7%に過ぎませんが、取引額全体への寄与は相対的に大きいと推察されます。10万ドル以上の超大口はわずか109名であり、少数の大口参加者が市場の一部を牽引する構造です。 Polymarketユーザーの取引サイズ別の人数分布 取引サイズ ユーザー数 割合 $0〜$10 1,152,144 46.6% $10〜$50 683,374 27.6% $50〜$100 201,692 8.2% $100〜$500 327,926 13.3% $500〜$1,000 61,655 2.5% $1,000〜$5,000 40,928 1.7% $5,000〜$10,000 3,187 0.1% $10,000〜$50,000 2,316 0.1% $50,000〜$100,000 153 0.01%未満 $100,000以上 109 0.01%未満 また、以下のチャートは、Polymarketのユーザー継続率を示したもので、Polymarketに参加しているユーザーは次月以降も継続的に利用する傾向にあり、利用した1ヶ月後の継続率は、平均で51.2%、2ヶ月後には39.9%、3ヶ月後では34.8%、6ヶ月後でも22.4%のユーザーが利用を続けています。 多くのアプリケーションは1ヶ月の間に大半のユーザーを失い、継続率を維持することが難しい中、高い継続率を維持しています。 Polymarket利用後の月次継続率 具体的なユースケース ニュースより早く動く先行指標「FRBが来月利下げするか?」のような市場では、専門家の意見が割れていても、Polymarketを見れば市場の確率評価が一目でわかります。地政学リスクにおいても、オッズがニュース速報より早く変動するケースが確認されており、金融機関が先行指標として参照しています。 イベント単位での資金集中取引高チャートでは、大統領選(2024年11月)や中東情勢(2026年2月28日)など特定イベントのタイミングで単日取引高が急騰するパターンが繰り返し確認されています。2026年2月28日の単日取引高は約4億2,500万ドルに達しました。 スポーツ・エンタメの需要取り込みDuneのタグ別取引額チャートでは、Sports/Cultureタグが直近(2026年4月)の24時間取引額で首位となっており、既存ブックメーカーがカバーしきれない領域の需要も吸収していることが確認できます。 予測精度と市場操作リスク 予測精度 暗号資産・金融情報を専門とするFensoryの2026年2月の分析によると、Polymarketは2023年以降に解決された2,847の市場において、Brierスコア0.187を記録しています(Brierスコアは0に近いほど精度が高い)。カテゴリ別では政治市場(バイナリ)が81%の的中率で最も高く、エンタメ市場が62%で最も低い結果です。また、取引量10万ドル超の市場では的中率84%に達する一方、1万ドル未満では61%に低下しており、流動性の深さが精度に直結する構造が明確です。 市場操作リスク TRM Labsは2026年3月のレポート([1])で、Polymarket上で協調的な取引パターンの疑いがある事例を報告しています。2026年2月28日の米国によるイラン空爆前後に、4つのウォレットが約4万ドルを投じて87万2,000ドルを得ており、同一インフラ・同一タイミングでの資金調達と即時出金が確認されています。 一方で、以下の自浄作用も働きます。 逆張りのインセンティブクジラが実態から乖離した価格をつけた場合、他参加者にとってアービトラージの好機となります。 流動性の深化参加者が増えるほど、単独での価格操作に必要な資金量は増大します。 PolymarketおよびKalshiは2026年3月23日に内部者取引防止措置を公表しており、対応は進行中です。ただし操作リスクは解消されておらず、成長と健全性の両立が引き続き課題です。 日本市場における課題と具体的アプローチ 日本の規制障壁 以下は一般的な整理であり、法的助言ではありません。個別の事業判断にあたっては専門家への相談を推奨します。 日本の刑法における賭博罪は、以下の3つの要件が揃った時に成立します。 偶然の勝敗:自分の意思でコントロールできない結果 財物の拠出:お金や価値のあるものを差し出す 得喪の争い:勝者が得をし、敗者が損をする Polymarketの仕組みをそのまま導入すると、暗号資産(財物)を投じて結果(偶然)に賭け、配当を得る(得喪)ため、日本の法令上、賭博罪に該当するリスクが極めて高くなります。 設計上の工夫としての2ポイント制 日本国内で予測市場に類似したサービスを検討する際には、「2ポイント制」と呼ばれる設計アプローチがリスク低減の観点から検討されることがあります。これは、ポイントを予測用と報酬用の2種類に分離し、ユーザーが自己の財産を拠出しない構造をつくるものです。 ポイント種別 取得方法 役割 予測用ポイント ログインボーナス・広告視聴等で無償付与(現金購入不可) 予測への参加に使用。財物の拠出に該当しない。 報酬用ポイント 予測的中時にシステムから付与 一定の条件のもとで特典等に交換される場合がある。 この設計では、ユーザーは自己の財産を直接消費せずに参加するため、一般的には「財物の拠出」に該当しにくい構造と説明されることがあります。 ただし、報酬の内容や交換可能性、運用方法によっては法的評価が異なる可能性があり、賭博該当性が完全に否定されるものではありません。 そのため、実際のサービス設計にあたっては、個別具体的なスキームに基づき、関係法令(刑法、景品表示法、資金決済法等)との関係を専門家とともに慎重に検討することが重要です。 まとめ|Polymarketの成長実感と日本展開の論点 Polymarketの成長は単一イベントへの依存ではなく、タグの多様化と月間アクティブウォレットの継続的な増加によって支えられていることが、オンチェーンデータから確認できます。 予測市場の本質は、世論調査に金融の仕組みを組み込むことで「発言に重みをつける」点にあります。リスクとリターンを伴うことで参加者は真剣に情報を精査するようになり、その結果、確率的評価が高まると考えられています。これはブロックチェーンによる低コストな送金とプログラマブルな金融システムが普及したことで初めて実用規模で実現したものです。 今回のPolymarketに関するオンチェーンデータのダッシュボードはDuneから確認することができます。 免責事項 本レポートは、キリフダ株式会社が情報提供を目的として作成したものです。 本レポートの内容は、人工知能(AI)を活用して生成・編集されています。情報の正確性・完全性については万全を期しておりますが、AIによる生成物であることの性質上、誤りや不正確な情報が含まれる可能性があります。内容については必ずご自身でご確認ください。 本レポートは、特定の金融商品・暗号資産への投資を勧誘・推奨するものではありません。掲載されている情報は、いかなる投資判断の根拠となるものでもなく、投資に関する最終的な決定はご自身の判断と責任においてお願いいたします。 暗号資産への投資には価格変動リスクをはじめとするさまざまなリスクが伴います。投資を行う際は、関連法令・規制を遵守の上、必要に応じて専門家にご相談ください。 © 2026 キリフダ株式会社 All Rights Reserved. References [1] TRM Labs, “How Prediction Markets Scaled to USD 21B in Monthly Volume in 2026” (March 27, 2026) —trmlabs.com [2] Fensory Research, “Polymarket Prediction Accuracy: Complete Track Record Analysis with Brier Score Data” (February 26, 2026) —fensory.com [3] 株式会社gumi, “予測データサービスの開発を決定” (2026年3月) —gu3.co.jp [4] 緒方法務事務所, “暗号資産でレバレッジ取引を提供するなら?” —ogata-legal.com [Dune] team_onchain_planning, “予測市場PolyMarketの概況” —dune.com