Hyperliquid(ハイパーリキッド)は既存金融に何をもたらすのか【Onchain Report】

本レポートでは、暗号資産デリバティブ市場で存在感を急速に高める分散型取引所(DEX)「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」を取り上げます。

Hyperliquidは、暗号資産にとどまらず、銀・原油・金・米国株・為替などの従来型金融商品まで、期限なく売買できるパーペチュアル先物を、24時間365日グローバルに取引できる金融インフラへと急速に進化しています。

以下では、オンチェーン分析ツール「Dune Analytics」から取得したデータをもとに、Hyperliquidの現状と金融業界への示唆を整理します。

このレポートでわかること

Hyperliquidとはなにか

Hyperliquidとはなにか

Hyperliquid(ハイパーリキッド)は、独自のレイヤー1ブロックチェーン「Hyperliquid L1」上に構築された分散型取引所(DEX)です。中央集権型取引所(CEX)と同等の処理速度を、ブロックチェーンの透明性とノンカストディ(利用者が自分のウォレットで資産を管理する仕組み)環境で実現している点が、最大の特徴です。

【Hyperliquidの基本スペック】

項目 内容
名称 Hyperliquid(ハイパーリキッド)
種別 分散型取引所(DEX)/独自のレイヤー1ブロックチェーン
提供サービス パーペチュアル先物・スポット取引、HyperEVMによるスマートコントラクト
ネイティブトークン HYPE(2024年11月リリース)
取扱銘柄数 230銘柄(暗号資産・コモディティ・株式・為替などを含む/2026年4月時点)
取引手数料 テイカー 0.045% / メイカー 0.015%
(パーペチュアル先物・基本ティア)
ネットワーク手数料 ゼロ(ガス代不要)
取引時間 24時間365日
開発元 Hyperliquid Labs(創業者:Jeff Yan氏)
メインネット稼働 2023年

ブロックチェーン上に金融を再構築する

Hyperliquidは、パーペチュアル先物(決済期日がなく、ファンディングレートと呼ばれる調整金で価格均衡を保つ仕組みのこと)を中心としたDEXです。独自のレイヤー1ブロックチェーン「Hyperliquid L1」上に構築されており、CEX(中央集権型取引所)に匹敵するスピードと流動性を、ブロックチェーンの透明性を活かしながら、ノンカストディ(利用者が自身のウォレットで資産の秘密鍵を直接管理する形態)環境で提供します。

最大の特徴は、暗号資産にとどまらない幅広い商品ラインナップです。Hyperliquidでは、暗号資産はもちろん、株価指数・個別株・コモディティ・外国為替・さらにはプライベート企業株のパーペチュアル先物まで取引できます。ブロックチェーンが「金融インフラ」として既存市場に並ぶ段階に入りつつあることを示す、象徴的な展開です。

誕生の経緯と思想

Hyperliquidを創業したのは、Jeff Yan(ジェフ・ヤン)氏です。2013年の国際物理オリンピックで金メダルを獲得した物理学の俊才で、ハーバード大学で数学・コンピュータサイエンスを専攻後、高頻度取引(HFT)で知られるクオンツトレーディング会社「Hudson River Trading」でクオンツトレーダーとして経験を積みました。

転機は2022年に起きたFTX(暗号資産取引所)の経営破綻です。FTX破綻によって中央集権型取引所のリスクが露呈する中、Jeff氏は、「本当に分散化された、誰も支配できない取引所を作る」という決意のもと、2023年にHyperliquidのメインネットを立ち上げました。

注目すべきは、そのチーム規模と資金調達方針です。立ち上げ時のチームはわずか11名。VC(ベンチャーキャピタル)からの資金調達を一切断り、Jeff氏が自己資金で開発費用を賄いました。その理由は明確で、「VCが大量のトークンを持つことは、ネットワークに傷(scar on the network)を残すことになる。誰もが公平に使える信頼中立的なプラットフォーム(credibly neutral platform)を作るためには、インサイダーを作ってはいけない」という思想によるものです。

2024年11月にリリースされたネイティブトークン「HYPE」の配布方針にも、この思想が色濃く反映されています。全供給量の31%がこれまでの利用者に直接エアドロップ(無償配布)され、39%が将来のコミュニティ向けに留保。VCや機関投資家への配布はゼロという、業界では極めて異例の配布構造が採用されました。

HyperCoreとHyperEVMの違い

Hyperliquidのアーキテクチャは、大きく2つのレイヤーで構成されています。

HyperCoreとHyperEVMのアーキテクチャ概念図

HyperCore(取引エンジン)

HyperCoreは、Hyperliquidの取引エンジンそのものです。オーダーブック形式でパーペチュアル先物を処理します。公式ドキュメントによれば、現在のメインネットは1秒間に約20万件の注文を処理可能で、注文から約定までの往復応答時間は中央値0.2秒とされています。CEXと遜色のない速度をブロックチェーン上で実現している点が、大きな特徴です。ネットワーク手数料(ガス代)はゼロ、取引手数料はパーペチュアル先物の基本ティアでテイカー(注文を消費する側)0.045%・メイカー(注文を供給する側)0.015%で、14日間の累計取引量に応じたティア制により段階的に引き下げられます。

HyperEVM(スマートコントラクト基盤)

HyperEVMは、Ethereumと互換性のあるスマートコントラクト実行環境(EVM:Ethereum Virtual Machine)です。HyperCoreの上で動作し、DeFi(分散型金融)プロトコルやdApp(分散型アプリケーション)の開発・デプロイを可能にします。HyperEVMの登場により、Hyperliquidは単なる取引所を超え、独自のエコシステムを持つプラットフォームへと進化しました。

両者の関係を端的に言えば、「HyperCoreが高速道路、HyperEVMがその上に建つ街」です。HyperCore上で高速・低コストの取引が行われる一方、HyperEVMでは多様なDeFiサービスが展開される構造となっています。

Hyperliquidのトラクション

以下では、オンチェーン分析ツール「Dune Analytics」と21Shares Research が Dune Analytics上で公開しているコミュニティデータセットのデータをもとに、Hyperliquidの実際の利用状況を確認します。

HyperliquidへのBridgeボリューム

Hyperliquidで取引するには、まず外部のブロックチェーンからHyperliquidへ資金を移す必要があります。

この異なるブロックチェーン間で資産を橋渡しする仕組みをBridgeといい、Hyperliquidへの主な流入経路はArbitrumチェーンからのUSDC(米ドルに連動するステーブルコイン)送金です。HyperEVMチェーン上での資金移動も加わるため、以下の数値はArbitrumおよびHyperEVM両チェーンの合算値となります。

TVL(Total Value Locked:総預入残高)は、2026年5月11日時点、ArbitrumおよびHyperEVM合算で約49.2億ドル(約7,626億円)で推移しており、日々数千人規模のユーザーがBridgeを通じて資金を移動させています。

Hyperliquidの日次TVLの推移

Hyperliquidの日次TVLの推移

また、2026年5月4日週では、1日の純流入が約2億4,790万ドル(流入:19,089アドレス / 2億7,850万ドル、流出:21,763アドレス / 3,060万ドル)と、活発な資金流入が続いていることが確認できます。

Hyperliquidの日次流入出金額

Hyperliquidの日次流入出金額

Bridgeの規模・回数と曜日パターン

Bridgeの入金規模を ①100万ドル以上をWhale、②10万ドル〜100万ドルをLarge、③1万ドル〜10万ドルをMedium、④1,000ドル〜1万ドルをSmall、⑤1,000ドルより小さい規模をMicro という5つのティアに分け、参入するユーザー層の規模を明らかにしました。

参入しているアドレス数は45%程度がMicro、28%程度をSmall、18%程度をMediumのユーザーが占めており、7割程度は投資金額が1万ドルに満たないユーザーによって構成されています。

入金規模のティア別のBridgeのアクティブアドレス数の分布

入金規模のティア別のBridgeのアクティブアドレス数の分布

一方で、取引高で見ると、全体のBridge額の85%程度が100万ドル以上をBridgeする大口ユーザーによって構成されていることがわかります。

入金規模のティア別のBridgeによる入金金額の分布

入金規模のティア別のBridgeによる入金金額の分布

また、ユーザー層と曜日で集計すると、Bridgeの入金額は土日よりも平日の方が大きく、特に、Whaleのような大口のユーザーの入金規模が大幅に下がっていることがわかります。

曜日別でのBridgeによる入金金額

曜日別でのBridgeによる入金金額

この傾向は、規模の大きいティアほど顕著に現れます。以下は各ティアの平日の平均値に対する曜日別のBridge入金額の比率を示したものです。最も規模の大きいWhaleでは、土・日の入金額が平日平均の約6割〜約7割程度まで落ち込みます。

曜日別・入金規模のティア別での入金額の平日比

曜日別・入金規模のティア別での入金額の平日比

一方、小口のMicroティア(累積入金額1,000ドル未満)では土日の落ち込みがほとんどなく、個人ユーザーの入金行動はほぼ平日と変わりません。

規模が大きくなるほど平日に集中し、週末に入金が減るという行動パターンから、個人投資家ではなく機関投資家のような法人もHyperliquidを利用している可能性を示唆しています。

なお、このデータはあくまでBridge入金の規模・回数に関するもので、Hyperliquid上での実際の取引活動との直接的な因果関係を示すものではありません。入金タイミングと取引タイミングは必ずしも一致せず、入金済み資金が後日取引に使われるケースも多いためです。ただし、大口入金が週末に萎む傾向は、大規模ユーザーの活動リズムを把握する参考指標として注目できます。

取引高の全体像

Hyperliquidの累計取扱高チャート

【累計取扱高】4.18兆ドル(サービス開始から1077日間の累計、2026年4月30日時点)

【直近日次取扱高】36.6億ドル(2026年4月30日時点)

【上場銘柄数】230銘柄(暗号資産・コモディティ・株式・為替等を含む)

2026年4月30日時点で累計取扱高4.18兆ドルという数字は、わずか約3年で達成した規模で、直近の日次取扱高36.6億ドルを年換算すると約1.3兆ドル規模となります。東京証券取引所プライム市場の2025年の年間取引額が、約1,420兆円(約9.2兆ドル)であることを考えると、Hyperliquidという1つのプラットフォームの取引高が、東証プライムの取引高の1/7に相当する規模に達していることがわかります。

カテゴリー別・トークン別の取引高

Hyperliquidの取引は、主要暗号資産が圧倒的なシェアを持ちつつ、多様なカテゴリーに広がっています。

カテゴリー 日次取引高 上場銘柄数 シェア
主要暗号資産 $3.26B 4銘柄 89.1%
L1・インフラ $132M 45銘柄 3.6%
ミームコイン $130M 19銘柄 3.5%
その他暗号資産 $102M 143銘柄 2.8%
DeFi $22.8M 18銘柄 0.6%
コモディティ $4.27M 1銘柄(※) 0.1%

※ データは2026年4月30日時点。コモディティ銘柄はこの集計時点での上場数(詳細後述)

取引量では主要暗号資産(BTC・ETH・SOL・HYPE)が全体の約89%を占めますが、銘柄数では「その他暗号資産」が143銘柄を占めており、Hyperliquidが幅広い暗号資産のオンチェーン取引場所として機能していることがわかります。

カテゴリー別週次取引高(2026年4月30日)

カテゴリー別週次取引高(2026年4月30日)

トークン別週次取扱高(2026年4月27日週)

銘柄 カテゴリー 週次取扱高
BTC(ビットコイン) 主要暗号資産 $14.0B
ETH(イーサリアム) 主要暗号資産 $4.97B
HYPE(Hyperliquid) 主要暗号資産 $1.38B
SOL(ソラナ) 主要暗号資産 $891M
ZEC(ジーキャッシュ) L1・インフラ $455M
DOGE(ドージコイン) ミームコイン $315M
XRP(エックスアールピー) L1・インフラ $143M
PUMP ミームコイン $111M
MEGA(MegaETH) その他暗号資産 $105M

HYPEは、Hyperliquid自身のネイティブトークンで、週次取扱高$1.38Bと第3位に位置しています。また、ミームコインの取引も活発で、PUMP・DOGEといった銘柄が上位に入っています。

ミームコインは、特定のインターネットミームやキャラクターを題材にした暗号資産で、事業価値(ファンダメンタルズ)を持たず投機的な色合いが強い銘柄です。機関投資家は、コンプライアンスやリスク管理の観点からこうした銘柄を運用対象に組み込むことが難しく、主に個人投資家によって取引される傾向があります。つまり、Hyperliquidが機関投資家層だけでなくリスクの高い投機的な取引を受け入れるようなユーザー層にも広く利用されていることを示しています。

既存の金融からみる可能性

Hyperliquidが従来の暗号資産の分散型取引所(DEX)と一線を画すのが、暗号資産以外の金融商品への展開です。先述した通り、現時点ではまだ0.1%程度に満たない中ですが、金・原油・株式・為替といった従来型金融商品のパーペチュアル先物を取引できる点は、既存金融の観点から複数の重要な含意を持ちます。

以下では、24時間取引・アクセシビリティ・商品多様性の3点から整理します。

24時間365日のグローバルな取引

従来の金融市場は各取引所の営業時間内に限られており、土日・祝日は取引できない商品がほとんどです。コモディティ先物の主要取引所も週末は休場します。

一方、Hyperliquidは土日・祝日を問わず、24時間365日取引が可能です。オンチェーンデータから、実際に土日も相当規模の取引が行われていることが確認できます。

曜日別・カテゴリー別 平均日次取引高(既存金融商品)

曜日別・カテゴリー別 平均日次取引高(既存金融商品)

カテゴリー 平均(月〜金) 土曜日 日曜日 土日の比率
コモディティ $147M/日 $21.4M/日 $49.0M/日 約15〜33%
株価指数・ETF $68.9M/日 $13.3M/日 $19.3M/日 約19〜28%
株式 $12.9M/日 $2.0M/日 $2.5M/日 約15〜19%
外国為替 $5.73M/日 $3.9M/日 $8.0M/日 約67〜139%

特筆すべきは外国為替(EUR・JPY)で、土日の取引量は、平日と同水準、あるいはそれ以上となっています。コモディティ(金・原油など)の土日取引も平日の15〜30%程度を維持しており、休場なしの取引インフラとしての需要が、オンチェーンデータ上で確認できます。

タイムゾーンの異なる投資家が既存取引所の開場時間に縛られることなく、必要なタイミングで取引できる環境によって米国株・コモディティ・為替を問わず、24時間いつでもパーペチュアル先物にアクセスできる点は、グローバル展開を見据えた運用において実質的な利点となります。

アクセシビリティの向上

従来の金融サービスには、口座開設審査・最低取引単位・為替手数料などの参入障壁があります。

Hyperliquidでは、ウォレット(暗号資産の財布)とUSDCがあれば取引を開始できる構造となっており、KYC(Know Your Customer:本人確認手続き)は現状プロトコルレベルでは設けられていません。

利用にあたっては、各自の居住国・地域の法令や規制をご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。

取引手数料はパーペチュアル先物の基本ティアでテイカー0.045%・メイカー0.015%と、既存の証券会社や先物取引所と比較しても低水準です。ネットワーク手数料(ガス代)はかかりません。

この構造は、金融インフラが整っていない地域からのアクセスや、少額から多様な資産クラスへの分散投資という観点で評価されています。一方、規制環境の整備状況や各国の法令対応については、引き続き動向を注視する必要があります。

取扱商品の多様化と予測市場・プライベート市場への拡大

既存金融商品のオンチェーン取扱高は、規模・商品多様性の両面から見ても、HyperliquidがDEXの枠を超えた金融プラットフォームとして機能しはじめています。

コモディティ(商品先物)

商品 累計取扱高
SILVER(銀先物) $50.9B(約7.9兆円)
CL(WTI原油先物) $46.4B(約7.2兆円)
BRENTOIL(ブレント原油先物) $20.7B(約3.2兆円)
GOLD(金先物) $11.4B(約1.8兆円)
COPPER(銅先物) $2.24B(約3,472億円)
NATGAS(天然ガス先物) $1.31B(約2,031億円)
PLATINUM(プラチナ先物) $1.13B(約1,752億円)

銀先物(SILVER)の累計取扱高が509億ドルと最大規模で、原油2銘柄(CL・BRENTOIL)を合計すると671億ドルになります。これらのコモディティは、現物購入や既存の先物口座なしで、USDCだけでエクスポージャー(価格変動リスクの取得)を取ることができます。

株価指数・個別株

2025年10月にローンチされたHIP-3(Hyperliquid Improvement Proposal 3)により、外部の開発者がHyperCore上に独自のパーペチュアル先物市場を構築できるようになりました。この仕組みを活用してトークン化された株式・株価指数の取引市場は急速に拡大しており、オンチェーンデータにはNVDA(エヌビディア)・TSLA(テスラ)・AAPL(アップル)など、主要米国株のパーペチュアル先物が多数記録されています。

商品 累計取扱高
XYZ100(株価指数) $36.6B(約5.7兆円)
SP500 / USA500(S&P500) $20.5B(約3.2兆円)
NVDA(エヌビディア) $4.67B(約7,237億円)
TSLA(テスラ) $4.06B(約6,293億円)
INTC(インテル) $2.74B(約4,246億円)
HOOD(ロビンフッド) $2.54B(約3,934億円)
CRCL(サークル) $2.14B(約3,318億円)
SNDK(ウエスタンデジタル) $2.07B(約3,209億円)
GOOGL(グーグル) $2.02B(約3,129億円)
MU(マイクロン) $1.70B(約2,641億円)
PLTR(パランティア) $1.26B(約1,950億円)
COIN(コインベース) $1.22B(約1,891億円)
AMZN(アマゾン) $1.20B(約1,862億円)
META(メタ) $909M(約1,409億円)
MSFT(マイクロソフト) $826M(約1,281億円)
AAPL(アップル) $520M(約806億円)

外国為替

EUR(ユーロ)の累計取扱高が8.67億ドル(約1,344億円)、JPY(日本円)が7.53億ドル(約1,167億円)と、為替取引も相当規模で行われています。これらは既存のFX市場と同様の価格追従性を持ちながら、24時間365日取引可能という特性を持ちます。

プライベート市場(未上場企業株)

Hyperliquidでは、OpenAI・SpaceX・Anthropicといった未上場ユニコーン企業株の価格に連動したパーペチュアル先物を取引することができます。

銘柄 企業概要 累計取扱高
ANTHROPIC Claude(AIアシスタント)開発元 $44.9M
OPENAI GPT・ChatGPT開発元
(評価額約3,000億ドル)
$40.2M
SPACEX イーロン・マスク創業の宇宙開発企業 $39.8M

従来はこれらの企業株に対して一部の機関投資家や大口投資家しかアクセスできませんでしたが、Hyperliquidでは、個人投資家でも、少額から価格変動リスクへアクセスできます。ただし、あくまでパーペチュアル先物(価格連動型の取引)であり、実際の株式を保有・議決権行使することはできません。また、参照価格の信頼性や流動性リスクには注意が必要です。

Hyperliquidにおける既存金融商品 累計取扱高トップ12

Hyperliquidにおける既存金融商品 累計取扱高トップ12

HIP-4 予測市場への参入

さらに注目すべき動きが、2026年5月2日にローンチされた「HIP-4(Hyperliquid Improvement Proposal 4)」です。HIP-4は、将来の出来事(イベント)の結果に応じてYes/Noで決済される「アウトカム市場(Outcome Markets)」を導入する提案です。これは、いわゆる「予測市場(Prediction Market)」とほぼ同義の機能を持ちます。

ローンチ当初の取扱市場は「BTCの日次価格予測(UTC 06:00決済)」のみですが、将来的には暗号資産マイルストーン・マクロ経済指標・スポーツ・選挙結果など多様なイベントへの展開が予定されています。また、HIP-3と同様に、将来的にはユーザーが独自に予測市場を開設できる「パーミッションレス(許可不要)」モデルへの移行も計画されています。

ローンチ初日のデータでは、Hyperliquidの予測市場は約605万コントラクト(1コントラクト≒1円換算のバイナリ型)を記録。現時点での規模はPolymarket(1億9,000万コントラクト)やKalshi(5億4,600万コントラクト)と比較すると小さいですが、Hyperliquidのオーダーブック型インフラとDEXとしての流動性を活かした今後の成長が注目されます。

関連記事:「予測市場Polymarketの成長と日本市場への示唆【Onchain Report】」
予測市場の仕組み・Polymarketの成長・日本市場への示唆について詳しく解説しています。

まとめ

Hyperliquidは、「暗号資産の取引所」という枠を超え、グローバルな金融インフラとして急速に存在感を高めています。

観点 従来の金融 Hyperliquid
取引時間 平日の限られた時間帯 24時間365日
アクセス 口座開設・審査が必要 ウォレットとUSDCのみ
最低取引単位 銘柄により数千〜数万ドル 1ドル未満から可能
取扱商品 各国規制に基づく許認可商品 暗号資産・株式・商品先物・為替・未上場株
透明性 取引所の内部処理 全取引がオンチェーンで公開
資産管理 金融機関が管理 ユーザー自身が管理

もちろん課題もあります。規制の不透明さ、スマートコントラクトのリスク、流動性の偏り、参照価格の信頼性など、既存金融と比べて未成熟な部分は少なくありません。しかし、累計取扱高4.18兆ドル、Bridge TVL約49.2億ドル(約7,626億円)という実績は、単なる投機的ツール以上のものとして機能し始めていることを示しています。

金融の「包摂性(Financial Inclusion)」──すなわち、世界中の誰もが公平に金融サービスにアクセスできる世界の実現──という観点において、Hyperliquidは一つの有力な解となりうるDEXといえるでしょう。今後の規制対応と商品ラインナップの拡大が、さらなる資金流入と市場参加者の多様化をどこまで促進するか、金融業界・Web3業界の双方から引き続き注目されます。

免責事項

本レポートは、キリフダ株式会社が情報提供を目的として作成したものです。

本レポートの内容は、人工知能(AI)を活用して生成・編集されています。情報の正確性・完全性については万全を期しておりますが、AIによる生成物であることの性質上、誤りや不正確な情報が含まれる可能性があります。内容については必ずご自身でご確認ください。

本レポートは、特定の金融商品・暗号資産への投資を勧誘・推奨するものではありません。掲載されている情報は、いかなる投資判断の根拠となるものでもなく、投資に関する最終的な決定はご自身の判断と責任においてお願いいたします。

暗号資産への投資には価格変動リスクをはじめとするさまざまなリスクが伴います。投資を行う際は、関連法令・規制を遵守の上、必要に応じて専門家にご相談ください。

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References

  • [Dune] オンチェーンデータ:Dune Analytics(Coincheckメディア公式ダッシュボード) —dune.com
    • データ更新日:2026年5月11日。1USD≒155円で換算。
  • [1] Hyperliquid創業経緯:Wu Blockchain Exclusive Interview / Fortune / PANews —chaincatcher.com
  • [2] 技術スペック・取引手数料:Hyperliquid公式ドキュメント —hyperliquid.gitbook.io
  • [3] HIP-4(アウトカム市場):Hyperliquid公式ドキュメント HIP-4ページ —hyperliquid.gitbook.io
  • [4] HIP-3/HIP-4概要:CoinGecko Learn —coingecko.com
  • [5] HIP-4市場シェア:Cryptopolitan —cryptopolitan.com
  • [6] 東証株式売買代金:日本取引所グループ 統計月報 —jpx.co.jp