ふるさと納税NFTとは? 導入自治体の活用事例やメリット・デメリット

ここ20年ほどで大きな広がりを見せ、知名度が高くなったふるさと納税。その新しい取り組みとして、2021年頃から「ふるさと納税NFT」という返礼品の形が生まれています。活用に興味はあるが、よく分からず踏み出せずにいる自治体関係者の方も多いかもしれません。

この記事では、ふるさと納税NFTの基礎知識や、メリットとデメリットを解説し、実際の導入事例をご紹介します。

目次

ふるさと納税NFTとは

ふるさと納税NFTとは

ふるさと納税NFTとは、ふるさと納税の返礼品としてNFT(Non-Fungible Token)を受け取れる仕組みのことです。

NFTは、日本語で「非代替性トークン」といい、ブロックチェーン上で唯一無二の価値をもつトークンを意味します。従来、デジタルアートなどは簡単に複製できてしまうため、価値を担保することが難しいものでした。しかし、NFTの登場によって、ブロックチェーン上で真正性や保有者を証明できるようになり、新しい価値の形が生まれました。

このNFTという新しい技術とふるさと納税を組み合わせた仕組みが、ふるさと納税NFTなのです。

ふるさと納税による返礼品との違い

ふるさと納税NFTと従来のふるさと納税の返礼品との違いは、自治体と納税者の関わり方にあります。さまざまなパターンがあるため一概には言えないものの、一般的には、ふるさと納税NFTのほうが、自治体と納税者とのつながりがより密接になる傾向があります。

通常のふるさと納税は、返礼品として「モノ」が送られる場合が多く、納税者は節税の観点から自治体を選ぶことが多いです。中には、いわゆる「コト消費」と呼ばれる体験型の返礼品もありますが、それもイベントを体験して終わる一過性の関係にとどまることが多いとされます。

一方のふるさと納税NFTでは、NFT保有をきっかけに、その自治体で複数の体験を楽しめたり、コミュニティに参加したりすることで、自治体の運営や企画に関わることができます。これにより、単なる納税者ではなく、「共に自治体を育てる仲間」や「自治体のファン」としての関係が生まれる点が大きな特徴です。

DAOとの関係性

DAO(分散型自律組織)とは、ブロックチェーンを活用した分散的な組織のことです。従来の中央集権的な特定のリーダーがいる組織ではなく、コミュニティ全体で合意形成を行っていきます。

ふるさと納税NFTの取り組みの中には、NFTの所有者にコミュニティ参加権を付与し、DAO的な仕組みで意見交換を行うケースも見られます。現時点ではDAOとして明確に機能している例は少ないものの、寄付者と地域をつなぐ「コミュニティ参加型の仕組み」が増えているのが実態です。

一方で、デジタルと地域創生の融合を目指し、DAOによるまちづくりを計画・実施する自治体は増加しています。その中で、DAO主体でふるさと納税NFTの企画・開発を行う事例も見られ、将来的には両者の連携がさらに進むと考えられます。

つまり、ふるさと納税NFTとDAOは、「Web3」と「地域創生」という共通のキーワードで結びつく領域であり、現時点では直接的な関わりは限定的ですが、今後の発展により相互に関係が深まっていくことが期待されています。

ふるさと納税NFTが注目される背景(自治体課題とDX化)

ふるさと納税NFTが注目される背景(自治体課題とDX化)

日本の多くの地域では、人口減少や高齢化による担い手不足の問題を抱えています。

そこで、関係者人口を増やすために、地域の活動に参加する「直接寄与型」やテレワークなどによる「就労型」、イベントや体験に参加する「参加・交流型」など、さまざまな方向性から取り組みをしています。

中でも、ふるさと納税NFTは「参加・体験型」との相性が良く、直接寄与型などでの展開も考えられるなど、自治体課題の解決と相性が良く注目度が高まっています。

加えてDXによる経費の圧縮など、運営メリットも大きいため、ふるさと納税NFTに取り組む自治体が増えてきました。

ふるさと納税NFTの種類

ふるさと納税NFTの種類

ふるさと納税NFTは、現在まさに活用方法が模索されている段階にあります。全国の自治体でさまざまな試みが行われており、その形は大きく3つに分けられます。

特産品や体験をNFT特典化

地域の特産品やイベント体験、祭りへの参加権などをNFTとして提供するタイプです。NFTアートとセットで配布されるケースも多く、デジタル上の所有体験と、現地での体験を組み合わせた「ハイブリッド型返礼品」として注目されています。

ご当地キャラクター等とのコラボ

ご当地キャラクターやNFTゲームとコラボレーションしたNFTを返礼品とするパターンです。たとえば、人気キャラクターが地域特産品を手にしたり、その土地をモチーフにしたデザインで登場したりするなど、ファンにとってうれしい要素が多くあります。

キャラクターのファンがその地域に関心を持ち、結果として自治体のPRにもつながる点が特徴です。

DAO・地域コミュニティの参加権利

ふるさと納税を通じて、DAOや地域コミュニティへの参加権が付与されるタイプもあります。コミュニティは、現地イベントだけでなく、Discordなどのオンラインツールを通じて運営されることも多く、遠方に住む人でも地域とつながることができます。 現時点では、DAOとまでは明言されない「コミュニティ」の様式も多いですが、将来的には住民参加型のまちづくりの一端を担う仕組みへ発展していく可能性もあります。

ふるさと納税NFT導入事例10選

ふるさと納税NFT導入事例10選

ふるさと納税NFTを導入する自治体は、全国で少しずつ実例が増えています。ここでは、ふるさと納税NFTの取り組みを行っている自治体の事例を10件紹介します。それぞれの地域が、NFTを通じてどのように寄付者との関係を築いているのかを見ていきましょう。

なお、ふるさと納税以外でも、地方創生のために自治体がNFTを活用する事例は年々増えています。そのような幅広い活用事例については、以下の記事でも紹介しています。

神奈川県藤沢市:湘南にまつわるデジタルアートNFT

神奈川県藤沢市:湘南にまつわるデジタルアートNFT

引用:ejworks News「神奈川県藤沢市ふるさと納税の返礼品に「SHONAN NFT」でNFT化された受賞5作品を提供開始いたします」

神奈川県藤沢市では、「SHONAN NFTアートコンテスト」で入選した5作品をNFT化したデジタルアートと、藤沢市の観光名所である江の島内の対象施設を無料で使用できる招待券をセットにした返礼品を提供しました。

この取り組みは、湘南エリアの文化資産をデジタルデータとして蓄積し、未来へ継承することを目的とした「SHONAN NFT」プロジェクトの一環です。ふるさと納税だけでなく、湘南の海を守るためのNFTプロジェクトなど、NFTを活用した複数の地域振興施策が進行中です。

新潟県三条市・新潟県燕市:NFTトレカの共通返礼品

新潟県三条市・新潟県燕市:NFTトレカの共通返礼品

引用:株式会社トラストバンク 2023年4月25日プレスリリース

新潟県三条市と新潟県燕市は、NFTトレカ「燕三条NFT 匠の守護者」を共通返礼品として採用しました。運営会社である株式会社トラストバンクのプレスリリースによると、2つの自治体が共通返礼品としてNFTを採用したのは、この事例が初めてとされています。

「燕三条NFT 匠の守護者」は、株式会社燕三条が販売するトレーディングカード「燕三条トレカ匠の守護者」をNFT化したものです。燕三条地域のものづくり関連企業や団体を擬人化したキャラクターが特徴で、オンライン上のカードに加え、実物のカードも郵送されます。さらに、燕三条地域で使えるクーポンやお祭りへの参加権がもらえるなど、オンラインとオフラインの両方で地域を楽しめる内容になっています。

北海道余市町:NFTプロジェクトCryptoNinja PartnersとのコラボNFT

北海道余市町:NFTプロジェクトCryptoNinja PartnersとのコラボNFT

引用:株式会社あるやうむ 2022年10月7日プレスリリース

北海道余市町は、人気NFTプロジェクトのCryptoNinja Partners(CNP)とコラボした返礼品、「余市町ふるさとCNP2022」を提供しました。こちらは、CNP人気キャラクターの「ルナ」を採用した1点ものの222種類のNFTで構成され、発売後わずか3分で売り切れになったことが話題になりました。

このNFTの所有者は、余市町のワインの優先購入権の抽選権利や、NinjaDAOのDiscordチャンネルへの1ヶ月体験権利が付与されました。

CNPとふるさと納税のコラボは高い注目を集め、余市町の取り組みを皮切りに、全国の複数の自治体で同様の取り組みが展開されています。

北海道余市町:ウイスキー引換券NFT

北海道余市町:ウイスキー引換券NFT

引用:furusatowhisky.com

北海道余市町では、余市町で作られたウイスキーの所有権も返礼品として提供しています。町内の新蒸留所で特別に製造された限定ウイスキーのラベルが描かれたNFTで、1本分の引換券として利用できる仕組みです。

特典として、ウイスキー愛好家が集う限定コミュニティへの参加権や、樽の開封タイミングを決める投票権が付与され、寄付者がユニークな形で関われる体験型の返礼品となっています。

岩手県遠野市:参加型NFTコレクション「Game of the Lotus 遠野幻蓮譚」

岩手県遠野市:参加型NFTコレクション「Game of the Lotus 遠野幻蓮譚」

引用:Game of the Lotus公式ホームページ

岩手県遠野市では、神話と現実がリンクする参加型NFTコレクション、「Game of the Lotus 遠野幻蓮譚」のキャラクタートークンNFTとアイテムNFTを返礼品として提供しています。

「Game of the Lotus 遠野幻蓮譚」は、柳田國男の文学作品「遠野物語」をモチーフにした体験型NFTゲームで、キャラクターとともに現地を巡り、観光や飲食を楽しみながら遊べる仕組みです。市内の観光地や飲食店を訪問すると「チェックイン」ができ、限定アイテムを入手することも可能です。ふるさと納税をきっかけに、キャラクターの着せ替えやNFTゲームを楽しみながら、遠野市との新しい関係を築ける取り組みとなっています。

長崎県大村市:玖島城石垣の石NFT

長崎県大村市:玖島城石垣の石NFT

引用:長崎県大村市公式ホームページ

長崎県大村市では、市内の大村公園にある玖島城石垣の石のデジタル証明書(NFT)を、ふるさと納税の返礼品として提供しています。玖島城の石垣は「打ち込みはぎ」と呼ばれる技法が用いられており、そのひとつひとつの石のオーナーシップを証明するNFTとして発行されています。

納税者は、デジタル上で対象の石に自分の名前や日付が入った画像や、石の3D画像を閲覧できます。こちらの寄付金は、石垣の維持・保全のためにも使われており、文化遺産を守る活動にデジタル技術を通じて参加できる新しい仕組みとなっています。

香川県高松市:盆栽のパトロンNFT

香川県高松市:盆栽のパトロンNFT

引用:盆栽エージェンシー 2023年12月8日プレスリリース

香川県高松市は、市内の老舗盆栽園の盆栽のパトロンになれるNFTプロジェクトを、ふるさと納税の返礼品として採用しました。これは、盆栽そのものの所有権ではなく、長い時間をかけ、熟練の職人が育てあげる盆栽を支援する取り組みです。

納税者には、支援者として名前が刻まれたネームプレートや木札が設置されるほか、職人による動画講座の視聴アクセス権が付与されます。なお、このNFTは二次流通での売買や譲渡ができない仕様となっており、「支援」と「文化振興」を目的とした形で設計されています。

佐賀県鹿島市:鹿島デジタル住民NFT

佐賀県鹿島市:鹿島デジタル住民NFT

引用:佐賀県鹿島市 自治体交流ファンサイト ふるさと生活

佐賀県鹿島市では、「鹿島のファンを増やし、ゆくゆくは移住につながってほしい」という思いから、鹿島デジタル住民NFTを返礼品として提供しています。

このNFTには、「イベント参加」「デジタルまちづくり提案券」「鹿島デジタル住民チャットへの参加権」「デジタルウォレットCOMMUNの付与」という4つの特典が含まれており、寄付者はこれらを通じて鹿島市の魅力や地域の取り組みに触れることができます。

島根県松江市・島根県雲南市:秘密結社鷹の爪団 吉田くんNFTアート

島根県松江市・島根県雲南市:秘密結社鷹の爪団 吉田くんNFTアート

引用:DLE NEWS「島根県松江市、雲南市初!ふるさと納税返礼品にNFTアートが登場。「鷹の爪団NFT」とコラボしたふるさと納税NFT受付開始!~NFTアートを通じて島根県松江市と雲南市の魅力を発信~」

島根県松江市と島根県雲南市では、秘密結社鷹の爪団のキャラクター・吉田くんのNFTアートを返礼品として採用しました。吉田くんが、松江市や雲南市にちなんだデザインで描かれている唯一無二の作品です。

市内の観光地に設置されたQRコードを読み込むと、NFTアートの吉田くんが進化する仕掛けも用意されています。人気作品とのコラボを通じて、両市の魅力発信や地域活性化を目指す取り組みです。

秋田県秋田市:秋田公立美術大学NFTコレクション

秋田県秋田市:秋田公立美術大学NFTコレクション

引用:秋田県秋田市 「ふるさと納税をとおして、美大生を応援しています!」

秋田県秋田市では、市内にある秋田公立美術大学の学生クリエイターによる作品をNFT化し、ふるさと納税の返礼品として採用しています。人形作家がなまはげをモチーフに制作した作品を3Dモデル化したものなど、3Dプリンターで出力して楽しめる作品もあり、学生ごとの創作スタイルに合わせたNFTアートを体験できます。

この取り組みは、地域だけでなく、若手アート作家の活動も応援できる点が特徴です。地方とアート、どちらにも寄り添う形で楽しめる返礼品となっています。

ふるさと納税NFTのメリット

ふるさと納税NFTのメリット

ふるさと納税NFTを導入することで、自治体にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは代表的な5つのポイントを紹介します。

自治体の認知度向上が期待できる

ふるさと納税NFTを導入している自治体はまだ少なく、その取り組み自体がニュースとして取り上げられやすい傾向があります。

人気NFTプロジェクトやアーティストとのコラボ、地域らしさを生かした独自のNFTなど、企画次第で話題を呼びやすく、自治体の知名度アップに直結します。

ファン形成につながる

ファン形成の例として、NFTキャラクターとともに街をめぐるような仕掛けを設ければ、ふるさと納税NFTをきっかけに地域を訪れ、魅力を再発見する人が増えるでしょう。

アイデア次第でさまざまな関わりを創出でき、自治体に愛着を持つファンを増やすことが期待できます。

関係人口の創出・地域活性につながる

ふるさと納税NFTでは、納税者に返礼品だけでなく、地域コミュニティやまちづくりへの参加の機会を提供するケースが多く見られます。これにより、自治体に住んでいない人でも、その地域の活動や魅力を知り、継続的に関わるきっかけを創出できます。

ここでいう関係人口とは、定住や移住ではなく、観光やボランティア、オンラインコミュニティなどを通じて地域に関わる人々を指します。ふるさと納税NFTは、関係人口を増やし、地域の活力を高める新しい仕組みとして期待されています。

返礼品の幅が広がる

たとえば、城の石垣の一部を「デジタル証明書」としてNFT化したり、地元の風景を限定デザインのNFTアートとして配布したりと、これまで想像もされなかったような返礼品が可能になります。 自治体にとっては、地域資産を新しい形で魅せる手段にもなります。

発送コスト等を削減できる

NFTはデジタル上で完結する返礼品であるため、セットで特産品などを送付しない場合は、物理的な配送や在庫管理のコストが不要です。事務作業の削減にもつながり、持続可能なふるさと納税の仕組みとしても注目されています。

ふるさと納税NFTのデメリット

ふるさと納税NFTのデメリット

ふるさと納税NFTを導入するときに注意すべき点やデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、主な5点を解説します。

NFT・DAOの知識が要求される

NFTやDAOはWeb3領域の新しい技術であり、まず企画担当者に一定のITリテラシーが求められます。

特に重要なのは、NFTやDAOの仕組みを正しく理解したうえで、どのような体験を寄付者に提供したいのかを明確に設計することです。たとえば、「NFTアートを返礼品として配布する」のか、「NFTを寄付証明書として発行し、応援コミュニティへの参加を促す」のかによって、必要な準備やコストも大きく異なります。

さらに自治体では、新しい技術を導入する際に承認プロセスが多段階になることが多いため、NFTの概念を分かりやすく説明し、関係者の理解を得ながら進めることが欠かせません。

NFTに関する法的整備が追いついていない

現行法ではNFTの性質について明確な定義がなく、著作権や景品表示法、資金決済法など、複数の法律のはざまで運用されています。 そのため、返礼品として提供する際には、トラブルが発生しないよう契約内容や利用規約の設計に慎重さが求められます。

自治体単独でふるさと納税NFTを提供することが難しい

NFTの発行・管理・販売には、ブロックチェーンに関する専門知識とシステム環境が必要であり、自治体が単独で運営するのは現実的に困難です。 そのため、多くの自治体はWeb3やふるさと納税支援を専門とする民間企業と連携しており、技術・法務・広報の面でサポートを受けながら事業を進めています。 こうした外部依存の体制は導入のハードルを下げる一方で、委託費や連携先選定のリスクを伴います。

ガス代(手数料)などのコストが発生する

NFTはブロックチェーン上で発行・送付を行うため、ネットワーク利用料である「ガス代」が発生します。ガス代はブロックチェーンの混雑状況によって変動するため、一定の費用見積りが難しく、予算管理上のリスク要因となることがあります。 また、NFT発行・保管のためのプラットフォーム利用料など、目に見えにくいコストも発生する点に注意が必要です。

NFTの管理・セキュリティの問題がある

ふるさと納税NFTは、多くの場合、Web3企業が運営する専用プラットフォーム上で発行されます。 そのため、委託先企業の経営状況やシステム運用に依存する部分が大きく、仮にプラットフォームが終了した場合、寄付者が保有するNFTの扱いが不明確になるリスクがあります。

また、NFTを保管するウォレットのセキュリティにも注意が必要で、パスフレーズの漏えいや詐欺的なNFT販売サイトなど、利用者側のリスクも存在します。

ふるさと納税NFTの活用に必要な準備

ふるさと納税NFTの活用に必要な準備

ふるさと納税NFTを導入するには、「どんな体験を寄付者に提供したいか」を明確にすることが重要です。シンプルにNFTをデジタル返礼品として発行するのか、地域とのつながりを育む仕掛けとして活用するのかによって、設計すべき内容が大きく変わります。

企画の方向性を固めたら、次のステップとして、課題の洗い出しと体制づくりを行います。たとえば、NFT発行に必要なシステム・技術面の支援先の選定、法的な整理やガイドラインへの対応、プロジェクト運営のスケジュール・予算設計などを検討する必要があります。

こうした準備を経て、実際にふるさと納税NFTを発行する際には、NFTプラットフォームを活用するケースが一般的です。ただし、協力企業がどのような方式を提供しているかや、どのような体験設計にしたいかによって採用するプラットフォームは変わるため、取り組みの内容に応じた選択が求められます。

NFTふるさと納税は「自治体・地域への新しい寄付」

NFTふるさと納税は「自治体・地域への新しい寄付」

NFTという新しい技術をふるさと納税の返礼品として活用する取り組みは、自治体や地域への新しい寄付の形といえます。

配送料を削減できたり、関係人口を増やしたりといったメリットがある一方で、NFTが新しい技術であるがゆえに法整備が追いついていないなどの課題もあります。また、何より重要なことは、ふるさと納税NFTを導入する目的を「NFTを使うことそのもの」に置くのではなく、NFTによってどのような価値や体験を提供できるのかを丁寧に設計することです。

さまざまな取り組みが広がりつつある今、地域の魅力を新しい形で伝える手段として、ふるさと納税NFTを検討してみるのも良いかもしれません。

 

著者神崎なつめ

  

1996年生まれ。Web3.0、仮想通貨、買取などの記事を執筆。雑誌『アルトコインナビVol.2』(双葉社)などを手掛けた。また、一般社団法人古物査定士認定協会の広報として、アート・骨董品・お酒などの分野で監修をしている。