
暗号資産投資において「ミームコイン」というジャンルが存在します。イーロンマスク氏との関係が深いドージコイン(DOGE)などを代表に、インフルエンサーやインターネット上での流行をもとに、大きく価格が変動することで注目を集めています。
しかし、ミームコインの特徴や将来性がわからない、どのようなメカニズムで価格が変動しているかわからないといった声も少なくありません。
本記事では、ミームコインについて詳しく知りたい方向けに、ミームコインの全体像を解説していきます。
この記事でわかること
目次
ミームコインとは
ミームコインとは、インターネット上でのミーム(ジョーク)から生まれた暗号資産です。
話題性や価格の流動性が高いことで注目を集め、現在では暗号資産市場の中で大きなカテゴリーの1つとされています。
ビットコインなどの主流な暗号資産は、ブロックチェーンやスマートコントラクトなどの技術を掲げていますが、ミームコインは主流な暗号資産と比べ、暗号資産としての機能性や実用性が備わっていないことが多いです。
それでも時価総額上位のミームコインが存在しているのは、実用性の代わりにユニークさやコミュニティの盛り上がりで評価を得て、世界中の投資家たちに将来性を見込まれているからです。
2025年1月時点で、ミームコイン全体の時価総額は400億ドル超えを記録し、かなりの盛り上がりを見せています。現時点では、ミームコインは暗号資産市場に欠かせない通貨ジャンルの1つと言えるでしょう。
ミームコインの特徴
ミームコインには、一般的な暗号資産とは異なる4つの特徴があります。
- 技術重視ではない
- 発行量が無制限な場合が多い
- コミュニティの人気や勢いが重視される
- 値上がり率が高い
これら4つの特徴を詳しく解説していきます。
技術重視ではない
ミームコインは、技術が重視されておらず、面白さや話題性などの技術以外の部分が重要視されています。
技術が盛り込まれていないため、多くのミームコインには機能性や実用性がないといっても差し支えないでしょう。
ビットコインやイーサリアムと違い、ほとんどのミームコインには暗号資産自体の目的や特別な機能が存在していないことを理解しておきましょう。
発行量が無制限な場合が多い
ミームコインは発行量に制限が設けられていないことがあります。実際に有名なミームコインであるDOGEは発行量が無制限で、2025年1月時点での発行量は1460億枚を超えました。
発行量が無制限のメリットとして多くの人が安く大量に購入できる点があげられますが、デメリットも存在しています。
デメリットは通貨が発行されるたびに暗号資産市場に出回るコインの数が増えて、希少性が低くなり、インフレーションになりやすい点です。
ビットコインは総発行量をあらかじめ制限しインフレーションを防いでいるのに対して、ミームコインには同様の性能は設定されていないです。
コミュニティの人気や勢いが重視される
ミームコインが時価総額上位のコインになるのに欠かせないのが、コミュニティの人気と勢いです。
ミームコインは、有名人やネットで話題になったミームに基づいて作られるため、元の有名人のファンやミームのファンから支持を得やすい傾向にあります。
実用性のないミームコインは、コミュニティを盛り上げて、リリース前からどれだけ勢いに乗れるかがコインの価値を高める上で重要です。
値上がり率が高い
ミームコインは他の暗号資産に比べて、短期間での値上がり率が高い傾向にあります。
ミームコインとは、その名の通りインターネット上での流行で価格をつけているため、流行により短期間で暴騰する現象が見られます。
DOGEの例では、米国の実業家・起業家である、イーロンマスク氏がTwitter(現X)でドージコインの発言を続けたことで、短期間で1万倍近くの暴騰を見せたケースがありました。
その結果、現在でも多くの投資家たちは将来的に価値が爆上がりするミームコインを常に探しています。
ミームコインのリスクや注意点
ミームコインは上場から1,000倍以上の価格上昇が期待される魅力的な暗号資産ですが、リスクや注意点もあります。
- 価格が流行に大きく左右される
- 購入が扇動されていることがある
- 詐欺・スキャムの可能性がある
これら3点に気をつけながらミームコインを楽しみましょう。
価格が流行に大きく左右される
ミームコインは、価格が流行に大きく左右されます。インフルエンサーなどの影響で注目を集めて、流行に乗れば価格が急上昇しますが、何らかの原因で1度売りが始まれば、価格は急降下します。
急に価格が変動するミームコインは、大きな値上がりも観ることができる一方で、大損もしやすいので慎重に取引を行いましょう。
購入が扇動されていることがある
インフルエンサーが特定のミームコインの購入を扇動することがあります。
先に安い価格でミームコインを購入したインフルエンサーが、一般投資家たちに購入を扇動し、ミームコインの価格が上がったタイミングで売り抜けることができるためです。
インフルエンサーのあおりで価格が上がったあと、購入を扇動したインフルエンサーがあらかじめ購入した大量のミームコインを手放せば価値が急落します。
その結果、購入を扇動したインフルエンサーが大金を稼ぐ一方で、あおりを受けた大半の一般投資家たちが損をします。
詐欺・スキャムの可能性がある
ミームコインを購入する際は、詐欺やスキャムの可能性も頭に入れておきましょう。
詐欺が起きた場合は、一気にミームコインの価値が下がり、購入者は損をする結果になります。
実際に、2021年に大流行したネットフリックスの人気ドラマ「イカゲーム」のミームコインである「Squid Game(SQUID)」は大きく注目を集めていましたが、開発者が「Squid Game(SQUID)」を約2億4,000万円分持ち逃げしたことで通貨の価格が360万%も下落しました。
ミームコインを購入する際は、このような事件が起こる可能性も視野に入れてください。
ミームコインとインフルエンサーの関係
ミームコインとインフルエンサーには深い関係性があります。
著名なインフルエンサーが特定のミームコインについて言及すると、そのコインの価格が急上昇もしくは急降下します。
この現象は、ミームコイン市場を盛り上げる一方で、インフルエンサーの発言次第で価格が急変動することに対する不安感を抱く人も現れました。
ミームコインを購入する際は、インフルエンサーの動向に注目してみてください。
イーロンマスク氏とドージコイン(DOGE)
ミームコインとインフルエンサーの関係で、特に有名なのがDOGEとイーロンマスク氏です。
イーロンマスク氏はTwitter(現X)で度々ドージコインの話題を持ち出しており、イーロンマスク氏の発言でドージコインの値上がりがみられるケースが多くあります。
イーロンマスク氏は、2025年に発足された米国トランプ政権において、政府効率化省を主導しています。この政府効率化省はDepartment of Government Efficiencyという正式名称ですが、頭文字を取るとDOGEになります。
政府効率化省とドージコインは無関係ですが、命名にはなんらかの意図があると言えるでしょう。イーロンマスク氏の動向は暗号資産業界に大きな影響がありますが、特にドージコイン関連は注視すべきといえます。
代表的なミームコイン
ミームコインの中で特に有名な4つのコインを紹介します。
DOGE
DOGEは、2013年にAdobe Systemsでマーケティングを担当していたJackson Palmer(ジャクソン・パルマー)氏と、IBMでソフトウェアエンジニアをしていたBilly Markus(ビリー・マーカス)氏によって開発されたミームコインです。
発行枚数が無制限でライトコインのソースコードをベースに作られています。
モチーフは、アメリカの匿名掲示板4チャンネルで人気のあった日本の柴犬「かぼすちゃん」です。
DOGEはイーロンマスク氏が注目しているミームコインです。
イーロンマスク氏がX(エックス)でDOGEについて言及するたびに価格を急上昇させてきました。
ミームコインの中でも特に時価総額ランキングが高く、ミームコインを代表する通貨と言えるでしょう。
DOGEは2025年1月時点で、時価総額ランキング7位となっています。(CoinMarketCap調べ)
SHIB
SHIBは2020年にRyoshiと名乗る匿名の人物またはグループによって開発されたミームコインです。
モチーフは名前の通り柴犬で、日本では、「シバイヌ」や「柴犬コイン」とも言われています。
2021年にイーロンマスク氏がDOGEについて言及したことをきっかけに、DOGEと同じく柴犬をモチーフにしたSHIBも影響を受けました。
それまでは無名でかなりの低価格でしたが、イーロンマスク氏の影響で一気に話題になり、約50万倍の価格上昇を引き起こしました。
S
HIB は2025年1月時点で時価総額ランキング15位となっています。(CoinMarketCap調べ)
MONA
MONAは2014年にMr.Watanabeによって開発された日本初のミームコインです。
デザインは匿名掲示板2チャンネル(現在は5チャンネル)のアスキーアート「モナ―」がモチーフになっています。
MONAはミームコインとしては珍しく、機能性と実用性を兼ね備えたコインで、特定の飲食店での決済や投げ銭としての利用ができます。
また、ビットコインと比べて送金時間が圧倒的に早いことでも注目を集めました。
ビットコインは送金時間が約10分かかるのに対して、MONAは約90秒で送金が可能です。
つまり、ビットコインではなく、MONAを使用することで約6.7倍、送金時間を短縮できます。
そんなMONAは2025年1月時点で時価総額ランキング976位となっています。(CoinMarketCap調べ)
PEPE
PEPEは2023年に開発された比較的新しいミームコインです。
デザインにはPepe the Frog(ぺぺザフロッグ)というカエルのキャラクターが使用されています。
PEPEは、他の暗号資産と異なる3つの珍しい特徴を持っています。
・プレセールを行わない
・税金(TAX)ゼロを公約している
・デフレメカニズムを持つ
プレセールを行わなかったことで、全ての投資家が同じタイミングでPEPEを購入できました。
また、税金(TAX)ゼロを掲げていて、PEPEを購入する際に手数料がかからないので優位性の高い取引を行えます。
デフレメカニズムは、取引の際にトークンの一部が消失される仕組みのことです。
そうすることで、需要と供給を保ち、PEPEの価値を高めることにつながっています。
PEPEは2025年1月時点で時価総額ランキング21位です。(CoinMarketCap調べ)
ミームコインの将来性
ミームコインは流行としての側面も強いため、将来性について思慮する方も多いでしょう。
本章では、ミームコインの将来性について、紹介します。
- 時価総額上位のコインも存在する
- イーロンマスク氏などのインフルエンサーの動向
- 暗号資産界隈の外に出れるミームコインの登場
時価総額上位のコインも存在する
ミームコインでもDOGEやSHIBのように時価総額ランキング上位のコインが存在します。
DOGE は2025年1月時点で、時価総額ランキング7位、SHIBは時価総額ランキング15位となっています。(CoinMarketCap調べ)
この2つのコインから、機能性や実用性が乏しいミームコインでも多くの人が注目して、購入されていることがわかります。
ミームコイン開発のプロジェクトは各地で進行しています。新しく開発されたミームコインの中には、時価総額ランキング上位に食い込むものが出てくるかもしれません。
イーロンマスク氏などのインフルエンサーの動向
DOGEなどのミームコインに影響を与えているイーロンマスク氏の動向が注目されています。
イーロンマスク氏は、自身が最高経営責任者である「テスラ」でDOGEによる決済を導入すると度々示唆してきました。
2024年5月にはテスラ社でDOGE専用のよくある質問(FAQ)を設置して、イーロンマスク氏とDOGEの密接な関係に注目を集めています。
また、イーロンマスク氏が支持している暗号資産推奨派のドナルドトランプ氏が2024年に再度アメリカの次期大統領に選出されたことで、ミームコイン市場全体が盛り上がりを見せました。
トランプ氏のミームコインも登場しており、米国発の暗号資産ブームの行く末が注視されています。
暗号資産界隈の外に出れるミームコインの登場
世界中で愛されているネットミームがコイン化することで、暗号資産に興味を持たない人にもミームコインが注目されています。
ミームがコイン化することで、そのミームのファンが暗号資産に興味を持ち、新規に購入する流れがあります。トランプコインなどが良い例でしょう。
今後も有名ミームがコイン化することで、暗号資産界隈の外から、ミームコインに興味を持つ人が増える可能性があります。
ミームコインの購入方法
ミームコインを購入するにはCoincheckがおすすめです。
2014年8月にサービスを開始したCoincheckは、金融庁と関東財務局に登録済みの暗号資産交換業者です。
取り扱っている暗号資産の種類は31種類で、先ほど紹介したDOGE・SHIB・MONAも含まれています。
500円から暗号資産を購入できるので、少ない資金でも気軽に暗号資産取引をはじめることができます。
また、東証プライム上場の大手ネット証券「マネックスグループ」のグループ会社であり、資金面やセキュリティ対策も万全です。
スマホだけでアカウント登録から暗号資産取引をはじめられるので、パソコンを持っていない人にもおすすめです。
「暗号資産取引所が多すぎて選べない」「まずは、少ない資金から暗号資産取引をはじめたい!」このように考えている人はCoincheckを利用してみてください。