ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は、暗号資産の中でも代表的な2銘柄です。
どちらも同じ暗号資産ですが、目的、仕組み、手数料の考え方などが異なります。この記事では両者の違いを整理したうえで、投資目的に応じた選び方の考え方を解説します。
目次
イーサリアムとビットコインの違い
イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)は、同じ暗号資産ではありますが、さまざまな違いもあります。ここでは、投資に関わるような違いに着目して解説します。
なお、イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)それぞれの詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
イーサリアムとビットコインの違い一覧
イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)の主な違いを一覧表にまとめました。
| 項目 | イーサリアム(ETH) | ビットコイン(BTC) |
|---|---|---|
| 誕生時期 | 2015年 | 2009年 |
| おもな目的 | プラットフォーム | デジタル通貨 |
| 暗号資産内での立ち位置 | アルトコインの代表格 | 基軸通貨 |
| コンセンサスアルゴリズム | PoS | PoW |
| ブロック生成時間 | 約12〜15秒 | 約10分 |
| 発行上限 | 固定上限なし | 2,100万枚 |
目的の違い
ビットコイン(BTC)は、価値の保存媒体として知られている一方で、イーサリアム(ETH)はアプリケーションなどを開発するためのプラットフォームとして知られています。
イーサリアム(ETH)は、誰もが利用できる多様な通貨やサービスの基盤となることを目的に設計されています。
取引を確定する仕組みの違い
取引を確定する仕組みとして、「コンセンサスアルゴリズム」とよばれるものがあり、ブロックチェーンごとに決まっています。
ビットコイン(BTC)は暗号資産のさきがけとして、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)というコンセンサスアルゴリズムを採用しています。これは他のブロックチェーンでも使われている主要なコンセンサスアルゴリズムですが、消費電力などの面で課題が指摘されることもあります。
この解消を目指して考えられたのが、イーサリアム(ETH)のPoS(プルーフ・オブ・ステーク)です。コンセンサスアルゴリズムの詳細については、以下の記事をご覧ください。
ブロックが作られる速さの違い
ビットコイン(BTC)のブロック生成時間が平均して10分程度なのに対して、イーサリアム(ETH)は12〜15秒程度です。
これは、おもにコンセンサスアルゴリズムが異なることにより生じる違いです。イーサリアム(ETH)は、PoSというコンセンサスアルゴリズムを採用することで、セキュリティを高めつつ、ブロック生成時間の短縮を実現しています。ブロック生成時間が短いと送金時間が短縮されるなど、ユーザーの利便性が向上します。
手数料の違い
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)はいずれも、ネットワークの混雑状況によって取引手数料が変動します。利用者が増えると承認待ちの取引が増え、手数料が上昇することがあります。
イーサリアム(ETH)では「ガス代」と呼ばれる手数料が必要で、送金だけでなくスマートコントラクトの実行などにも発生します。こうした用途の広さから、ネットワーク利用が活発化した局面では、手数料が大きく変動することがあるとされています。
供給量のルールの違い
イーサリアム(ETH)の供給量、つまり通貨発行量上限は決められていません。一方で、ビットコイン(BTC)には2,100万BTCという上限が決められています。
ただし、上限の決まっていない通貨も多くあるので、イーサリアム(ETH)だけが特別というわけではありません。発行量の上限がない暗号資産については、「稀少性が下がる可能性がある」「今後、上限が決まる可能性もある」という点を押さえておくとよいでしょう。
立ち位置の違い
基軸通貨とは、本来は国際取引や為替市場において中心的な役割を果たす通貨を指します。法定通貨の世界では、米ドルがその代表例として挙げられます。なお、ここでいう法定通貨とは、国や中央機関が発行する通貨のことです。
ビットコイン(BTC)は法定通貨ではありませんが、暗号資産市場における基軸通貨としての役割を果たしているといわれています。暗号資産の価格がビットコイン建てで表示されるケースが多いことや、最初に誕生した暗号資産として長い歴史を持つことなどが、その背景にあります。
一方、イーサリアム(ETH)は、アルトコインに分類されます。アルトコインとは、ビットコインを除く暗号資産の総称です。イーサリアム(ETH)はその中でも時価総額が大きく、知名度の高い銘柄のひとつとされています。
たとえば、2026年6月18日時点ではイーサリアム(ETH)の時価総額は約34兆円とされ、時価総額ランキングでも上位に位置しています。このように、イーサリアム(ETH)はアルトコインの代表的な存在として市場で認識されています。
また、イーサリアムブロックチェーン上で発行される暗号資産は、様々なスマートコントラクトやDEXを通して、ETHと交換されることが多いです。そのため、イーサリアムもある種の基軸通貨と呼べる立ち位置を確立しつつあり、アルトコインとしてイーサリアムを分類しないという考え方も登場しています。
イーサリアムとビットコインは投資するならどっち?
暗号資産への投資を検討している方の中には、知名度の高い2つの銘柄を前にして「イーサリアムとビットコイン、どちらを選ぶべきだろう?」と迷う方も多いのではないでしょうか。ここからは、どういった考え方をすればよいかを解説していきます。
結論は投資目的で変わる
イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)のどちらを選ぶかは、投資目的によって考え方が変わります。たとえば、短期的な値動きで利益を得たいのか、中長期での価値上昇を見込むのか、あるいは複数資産への分散投資の一環として暗号資産を組み入れたいのかによって、選択肢は異なります。こうした考え方は「投資スタンス」ともいえるでしょう。
ビットコインが向いている人
ビットコイン(BTC)は、暗号資産に投資してみたいものの、相対的な安定性を重視しながら長期保有を検討したい人に選ばれることが多い銘柄です。時価総額の大きさや、最初に誕生した暗号資産であるという歴史の長さから、他の銘柄と比較すると値動きが安定しやすいとされることがあります。
また、ビットコインのETF(上場投資信託)をめぐる動きが広がってきたこともあり、間接的にビットコインへ投資しやすい環境が整いつつあるとの見方もあります。こうした制度面での変化は、これまで暗号資産に直接触れてこなかった層にもアクセス機会を広げるものであり、ビットコインの社会的な位置付けに影響を与える可能性もあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
イーサリアムが向いている人
イーサリアム(ETH)は、今後の成長余地に期待して投資してみたい、という人に選ばれることのある銘柄です。
イーサリアム(ETH)は、単なるデジタル通貨という枠を超え、アプリケーション基盤として活用されるプラットフォームとして設計されており、レイヤー2技術の普及など、技術面での進化も続いています。こうした背景から、エコシステム全体の発展を期待する声があるためです。
イーサリアム(ETH)の将来性について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
迷ったときの選び方
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)のどちらを選ぶべきか迷った場合は、自身のリスク許容度や投資期間をあらためて整理してみることがひとつの方法です。
暗号資産は価格変動が大きい資産であるため、短期的な値動きに一喜一憂してしまう方には負担が大きく感じられることもあります。まずは少額から始めたり、複数の銘柄に分散したりといった方法も選択肢のひとつです。
いずれにしても、市場動向や暗号資産ごとの特性を理解したうえで、無理のない範囲で検討することが大切です。
イーサリアムとビットコイン投資の使い分け
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)では、設計思想や市場での位置付けが異なります。
一般的には、ビットコイン(BTC)は時価総額が大きく、比較的値動きが安定しているとされる一方で、イーサリアム(ETH)はエコシステムの成長や技術進展の影響を受けやすい銘柄といわれることがあります。
ただし、いずれも変動の大きい資産である点に変わりはなく、あくまで暗号資産同士を比較した場合の傾向であり、絶対的な評価ではありません。そのため、「低リスク」「高リターン」と単純に分類することはできず、慎重に検討して投資先を決めるようにしましょう。
ここからは、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を投資先として使い分ける場合の考え方の軸について解説します。なお、それぞれの暗号資産の購入方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
目的別の使い分け
「何を目的として保有するのか」という軸で考える方法があります。
たとえば、「暗号資産市場全体の動向を代表する銘柄を保有したい」と考える場合は、基軸的な位置付けにあるビットコイン(BTC)が選択肢となることがあるでしょう。発行上限が2,100万枚と定められている点から、長期的な希少性に着目して保有する投資家も少なくありません。
一方で、「エコシステムの成長や技術進展に期待して投資したい」といった目的であれば、イーサリアム(ETH)が検討されることもあります。イーサリアム(ETH)はプラットフォームとしての利用拡大が価格に影響する可能性があるため、成長性を重視する視点です。
なお、イーサリアム(ETH)は現状ではビットコイン(BTC)のように明確な発行上限が定められているわけではありません。バーン(焼却)の仕組みによって供給量が抑制される局面もありますが、供給が固定されているわけではない点は、長期保有を検討するうえで考慮すべき要素のひとつです。
このように、希少性を重視するのか、成長性を重視するのかによって、選択は変わってくるでしょう。
価格変動の特徴と向き不向き
価格変動の特徴も、使い分けを考えるうえでの判断軸になります。
ビットコイン(BTC)は、暗号資産の中では時価総額が大きく、市場参加者も多いことから、相対的に値動きが落ち着きやすいとみられることがあります。そのため、大きな変動よりも安定感を重視しながら保有したいと考える場合には、選択肢のひとつとなるでしょう。
一方、イーサリアム(ETH)は、技術動向や新規サービスのニュースなどに応じて値動きが大きくなる局面もあります。価格変動の幅を活かした運用を考える場合には魅力を感じる人もいますが、変動の大きさが心理的な負担になる可能性もあります。
いずれも価格変動の大きい資産であることに変わりはありませんが、「どの程度の値動きであれば冷静に保有し続けられるか」という視点で考えることが、使い分けのひとつの目安になります。
増やし方の選択肢の違い
「どのように資産を増やすか」という軸で使い分ける考え方もあります。
ビットコイン(BTC)は、価格上昇を見込んで保有するスタイルが中心とされます。短期的な売買が行われることもありますが、発行上限が定められている点などから、長期的な希少性に着目して保有を続ける投資家も少なくありません。また、ETF(上場投資信託)を通じて間接的に保有できる環境も整いつつあり、比較的シンプルな戦略で資産形成を考える場合の選択肢となります。
一方、イーサリアム(ETH)は、価格上昇による利益を狙う方法に加えて、ステーキングによる報酬獲得といった選択肢があります。さらに、分散型金融(DeFi)の基盤として活用される場面もあり、単に保有するだけでなく、ステーキングやDeFiへの参加などを通じて資産を増やす選択肢がある点も特徴です。
加えて、イーサリアム(ETH)は関連トークンや取引所での取扱いも多く、市場の流動性が高いことから、複数の取引所間で生じる価格差を利用する「アービトラージ」といった戦略が語られることもあります。こうした手法は取引速度や流動性の影響を受けるため、銘柄の特性を理解したうえで検討することが重要です。
イーサリアムとビットコインのデメリット
イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)は代表的な暗号資産ですが、どちらにもメリットだけでなく注意すべき点もあります。価格変動の大きさやネットワークの特性など、それぞれ異なるリスク要素を持っています。投資を検討する際は、強みだけでなくこうした側面も理解しておくことが重要です。
ビットコインの注意点
ビットコイン(BTC)は暗号資産の代表的な存在ですが、価格変動が大きい資産であることに変わりはありません。暗号資産の中では比較的安定していると語られることもありますが、株式や債券などの伝統的な金融商品と比べれば値動きは大きく、市場環境によっては急落する局面もあります。
一方で、短期間で価格が何十倍にもなるといった急激な値上がりは起こりにくいという見方もあります。より大きな値上がり益を狙う投資家の中には、アルトコインやミームコインなど、時価総額の小さい銘柄に目を向ける人もいます。
このように、ビットコイン(BTC)は「伝統的な資産と比べると変動性が大きいが、暗号資産の中では比較的落ち着いており、短期間での高騰による利益を狙う場合は劣る可能性がある」という性質があります。これは、投資スタンスによってはデメリットにもなりうることを理解しておくとよいでしょう。
イーサリアムの注意点
イーサリアム(ETH)にも、投資を検討するうえで意識しておきたいポイントがあります。
ひとつは、ネットワーク混雑時に「ガス代」と呼ばれる取引手数料が高騰することがある点です。イーサリアム(ETH)は送金だけでなく、スマートコントラクトの実行や分散型金融(DeFi)の利用など、さまざまな用途で利用されます。そのため、利用が集中すると手数料が上昇し、取引コストが大きくなる場合があります。
また、価格は技術動向や新規プロジェクトの立ち上げ、法規制や市場環境の変化などの影響を受けやすい側面があります。期待が高まる局面では大きく上昇することもありますが、その反動で調整が入る可能性もあります。
このように、イーサリアム(ETH)は成長性が語られる一方で、ネットワークの利用状況や市場心理の影響を受けやすい資産でもあります。こうした特性を理解したうえで、投資判断をおこなうことが重要です。
イーサリアムとビットコインの違いを整理して適切に選ぼう
イーサリアム(ETH)とビットコイン(BTC)はいずれも代表的な暗号資産ですが、設計思想や市場での位置付け、供給ルール、活用のされ方などに違いがあります。
ビットコイン(BTC)は、発行上限が定められた希少性や市場代表性が語られることが多く、暗号資産全体の動向を示す銘柄として認識されています。一方、イーサリアムはプラットフォームとしての機能やエコシステムの広がりが価格に影響すると考えられ、成長性に着目して語られることが多い銘柄です。
どちらが優れていると単純に言い切れるものではなく、投資目的やリスク許容度、保有期間の考え方によって選択は変わります。それぞれの特徴や注意点を整理したうえで、自身のスタンスに合った銘柄を選ぶことが重要です。