ステーキングとは、対象の暗号資産を保有しているだけで利益を得ることができる仕組みです。Coincheckなどで提供されているリスク(Lisk/LSK)のステーキングサービスを始め、近年たびたび話題に上がるステーキングについて気になる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ステーキングの仕組みとCoincheckが提供しているリスクのステーキングサービスについて解説します。
また、Coincheckが提供している「貸暗号資産」サービスとの違いも分かりやすく図解解説しているので、ぜひご覧ください。
Coincheckのステーキングサービスの始め方を知りたい方は「Coincheckのステーキングサービスの始め方」をご覧ください。
※コインチェックで提供しているLiskのステーキングサービス(β版) は、2021年8月20日以降停止しております。再開の予定につきましては現在未定です。再開の日時は、ブログまたは当社公式SNS等にて改めてお知らせを致します。詳細はこちら
目次
ステーキングとは?売買せずに通貨を保有するだけで利益を得られる
ステーキングとは、マイニングの代替え手段と言われている、ステーキング対象の仮想通貨(暗号資産)を使わずウォレットに入れ、ブロックチェーンのオペレーションに参加すると報酬を得られる仕組みです。
海外では、大手の暗号資産取引所が次々とサービスを開始し、ひとつのトレンドにもなっていました。
そして、暗号資産取引所であるCoincheckでは、2020年1月から世界初の試みとして仮想通貨のひとつ、リスク(Lisk) を対象としたステーキングサービスを開始しました。
Coincheckのこの試みは、あくまで「β版」としてのスタートであり、実証実験の一環という意味合いの強いものです。
Coincheckに開設した取引アカウントでリスクを一定量保有しておくことで報酬を受け取れます。
ステーキングは暗号資産の世界にインカムゲインを誕生させた
近年、暗号資産は決済手段よりも、投機対象として見られていることが多くなっています。そのため、チャートの動きを見定め、値下がりしたときに購入しておき、価格が高騰したところで売却して利益を得るというのが、最もシンプルな投資方法として定着しています。つまり、暗号資産の主な収益は、キャピタルゲイン(売却益)であるというわけです。
一方で、株式や不動産にはインカムゲイン(配当所得)と呼ばれる利益が存在します。株式の配当や、不動産の家賃収入がインカムゲインに当たります。つまり、保有していることの見返りとして、定期的に得ることができる利益のことをインカムゲインと呼びます。
ステーキングは、暗号資産を売却せず持ち続けることで利益を得られます。つまり、ステーキングサービスの登場によって、暗号資産の世界にも「インカムゲインで利益を得る」という発想が生まれたことになります。
ステーキングと「貸暗号資産サービス」の違い
ステーキングと同じように暗号資産でインカムゲインを得る方法として、Coincheckでは「貸暗号資産サービス」を提供しています。
「貸暗号資産サービス」とは、お客様の保有する暗号資産を一定期間当社に預けることで、利用料を受け取ることができるサービスです。
「ステーキング」「貸暗号資産サービス」のどちらも、インカムゲイン的に暗号資産を受け取ることができますが、対象通貨や条件が異なる部分もあります。
ステーキングは、投票時に保有しているだけで報酬が貰えますが、対象通貨は2021年11月現在「LSK」(※)のみとなっています。
※LSKのステーキングサービスは現在停止中です。詳しくはこちら
貸暗号資産サービスは、貸し出している間は引き出すことができない一方で、Coincheckで取り扱っている銘柄全てが対象となっています。
ステーキングで利益を得られる仕組み
コインを保有しているだけで利益が得られる仕組みには、ブロックの承認作業を定義するコンセンサスアルゴリズムが大きく関係しています。ここを理解すれば、ステーキングで利益を得られる仕組みが分かるようになります。
リスク(Lisk)のコンセンサスアルゴリズムについて
ビットコイン(BTC)など多くの仮想通貨では、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)というコンセンサスアルゴリズムが採用されています。これは、世界中のマイナー(採鉱者)たちが取引の承認作業を競い、最も早く作業を終えたマイナーが報酬を受け取るという方式です。
PoWにおけるこの競争は非常に大きな計算能力を必要とするため、高度な機器と設備、それを動かすための膨大な電力が必要となります。
そのため、環境への負荷が大きいことや、承認作業を行う人が大規模なマイナーに偏りやすいという傾向が生まれ、それを問題視する声も上がっています。
仮想通貨のリスクは、DPoS(デリゲーテッド・プルーフ・オブ・ステーク)という方式を採用しています。
DPoSにはその前身として、「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)」という方式がありました。PoSは、通貨の保有量が多い人に取引の承認作業を優先的に任せられる方式でしたが、さらに一歩進めて投票制にしたのがDPoSです。
これは取引記録の承認作業をデリゲートと呼ばれる人たちにアウトソースする形をとり、実際の作業を誰に任せるかはリスクの保有者が投票で決めることになっています。
取引承認を任せたいデリゲートへ投票
リスクの保有者が、取引の承認を任せたいデリゲートに投票していくわけですが、この投票システムについて具体的に解説していきましょう。
デリゲートとは、Liskネットワークにおいて、ブロックを生成・承認する代表者を指します。投票する側はリスクの保有量によって、重みづけが行われます。多くのリスクを持っている人の投票ほど、より大きな重みを持って投票結果に反映されるというわけです。
利益は投票者にも分配される
投票が終わると取引の承認作業を行います。ちなみに、リスクではビットコイン(BTC)のPoWのようなマイニング競争にはなりませんので、取引承認作業をマイニングではなくフォージング(鍛造)と呼ばれます。
フォージングが済むと、その報酬として新規発行されたリスクがデリゲートに支払われます。デリゲートその報酬の中から、自分に投票してくれたことへの感謝として投票者たちにリスクを支払います。これが、ステーキングサービスにおいてユーザーが得られる利益となります。
より多くのコインを集めて運用するステーキングプール
さて、ここまでの話を整理してみましょう。
DPoSを採用しているリスクでは、自分が投票したデリゲートが上位101人に入ると、デリゲートが受け取る報酬の一部を投票者が受け取ることができます。(今後なくなる可能性もあります)
デリゲートが上位に入るようにするには、投票者のリスク保有量を増やすことが重要です。
また、できるだけ多くの賛同者を募って投票すれば、自分たちが投票したデリゲートが上位101人の中に残る可能性が高くなります。
Coincheckで始まったステーキングサービスの始め方
Coincheckにおけるステーキングサービスは、冒頭でも紹介したとおり「β版」として提供しています。ですから、これからサービス内容が変化していく可能性はありますし、必要に応じてさまざまな修正がなされるでしょう。いずれにせよ、リスクを使ったステーキングサービスは世界で初めての試みとなります。
サービスの詳しい内容については、プレスリリースページで紹介されていますが、ここではその概略について紹介しましょう。
ステーキング参加条件は平均10LSK以上を保有すること
ステーキングサービスの始め方は、Coincheckの取引アカウントに1日平均で10LSK以上を保有することです。つまり平均10LSKを保有しているユーザーが対象となります。
なお、Coincheckの「貸暗号資産サービス」のアカウントで貸し出し中のLiskは対象外です。
貸暗号資産サービスとは、ユーザーの仮想通貨をCoincheckに貸し出して、一定期間が過ぎたら利用料が支払われる仕組みのことです。別の言い方ですと仮想通貨のレンディングサービスになります。
一般的なステーキングとCoincheckのステーキングサービスとの違い
一般的なステーキング
PC版の公式ウォレットから承認者を投票します。
仮想通貨をウォレットに入れておき、ブロックチェーンのオペレーションに参加して承認者を投票をします。1回の投票には1LSKの手数料がかかり(今後変わる可能性があります)、この1LSKで33人まで投票可能です。さらに手数料を支払えば、最大101人まで投票することができます。
Coincheckのステーキングサービス
コインチェックの場合、PC版の公式ウォレットは使わず独自の方法で投票を行います。
投票したデリゲートが上位101人のアクティブデリゲート(承認者)に選出され、フォージングが開始されます。フォージング完了後、デリゲートから報酬を受け取り、お客様への付与などのサービス運用にかかったコストを差し引いたリスクをユーザーに分配・還元します。
Coincheckステーキングサービスのメリット
Coincheckステーキングサービスを利用するにあたってのメリットを解説します。
メリット①リスクを保有しているだけでコツコツ貯まる
ステーキングを簡単に例えると銀行預金の利子です。Coincheckステーキングサービスはこれまでにあまりなかった、新しい仮想通貨を貯める方法です。
「自分でステーキングするのが面倒くさい」「そもそもステーキングに投資する時間とお金がない」「コツコツ仮想通貨を貯めたい」と思う方はCoincheckステーキングサービスがおすすめです。
メリット②個人でステーキングするよりも楽
個人でステーキングを行う場合は、PC版の公式ウォレットを準備する必要があります。
一報Coincheckのステーキングサービスは、リスクを平均10LSK以上を保有しているだけで報酬を受け取ることができるので、お小遣い稼ぎで仮想通貨投資をしている方にもおすすめです。
メリット③入金の手間がなくいつでも売買できる
個人でステーキングを行う時は、ウォレットを個人で管理しないといけません。
ですがCoincheckでステーキングを任せておけば、Coincheckのウォレットにリスクを入れておくだけなので、毎回入金する手間が省け自動的に報酬が振り込まれます。
Coincheckステーキングサービスのデメリット
Coincheckステーキングサービスを利用するにあたってのデメリットを解説します。
デメリット①個人でステーキングするより報酬額が少ない
Coincheckステーキングサービスは、デリゲートから受け取った報酬からサービス運用にかかる費用を差し引き、お客様の保有量に応じて付与します。
ですが、個人でステーキングを行うには初心者には難しいでしょう。初心者の方はCoincheckのステーキングサービスを利用してみましょう。
デメリット②報酬がいくら貰えるか分からない
投票したデリゲートが選出されるかどうか、デリゲートから得られる報酬額はいくらになるかなど、不確定な要素が多いため、ユーザーが受け取れる報酬は毎回異なります。
毎週必ず付与されるという訳ではありませんのでご注意ください。
CoincheckステーキングサービスのQ&A
Q.報酬を受け取れる対象者は?
A. 以下の条件に当てはまるお客様が対象となります。
サービス提供期間にCoincheckの「取引アカウント」にて1日あたり平均10LSK以上保有している、もしくは「貸暗号資産アカウント」にて貸出中でないLSKを1日あたり平均10LSK以上保有しているお客様が対象です。
Q.報酬はいつ付与されるのですか?
A. 毎週水曜日に付与されます。
ただし報酬が得られなかった場合には、付与は実施されません。また、付与のタイミングは予告なく前後する可能性がございます。お客様には付与の実施後に、メールにてお知らせいたします。
Q.報酬の付与額はどのくらいですか?
A.正確には定まっておりません。
Coincheckのステーキングサービスでは、ユーザーのリスクの保有量に応じてフォージング報酬が付与される仕組みになっています。ユーザーとしては、アカウント内にリスクをキープしておくだけでインカムゲインを得られることになります。
ただし、投票したデリゲートが選出されるかどうか、デリゲートから得られる報酬額はいくらになるかなど確定できない要素も多いため、「リスクを持っていれば必ず報酬を得られる」というわけではありませんし、その額も明示されてはいません。
サービスを利用する際には、上記を理解した上でご利用くださいませ。
その他、ステーキングサービスに関して気になることがあればこちらをご覧ください。
今後の発展に注目のステーキングサービス
Coincheckでスタートしたリスクのテーキングサービス。平均10LSK以上を保有しているだけでリスクを付与される新しいサービスです。
売買が中心だった仮想通貨の世界に、「保有することが利益になる」という新たな価値をもたらしたことは間違いなく、今後の動向が注目されるところです。
ステーキングサービスに興味はあるがまだCoincheckを登録されていない方は以下のボタンより始めてみてはいかがでしょうか。