仮想通貨と暗号資産の違いとは?呼称が変わった経緯と使い分けを解説

「仮想通貨」と「暗号資産」は、本質的には同じものを指す呼び方の違いです。日本では2020年5月の改正資金決済法施行により、法律上の正式名称が「仮想通貨」から「暗号資産」へ変更されました。

本記事では、両者の違いと呼称が変わった背景、実務上の使い分けの目安をわかりやすく解説します。

「仮想通貨」と「暗号資産」の違い:結論

「仮想通貨」と「暗号資産」は、同じものを指す呼称の違いであり、対象や仕組みは変わりません。日本では2020年5月の改正資金決済法施行により、法律上の正式名称が「仮想通貨」から「暗号資産」へ変更されました。

つまり、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など、過去に「仮想通貨」と呼ばれていたものは、現在では「暗号資産」と呼ばれています。一般のニュースや検索では「仮想通貨」も広く使われており、どちらの言葉を使っても誤りではありません。

「暗号資産」へ呼称変更された経緯

「仮想通貨」が「暗号資産」へ呼称変更された背景には、主に次の3つの理由があります。

①2020年5月の改正資金決済法で法律上の呼称が変更

金融庁は2018年12月に呼称変更の方針を発表し、2020年5月1日施行の改正資金決済法(資金決済に関する法律 第2条第14項)をもって、法律上の正式名称が「仮想通貨」から「暗号資産」に改められました。

これに伴い、金融庁「暗号資産・電子決済手段関係」などの公的文書や登録業者の表記も「暗号資産」に統一されています。

②国際的に「Crypto Asset」が標準呼称に

2018年3月のG20財務大臣・中央銀行総裁会議において、「Cryptocurrency(暗号通貨)」ではなく「Crypto Asset(暗号資産)」という呼称が国際的な標準として採用されました。日本の呼称変更は、この国際的な動きに合わせたものです。

③法定通貨と誤認されないため

「仮想通貨」という呼称には「通貨」の語が含まれており、円やドルなどの法定通貨と誤認されるおそれがありました。

「暗号資産」へ変更することで、法定通貨ではなく「資産(アセット)」であることを明確化し、利用者の誤解を防ぐ狙いがあります。

「仮想通貨」と「暗号資産」の使い分け

法律上の正式名称は「暗号資産」ですが、一般のメディアや検索ワードでは「仮想通貨」も広く使われており、実務上はどちらを使っても問題ありません。シーン別の使い分けの目安は次のとおりです。

  • 法律・税制・公的書類・金融庁関連 … 「暗号資産」(正式名称)
  • ニュース・SNS・検索・一般メディア … 「仮想通貨」も一般的
  • 業界・取引所サイト … 「暗号資産(仮想通貨)」と併記する例が多い

Coincheckのコラムでも、検索ワードとしての浸透度を考慮し、「暗号資産(仮想通貨)」と併記する形を採用しています。

「デジタル資産」「デジタルアセット」と呼ばれることも増えている

近年は、暗号資産が「デジタル資産」や「デジタルアセット(Digital Assets)」と呼ばれる場面も増えてきています。

米国では、内国歳入庁(IRS)や大統領令などの公的文書において暗号資産を含む資産を「Digital Assets」と表記しており、日本国内でも将来的に呼称が変化する可能性があります。

「デジタル資産」と「デジタルアセット」は英語ではどちらも "Digital Assets" と表記されますが、日本語では次のように使い分けられる傾向があります。

  • デジタル資産 … ブロックチェーン技術に限らず、ネット銀行の預貯金・電子マネー・SNSアカウント・デジタルコンテンツなども含む広い概念
  • デジタルアセット … ブロックチェーン技術を前提とした資産(暗号資産・NFT・セキュリティトークン・RWAなど)を指すことが多い

それぞれの定義や違いの詳細は、以下の記事で解説しています。

「暗号資産」に含まれる主な種類

日本の資金決済法上の「暗号資産」には、次のようなものが含まれます。

  • 通貨型の暗号資産 … ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)など
  • ユーティリティトークン … 特定のサービス・プラットフォーム内で利用権を持つトークン
  • ガバナンストークン … プロジェクトの意思決定に参加できるトークン

法定通貨担保型ステーブルコインは「暗号資産」ではない

USDC(USD Coin)やUSDT(Tether)など、米ドルなどの法定通貨を担保とするステーブルコインは、見た目には他の暗号資産と似ていますが、日本の法律上は「暗号資産」には含まれません。

2023年6月施行の改正資金決済法により、法定通貨担保型ステーブルコイン(特定信託受益権・預金等を裏付けとするもの)は「電子決済手段」として暗号資産とは区別されました。

発行・仲介には電子決済手段等取引業者としての登録が必要で、暗号資産とは異なる規制が適用されます。

一方、特定の法定通貨を担保としない「アルゴリズム型ステーブルコイン」や「暗号資産担保型ステーブルコイン」は、引き続き「暗号資産」に分類される点に注意が必要です。

代表的な銘柄や仕組みの詳細は、別記事で解説しています。

仮想通貨と暗号資産の違いに関するよくある質問

Q. 暗号資産と仮想通貨はどちらが正しい呼び方ですか?

A. 法律上の正式名称は「暗号資産」です。2020年5月施行の改正資金決済法により、「仮想通貨」から「暗号資産」へ呼称が変更されました。

ただし、一般のニュースや検索では「仮想通貨」も引き続き広く使われており、どちらを使っても誤りではありません。

Q. 仮想通貨が「暗号資産」と呼ばれるようになったのはいつからですか?

A. 金融庁が2018年12月に呼称変更を発表し、2020年5月1日施行の改正資金決済法によって法律上の名称が「暗号資産」に変更されました。これ以降、公的書類や登録業者の表記が「暗号資産」に統一されています。

Q. 「暗号資産」と「暗号通貨」は同じ意味ですか?

A. ほぼ同じ対象を指しますが、現在の国際標準・日本の法律上の呼称は「暗号資産(Crypto Asset)」です。

「暗号通貨(Cryptocurrency)」は古くから使われてきた呼称ですが、近年は「資産」としての側面を強調するため「暗号資産」が用いられています。

Q. 海外でも「暗号資産」と呼ばれていますか?

A. はい。2018年のG20をきっかけに、国際的にも「Crypto Asset(暗号資産)」が標準呼称となっています。

一方、海外メディアでは「Cryptocurrency」も依然として広く使われており、文脈に応じて両方が使い分けられています。

まとめ:仮想通貨と暗号資産は同じものを指す呼び方の違い

「仮想通貨」と「暗号資産」は、対象や仕組みは同じで、法律上の正式名称が変更されただけです。2020年5月施行の改正資金決済法および国際的な動きに合わせ、現在では「暗号資産」が標準的な呼称となっています。

Coincheckでも、改正資金決済法に基づく正式名称である「暗号資産」を主表記とし、検索ニーズの高い「仮想通貨」を併記する形で「暗号資産(仮想通貨)」と表現しています。

これは、金融庁が公表する暗号資産交換業者登録一覧(PDF)においても当社が「暗号資産」を取り扱う登録業者として記載されている事実に基づくものです。

仕組みやメリット、注意点をより詳しく知りたい方は、暗号資産(仮想通貨)とは?もあわせてご覧ください。