仮想通貨にはさまざまな種類があり、ネムもその1つです。
ネムは、日本でも知名度の高い仮想通貨の1つであるため、購入を検討している人もいらっしゃることでしょう。そんなネムを購入するにあたっては、ネムの誕生経緯や基本的な特徴などの基本情報を理解しておくことも大切です。
また、購入時期の検討も重要です。高値掴みをしてしまうと、ネムでの資産運用を有利に進められなくなってしまいます。
そのため、安く購入できる買い時を見極めることなどが重要です。そこで、この記事ではネムの特徴と買い時の事例についてご紹介します。
仮想通貨ネム(NEM/XEM)の基本情報
ネムは、New Economy Movementの頭文字を取った略称で、直訳すると新しい経済運動のことを表しています。仮想通貨システムの名称はネムですが、通貨そのものの名称はXEM(ゼム)です。
ネムは、新しい経済圏の創出を目指して始まった仮想通貨のプロジェクトです。新しい経済圏創出においては、金銭的な面での自由と分散化、機会均等の平等主義・公正性・連帯感などを重視して活動が行われています。
2019年4月19日時点におけるネムの時価総額は、約650億円です。すべての仮想通貨における時価総額ランキングでは21位となっています。
仮想通貨ネム(NEM/XEM)の特徴は?
ネムには、例えば以下のような特徴があります。
1. ハーベスティングでコインをもらえる
1つ目の特徴は、ハーベスティングです。
ハーベスティングとは、ネムの取引データの検証と承認作業のことです。ハーベストに参加することによって、ネムで報酬を受け取ることが可能です。
ただし、ビットコインのような、マイニングによって取引検証・承認が行われる仕組みとは異なります。参加するためには、1万XEM以上を保有しているなど、ネムの保有量や取引量などの条件を満たすことが必要です。
基準を満たしてネムのネットワークに貢献した重要な人として認められれば、ハーベストを行うことができます。ハーベストは、ネットワーク内で自動的に処理が進むため、パソコンなどの電源がオフの状態でもできる場合がある点がメリットです。
2. 公平なシステムを目指している
ネムの2つ目の特徴は、公平なシステムを目指していることです。
ネムの取引承認システムであるPoI(プローフオブインポータンス)の仕組みも、公平な仮想通貨のシステムを実現するために取り入れられたものです。取引検証・承認作業において、マイニングでは、大規模にパワーを投入した人が有利になるPoW(プルーフオブワーク)の考え方が採られています。
一方、PoIでは、通貨システムに対する貢献度が高い人ほど報酬が多くなる仕組みです。ネムの目指す平等の実現には、富の再配分や公平なシステムの実現が重要になります。
また、ネムの場合はハーベストする際の消費電力が少ないことも、誰でも使える公平なシステムを担う重要な要素です。
3. アポスティーユ
3つ目は、アポスティーユです。
アポスティーユとは、外国公文書の認証に関連する用語ですこの機能を使えば、取引履歴の管理システムであるブロックチェーンに、ファイル情報とタイムスタンプが刻まれた公証が作成されます。
作成された公証は改ざんすることができないため、データの信頼性が高まります。また、アポスティーユを有効に活用すれば、簡単にタイムスタンプ付きの証明書をブロックチェーン上に残すことができます。
つまり、低コスト・短時間で契約を成立させることにも応用できると言えるでしょう。
詳しくはこちら:仮想通貨ネム(XEM)とは?特徴を初心者にもわかりやすく解説
仮想通貨ネム(NEM/XEM)の価格推移
ネムの購入を検討している場合は、過去からの価格推移についても理解しておくことが必要です。
ネムは、2017年12月に1XEM100円を超え、2018年1月には約240円もの最高値を付けたことがあります。この時期は仮想通貨市場全体の価格上昇が発生したため、どの仮想通貨も大きな上昇を見せた時期です。
その直後、仮想通貨市場全体はトレンド転換して暴落が起こります。2018年は1年を通じて、基本的に値下がりが止まることはありませんでした。
しかしながら2019年初旬からは価格が徐々に上向き始め、3月時点で4円台後半の水準まで戻し、4月に入って7円台まで価格を戻してきています。
仮想通貨ネム(NEM/XEM)が値上がりしない理由とは?
ネムは、2018年の暴落を経て軟調な価格変動が続き、なかなか上昇に転じていなかった状況です。
ネムの価格がなかなか上がらない理由としては、例えばいくつか理由が考えられます。
1. ネムを購入できる場所の少なさ
1つは、ネムを購入できる仮想通貨の取引所が限られていることです。
仮想通貨の価格は、需要と供給によって決まります。購入できる場所が少なければ需要の増加につながりにくく、その結果、価格上昇も発生しにくい環境となるでしょう。
ただし、時が経つにつれてネムを取り扱う仮想通貨の取引所は増えてきていますので、今後とも取り扱いの取引所が少ないとは言い切れないでしょう。
2. ビットコイン価格の影響
もう1つは、仮想通貨の世界における基軸通貨ともいわれるビットコイン価格が、なかなか大きく上昇しないからと考えられます。
ネムの過去における価格推移をみると、ビットコイン価格との連動性が高いことがわかります。ビットコインが上がれば、ネムの価格も上昇する可能性があるでしょう。
ビットコインは2019年4月に入り、再び大きく価格が上昇しました。ネムの購入を検討されている方は、今後のビットコインの値動きにも注意しておくと良いでしょう。
仮想通貨ネム(NEM/XEM)の買い時の事例
ネムの買い時を逃してしまい高い価格で購入すると、売却時の利益は減少してしまいます。
そのため、ネムへの投資を行う場合は、買い時を知っておくことも重要です。主な買い時には、例えば以下が挙げられます。
1. 相場が好転した時
1つ目の買い時の例は、相場の好転時です。
仮想通貨市場全体が下降トレンドにある場合、ネムだけが突出して価格上昇が起こるためには、相当強い材料が必要になります。ただし、そういったニュースやイベントの数は、実際のところ少ないでしょう。
一方、仮想通貨全体が上昇トレンドである場合は、ネム特有の好材料がなくても全体の波に乗って価格上昇が起こる可能性は高くなります。そのためネムの価格だけでなく、仮想通貨全体の価格動向を把握することが大切です。
2. 相場が大暴落した後
2つ目の買い時の例は、相場が大暴落を起こした後です。
大きな暴落が生じると、その反動で大暴騰が起こることもあります。適正な価格よりも暴落によって下がりすぎた場合に、正常な価格水準に戻そうという反発が生じるのです。
この反発は、ときには暴落の勢いにも負けない強さで上昇をみせることもあります。2019年3月末のネムの価格は、最高値よりもはるかに下の価格水準にまで下がっています。
さらに下がれば投資家にとって割安の通貨になる可能性はあるでしょう。しかし、価格の下げ止まりを確認してから購入することがポイントです。
安易に価格が下がったからといって購入するのではなく、チャート分析などを通じて反発の予兆を確認してから買うのが良いでしょう。
3. 好材料ニュースが出た時
3つ目の買い時の例は、好材料のニュースが報道されたときです。
たとえば、それまで取り扱いがなかった仮想通貨の取引所への上場や、ネムをビジネスに利用する目的での企業間提携などが、好材料のニュースとなりえます。ネムの将来性が広がるなど明るいニュースが出たときには、ネムの将来を信じて投資家が買い注文を入れることが多くなるでしょう。
そうなると、少ない売り注文に買い注文が殺到して、価格は順調に上昇をみせることにつながります。ただし、このタイプの価格上昇は、時の経過とともにニュースの鮮度が落ちるため、短期的に終わることも多いです。
そのため、ニュースが出たらスマホアプリを活用してすぐに購入を行うなど、購入タイミングには注意する必要があります。
情報に振り回されすぎないように注意
仮想通貨への投資を行う場合は、価格変動の激しさに翻弄されないようにすることが重要になります。
需要と供給によって価格が決まる投資商品の場合、価格変動はつきものです。上がった下がったと一喜一憂していると、精神的にも体力的にも負担が重くなってしまうでしょう。
目先の価格変動にとらわれるのではなく、取引を始めたときの当初の目的を思い出して落ち着くことも有効です。自分を取り戻して冷静に判断をすれば、不利になる取引を実行するリスクを下げられます。
ネムの購入を決める場合は、自分自身が冷静になっていると自覚できるときに行うことが大切です。そのうえで、有利なタイミングを見つけてネムを購入することを心がけましょう。