暗号資産(仮想通貨)スイ(SUI)は、急成長を遂げています。スイが気になっている人もいるでしょう。スイがどんなものなのか詳しく知りたい人もいるかもしれません。
本記事では、暗号資産(仮想通貨)スイ(SUI)の特徴や将来性を解説します。また、購入方法などもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
暗号資産(仮想通貨)スイ(SUI)とは

スイとは、Mysten Labs社が開発したレイヤー1のブロックチェーンであり、ネイティブ暗号資産が「SUI」です。
スイは、ガス代の支払いやステーキングと呼ばれるブロックチェーンの維持に貢献することで得られる報酬にも対応しています。
従来のブロックチェーンは、処理速度が遅く、手数料が高額なところが問題点でした。しかし、スイは処理速度の速さを低コストで提供し、多くのアプリケーション開発に対応することを目標にしています。
暗号資産(仮想通貨)スイ(SUI)の特徴
スイ(SUI)の特徴は、「高いスケーラリビティ性能」や「元Facebook・Metaのメンバーが開発している点」、「DAGを搭載している点」が挙げられます。暗号資産(仮想通貨)スイ(SUI)の特徴をさらに詳しく見ていきましょう。
高いスケーラリビティ性能
スイ(SUI)は、高いスケーラリビティ性能が特徴的です。スケーラリビティとは、利用者数や処理量が増加したとしても、柔軟に対応できる能力のことです。システムの規模や負荷が大きくなったとしても、性能や処理速度を落とすことなく対応します。
イーサリアムの処理能力が毎秒約25件であるのに対し、スイは毎秒約30万件です。

参照:Sui公式
スイの高いスケーラリビティ性能のポイントは、「取引履歴を記録するためのデータの塊であるオブジェクトのデータモデル」や「コンセンサスを部分的に省略する点」です。
従来のブロックチェーンであるイーサリアム(ETH)などは、取引を一列に処理しています。そのため、処理速度に限界がありました。
スイは、別の電子的な通貨として管理し、独立して履歴を追跡するため、同時処理が可能となり、高いスケーラリビティ性能を保てます。
つまり、利用者1から2への送金と利用者3から4への送金が同時処理され、取引に順序を付けずに済みます。スイは、従来のようなコンセンサスを部分的に省略し、取引データが正しいかどうかの判断が瞬時に可能です。
元Facebook・Metaのメンバーが開発
暗号資産(仮想通貨)スイ(SUI)は、元Facebook・Metaのメンバーが開発しています。
Facebook・Metaには立ち上げ当初の名称で「Libra」という暗号資産プロジェクトが存在していました。Libraは「Diem」と改称してプロジェクトが継続していましたが、規制等の影響によりプロジェクトが断念。その後、プロジェクトメンバーが独自で暗号資産・ブロックチェーンを開発しており、スイ(SUI)だけでなくAptos(アプトス)などのプロジェクトが派生しています。
なお、スイ(SUI)ではスイネットワークを補助するための企業として、2021年にミステンラボが立ち上げられました。
DAG(有向非巡回グラフ)を搭載している
DAGに関する論文はAptosなどと共著で発表していることもあり、Diem系のブロックチェーンがDAGを重視しています。
スイは、DAG(有向非巡回グラフ)を搭載しているため、効率的にデータ管理をしています。DAG(有向非巡回グラフ)とは、暗号資産に活用できる新しい技術理論です。DAG(有向非巡回グラフ)の特殊なデータ構造によって、全ての取引データを複数同時に処理が可能なため、ブロックチェーンよりも高速な取引処理に役立っていると言えます。
スイ(SUI)の将来性

スイ(SUI)は、元Facebook・Metaのメンバーが開発したこともあり、注目されやすい暗号資産といえます。
スイ(SUI)の将来性に関わる事例を解説します。
GREE、ORACLE Red Bull RACING、Alibaba Cloudなどとパートナーシップ
スイ(SUI)は、GREE、ORACLE Red Bull RACING、Alibaba Cloudなどとパートナーシップを提携しています。GREEは、日本のソーシャルゲームの会社であり、「インターネットを通じて世界をより良くする」というスローガンを掲げている会社です。GREEは、100%子会社のREALITYを通じて、ブロックチェーンゲームの開発とWeb3事業への取り組みを進めています。
ORACLE Red Bull RACINGは、オーストラリアの飲料メーカーのレッドブルが所有するF1チームです。世界中のファンとチームを結びつけることを目的に、ブロックチェーン技術を取り入れてきました。ユーザーの満足度向上を目指し、より魅力的なものになるだろうと予想しています。将来的には、全世界のファンに喜んでもらえるようなデジタル体験を構築するでしょう。
Alibaba Cloudは、Alibabaグループのクラウドコンピューティング部門として設立されました。スイ(SUI)とAlibaba Cloudは、Move言語向けのAI搭載コーディングアシスタントを公開し、ブロックチェーン開発の効率性がアップしたり、セキュリティが向上したりしました。
暗号資産市場は変動的ですが、スイ(SUI)はAI主導の開発者ツールに力を注いでおり、長期的な目線を持ち合わせているといえます。
DeFiに高いTVLを持っている
スイ(SUI)は、DeFiに高いTVL(Total Value Locked)を持っており、スイ(SUI)ネットワーク上で多くの暗号資産が活用されていることがわかります。
DeFiは、分散型金融のことであり、その分散金融上にある資金量であるTVLによって評価の測定が可能です。TVLが高いほどユーザーのプラットフォームに対する信頼感が高いことを意味しています。
Meta系の競合プロジェクト・アプトス(APT)がある
Meta系の競合プロジェクトにはアプトス(APT)があります。アプトス(APT)は、Meta社のDiemプロジェクトから派生したメンバーによって開発されたレイヤー1ブロックチェーンのプロジェクトです。アプトス(APT)とスイ(SUI)の共通点は、プログラム言語であるMoveを基盤としている点になります。
仕様や設計思想などに共通点が多いため、アプトス(APT)の今後の動向に着目する必要があるでしょう。
スイ(SUI)の買い方・購入方法

スイ(SUI)は国内外の暗号資産取引所で購入することができます。
国外の暗号資産取引所で購入するためには、まずCoincheckなどの日本円から暗号資産を購入できる取引所で暗号資産を購入し、その暗号資産を国外の取引所へ送金して購入する流れになります。
※2025年9月時点で、Coincheckではスイ(SUI)を取り扱っていません。
Coincheckははじめて暗号資産を取引する人でも扱いやすい取引所となっているため、これから暗号資産取引を行う人にもおすすめの取引所です。
下記にてCoincheckの利用方法・登録方法を解説しています。
スイ(SUI)の注意点・リスク

投資家から注目が集まっているスイ(SUI)ですが、注意点やリスクも存在します。
この章では、スイ(SUI)のもつリスクや、暗号資産一般にも関連するリスクを紹介します。
ボラティリティ(価格変動)が大きい
スイ(SUI)だけでなく、一般的に暗号資産はボラティリティが大きいため、価格が下落時の下落幅も大きくなる傾向にあります。
大きな価格下落は投資家にとって心理的負担の増大につながるため、あらかじめボラティリティに備えた対策を講じる必要があります。
競合プロジェクトのアプトス(APT)の存在
先述のとおり、スイ(SUI)は旧Facebook・Meta社のDiemから派生したプロジェクトです。Diemからはスイ(SUI)だけでなく、アプトス(APT)も派生しており、設計思想や使用技術等が似ているプロジェクトです。
そのため、プロジェクトへの需要が競合し、互いの需要が大きく成りきらない場合も考えられます。
一方で、競合プロジェクトの存在により技術開発等により注力される可能性もあるでしょう。
スイ上のDAppsのハッキング
スイでは、2025年9月時点で、ブロックチェーンに対するハッキングなどの攻撃が成功した例や、脆弱性の発露がなされたことがありません。
しかし、スイ上のDAppsで、最大級の規模であったDEXのCetusがハッキングを受けたことがあります。スイのブロックチェーンには影響がなくとも、ブロックチェーン上にある需要の大きなDAppsが攻撃されることで、スイ(SUI)の流動性が低下したり、価格低下につながったりすることがあります。
まとめ
スイ(SUI)は、元Facebook・Metaのメンバーが開発した次世代のブロックチェーンとして注目されています。
処理速度の速さを低コストで提供し、多くのアプリケーション開発に対応しており、将来的にさらに成長していく可能性が予想されるでしょう。
なお、スイ(SUI)は、ローンチされて比較的新しく、将来的に予想外の出来事が起きたり、不具合が発見されたりするケースもゼロではない点にも気を付けながら、スイ(SUI)の取引を検討してみてください。