2009年にビットコイン(BTC)が誕生したことにより、仮想通貨で資産運用を始める人が出てきました。2018年の現在では、世界には1,000種類以上もの仮想通貨が存在すると言われています。
数多い仮想通貨の中でも2015年に公開されたネム(XEM)は、東京にnem barが誕生するなど、日本人にファンが多いことでも有名です。今回は、日本でも人気があるネム(XEM)で資産運用することは可能か?をご紹介したいと思います。
仮想通貨のネム(XEM)の基本情報
仮想通貨の中でも特に日本で人気があるのがネム(XEM)です。
ネム(XEM)はもともとNew Economy Movement(新しい経済運動)の略称でしたが、現在はその略称ではなく固有名詞とされています。
ネム(XEM)のプロジェクトは、2015年3月にビットコイン(BTC)のフォーラムサイトである「bitcointalk.org」のユーザーであったUtopianFutureによって開始されました。
このプロジェクトメンバーに日本人がいたこともあり、ネム(XEM)は日本でも注目を集めて人気がでた仮想通貨になります。
ネム(XEM)の仮想通貨単位は、ゼム(XEM)と表記をします。総発行量は8,999,999,999XEMでそれ以上コインが増えることはなく、初期におよそ1,600人の投資家に均等に分けられました。
ネム(XEM)は安全に資産運用ができる?
2016年~2017年にかけて約200倍もの価格の上昇があったネム(XEM)は、数ある仮想通貨の中でも、今後期待されるアルトコインとして注目されました。
特に、注目されているのがネム(XEM)のプラットフォームです。
ネム(XEM)とイーサリアム(ETH)の比較
例えば、ネム(XEM)をイーサリアム(ETH)と比較してみます。
ネム(XEM)もイーサリアム(ETH)と同じく、仮想通貨(トークン)を作ることができますが、ここには違いがあります。
イーサリアム(ETH)どトークンを発行する場合は、独自のツールを使ったりと、技術を理解しているエンジニアでないと、なかなか難しかったりします。
一方で、ネム(XEM)の場合は、ウォレットからの簡単な操作でトークンの発行が可能です。また、トークンの譲渡制限を簡単にかけることができるなどの特徴もあります。
また、ネム(XEM)の場合、API(ネム(XEM)が展開するサービスを他者が利用できる仕組み)を提供しているため、比較的簡単にネム(XEM)を使ったサービスを作ることもできたりします。
ネム(XEM)のセキュリティ
ここで、初心者が簡単にトークンを発行できてしまうというのは、システム的には大丈夫なの?と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、2018年のCERTと呼ばれる中国の非営利サイバーセキュリティセンターの報告書において、ネム(XEM)は他のプロジェクトと比べて、システムやセキュリティの観点から、最も安全なプロジェクトだと報告されたこともあります。
また、ネム(XEM)で作成したトークンに関しても、ネム(XEM)のシステム自体で不具合などが起こらない限り、基本的には安全な仕組みになっています。
このようなネム(XEM)のシステム上の安全性の高さは、資産運用を行う際にも一つの安心材料になると言えるでしょう。
ネム(XEM)の特徴は?
ネム(XEM)だけでなくすべての仮想通貨に言えることですが、仮想通貨はそれぞれ異なる特徴を持っています。
例えば、パソコンにしてみても、メーカーやOSなどによって使い方や機能、スペックなどはすべて違います。仮想通貨も同じように、それぞれの仮想通貨によって異なる性質や特徴を持っています。
そこで、ネム(XEM)の特徴をご説明する前に、仮想通貨の用語でよく出てくる
アルゴリズムとコンセンサスアルゴリズムについて理解しておきましょう。
1. 仮想通貨のコンセンサスアルゴリズムとは?
仮想通貨について調べていると、よく「コンセンサスアルゴリズム」という言葉を目にするかもしれません。
まず、アルゴリズムを簡単に説明すると、「計算方法」のことです。例えば、6という答えを出すためには「1+5」や「1+3+2」など色々な計算方法があります。
このように「どの計算方法を使えば早く答えを出すことができるか?」と考えてくれるシステムが、「アルゴリズム」と呼ばれています。
そして「コンセンサスアルゴリズム」は、「コンセンサス=合意」「アルゴリズム=やり方」ということで、「合意(コンセンサス)方法(アルゴリズム)」になります。
要は、仮想通貨のひとつひとつの取引に不正がないか?などを承認するシステムで、誰が、どのように取引を承認するのかを決めるルールのようなものです。
2. ネム(XEM)のPoI(プルーフ・オブ・インポータンス)とは?
ネム(XEM)で採用されているコンセンサスアルゴリズムは、PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)です。
英語表記は“Proof of Importance”で、“Importance”を日本語に直すと『重要』や『重大』という意味を持っています。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のコンセンサスアルゴリズム
仮想通貨の先駆けであるビットコイン(BTC)のコンセンサスアルゴリズムは、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)で、イーサリアム(ETH)はPoWから、今後はPOS(プルーフ・オブ・ステーク)に移行する予定です。
ネム(XEM)のPoI(プルーフ・オブ・インポータンス)は、これらの先発したコンセンサスアルゴリズムで生じたトラブルや課題を改良しようと試みた技術になります。
例えば、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)の場合は、高性能で大量のコンピューターを持っているような人が、取引承認者に選ばれます。POS(プルーフ・オブ・ステーク)の場合は、大量の仮想通貨を持っている人が取引承認者に選ばれるようなシステムでした。
そして、取引承認者に選ばれて処理を行うと、報酬が分散される仕組みとなっていました。このようなシステムの場合、基本的には資本力がある人に報酬が分配されやすい仕組みと言えるでしょう。
PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)の特徴
一方、ネム(XEM)で採用されているPoI(プルーフ・オブ・インポータンス)
は、取引の活発さなど「ユーザーの重要度」で取引承認者を決定します。
つまり、ネム(XEM)のPoI(プルーフ・オブ・インポータンス)の仕組みは、ネム(XEM)を多く保有しているだけでなく、ネム(XEM)を実際に取引で多く利用している人にも恩恵が受けられるシステムになっています。
この点が、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などとの違いと言えます。
3. ネム(XEM)の ハーベスト(収穫)は初心者でも可能
ハーベストは日本語で「収穫」という意味で、ビットコイン(BTC)のマイニング(採掘)にあたる承認作業を示す言葉になります。
マイニング(採掘)は、複雑で膨大な計算する作業を成功させた人に、新しく発行した仮想通貨の報酬を支払うことを指します。一方、ハーベスト(収穫)は、特定の条件を満たした人に、ランダムに報酬が分配されるような仕組みです。
マイニング(採掘)の場合は、膨大な計算量が必要なため、世界中の人が高性能のコンピューターを使って仮想通貨の報酬を得ようと日々競い合っています。
高い性能を保有するコンピューターを持つ人なら、ビットコイン(BTC)などのマイニング(採掘)を行うことが可能かもしれませんが、初心者にとってはマイニング(採掘)は難しいでしょう。
一方、ネム(XEM)のハーベスト(収穫)は、複雑な計算やハイスペックなパソコンなどは必要ありません。
今のところは10,000XEM保有していることが条件なので、これがクリアしていればだれでも参加することができます。
10,000XEMを保有してネム(XEM)の公式ウォレットであるNano Walletでハーベストを行うことで、自動的にXEMを受け取ることができるようになるため、まさに「収穫」と言えるでしょう。
現状、ビットコイン(BTC)のマイニング(採掘)は個人レベルでの参加は難しいですが、ハーベスト(収穫)であれば個人レベルでも参加が可能です。
ネム(XEM)で資産運用を検討している方は、ハーベストにも取り組んでみてはいかがでしょうか。
ハーベスト(収穫)でどのくらい資産運用ができる?
保有量や取引量によって違いがありますが、主に「ウォレットの残高」と「トランザクション(入出金取引)の頻度」が、PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)スコアに反映されます。
そのため、ネム(XEM)をたくさん利用している人が恩恵を受けることができますが、では一体ハーベストでは、どのくらいのネム(XEM)がもらえるのでしょうか?
例えば、50,000XEMをハーベスト専用のウォレットに送金し、ハーベストを開始した場合、1カ月程度で約100XEM程度がハーベスト報酬としてウォレットに入っていた人もいるようです。
XEMのレートにもよりますが、気づいたときにハーベストできていたら、嬉しいものですよね。ハーベストも積み重ねれば大きな金額になるため、大量のXEMを保有している方は、ハーベストを利用されても良いかもしれません。
今後、ネム(XEM)の価値が上がれば、ハーベストの価値も高まるため、ネム(XEM)の長期保有を考えている方には、ハーベストは良い資産運用になるかもしれません。
詳しくはこちら:ネム(NEM/XEM)のハーベストとは?方法やマイニングとの違いを解説
ハーベスト(収穫)より報酬が多いスーパーノードとは?
ネム(XEM)にはこのようなハーベストの仕組みがありますが、ハーベストよりも高額な報酬を受け取れる可能性がある、スーパーノードという仕組みもあります。
スーパーノードになれば、毎日XEMをもらうことができたりもしますので、資産運用には適したシステムとの見方もあります。
ただし、スーパーノードになるには、ハーベストよりも条件が厳しくなっています。下記に条件の例をご紹介します。
1. 300万XEM以上を保有する
まず、スーパーノードになる条件のうち最も厳しいと言われているのが「3,000,000XEM以上保有していること」です。
これは、例えば1XEM=10円の場合、3,000万円分ものXEMを保有していなければなりません。
2. 5,000kbps以上の回線速度
スーパーノードになると、常に取引されている情報を処理する必要があるため、ある程度早い速度回線がないと処理に追いつくことができません。
ネム(XEM)の公式サイトでは、5,000kbps以上が条件と記載されています。
詳しくはこちら:NEM Supernode Rewards Program
3. 24時間稼働できるサーバー
また、スーパーノードになると常時取引を計算する必要があるため、24時間常に計算を行ってくれるサーバーやコンピューターを設置する必要があります。
毎秒2,000回以上の計算ができるスペックが必要とされているため、一般に販売されているパソコンでは難しく、高性能のコンピューターやサーバーが必要になります。
このようにスーパーノードになるには、色々と厳しい条件があるのが実情です。
ネム(XEM)の今後や将来性について
ネム(XEM)は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)とは異なるコンセンサスアルゴリズムが採用された仮想通貨です。
ビットコイン(BTC)にはないハーベストなどの特徴があることから、根強いネム(XEM)ファンも存在します。
現に、渋谷にはネム(XEM)に特化したBARである「nem bar(ネムバー)」があります。こちらのnem barは、仮想通貨ネム(XEM)の可能性や将来性に魅了された人たちが集まる場を提供しているバーです。
ネム(XEM)の理念に賛同し、ネム(XEM)を利用する人がこれからどんどん増えれば、ネム(XEM)のコミュニティもますます強くなり、通貨の価値も上がることが想定されます。
詳しくはこちら:ネム(NEM/XEM)の今後は?特徴を知って将来性を見極めよう
ネム(XEM)資産運用に関するまとめ
今後、カタパルトと呼ばれる機能がネム(XEM)に実装され、ネム(XEM)の性能が更に向上することで、将来的には決済通貨として利用される可能性もあるかもしれません。
それに伴いネム(XEM)の価値が上がることも期待されており、ネム(XEM)はこのさきまだまだ成長が見込める仮想通貨とも言われています。
今後は当たり前のようにネム(XEM)が使われる世の中になるかもしれませんので、ネム(XEM)の将来性を信じられる方は、ネム(XEM)での資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。