ChatGPT (チャットGPT)でできることは?活用事例とできないことをまとめて解説

高度な自然言語処理を行うことができるChatGPT。その万能性や利用可能性から大きな話題を呼んでいる生成系AIですが、ChatGPTでは実際に何ができるのでしょうか。
本記事では実際にChatGPTを使いながら、ChatGPTのできることや活用事例、利用の基礎知識、注意点、できないことを解説していきます。

この記事でわかること

Chat GPTとは

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ChatGPTとは、文章生成系・自然言語処理系のAIです。アメリカのOpenAI社により開発・提供されている、チャットを通して会話形式でAIが利用できるサービスです。

ChatGPTは2023年4月18日時点で、OpenAIのアカウントを開設していれば無料で利用することができます。有料版のChatGPT Plusというサービスも存在し、無料版と比較して高性能な学習モデルのAIを使うことができます。無料版はGPT-3という学習モデル、有料版はGPT-4という学習モデルを用いており、GPT-4では画像処理を行うことが可能です。

なお、2023年4月18日時点、ChatGPTでは画像処理機能は提供されていません。

参考:OpenAI GPT-4

ChatGPTは生成系AIの中でも特に話題を集めていながら、各国の法整備などが追い付いていないため、国により対応や姿勢が異なります。
たとえば、イタリアでは2023年3月31日時点でChatGPTの利用を一時的に停止していますが、反対に日本ではOpenAI社のCEOサム・アルトマン氏が首相の岸田文雄氏と面会を行ったことが報じられ話題になってています。

ChatGPTの基礎知識「プロンプト」や「呪文」とは

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ChatGPTほか、「Midjourney(ミッドジャーニー)」や「Stable Diffusion」、「Nobel AI」などの生成系AIを利用する際に、我々ユーザーが打ち込む文を「プロンプト」や「呪文」と呼びます。

ChatGPTでの生成は、プロンプトの質が生成物の質に直結するため、望む結果を得るために適切なプロンプトを入力する必要があります。

記事執筆時である2023年4月18日時点では、「プロンプト」という呼称のほうが浸透しているように伺えますが、2022年8月ごろの「Midjourney」の登場による生成系AI流行の発端では、「呪文」という言葉が浸透していました。また、「呪文」はサブカルチャー方面でのAI生成でよく使われている言葉でもあります。

プロンプトの情報を調べる際には、生成したいものにあわせて「プロンプト」と「呪文」を使い分けましょう。
ChatGPTでは、まず「プロンプト」として調べることをおすすめします。本記事内でも、指示文に関しては「プロンプト」と表記します。

ChatGPTでプロンプトを使う際は、他のユーザーの入力方法を参考にしたり、直接ChatGPTに聞いてみたりすると、より良質なプロンプトが作れる傾向にあります。たとえば、「このプロンプトにより正確な指示を追加してください」や「このプロンプトに足りない指示を教えてください」のように入力することで、プロンプト自体の情報量を増大させることができ、より望んだ結果に繋がりやすくなります。

また、ChatGPTの活用方法やプロンプトの解説と称した高額の情報商材も見受けられますが、広告としている映像や成果物が実際にAIで生成したものではない著作物だったり、中身が伴っていなかったりするケースが散見されます。
安易なプロンプト情報への課金は避けたほうが良いかもしれません。

ChatGPTではできないことや苦手なこと、注意点

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ChatGPTを利用する上で、いくつかの注意点があります。
まず、ChatGPTは正確な情報を生成するとは限りません。あくまでも自然言語処理になるため、それっぽい回答を行うことに長けています。
また、リアルタイムの情報を扱うことができず、学習データも2021年までとなっているため、最新情報やリアルタイム情報は扱えません。そのため、「現在の渋谷の天気を教えて?」などのプロンプトは、正確な結果を得られません。

入力内容はChatGPTのトレーナーにより閲覧可能であるため、機密情報や秘密情報の入力も避けるべきです。

詳しくはこちらの記事内をご覧ください。

ChatGPTでできること

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ChatGPTでは、テキストボックスに入力可能な文章や言語であれば、基本的には何でもできると言えるでしょう。

リアルタイム処理や正確性の担保、機密情報などの扱いはできませんが、それ以外のことはユーザーの想像力や、プロンプトの入力制度によって実現可能でしょう。想像次第で可能性が無限大であるということが、ChatGPTの熱狂を引き起こしているように見えます。

会話

ChatGPTは役割を理解させ、ロールプレイ的な会話ができます。
今回は、ChatGPTに「あなたはピザ屋の愉快な店主です。客とのやり取りを行い、ピザの注文を受け、会計を行ってください」と設定し、会話を行ってもらいました。

筆者は自分が客になる想定でしたが、ChatGPTが会話形式の文章を生成しました。
想定とは異なるものが生成されましたが、出来は良いでしょう。

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プロンプトを改め、再度挑戦します。会話形式で修正が行えることも、ChatGPTの強みの一つです。

再び客になれなかったため、一度生成を停止し再度プロンプトを入力したところ、会話ができました。

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現在利用しているGPT-3では、税金を含む会計は少々難しかったようですが、会話機能は満足できるクオリティのように見えます。
もっとも、税の対応は専門資格が設けられるレベルですから、自然言語処理としては及第点ではないでしょうか。

次に、GPT-4を用いて同様のやりとりを行いました。

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GPT-4の出力結果はGPT-3と比べても詳細かつ具体的であり、消費税の計算も正しくできていました。

翻訳

学習モデルには日本語が含まれているため、ChatGPTでの処理・生成は行えますが、
ChatGPTはOpenAIのWEBページを含め、日本語に対応していません。

そこで、ChatGPTのページに記載されているChatGPTの説明・イントロダクションを翻訳してもらいました。

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グローバル企業が扱う英語はわかりやすいためか、ChatGPTでも綺麗に翻訳することができました。

原稿作成

原稿作成の実験として、日本での自動車運転免許の取得方法を400文字程度で執筆してもらいました。

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内容に若干の不足がありますが、文章としては成立しており、破綻も見られません。
具体的に不足や構成の不備を指摘するとなると、指定自動車教習所に通学すると技能試験が免除されるという制度があるため、こちらを先に記述しておくべきでしょう。

文章要約

前項で生成した400文字程度の原稿を、100文字程度に要約してみましょう。

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前項で生成した文章を要約しているため内容の不足等はありますが、必要な情報は残っており、要約内容も概ね満足するクオリティでしょう。
一般に400文字から100文字への要約は、重要情報の抽出や取捨選択にある程度の労力がかかります。
生成にかかった時間も10秒程度であったため、要約は一般的な人間よりも優秀であるように見えます。AIと要約力を競ってみたい方は、同じテーマで戦ってみても面白いかもしれませんね。

プログラミング

ChatGPTでは、プログラムを生成したり、プログラミングのミス・バグを修正したりすることが可能です。
ChatGPTをプログラミングへ活用した事例は多く存在します。ルールに準拠して記述するプログラミング言語は自然言語に比べて機械学習との相性が良いとも言われており、プログラミングへの活用は多く試みられ、成果が出ているようです。

楽譜生成

エレキギターの譜面を生成してもらいました。
それっぽいものは生成できていますが、指定した通りにはできていません。
コードの押さえ方はしっかりと生成できていました。

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GPT-4だと、特定のアーティストの雰囲気を指定し、楽譜を生成できるとの情報もあるため、音楽理論に則った楽譜や、譜面を大量に出しているアーティストへの活用はできそうです。

ChatGPTの活用事例

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ChatGPTは、日本の中央省庁での活用が前向きに検討されており、今後行政サービスや省庁内業務内での活用が行われる可能性があります。

農林水産省では、既存情報の簡略化や更新作業などに利活用する検討を進めていることを公表しています。ChatGPTは仕様上、入力した秘密情報の流出リスクがあるため、秘密情報を扱う分野での利活用は、検討段階ではないとみられます。

参考:農林水産省 野村農林水産大臣記者会見概要

要約すると、農水省では単純な言語処理としての利用は検討中と言えるでしょう。

日本の省庁では、すでにMicrosoft製品を多数導入しているため、Microsoft社とのパートナーシップ関係にあるOpenAI社のChatGPTは、導入の意思決定において有利に働くのかもしれませんね。

まとめ

生成系AIとして大きな話題を呼んでいるChatGPT。すでに中央省庁での利用が検討されていることから、このようなAIが社会にインパクトを与えることは確実視する声があります。

ChatGPTの学習データは2021年のものまでですが、よく考えてみると日々の生活には最新情報はあまり必要なく、意図的に情報取得を試みない限りは不要なものともいえるかもしれません。

一般のWEBユーザーは検索を自然言語的に行う人も多いため、機械語的に「検索」を行うよりも、AIに「対話」してしまったほうが都合がよい事態は想像に容易いでしょう。
そのため、現在のWEBにおける検索エンジンが対話型AIに置き換わるといった事態も起こりえる可能性も論じられます。

ITにかかわる人たち以外も、AIによる社会の変化に対応できる柔軟な姿勢が、未来の明暗を分けるかもしれませんね。