
「コロナ禍でも株主総会はできるの?」
「オンライン上で株主総会をするやり方を知りたい」
臨機応変な対応が求められるコロナ禍では、株主総会のやり方もリアルからバーチャルへシフトチェンジする企業も出てきています。
現在、コロナ禍で開催できる株主総会の方法としては下記の3通りがあります。
予定通りの開催が難しい場合には延期や日にちの変更、継続会の開催なども推奨されており、柔軟な対応が可能です。
ただし、株主総会を開催する場合には安全に配慮した対策や手段を取り入れる必要があり、対策が不十分だと企業のイメージダウンにつながりかねません。
そこでこの記事では
◎コロナ禍での株主総会の対応方法
◎2020年コロナ禍での株主総会の傾向
◎コロナ禍での株主総会の事例
◎コロナ禍で株主総会を開催するときに気を付けたいこと
を、経済産業省公表している「株主総会(オンラインでの開催等)、企業決算・監査等の対応」などのデータをもとにご紹介します。
この記事で解説する「コロナ禍の株主総会事例と注意したい3つのポイント」コロナ禍でどのように株主総会を開催できるのか把握でき、自社に合う開催方法が見つかるはずです。
ぜひ、コロナ禍でも安全に開催できるようになり、企業のイメージを損なわない適切な方法を見つけてみましょう。
また、バーチャル株主総会に少しでも興味のある企業様は下記から『バーチャル株主総会の事例集』を無料ダウンロードしてみてください。
執筆Sharely編集部
Sharelyはバーチャル株主総会を滞りなく実現させるクラウドサービスです。バーチャル株主総会を検討している企業様に「バーチャル株主総会について正しく理解していただき安心して実施していただく」ことを目的に執筆しています。/ 運営元:コインチェック株式会社
コロナ禍での株主総会の対応方法を解説
※この記事は2021年1月現在の経済産業省のデータをもとに作成しています。
まずは、コロナ禍での株主総会の基本的な対応方法をまとめてご紹介します。
コロナ禍での株主総会開催方法は3通り
コロナ禍で株主総会を開催するには、2020年9月時点で下記の3つの方法があります。
それぞれコロナ禍でどのように開催をするのか具体的にご紹介します。
①リアル出席型株主総会
リアル出席型株主総会とは、株主総会を開催する場所を用意し取締役や、株主が一同に集まって開催をする方法です。
昨年まではリアル株主総会が主流だったので、この方法で開催していた企業は多いでしょう。
コロナ禍でもリアル出席型株主総会の実施は可能ですが、経済産業省では
- 健康や安全に充分配慮して欲しい
- 延期や他の方法への切り替えも含めて検討して欲しい
と提示しています。健康や安全面に配慮した具体的な方法としては、下記のようなものが可能となっています。
このように、コロナ禍では感染拡大防止を念頭におきながら、規模の縮小や参加者の人数制限なども検討する必要があります。
参考:経済産業省「企業決算・監査及び株主総会の対応について」
②バーチャル株主総会
バーチャル株主総会とは、オンラインを活用して実施する株主総会のことです。
バーチャル株主総会は下記のように3種類に分けることができます。
日本では今のところオンラインのみで実施する「バーチャルオンリー型株主総会」は、会社法の解釈上難しいという見解が示されているので実施できません。
そのため、株主総会を開催する会場を設けてプラスアルファでオンラインを活用する「ハイブリッド参加型バーチャル株主総会」か「ハイブリッド出席型バーチャル株主総会」を採用することになります。
①ハイブリッド参加型バーチャル株主総会
ハイブリッド参加型バーチャル株主総会は下記の図のように、リアルで開催されている株主総会にプラスし、会場にいない株主がオンライン上で株主総会の中継動画を傾聴できるようにする方法です。
株主が傾聴できるようリアルタイム配信ができる設備を導入するだけなので、比較的取り入れやすいところがメリットです。
出典:経済産業省経済産業政策局企業会計室「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイドについて」
しかし、オンラインで傍聴している株主はリアルタイムでの質問や発言ができないので、
- 事前に質問等を募集して株主総会時に取り上げる
- 株主総会後に質問を募集し、ホームページなどで回答する
などの工夫が必要となります。また、オンラインで参加している株主は当日の決議には参加できないため、事前に書面やインターネットで議決権を行使するよう促すことも重要です。
②ハイブリッド出席型バーチャル株主総会
ハイブリッド参加型バーチャル株主総会は下記の図のように、リアルで開催されている株主総会にプラスし、株主がオンラインなどの手段を使い会社法上の「出席」ができる方法です。
会社法の出席とは「開催場所と離れた場所にいる株主との間で双方の情報伝達が適時適確にできる状態」を指します。
簡単に言うと、テレビ電話のように株主一人一人とリアルタイムで会話ができる状態を確保できるようにしなければなりません。
出典:経済産業省経済産業政策局企業会計室「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイドについて」
会場に行けなくもリアルタイムで質問や意見が言えるので、リアル出席型に近い状態で開催できるところがメリットです。
しかし、ハイブリッド参加型バーチャル株主総会よりも導入のハードルが高いところがデメリットとなっています。
このように、コロナ禍での株主総会は3つ方法から取捨選択し、注意点に配慮しながら実施することになります。
参考:
経済産業省経済産業政策局企業会計室「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイドについて」
経済産業省「ハイブリッド型バーチャル株主総会に関する論点整理」
経済産業省「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド(案)」
【バーチャル株主総会についてもっと知りたい人はこちらもチェック】
オンラインを利用した株主総会は現法上可能
前章で述べたように、株主が出席できる株主総会会場を設けつつオンラインも併用する株主総会を実施することは現法上可能です。
しかし、オンラインのみの株主総会は会社法の解釈上難しいという見解が示されているので、ハイブリッド参加型バーチャル株主総会またはハイブリッド型出席型バーチャル株主総会での実施となります。
経済産業省ではコロナ禍での安全や健康面に配慮するため、企業側と株主双方に例年とは異なる方法やスケジュールを取り入れることも検討してほしいと述べています。
参考:
経済産業省「株主総会(オンラインでの開催等)、企業決算・監査等の対応」
株主総会は延期も可能
経済産業省が発表している「企業決算・監査及び株主総会の対応について」によると、コロナ禍での株主総会は安全や健康面に配慮するため、延期など通常とは異なるスケジュールも検討して欲しいと記載されています。
定時株主総会を決算後3ヵ月以内に行う企業が多いですが、会社法には決算期から3ヵ月以内に定時株主総会を開催しなければならないという規制はありません。
会社法第296条1項:定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。
出典:会社法
また、企業の定款に定時株主総会の開催時期が記載されている場合でも、延期を検討することは可能です。
法務省が発表している「定時株主総会の開催について」では、企業の定款に株主総会開催時期の定めがある場合でも新型コロナウイルス感染症に関連し定めた時期に開催することができない場合には、その状況が解消された後合理的な期間内に開催すれば足りると記載されています。
このように、定時株主総会の延期については法的な規制はないので、開催方法や世の中の動きに合わせて検討できます。
参考:
経済産業省「株主総会(オンラインでの開催等)、企業決算・監査等の対応」
法務省「定時株主総会の開催について」
スケジュールが後ろ倒ししている場合は「継続会」を検討することもできる
継続会とは、株主総会だけでは審議が終えられなかったものを後日改めて継続審議する場を設けることです。
コロナ禍での対応によって、決算の遅延や監査スケジュールが後ろ倒しになるケースもあるでしょう。継続会を利用することで、株主総会までには間に合わなかった議題を改めて審議できるようになります。
経済産業省も企業側が従業員の健康や安全を最優先に考えた結果、スケジュール遅延などが発生していると理解を示しており、継続会を検討しながら状況に応じて対応して欲しいと記載しています。
株主総会日程等はウェブ上に情報開示すること
コロナ禍の状況を踏まえ株主も株主総会がどのように開催されるのか不安に感じているので、延期や日時変更がある場合はもちろん、日時変更がない場合でも招集通知の発送前にウェブ開示をすることが求められています。
- 現状のまま開催する場合も、招集通知の発送前にウェブ開示を実施すること
- 株主総会の延期、日時や方法の変更を決めた場合には、公式サイト等でできる限り早く情報開示をすること
なお、株主総会の延期、日時変更をする場合は実務上の留意事項等があるため、株主名簿管理人等へ事前に相談することが必要のようです。
参考:
経済産業省「株主総会(オンラインでの開催等)、企業決算・監査等の対応」
一般社団法人信託協会「新型コロナウイルス感染症の影響による株主総会対応について」
コロナ禍の株主総会の傾向
3月末に決算を迎え3ヵ月以内に株主総会を開催する企業が多いことから、株主総会は6月に集中する傾向があります。
一般社団法人信託協会が調査した「3月決算会社における株主総会の対応状況」によると、2020年も従来通り6月中に開催した企業が89.62%となることが分かりました。
なんとか6月中に開催しようと、スケージュール調整や日程変更などを行った企業も一定数いるようです。
また、日経ビジネスによると2020年開催の株主総会でバーチャル株主総会を導入した企業は88社で、昨年に比べると増えているもののまだまだ少ないとのこと。(2020/6/10公表分までで集計)
次の章で詳しく解説しますが、多くの企業がコロナ禍でも工夫をしながら株主総会の実施に踏み切ったと言えるでしょう。
参考:
一般社団法人信託協会「新型コロナウイルス感染症の影響による株主総会対応について」
日経ビジネス「コロナ禍の株主総会、バーチャル化は進まず土産は廃止」
アメリカでは過半数以上の企業がオンライン株主総会を実施
アメリカで2020年2~6月に開催された株主総会は、企業の過半数を超える2,800社がオンラインでの実施となりました。
これには、ニューヨーク州が知事の命令でオンライン実施を進めたことなど、官民一体となり推し進めた背景があります。
日本ではまだまだ実施企業が少ないバーチャル株主総会ですが、海外ではコロナ禍を機に広がりをみせているようです。
参考:日本経済新聞 コロナ下の株主総会「なぜ日本はできない」
【実施方法別】コロナ禍の株主総会事例6選
ここからは、コロナ禍での株主総会をどのように実施したのか事例をご紹介します。
- リアル出席型株主総会
- ハイブリッド型バーチャル株主総会
- 継続会の開催を含む株主総会
の3つの方法に分けてみたので、ぜひ参考にしてみてください。
リアル出席型株主総会
株主も役員も同じ会場に集まるリアル出席型株主総会では、
- 株主に事前に告知をして参加を控えてもらう
- お土産を見合わせる(郵送にする)
- 人数制限や開催時間の短縮を行う
など、会場内に人が密集しないよう工夫して開催をする企業が目立ちました。
ここでは、「株式会社ダイオーズ」と「株式会社資生堂」の事例をご紹介します。
参加人数へ減らして実行「株式会社ダイオーズ」
オフィスコーヒーやティーサーバーメーカーとして知られている「株式会社ダイオーズ」。毎年2,000人が足を運ぶ人気の株主総会ですが、今年は密を防ぐため100人と規模を縮小して実施しました。
昨年までは、株主総会に最後まで出席をすることで200杯分のコーヒーがもらえるという手土産も注目を集めていましたが、特例として手土産も中止し、感染拡大防止を重視した形で開催。創意工夫をしながらリアル出席型で実施をした実例だと言えるでしょう。
参考:
yahooニュース「株主総会もコロナで変化 投資家に「来ないで」要請、お土産とりやめ」
不参加者にもお土産を郵送「株式会社資生堂」
化粧品やスキンケア用品を扱う「株式会社資生堂」は、予めオンライン上で「新型肺炎の感染拡大を受けた当社株主総会ご来場に関する検討のお願い」を公表し、
- 当日の来場を控えてもらうこと
- インターネットや書面での議決権行使の推奨
- 当日体調不良の場合は入場を控えさせてもらうことがあること
を連絡しました。また、当日会場に足を運ばなくても議決権を行使した株主を対象にお土産を送付する方法を採用。この他にも、所要時間の短縮や例年実施している事業活動の展示の中止などを実施し、計画的な安全対策を行いながら規模を縮小し開催をしました。
参考:
ハイブリッド型バーチャル株主総会
ハイブリッド型バーチャル株主総会では、会場の規模を縮小して人数制限などの感染拡大防止対策を実施するのと同時に、株主がオンラインから参加、出席できるようさまざまな工夫がみられました。
オンラインで生中継するための使用ツールは、YouTubeやZoom、独自ツールなど企業により異なり、中には株主だけでなく誰でも傾聴できるようにしている企業もあります。
ここでは、ハイブリッド出席型の事例「Zホールディングス株式会社」と、ハイブリッド参加型の事例「株式会社カプコン」を紹介します。
オンラインで生中継「Zホールディングス株式会社」
ソフトバンクグループ傘下の「Zホールディングス株式会社」は、誰でも傍聴ができるオンライン生中継と株主対象の出席型オンライン生中継、そして小規模な会場を設置するという3つの柱を使ったハイブリッド出席型バーチャル株主総会を実施しました。
会場はお土産を中止し20名の人数制限で開催。オンラインでは約90名が参加し、リアルタイムで寄せられる質問に応える一幕もあったようです。
株主総会の様子は実施日より1年間公式サイト上で公開されるので、株主ではない人にも興味を持ってもらうきっかけとなるでしょう。オンラインの強みを上手に取り入れた事例だと言えます。
参考:
Zホールディングス株式会社「第25回定時株主総会招集ご通知」
産経新聞「株主総会も「バーチャル」へ 警察当局、業績悪化予想しトラブル警戒」
コメント送信機能で臨場感をアップ「株式会社カプコン」
ゲームメーカーとして知られる「株式会社カプコン」は、株主がリアルタイムで動画を傾聴できるハイブリッド参加型バーチャル株主総会を実施しました。
オンラインで参加をする株主にはIDとパスワードを配布し、専用サイトより傾聴ができる仕組みとなっています。
参加型なのでリアルタイムで質問等はできませんが、一方的なコメントが残せる形を採用しました。
オンライン傾聴を導入することで、会場の縮小や感染拡大防止に取り組んでいるとのことです。
参考:株式会社カプコン「ハイブリッド参加型バーチャル株主総会」の導入について
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継続会を取り入れた株主総会
継続会の開催を決定した株主総会の背景には、コロナ禍のイレギュラーな対応で決算が遅れたり海外の手続きが進められなかったりといった、やむを得ない理由が潜んでいるケースがほとんどです。
ここでは、「戸田建設株式会社」と「ASTI株式会社」の事例を紹介しながら、継続会の開催の理由や方法をご紹介します。
決議内容を2回に分けて開催「戸田建設株式会社」
トンネルや病院などの建設を行っている「戸田建設株式会社」。6月に株主総会を開催することを前提に準備を進めていましたが、リモートワーク等で働き方が変化したことから決算関連手続きに遅れが生じ、株主総会開催前に継続会実施を決定しました。
株主総会に関しても事前に来場を控えるようアナウンスをして、感染拡大防止の施策を取り入れています。株主に事前に伝えることで混乱を防ぎ、無理のないスケージュールで株主総会と継続会の実行に踏み切った事例です。
参考:
戸田建設株式会社「第97回定時株主総会の継続会の開催方針に関するお知らせ」
コロナ禍で他国の決算が遅延し継続会を開催「ASTI株式会社」
車載電装品や情報通信機器などを製造販売している「ASTI株式会社」は海外に連携子会社を持っており、新型コロナウイルスの封鎖措置等の影響で決算業務に遅れが生じたため継続会の開催を決定しました。
継続会においても株主総会と同様検温を実施し、体調不良の場合は入場を控えてもらうという対策を取りました。
海外に支社や工場を持つ場合はコロナ禍で受ける影響が予測できないと思うので、継続会を活用することで調整をしている事例です。
参考:ASTI株式会社「第57回定時株主総会継続会開催ご通知」
コロナ禍での株主総会で注意したい3つのポイント
最後にコロナ禍で株主総会をするときに注意したい3つのポイントをご紹介します。検討している開催方法と照らし合わせながら、チェックしてみてください。
株主総会を延期する場合は基準日を見直す
コロナ禍の状況を考慮し株主総会の延期を検討する場合は、基準日を確認する必要があります。株主総会で決議に票を入れられる権利「議決権」は、基準日より3ヵ月を超えると行使できません。
会社法124条2項:基準日を定める場合には、株式会社は、基準日株主が行使することができる権利(基準日から3箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。
出典:会社法
そのため、株主総会を延期する場合は、定められている基準日から3ヵ月以内かどうかをチェックしてみましょう。
延期した株主総会が基準日から3ヵ月を超える場合は新たな基準日を定めて、基準日の2週間前までに
- 新たに設置した基準日
- 株主が行使できる内容
を公告する必要があります。
株主総会会場では感染拡大防止対策をする必要がある
リアル出席型株主総会とバーチャル株主総会のどちらを選択しても、株主や社員、役員が集まる会場を設置しなければなりません。会場のコロナウイルス感染拡大防止対策を怠ると、2つのリスクを背負うことなります。
1つ目は、従業員に対する安全配慮義務です。
労働契約法5条には「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働ができるよう、必要な配慮をするものとする。」と記載されており、コロナ禍では従業員が安全に働けるような対策が必要です。
例えば
- マスクを着用する
- 人が密集する状況を避ける
- 従業員の体調を把握し管理する
など具体的な対策を実行していないと安全配慮義務を怠ったとして、最悪の場合は損害賠償請求につながります。
2つ目は、感染拡大防止対策を怠ることによって株主へのイメージダウンを引き起こすリスクです。厚生労働省なども感染拡大防止策の実施を呼びかけている中、これといった対策をしないで株主総会を開いてしまうと、危機管理体制が整っていないと捉えられ企業のイメージが下がってしまう可能性は大いに考えられます。
今のところ政府内で決められた株主総会のガイドラインはありませんが、第1章で紹介したように、
- 会場に入れる人数を制限する
- 事前に来場を控えてもらうよう呼びかける
- 検温の実施や体調不良の人の入場制限
などを取り入れできる限り安全に実施できるように努めましょう。
参考:
ハイブリッド型バーチャル株主総会を導入する場合はセキュリティ対策や整備が必要
少しずつ普及し始めているハイブリッド型バーチャル株主総会の今後の課題として、経済産業省は下記の3つのポイントを挙げています。
インターネットを利用するため、セキュリティ強化は欠かせない課題です。個人情報の流出など思わぬトラブルに巻き込まれないようにするためにも、使用するサーバーのセキュリティを見直す必要があるでしょう。
また、対面で本人確認ができない分、なりすましや代理出席などの被害が起こりやすくなっています。本人しか把握できないIDやパスワードの活用を始め運用方法を検討していくことが課題です。
他にも、出席型は株主なら誰でも質問できる環境となるので、質疑応答に時間がかかったり関係のない質問が出たりすることも考えられます。時間制限や事前質問の受付を行い、ある程度精査することも重要です。
このように、バーチャル株主総会の場合は前例も少ないため改善の余地があり、検討しながら進めていかなければならないことも留意しておきましょう。
参考:経済産業省「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド(案)」
バーチャル株主総会の実施を検討している場合、正しい知識がないと設備の用意や開催までの流れを掴むことができません。
「バーチャル株主総会はどのように開催したらいいの?」「自社でも実施できるの?」など気になっている方は、ぜひ下記よりSharelyへお気軽にお問い合わせください。
※Sharelyとはコインチェック株主会社が提供するバーチャル株主総会を滞りなく実現させるためのクラウドサービスです。
まとめ
いかがでしたか?コロナ禍での株主総会の実施方法が把握でき、どのように実施しようか検討できたかと思います。
最後に、この記事の内容をまとめてみると
◎2020年9月時点、コロナ禍で株主総会を実施する方法は次の通り
◎コロナ禍での株主総会で知っておきたい対応方法は次の4つ
- オンラインを利用した株主総会は可能だが、オンラインのみの株主総会は会社法の解釈上難しいという見解が示されている
- コロナ禍での株主総会の延期や日時変更は可能
- 決算報告書の作成などが遅れている場合は、継続会の開催もできる
- 株主総会日程等はウェブ上に情報開示する必要がある
◎2020年の株主総会は従来通り6月中に開催した企業が89.62%で、多くの企業がコロナ禍でも工夫をしながらも株主総会の実施に踏み切ったことが分かる。
◎リアル出席型株主総会の事例は次の2社
◎ハイブリッド型バーチャル株主総会の事例は次の2つ
◎継続会を取り入れた株主総会の事例は次の2社
◎コロナ禍での株主総会で気を付けたいポイントは次の3つ
- 株主総会を延期する場合は基準日を確認し、場合によっては変更する
- 株主総会の会場では、安全に配慮した対策を実施する必要がある
- ハイブリッド型バーチャル株主総会を導入する場合は、セキュリティ対策や整備が必要
この記事をもとに、コロナ禍でも安全に配慮しながら適切な株主総会を実施できることを願っています。