カテゴリー: ブロックチェーン
みなさんはブロックチェーンと聞いてどんなものを思いつくでしょうか?ブロックチェーンと聞くと暗号資産等の金融分野に活用される技術、と想像する方も多いかもしれません。
しかし、金融以外の分野にも身近な活用が期待される技術であることは深く知られていないのではないでしょうか。本記事ではブロックチェーンの基礎から、導入のメリットを解説するとともに、公的機関や企業での活用事例を紹介します。
この記事でわかること
ブロックチェーン利用のメリット
ブロックチェーン市場の現在
地方自治体・企業での活用事例
※【掲載団体様を随時募集】
本記事では自治体および企業のブロックチェーンの取り組みを募集しております。
事例でのご紹介を希望される方は下記のメールアドレスへご連絡ください。
この記事を読めば
「ブロックチェーンがどのようなことに使われているのか知りたい!」
「ブロックチェーン技術を利用した地方創生、地方活性化が気になる」
という方々の疑問を解決できるでしょう。
また、自治体や企業、ビジネス等におけるブロックチェーンの活用方法についてみなさんも考える良い機会になると思います。
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目次
地方自治体が抱える問題点
ブロックチェーンが促進する地方創生
そもそもブロックチェーンとは
ブロックチェーンの市場規模
地方自治体や企業がブロックチェーンを導入するメリット
運用コスト削減
不正・改ざんがしづらい
契約業務の効率化
構造の安定性
ブロックチェーンのビジネスモデル・導入例
【福岡県飯塚市】住民票等各種証明書のデジタル化
【長崎県長崎市】契約事務のデジタル化
【熊本県熊本市】行政文書を安全かつ透明性の高い情報として公開
【佐賀県佐賀市】ごみ発電電力の地産支障による環境価値を電子証書化
【石川県加賀市】マイナンバーカードとブロックチェーンを活用した行政サービス
【福島県磐梯町】地域商品券をスマホアプリによって発行
【兵庫県養父市】吉本興業とコラボした地方創生型メタバース
【株式会社ルーラ】 観光促進型デジタル通貨サービスルーラコイン
【株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング】水産物のトレーサビリティ
まとめ
地方自治体が抱える問題点
2014年に日本創生会議が発表したレポートでの地方消滅都市という言葉が衝撃を与え、それを背景に政府の政策としても地方創生が意識され始めました。持続可能な自治体のために何が必要なのか注目されるようになったタイミングとも言えるかもしれません。
しかし、近年もなお首都圏への一極集中が進み、地方自治体の多くは人口減少や高齢化等の問題を抱えています。生産年齢人口が減少し、限られた労働力、資本の中で運営するためにはより一層、業務の効率化を進めなければなりません。
ブロックチェーンが促進する地方創生
では、地方の課題に対してブロックチェーンはどのような形で影響を及ぼすのでしょうか。
「ブロックチェーンのビジネスモデル・導入例」で紹介するような国や自治体でも実証実験の取り組みが広まりつつあることからも分かるように、ブロックチェーン技術がこれまでの技術では解決できなかった社会の既存課題を解決するための手段として期待されています。
地域の社会課題解決を考えるうえで何か革新的な方法を模索している方々もいるのではないでしょうか。そのような方々にブロックチェーン技術が選択肢の一つになれるよう、魅力を分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
そもそもブロックチェーンとは?
ブロックチェーンとは、情報を記録・管理するための技術です。取引の情報をブロックというまとまりで管理し、それらを鎖状にして分散管理していることからブロックチェーンと呼ばれます。
記録された取引情報の全部、あるいは一部を利用者全員が共有し、保存・管理しているのです。これこそがブロックチェーンであり、誰が、いつ、どのような情報を記録したのか明確にして共有し、偽造できないような形で保存・管理する技術になります。
構造はシンプルでありながらも、データの改ざんに強いことから暗号資産の取引の記録にブロックチェーンが使われています。
ブロックチェーンとは?基礎知識やメリット・デメリットをわかりやすく解説
Coincheck
ブロックチェーンの市場規模
ブロックチェーン技術を活用するといっても市場の現在の立ち位置を理解しなくては導入へのイメージがわきにくいかもしれません。まずはブロックチェーンの市場規模を把握することで将来性を確認しておきましょう。
国内の研究所は2020年で100〜200億とされている国内市場規模は2025年には1000億を超えるとの予測を立てています。経済産業省が発表した資料では、ブロックチェーン技術関連の国内市場は67兆円もの潜在規模があるとしており、近い将来の大きな市場成長が見込まれています。
参考:経済産業省「平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料」
また、ブロックチェーン関連企業の設立数、投資金額も年々増加傾向にあります。企業数については、2020年時点で430社に達するとされる国内の仮想通貨・ブロックチェーン関連企業のうち150社はスタートアップ企業に分類されるといいます。
参考:Blockchain Data Book 2020
環境整備については政府が新しい資本主義の核としてWeb3.0を掲げ、「骨太方針2022」にはweb3.0促進に向けた環境整備が明記され、国として税制や法改正を行う方針を提言しました。
WEB3.0とは?暗号資産の関係と銘柄やメリット・デメリットを解説
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地方自治体や企業がブロックチェーンを導入するメリット
ブロックチェーン市場の拡大の背景には、ブロックチェーンの活用にいくつかの利点があることが考えられます。ここでは導入のメリットについて紹介します。
自治体や企業がブロックチェーンを導入するメリットは4つあります。
運用コスト削減
不正・改ざんがしづらい
契約業務の効率化
構造の安定性
それぞれ詳しく見ていきましょう。
運用コスト削減
従来の中央集権型のサーバクライアント方式では処理がサーバに集中するため高スペックのサーバを用意する必要があります。ブロックチェーンはP2P方式なので、取引に関係するあらゆるノードが処理を受け持つ分、高スペックなサーバーなどを用意する必要がありません。
したがって運用コストの削減が実現されている分、金融業界や不動産業界、役所等の公共機関からも様々な需要があります。
ハッシュ値 不正・改ざんがしづらい
個々の取引記録(トランザクション)はハッシュ関数という特殊な関数によって置き換えられます。
ハッシュ関数とは、規則性のない一定の長さの文字列(ハッシュ値)に置き換える関数のことを言います。ハッシュ値は、入力するデータをわずかにでも変えると全く異なるハッシュ値が導き出されます。ハッシュ値から元データを割り出すことができないことから、不可逆的であり、不正・改ざんが難しいとされています。
スマートコントラクト 契約業務の効率化
スマートコントラクトとは人の手を解さずに契約内容を自動で実行してくれる仕組みのことです。ブロックチェーン技術の利用により、「契約内容が改ざんされない」「中央管理者を介在させず、契約内容が自動で実行される」という二つの条件を満たすことができます。
契約内容とその実行条件をあらかじめプログラミングしておくことが可能であるために、取引期間の短縮化や人件費の削減などが期待されるのがスマートコントラクトのメリットです。
P2P システムの安定性
P2Pシステムとは、複数のコンピューターがデータを分散して情報共有するシステムのことです。
従来の中央集権のクライアントサーバシステムでは、中央のサーバにデータを一極集中で管理するため、一つのサーバがダウンするなどの不具合が起こった場合、システム全体の停止に至る可能性があります。
一方で、P2Pシステムの場合は、中央のサーバにデータを一極集中で管理することはないので、一つのサーバがダウンするなどの不具合が起こってもシステム全体の停止には至ることはありません。
したがって、情報の分散管理によりシステム全体の安定性が高いといえます。
ブロックチェーンのビジネスモデル ・導入例
参考:経済産業省「平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料」
ブロックチェーンのメリットが分かっても実際にはどのように活用されるのかイメージがわかない方が多いのではないでしょうか。
次は実際にどのようなビジネスモデルが考えられるのか事例とともに紹介します。
ブロックチェーン技術の展開が有望な事例としてどのようなものがあげられるのでしょうか。経済産業省が公表する資料では上図のような例があげられています。
これをみてもわかるように、ブロックチェーン技術は産業構造へ影響を与える可能性があり、私たちの生活に身近な分野において幅広い活用の可能性があると考えられます。
以下では具体的に導入や実証実験に至っている例を紹介したいと思います。
参考:基礎自治体におけるプロックチェーン技術の活用に関する調査研究 | 公益社団法人東京市町村自治調査会
【福岡県飯塚市】 住民票等各種証明書のデジタル化
福岡県飯塚市では住民票等各種証明書の「申請」「交付」を住民所有の端末から作成可能とする仕組みの実証実験を行っています。一般に行政文書の電子交付では紙の文書に相違ない証明性を保つことが困難であるという課題があります。
そこでブロックチェーン技術を活用し、不正改ざんを見つけやすくすることで電子文書の信頼性の保証を実現しています。窓口での手続きが必要ないことから、コロナ禍による非接触の行政サービスとしても期待されます。
参考:飯塚市のブロックチェーンの取組 | 飯塚市公式ホームページ
【長崎県長崎市】契約事務のデジタル化
2021年9月、長崎市は東芝デジタルソリューションズ株式会社とブロックチェーンを活用した契約事務のデジタル化に関する連携協定を締結しています。東芝デジタルソリューションズ株式会社が長崎市に導入している電子調達システムとブロックチェーンを連携させ、電子契約システムを構築しました。
契約事務手続きの効率化とコロナ禍における接触機会の削減を目的として導入実験を行っており、電子契約システムを通じて決済記録や届出の申請など社会全体のデジタル化を促進することが期待されます。
出典:長崎市理財部契約検査課「長崎市電子契約システムの実証実験について」
【熊本県熊本市】 行政文書を安全かつ透明性の高い情報として公開
行政が保有する情報のオープン化を国から推進されている中で、熊本市では行政文書を安全かつ透明性の高い情報として公開し二次利用の促進を図るため、ブロックチェーン技術を応用した実証実験を行っています。文書開示時に生成されたハッシュ値と文書照合時に生成したハッシュ値とを比較することで改ざんを検知することが可能になります。
この仕組みの活用により、業務負荷軽減・利便性向上等の効率化に加え、行政文書改ざんなどの内部不正の抑止効果が期待されます。
参考:熊本都市政策 vol.7 (2019-2020)
【佐賀県佐賀市】 ごみ発電電力の地産地消による環境価値を電子証書化
2010年に環境都市宣言を行い「地域循環共生圏」を推進している佐賀市。その共生圏内で生まれた環境価値をブロックチェーン技術で可視化するシステムの構築を検証し、一部導入しています。
具体的には、佐賀市清掃工場でのバイオマス発電や公共施設での再生可能エネルギーの電気供給実績をブロックチェーンに記録し、電力の地産地消を証明する「環境価値証書」を発行しています。地域の「資源循環」「炭素循環」を確認できることで地域住民の行動変容を促し、証明された環境価値が魅力として地域の活性化にもつながることが期待されます。
参考:地域循環共生圏とは? | 佐賀市公式ホームページ
【石川県加賀市】 マイナンバーカードとブロックチェーンを活用した行政 サービスの提供
加賀市は2018年に「ブロックチェーン都市宣言」を発表し、ICTの活用でのスマートシティ化による地域課題解決を目指しています。その中でもブロックチェーン技術を活用した幅広い電子行政サービスを検討しています。
スマートフォンとマイナンバーを紐づけし、市民の持つ端末から投票できる電子投票システムや、住民票を持たないながらもマイナンバーとの紐づけで市内各種サービスを受けることができる電子市民制度の実証に至っています。
今後の地方創生で重要視される関係人口の拡大に期待されるサービスだといえます。
参考:e-加賀市民 | 加賀市公式ホームページ
加賀市、コロナワクチンの質問をチャットボットで対応。 | aismiley
【福島県磐梯町】 地域商品券をスマホアプリによって発行
磐梯市では2020年よりデジタル変革戦略室を設け、デジタル技術も活用し町民本位の行政・地域・社会の再デザインに取り組んでいます。
会津大学ですでに導入されていた地域通貨「白虎」を応用し、2021年に商工業の更なる地域活性化を目的として「磐梯町とくとくデジタル商品券」を発行しました。端末のアプリにチャージした金額の25%がポイントとして割増しで付与されるもので、(紙で発行されている商品券では割増しの割合は20%)利便性やコスト削減、高いセキュリティの観点からブロックチェーン技術が生かされています。
町民のアプリ決済の土台が定まりつつある中で、今後、地域通貨「ばんだいコイン」の運用に至る磐梯町の取り組みにも期待できます。
参考:世界最先端のブロックチェーンの技術を活用した「磐梯デジタルとくとく商品券」販売開始 | 磐梯町公式ホームページ
【兵庫県養父市】 吉本興業とコラボした地方創生型メタバース
吉本興業株式会社との連携協定のもと、養父市はメタバース「バーチャルやぶ」をオープンしました。
メタバース内において、市内の観光名所やかつて栄えた明延鉱山のワールドなど体験型コンテンツを用いて市の魅力を発信しています。また、メタバース上には養父市役所も再現されており、「メタバース市民証」なるものも発行することが可能です。
地域の魅力発信に加えて、人々の交流拠点を設ける観点からもつながりの創出が期待されます。
参考:メタバース「バーチャルやぶ」オープン | 養父市公式ホームページ
【株式会社ルーラ】 観光促進型デジタル通貨サービスルーラコイン
出典:ルーラコイン
株式会社ルーラでは、全国の観光地や温泉地のみで使える地域活性化を目的とした日本初の観光促進型デジタル通貨サービス「ルーラコイン」事業を立ち上げています。
2022年7月時点で12地域91店舗と連携し、全国で横断的に使えるデジタル通貨であることから特定の地域でしか使えないといった地域通貨の弱みを観光地、温泉地の連携により克服しています。
ルーラコインのみによってしか購入できない宿泊プランやアクティビティを提供することで独自性を生み、金額では測れない地域の魅力の創出につながっているといえます。
【株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング】水産物のトレーサビリティ
出典:ホヤの朝獲れをブロックチェーンで追跡、水産資源のトレーサビリティ向上に期待
新たな水産業の形を目指す株式会社フィッシャーマンジャパンマーケティング(宮城県石巻市)は2020年にホヤの産地と鮮度を証明する仕組みとして、株式会社chaintopeのトレーサビリティシステムを採用し、実証実験を行いました。
産地や鮮度がきわめて重要であるホヤにブロックチェーンを活用したトレーサビリティシステムを用いることで、商品の適正な管理を消費者に認知してもらい値段以外の価値基準の付与を目的としています。
消費者が端末から簡単にサプライチェーンを確認でき、消費者に安心安全を提供するシステムとして魅力的であると言えます。
参考:Fisherman japan|フィッシャーマン・ジャパン 公式サイト
まとめ
ここまでブロックチェーンの導入メリットからいくつかの活用事例まで紹介してきました。
これらからも分かるようにブロックチェーンの活用方法は考え方によって多岐にわたります。
ブロックチェーンの活用が自治体や企業の既存課題解決の手段の一つとして考えられる場は今後より拡大すると考えられます。
金融・投機に限らず、様々な分野における新たな価値交換の形がすぐそこまで来ているのかもしれません。
「そもそもブロックチェーンって何? どういう仕組みなの?」
最近、暗号資産(仮想通貨)
を始めた方や、興味をお持ちになった方の中には、そのような疑問を覚えた方もいるのではないでしょうか。
この記事で解説するブロックチェーンの特徴や仕組みを読めば、昨今暗号資産以外の分野でも注目されているブロックチェーンについて、基礎から理解することができます。
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ブロックチェーンとは暗号資産(ビットコイン)取引の記録方式
ビットコインにおいてのブロックチェーンとはビットコイン(BTC)取引の土台となる技術で、一言で言うとビットコイン取引の記録をまとめた台帳の役割を果たしています。
トランザクションと呼ばれる取引データをブロックで管理し、それらのブロックを一つのチェーン状にして分散管理していることからブロックチェーンと呼びます。
実にシンプルな構造ですが、データの改ざんに強く、金融情報を記録しておくのに優れているため、暗号資産の取引の記録方式としてブロックチェーンが使われています。
ブロックチェーンの特徴
ブロックチェーンは「分散型台帳技術」とも呼ばれ、世界中のユーザーの端末に同じ台帳が保存されており、閲覧することができます。このことが、ビットコインをはじめとする暗号資産が「非中央集権的」といわれる理由です。
また、ブロックチェーンは高度な暗号化技術が使われているというのも、ブロックチェーンの大きな特徴です。これらの特徴からのため、これまでの帳簿では難しかったことが実現できるようになりました。
では、ブロックチェーンだからこそ実現可能になったことを、いくつかピックアップしてご紹介しましょう。
取引の信用を担保できる
すべてのユーザーが同じ台帳を閲覧でき、内容を確認することができますから、取引の信用を確保することができます。つまり、「世界中のユーザーが証人」という環境下で取引できる、というわけです。
不正取引を排除できる
ブロックチェーンによって、不正取引を排除できます。データの改ざんが疑われる場合には、その部分のデータを他のユーザーが保管しているデータと比較すれば、正しいかどうかがすぐにわかります。世界中のユーザーが保管しているデータを同時に改ざんすることは、現実的には不可能です。
コストを削減できる
もし、暗号資産を一元管理するとしたら、保守や管理の費用などに膨大なコストがかかることになります。実際には、ブロックチェーンを活用することで暗号資産は分散管理されているため、これらのコストを削減できています。
また、ブロックチェーンをベースに取引のプロセスを構築すれば取引承認も分散されることになるので、一元管理よりも取引承認の作業負荷が軽くなります。その浮いた分のコストを、報酬としてマイナーに還元しているのです。
ブロックチェーンはどのように作られる?
ブロックチェーンを知るには、まずチェーンがどのように作られ、使われるのかを知ることから始めるといいでしょう。ビットコインを例に説明していきます。
ブロックチェーンの一つひとつのブロックの中には、ビットコインの取引の記録が納められています。
例えば、「AからBへ、0.5BTCを送金した」という取引ですと、取引記録は1つだけではありません。ブロックに収まるだけの取引記録を詰めこんでひとまとめにし、特定のルールにもとづいてブロックを生成します。現金を持たないビットコインでは、この取引した記録をもとにコインの保有量を算出しています。改ざんができないよう暗号化した上でブロックにし、チェーンの最後端につながれていきます。
ブロックチェーンを暗号化するハッシュ関数
ブロックの暗号化に使われるのが、ハッシュ関数という特殊な関数です。ハッシュ関数には「入力値が少しでも違うと、出力値がまったく別のものになってしまう」という特徴があり、さらに出力値から入力値を逆算することができません。
ビットコインの場合、このハッシュ関数を利用して膨大な計算を行うことで、ブロックが正当なものとして認められ、チェーンにつなげることができます。
正しいブロックを作ってチェーンにつなげるためには、ハッシュ関数にさまざまな数値を代入して計算し続け、条件を満たす入力値(ナンス)を見つけ出さなくてはなりません。
この一連の作業が「マイニング(採掘)」であり、その作業を行う人や企業を「マイナー」と呼びます。
マイニングによって取引が記録される
マイニングは複雑な計算を何度も繰り返すことになるため、高いスペックを持つPCが必要になります。マイニングに成功すると、報酬として新たにビットコインが発行され、報酬として受け取ることができます。
そのため、膨大な電力を使い、マイニングを行う企業が世界中に存在します。それだけのコストをかけても、見返りが十分に得られるからです。
なお、マイニングによる報酬の付与の仕方は「コンセンサスアルゴリズム」と呼ばれ、いくつかの方法があります。ビットコインの場合は、「PoW(プルーフ・オブ・ワーク)」という方式を採用しており、最も早く計算処理できた場合に報酬が与えられます。多くの暗号資産がこの方式を採り入れていますが、ほかの方法を採用している暗号資産もあります。
暗号資産(仮想通貨)のマイニングとは?仕組みと実践方法について解説
Coincheck
コンセンサスアルゴリズムの主な種類は3種類
コンセンサスアルゴリズムにはPoWのほか、PoS、PoI、などが存在します。それぞれに独自の仕組みがありますので、簡単に説明しておきましょう。
1. PoW(プルーフ・オブ・ワーク)
PoWでは、最も早く計算処理できた場合に報酬を得られます。ビットコインが採用していることから、この方式を採り入れている暗号資産は数多くあります。
ただし、性能の高い計算能力を備えたマシンと膨大な電力が必要になるため、コストをかけられる企業は多くないことから、マイニングの寡占化が起こる危険性を指摘されています。
2. PoS(プルーフ・オブ・ステーク)
PoSは、マイナーが持っている暗号資産の量や保有期間に応じて、報酬の獲得率が上がる仕組みです。単純な「早い者勝ち」ではなくなるため、コストを軽くできるほか、大規模な設備がなくてもマイニングに参加しやすくなります。
3. PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)
PoIは、マイナーが持っている暗号資産の量や保有期間に加えて、取引量や取引回数も参照して報酬の獲得率が上がります。つまり、マイナーが暗号資産の取引にコミットしているほど、報酬を得られる可能性が高くなるわけです。
PoIは、暗号資産「ネム(XEM)」が採用している方式です。なお、ネムではマイニングにあたる作業のことを、「ハーベスト(収穫)」と呼んでいます。
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ブロック生成の難度を調整する理由は?
マイニングによってブロックを生成するには、特定条件を満たすナンスを見つけ出さなくてはなりません。そしてこの条件を変えると、マイニングの難度を調整することができます。
例えば、サイコロを1つ投げて、「5以下ならブロック生成」という条件であれば、6の目を出さなければブロックが生成されます。しかし、「2以下で生成」となると、ブロック生成の難度は大きく上がり、時間もかかるようになります。
ビットコインでは、総発行量があらかじめ決められていますが、難度調整を行わないと新規発行のペースが上がり、インフレを起こしてしまいます。そのため、10分に1個のブロックが作られるよう、常に難度調整が行われています。
ブロックチェーンの分岐とは?
ひとつながりのブロックチェーンが分岐することもあります。意図的に行われる分岐としては、まずバージョンアップを目的としたもの。もうひとつは、新たな暗号資産を作るためのものです。
ビットコインでは、いずれの分岐も経験しています。それによって、「Segwit」や「P2SH」といった機能が実装され、「ビットコインキャッシュ」や「ビットコインゴールド」などの新たな暗号資産が生まれました。こうした分岐は、今後も必要に応じて行われることでしょう。
応用分野を広げるブロックチェーンの可能性
改めてブロックチェーンについておさらいしましょう。
ブロックチェーンとは
「分散型台帳技術」とも呼ばれる暗号資産取引の記録方式。
ブロックチェーンの特徴としては以下の3つが挙げられます。
1・取引の信用を担保できる
―全てのユーザーが同じ台帳を確認できるため「世界中のユーザーが証人」になる。
2・不正取引を排除できる
―世界中のユーザーのデーターを同時に改ざんするのは不可能。
3・コストを削減できる
―ブロックチェーンを活用することにより分散管理が可能。コストや作業負担が軽減。
ビットコインには欠かせない技術であるブロックチェーン。その信頼性や改ざんへの耐性などから、食品の産地偽装防止や生産・流通プロセスの透明化、さらに不動産などの契約、権利情報の記録システムなどへの応用が摸索されています。
まだ新しい技術ではありますが、その可能性はまさに無限に広がっているのです。
暗号資産交換業者のCoincheckでは、ビットコインは少額からでも購入できるのでブロックチェーンに興味のある方は、暗号資産の取引所にも触れておくと良いでしょう。
暗号資産(仮想通貨)
について調べているときに、「マルチシグ」という言葉を目にしたことがある人もいることでしょう。しかし、具体的にどのようなものであるのかを、知らない人もいるのではないでしょうか。
この記事では、マルチシグの意味や具体的な仕組み、マルチシグを利用するメリットやデメリットについて解説していきます。
マルチシグは、暗号資産の送金を行うにあたり大切な役割を果たすシステムです。暗号資産の取引をする人なら知っておくべき、マルチシグの重要性について理解を深めていきましょう。
目次
まずはざっくり解説!マルチシグとは
暗号資産の送金の方法
暗号通貨の送金の仕組み
マルチシグはこの秘密鍵が複数必要になるということ
マルチシグの3つのメリット
メリット① セキュリティの向上
メリット② 秘密鍵紛失のリスクヘッジ
メリット③ 誤送金のリスクヘッジ
マルチシグの2つのデメリット
デメリット① 秘密鍵の管理が手間
デメリット② 手数料がかかる
マルチシグを導入している取引所を利用してみよう
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まずはざっくり解説!マルチシグとは
マルチシグは、正式名称を「マルチシグネチャー」といい、直訳では「複数の署名」という意味です。本人である証拠として用いられる「署名」と同じく、セキュリティを強化させるためのシステムです。
暗号資産の送金を行う際には、事前に設定した複数の「秘密鍵」が必要となります。マルチシグの活用場所は、たとえば、一部の暗号資産取引所と暗号資産の保管場所であるウォレットです。
次から、暗号資産の送金の際にマルチシグがどのように活用されているのかについて、詳しく紹介します。
暗号資産の送金の方法
マルチシグは、暗号資産の送金の際のセキュリティを管理するためのシステムです。しかし、実際にどのような仕組みにより管理されているのかを知らない人もいることでしょう。
そもそも暗号資産とは、セキュリティ確保のために暗号技術が利用されているデジタル通貨です。正式名称は「暗号資産」と呼ばれています。暗号通貨の送信時の通信内容の暗号化に関わる鍵には、秘密鍵のほかに公開鍵もあります。
そこで、秘密鍵と公開鍵の役割やこれらの鍵がどのように使用されるかについて解説します。
暗号通貨の送金の仕組み
暗号資産でやり取りされるのは紙幣や硬貨などのお金ではなく、電子データです。取引の際には、電子データが間違いなく送信者本人のものであるかを証明するために署名を行います。
この署名を「電子署名」といいます。
暗号資産のウォレットには、自分だけが知っている「秘密鍵」が入っています。秘密鍵からは他の人に公開してもよい「公開鍵」が生成でき、公開鍵を人間が扱いやすい形にしたものを「アドレス」と呼びます。
ブロックチェーンには、ウォレットのアドレスに残高がいくらあるかという情報が記録されています。残高を動かすためには、アドレスの元となった秘密鍵が必要です。
残高を動かす際は送金データを作成し、秘密鍵を用いて電子署名を行います。送金データがアドレスの元となった秘密鍵で署名されているかどうかは、第三者による確認が可能で、その確認作業がマイニングです。
暗号資産のマイニングとは?仕組みと実践方法について解説
Coincheck
マルチシグはこの秘密鍵が複数必要になるということ
公開鍵と秘密鍵は一つずつ使い、署名の際には秘密鍵が一つ必要となる方法を「シングルシグ」といいます。一方、署名を解読する際に秘密鍵が複数必要となるのが「マルチシグ」です。マルチシグはシングルシグのセキュリティを、より頑丈にするために活用されます。
マルチシグで必要となる秘密鍵の数は、「A of B」という表記で知ることが可能です。たとえば、三つある公開鍵のうち、署名の解読に二つの鍵を使う場合には「2 of 3」と表記されます。鍵の数に決まりはなく、「3 of 4」などもあります。ただし、「2 of 3」で設定することが一般的です。
マルチシグの3つのメリット
マルチシグの仕組みが理解できたら、次は、特徴について知っておきましょう。まず、マルチシグのメリットを紹介します。
メリット① セキュリティの向上
マルチシグの大きなメリットとしてあげられるのが、セキュリティの向上です。先述した通り、マルチシグでは秘密鍵を複数使用します。正しい鍵がそろわなければデータを署名することはできないため、鍵は多ければ多いほど安心です。
鍵が一つだけの場合よりも、複数あるほうが、盗まれるリスクは少なくなります。サーバー攻撃によって鍵を一つ盗んでも、さらにほかの鍵がなくては署名は難しいからです。
メリット② 秘密鍵紛失のリスクヘッジ
暗号資産のセキュリティは鍵によって管理するので、鍵がないと取引できません。シングルシグの場合、秘密鍵が一つしかないため、その一つを紛失すると取引データを署名できなくなります。つまり、秘密鍵を失くした時点で、アドレス内にある資産が利用できなくなってしまうのです。
しかし、マルチシグであれば、秘密鍵が複数あります。たとえば、「2 of 3」に設定しておけば、一つの鍵を紛失してもほかの鍵で署名可能です。
ただし、紛失しても取引するのに不自由がないとはいえ、リスクは残っています。第三者が自分の鍵を持っている可能性があり、悪用される恐れもあるからです。常にリスクを最低限に抑えておきたいなら、一つでも紛失した時点ですべての秘密鍵を変えたほうが安心です。
メリット③ 誤送金のリスクヘッジ
誤った内容で送金してしまうリスクを抑えられるのも、マルチシグのメリットです。マルチシグでは、鍵を複数使用します。複数の鍵を使うということは、何度も署名を行う必要が生じるということです。
通常であれば、署名するたびに送信内容を目にすることになります。1回目で誤った内容を見逃しても、2回目の署名の際に気付く可能性もあるのです。
このような可能性を考えると、署名する回数は多ければ多いほど誤送信のリスクは軽減されることになります。
暗号資産のセキュリティは大丈夫?知っておきたいリスクや対策
Coincheck
マルチシグの2つのデメリット
続けて、マルチシグのデメリットについても紹介します。
デメリット① 秘密鍵の管理が手間
セキュリティが強化されている点が魅力である一方、セキュリティ管理に必要なカギの管理は面倒になります。同じ場所で保管すると、盗まれてしまったときにすべての資産を失ってしまう恐れがあります。
そのため、必ず、別々の場所で保管しなければなりません。個人でリスクを抑えるためには、異なるデバイスで保管することが必要です。ただし、保管するデバイスの数が多いほど、手間はかかります。
一つはスマートフォン(スマホ)、もう一つはパソコンと保管場所が増えれば、各デバイスでの管理が必要となるからです。
デメリット② 手数料がかかる
鍵の数が増えれば、その分、システムは複雑となります。一つだけしか鍵を必要としないシングルシグに比べて、マルチシグのシステムは機能が複雑です。
機能の複雑さに差があれば、設定や送金にかかる費用が加わってきます。
そのため、マルチシグを利用する場合には、追加手数料がかかることが通常です。マルチシグの利用で必要となる追加手数料には、たとえば、設定手数料や送金手数料などがあります。
マルチシグを導入している取引所を利用してみよう
以上、マルチシグの仕組みとメリット・デメリットを解説しました。
マルチシグは、シングルシグに比べて手数料がかかったり、秘密鍵が多い分だけ管理が面倒になったりします。
マルチシグとは「複数の署名」という意味で、本人である証拠として用いられる「署名」と同じく、セキュリティを強化させるためのシステムです。
マルチシグのメリット
セキュリティの向上
秘密鍵紛失のリスクヘッジ
誤送金のリスクヘッジ
マルチシグのデメリット
秘密鍵の管理が手間
手数料がかかる
このようにマルチシグはセキュリティ対策向上の役割を果たしてくれています。
また、暗号資産取引所を選ぶ基準としてマルチシグの導入を指標に置いてみても良いかもしれませんね。
暗号資産取引所のCoincheckではマルチシグを導入しておりセキュリティも万全ですので、まだ登録されていない方は試しに使ってみてください。暗号資産取引を始めるなら、マルチシグの設定をぜひ検討しましょう。
Coincheck(コインチェック)の安全性やセキュリティについて
Coincheck
「仮想通貨のマイニングって何?」
「マイニングの仕組みを知りたい」
暗号資産(仮想通貨)
の勉強を始めようと思っている方の中には、このような疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
仮想通貨のマイニングを一言でいうと、仮想通貨の取引内容を承認し、取引を成立させる作業のことをいいます。
この記事では、マイニングの仕組みをイラスト付きで徹底解説!マイニングのやり方や報酬の仕組み、マイニングで得た利益にかかる税金などについてもわかりやすく解説していきます。
仮想通貨のマイニングに興味をもっている方や、これからマイニングを始めようと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
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目次
仮想通貨(暗号資産)のマイニングとは
マイニングの仕組み
1回のマイニングでもらえる報酬は600万円以上!?
ビットコインの半減期になるとマイニング報酬が半分になる
マイニングのルールを決める「コンセンサスアルゴリズム」とは
5種類のコンセンサスアルゴリズム
マイニングのやり方は主に3種類
個人で行う「ソロマイニング」
チームで行う「プールマイニング」
業者に任せる「クラウドマイニング」
ビットコインのマイニングは個人でもできる?マイニングに必要なものを解説
家庭用のパソコンやスマートフォンがあればマイニングができる
CPUとGPUはおすすめしない
マイニングには高度な計算能力の設備が必要
マイニング事業の利益は電気代に左右される
安定して報酬を得たいなら「ステーキングサービス」がおすすめ
Coincheckのリスク(LSK)ステーキングサービスとは?
個人ならマイニングの利益にかかる税金は確定申告で納めよう
仮想通貨のマイニングに関するQ&A
Q:ビットコインのマイニングとはどのような作業ですか?
Q:ビットコインのマイニング報酬はどのくらいですか?
Q:マイニングのやり方を教えてください
Q:マイニングで得た利益に税金はかかりますか?
自分にできる範囲でマイニングを楽しもう
仮想通貨(暗号資産)のマイニングとは?
マイニングとは、仮想通貨の取引内容を承認し、取引を成立させる作業のことをいいます。
ビットコイン(BTC)をはじめとする仮想通貨には、円やドルのように通貨の発行や流通を管理する国や中央銀行が存在しません。
そのため、ネットワークに参加する不特定多数の参加者が、自身が所有するコンピュータを利用して通貨の管理を行う仕組みを採用しています。
この中央管理者が存在せず、個々の端末が共同でデータの管理をするネットワークのことを、「P2P(ピアツーピア)」といいます。
ネットワークの参加者は、仮想通貨の取引内容を確認し、問題がなければ承認します。このように、仮想通貨の取引はP2P参加者による承認を経て初めて成立するのです。
暗号資産の世界では、この「第三者による取引の確認と承認作業」のことをマイニングといい、マイニングを行う人たちのことを「マイナー(採掘者)」と呼んでいます。
マイナーたちは、「コンセンサスアルゴリズム」という独自のルールに従ってマイニングを行い、その報酬として新規発行されたコインを受け取ります。コンセンサスアルゴリズムについては、後ほど「マイニングのルールを決める「コンセンサスアルゴリズム」とは」の項目で詳しく解説します。
マイニングの仕組み
ビットコインなどの仮想通貨の取引履歴は、ブロックチェーンと呼ばれるネット上の巨大な取引台帳にすべて記録されています。
ブロックチェーンを構成する各ブロックには、「いつ・誰が・どのくらいの量の仮想通貨を取引したか」といった情報が格納されています。
このような情報が入ったブロックを、次から次へと鎖のようにつなげていく構造を持つことから、「ブロックチェーン」と名付けられました。
ちなみに、ビットコインの場合は約10分でひとつのブロックが生成されます。これは言い換えると、ビットコインで送金などを行なった場合、取引(送金)が完了するまでに10分程度かかるということを意味します。
ブロックチェーンとは?基礎知識やメリット・デメリットをわかりやすく解説
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1回のマイニングでもらえる報酬は600万円以上!?
マイナーは仮想通貨の取引の承認を行い、ブロックの生成を手伝う見返りとして報酬を得ています。
報酬は、「マイニングした通貨を決められた枚数だけもらえる」というケースが一般的です。例えばビットコインの場合、1回のマイニングの成功報酬は6.25BTC(2020年11月現在)というのがルールで決められています。
仮に1BTC=100万円だとすると、ひとつの取引の承認作業を行うだけで、625万円ももらえることになります。前述したように、ビットコインの場合は10分でひとつのブロックが生成されるので、一日に獲得できる報酬の総額は9億円になります。
このように聞くと、誰でも簡単に大金が稼げるように思えるかもしれませんが、実際はそれほど甘くはありません。
報酬がもらえるのは1人だけ
というのも、マイニング報酬がもらえるのは「最初に承認に成功した1名だけ」という決まりがあるからです。
マイニングには膨大な計算が必要であり、それを実行するための高性能なパソコンを所持していなくてはなりません。また、マシンを長時間稼働させる必要があるので、高額な電気代もかかります。
マイニングはこのように大勢で計算競争を行い、最初に問題を解いた1人だけが報酬をもらえる仕組みになっています。この場合の計算とは、「ハッシュ関数」という関数を用いて、「ナンス値」という数値を導き出すことを意味します。
ビットコインは採掘難易度が高い
マイニングに成功する難易度のことを、「採掘難易度(ディフィカルティ)」といいます。一般的に、ビットコインなどマイニング報酬額が高い通貨ほど競争率が激しくなり、採掘難易度も上がります。
まだ通貨としての価値が高くなかった頃は、個人のパソコンでもビットコインのマイニングは可能でした。
しかし、100万円以上の価格がついた現在は、マイニング専用のコンピュータ設備を有する事業者がほぼすべての報酬を独占しており、個人がビットコインのマイニング報酬を得るのは不可能に近いと言われています。
こうした企業は、中国などの地価や電気代の安い国に「マイニング・ファーム」と呼ばれる施設を作り、そこに大量のマシンを置いて24時間体制でマイニングを行なっているため、個人のPCの処理能力では到底敵わないのです。
ただし、ビットコインほど高額でないアルトコインの場合、それほど競争率も激しくないため、銘柄によっては個人でもマイニング報酬を得ることは十分可能です。
ビットコインの半減期になるとマイニング報酬が半分になる
マイニング報酬は、一定期間ごとに減るようにルールづけられています。ビットコインの場合は、21万ブロックが生成されるごとに半減するよう設定されています。
ビットコインの総発行量は2,100万BTCと設計されており、マイニングの報酬(ブロック生成の報酬)としてブロック生成ごとに新規発行されるようになっています。
2020年11月の時点では、そのうちの約1,850万枚が発行され、マイニング報酬は6.25BTCとなっています。
主要な通貨とマイニング報酬の関係を、表にまとめてみました。
通貨名
マイニング報酬(2020年11月時点)
ビットコイン(BTC)
6.25BTC
イーサリアム(ETH)
2ETH
ビットコインキャッシュ(BCH)
6.25BCH
モナコイン(MONA)
12.5MONA
【2020年6月更新】ビットコインの半減期とは?仕組みや影響を解説
Coincheck
マイニングのルールを決める「コンセンサスアルゴリズム」とは
中央管理者のいないP2Pネットワークでは、参加者全員で不正を監視してシステムを正常に保たなくてはなりません。このような状況下で、参加者の合意を取る方法を「コンセンサスアルゴリズム」といいます。
より具体的に説明すると、コンセンサスアルゴリズムとは、「マイニングを行う人を選ぶ際の基準」を定めたルールのようなものと考えるとわかりやすいかもしれません。
例えば、ビットコインやイーサリアムが採用しているPoW(プルーフ・オブ・ワーク)というアルゴリズムの場合、「膨大な計算量が必要となる作業を、最も早く完了させた人がブロックを生成する権利を得る」というのが、ネットワーク内のルールとして決められています。
先ほどマイニング報酬の項目でも説明しましたが、大勢のマイナーが一斉に計算競争を行い、一番早く問題を解いた人が報酬を得るというのがPoWのルールです。
5種類のコンセンサスアルゴリズム
コンセンサスアルゴリズムには、いくつか種類があります。主要なコンセンサスアルゴリズムと、その特徴を一覧表にまとめてみました。
名称
特徴
採用している通貨
PoW(プルーフ・オブ・ワーク)
計算速度の速さによって取引の承認者を決定する
・ビットコイン(BTC)
・イーサリアム(ETH)
・ビットコインキャッシュ(BCH)
・ライトコイン(LTC)
・イサーリアムクラシック(ETC)
・モナコイン(MONA)
PoS(プルーフ・オブ・ステーク)
通貨の保有量と保有期間によって取引の承認者を決定する
(※)イーサリアムが移行予定
PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)
通貨の保有量、取引量、取引回数などの指標から保有者の「重要度」をスコアリングし、承認者を決める
・ネム(XEM)
PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)
企業や組織が選んだ特定の承認者(バリデーター)によって取引が承認される
・リップル(XRP)
DPoS(デリゲート・プルーフ・オブ・ステーク)
通貨保有量によって重みづけをした投票を行い、そこで承認者を決定する
・リスク(LSK)
このように、コンセンサスアルゴリズムにはいくつもの種類があり、それぞれ異なる特徴をもっています。また、どのアルゴリズムを採用しているかによって、その通貨がどのような目的をもっているかをある程度推測することができます。
例えば、「非中央集権的」な運用を目的とするビットコインやモナコイン(MONA)などは、有志のネットワーク参加者だけで取引の管理ができるPoWを採用しています。
その一方で、「リップル社」という法人によって管理・運営されているリップル(XRP)は、自分たちが選んだ者だけが取引の承認をできるという、中央集権的なPoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)というアルゴリズムを採用しています。
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マイニングのやり方は主に3種類
マイニングにはいくつかの種類があります。1人でやってみたり、複数でやってみたりするやり方がありますので、それぞれ確認していきましょう。
個人で行う「ソロマイニング」
ソロマイニングとは、個人で機材をそろえ、1人でコツコツとマイニングするやり方です。
しかし、資金力のあるマイナーが集中しているビットコインなどのマイニングは、難易度が非常に高くなっています。
例えば、高性能なGPUを搭載したパソコンでソロマイニングをするとすれば、500年に一度報酬がもらうことができればラッキーでしょう。導入や運用などコストを考えると、ビットコインのソロマイニングはとても現実的とはいえません。
しかし、あまり名の知られていないコインなら、マイニングの競争をする相手も少ないため、高性能マシンが必要ない場合もあります。
チームで行う「プールマイニング」
マイニングプール内で複数人が計算能力を提供しあい、チームとしてマイニングを行うスタイルをプールマイニングといいます。
チームの計算能力を結集して得られたマイニング報酬は、提供した計算能力に応じて分配されます。
ソロマイニングよりも大規模な計算能力が得られるために、マイニング成功率は高まります。報酬は、チームメンバーが提供している計算能力に従って分配されるので、収入を安定させることができます。
その反面、たとえ個人のマイニングの実績が高くても、報酬はメンバー内で分配するために、大きな報酬を得にくいというデメリットがあります。
業者に任せる「クラウドマイニング」
クラウドマイニングは、ビジネスとしてマイニングを行っている組織や企業に出資することで、マイニングの報酬を配当として受け取るというスタイルです。
自分自身でコンピュータや電力を用意する必要がなく、専門知識がなくても手軽に始めることができます。マイニングというよりも、マイニング会社に対する投資と考えるとわかりやすいでしょう。
ただ、業者を十分に注意して見極める必要があります。過去には、お金を騙し取られる「マイニング詐欺」などの事件もありました。
ビットコインのマイニングは個人でもできる?マイニングに必要なものを解説
先ほどご紹介した「ソロマイニング」のように、個人でも機材さえあればビットコインのマイニングは可能です。
ビットコインのマイニングに必要なものはASIC(エーシック)です。マイニングにはCPU(中央演算処理装置)、GPU(グラボ)、FPGAなどのマシンでも対応できますが非効率です。
適切なマシンかは、コインに使われているハッシュアルゴリズムなどによって違ってきます。
家庭用のパソコンやスマートフォンがあればマイニングができる
WindowsやMacといった家庭用のパソコンやスマートフォン(スマホ)からでもマイニングをすることが可能です。理由は、CPUが搭載されているからです。
ですが、パソコンやスマートフォンだと計算効率が悪いので、利益を得ることは難しいでしょう。
CPUとGPUはおすすめしない
ビットコインのマイニングを行う場合、CPUとGPUはおすすめしません。なぜなら、電気代がかなり高くなってしまうからです。
CPUとGPUは多少の計算処理の違いはありますが、どちらにしても電気をたくさん消費します。
ビットコインのマイニングに参加したいなら、ASICをおすすめします。「ASICで参加すること」かつ「多くのライバルに対し、支払う電気代で優位に立つこと(日本の場合は個人レベルだと不可能に近い)」が利益を出すための主な条件となります。
なお、GPUでしか掘れないように設計されたコインもありますので、GPUでマイニングしたい場合は、それらのコインもおすすめです。
マイニングには高度な計算能力の設備が必要
ブロックを生成する際に必要なナンス値を発見するには、何千京回・何垓回ものハッシュ化処理が必要になります。
そのためには、ハッシュ関数の実行に特化した計算能力と機器構成が必要になります。
ビットコインのように知名度が高く、また収益性も高いコインでは、参入しているマイナーも多いため、さらに高度な計算能力を備えた設備を投資する必要があります。
マイニング事業の利益は電気代に左右される
マイナー同士の競争に打ち勝つには、ライバルよりも高い計算能力を多数そろえ、必要なときにコンピュータを稼働させられることが求められます。そこで欠かせないのが安価な電力です。
倉庫のような場所で多くのマシンを動かすとなると、十分な空調を効かせて室温を一定以下に保っておく必要があります。
当然ながら大量の電力を使いますから、電気代の高い国だと利益に対してコストが高くなりすぎてしまいます。したがって、マイニング事業が赤字になって儲からないのです。
安定して報酬を得たいなら「ステーキングサービス」がおすすめ
ビットコインのマイニングは、個人でも参加可能です。ただし、高性能なマシンや大量の電力が必要な上に競争が激しいため、現在は個人が参入して利益を得るのはほぼ不可能な状態になっています。
「仮想通貨を利用して安定して利益を得たい」という方には、マイニングの代替手段と言われている「ステーキングサービス」をおすすめします。
ステーキングとは、特定の仮想通貨を保有することで、その通貨のブロックチェーンのオペレーションをサポートし、報酬を得る仕組みです。報酬を得るためには、一定量の仮想通貨をロックする(預け入れる)必要があります。
例えるなら、銀行口座に一定期間お金を預けることにより、利子を受け取る仕組みと似たようなものと考えるとわかりやすいでしょう。
Coincheckのリスク(LSK)ステーキングサービスとは?
当社が提供するステーキングサービスは、CoincheckでLSKを保有し付与対象条件に該当するお客様に対して、当社がLSKネットワークの投票プロセスによって得た報酬を分配する仕組みになっています。
当社が投票したデリゲート(取引承認者)が上位101位までに選出された場合、デリゲートが受け取るForging報酬の一部を投票の報酬として当社が受領し、CoincheckでLSKを保有しているお客様に対して、保有量に応じて付与いたします。
ステーキングとは?利益を得られる仕組みとリスク(Lisk)ステーキングサービスについて
Coincheck
個人ならマイニングの利益にかかる税金は確定申告で納めよう
マイニングにかかる税金は基本的には仮想通貨取引で得た利益と同じ扱いになります。
個人でマイニングで得た利益は雑所得、法人で得た利益は事業所得に分類されます。
個人の場合は、雑所得が20万円を超えたら確定申告が必要になります。
※詳しくは国税庁や所轄の税務署などにご確認ください。
仮想通貨のマイニングに関するQ&A
仮想通貨のマイニングに関するよくある疑問を、Q&A形式でご紹介します。
Q:ビットコインのマイニングとはどのような作業ですか?
ビットコインの取引内容を承認し、取引を成立させる作業のことです。
マイナー(取引を承認する人)はマイニングをする見返りとして、新規に発行されたビットコインを受け取ることができます。
Q:ビットコインのマイニング報酬はどのくらいですか?
2020年11月時点のビットコインのマイニング報酬は、6.25BTCです。
ビットコインのマイニング報酬は、半減期と呼ばれるタイミングで半分に減るように設定されています。ビットコインでは、21万ブロックが生成されるごとに半減期が訪れるため、次回の半減期(4回目)は2024年になると想定されます。
なお、次回の半減期後の報酬は3.125BTCになる予定です。
Q:マイニングのやり方を教えてください
マイニングの方法には、以下の3種類があります。
・ソロマイニング…個人で機材をそろえて、1人でマイニングする方法
・プールマイニング…複数人が計算能力を提供しあい、チームとしてマイニングを行う方法
・クラウドマイニング…マイニング事業者に出資をし、マイニング報酬を配当として受け取る方法
Q:マイニングで得た利益に税金はかかりますか?
一定額以上の利益が出た場合、マイニングで得た利益には税金がかかります。
個人の場合、マイニングで得た利益は雑所得に分類され、利益が20万円を超えたら確定申告が必要になります。
自分にできる範囲でマイニングを楽しもう
マイニングとは、仮想通貨の取引データの正当性を検証し、正当な取引データが格納されたブロックを作成する作業のことでしたね。
仮想通貨は、多くのマイナーによって支えられて存在しています。
新規にマイナーとして参加しようとすると初期投資が必要ですが、マイニングにはあまり知られていないコインをコツコツと育てていくという楽しみもあります。
まずは必要な知識を身につけ、自分に合ったやり法でマイニングを楽しんでみましょう。それもまた、仮想通貨の楽しみ方の一つではないでしょうか。
「ブロックチェーンってよく聞くけど、どういう仕組みなの?」
最近、暗号資産(仮想通貨)の取引を始めた方や、興味を持った方の中には、そのような疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ブロックチェーンとは、ビットコイン(BTC)をはじめとする多くの暗号資産で採用されている情報を記録・管理するための技術です。ブロックチェーンは、暗号資産の枠を超えて、さまざまな取引を自動化・効率化するなど、多くの可能性を秘めています。
ここでは、ブロックチェーンの基礎知識とメリット・デメリット、その可能性について解説します。
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目次
ブロックチェーンとは?
ブロックチェーンの4つの特徴
P2P(ピアツーピア)ネットワーク
暗号技術
PoW(プルーフ・オブ・ワーク)
スマートコントラクト
ブロックチェーンの種類
パブリック型
プライベート型
コンソーシアム型
取引情報が記録されるまでの流れ
トランザクション:取引情報の生成
マイニング:データの検証と記録
ビットコイン(BTC)におけるブロックチェーンの3つのメリット
改ざんが非常に難しい
管理運用コストが安い
システム全体としての安定性が高い
ビットコイン(BTC)におけるブロックチェーンの3つのデメリット
時間あたりの取引数が少ない
スケーラビリティ問題を抱えている
関連法規の未整備
ブロックチェーンの分岐とは?
ブロックチェーンの活用事例
地方自治体
金融(貯蓄、送金、証券取引、資金調達など)
認証(本人確認、著作権管理、公証など)
公共サービス(各種申告、納税、投票、医療など)
エンターテイメント
不動産
ブロックチェーンに関するQ&A
Q:ブロックチェーンとは何ですか?
Q:ブロックチェーンの特徴を教えてください。
Q:ブロックチェーンにはどのような種類がありますか?
Q:ブロックチェーンにはどんなメリットがありますか?
ブロックチェーンのまとめ
ブロックチェーンとは?
ブロックチェーンは一言でいえば情報を記録・管理するための技術です。ひとまとまりの情報をまとめ、それを次から次へと鎖のようにつないでいく構造を持つことから、ブロックチェーンと呼ばれます。
日本語では「分散型台帳技術」ともいわれます。分散型台帳技術を解説すると、「台帳」はお金のやりとりを記録したもので、「分散」は文字どおりあちこちに分けて保管しておくことを指します。
通常、台帳といえば会計帳簿や賃金台帳、住民基本台帳や登記簿などが挙げられ、これらは企業や地方自治体、国といった特定の組織が管理をしています。一方でブロックチェーンには特定の管理者はおらず、台帳の全部、あるいは一部を、暗号資産を取り扱う参加者全員が共有し、保存・管理しているのです。これが分散型台帳であり、ブロックチェーンは、誰が、いつ、どのような情報を台帳に書き込んだのかを明確にして共有し、偽造できないような形で保存・管理する技術になります。
ブロックチェーンの4つの特徴
さまざまな最先端技術が駆使されているブロックチェーンは、情報の改ざんやハッキングなどに対する耐久性が高い情報管理技術と言われています。実際に、世界で初めて開発された暗号資産であるビットコイン(BTC)で利用されているブロックチェーンは、これまで一度も改ざんやハッキングの被害を受けたことがありません。
ここではブロックチェーンの安全性や利便性の高さを裏付ける、4つの代表的な特徴についてご紹介します。
1.P2P(ピアツーピア)ネットワーク
ビットコインなどのブロックチェーンでは、情報の管理にP2Pネットワークを採用しているため、安全性が高いと言われています。
P2Pネットワークとは、複数のノード(node)がデータを分散して情報共有するシステムのことです。ノードとは、「ビットコインなど、特定の暗号資産のネットワークに接続したコンピュータ端末」のことで、peer(ピア)とも呼ばれています。
意味合いとしては、先ほどご紹介した「分散型台帳技術」と同じなので、P2Pは分散型台帳技術の英語での呼び方と思っていただけると分かりやすいでしょう。
従来のクライアントサーバシステムでは、サーバが故障するなどしてダウンすると、システム全体が停止してしまうという問題があります。
しかし、P2Pネットワークを利用している場合は、複数のコンピューターがデータを分散して管理しているため、たとえサーバーの1つがハッカーによる攻撃によってダウンしたとしても、全体に問題は起こらなくなっています。
ハッカーによってデータのファイルが失われた場合でも、他のサーバにデータが保管されているため、再び復元することも可能です。多くのユーザーのコンピューターにデータが分散して保存されることで、リスクも1カ所に集中せずに分散されます。
このように、P2Pネットワークを採用しているブロックチェーンは、ユーザーが相互に監視しあう分散型のシステムになっており、これまでの中央集権型のシステムとは異なる特徴を持っています。
2.暗号技術
ビットコインのブロックチェーンが安全と考えられる理由として、暗号技術が導入されていることも挙げられます。
暗号技術とは、データの内容を第三者にわからない形式に変換し、その変換したデータを元に戻すための技術のことを指します。暗号技術は、公開鍵と秘密鍵の2つを利用してデータをやり取りすることが特徴です。公開鍵と秘密鍵はペアになっており、暗号化したデータはこの2つがないと複号できない仕組みになっています。
公開鍵は第三者にも公開されますが、暗号の解除は秘密鍵がないと行うことができません。そのため、秘密鍵さえ盗まれなければ、暗号資産の安全性は確保されますが、逆にいうと秘密鍵は厳重に管理することが大切です。
秘密鍵を万が一第三者へ渡してしまった場合、データを漏えいさせてしまったり、暗号資産が盗まれてしまう可能性があります。
3.PoW(プルーフ・オブ・ワーク)
ビットコインのブロックチェーンが安全と考えられる理由として、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムが導入されていることも挙げられます。
Powとは、簡単にお伝えすると、取引の承認システムを指します。ビットコインの場合、ブロックチェーンへブロックを追加するためには、非常に難解な計算問題を解く必要があります。
こちらの計算作業(取引の承認作業)のことをマイニングと呼び、マイニングが最初に成功した人には、報酬としてビットコインが与えられる仕組みになっています。いち早くマイニングに成功するためには、膨大な計算作業を高速に行うことができる高性能なコンピューターの導入が必要です。
そのため、今では個人がビットコインのマイニングで成功することは難しい状況となっています。また、1つのブロックを改ざんしようとした場合、その後のブロックも改ざんする必要があるため、不正するには多くの手間と時間を要します。
これにより、ビットコインのブロックチェーンは非常に改ざん困難な仕組みとなっています。
暗号資産のPoWとは?仕組みや種類・代表例なども紹介
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4.スマートコントラクト
スマートコントラクトとは、人の手を介さずに契約内容を自動で実行してくれる仕組みのことです。ブロックチェーン技術が利用されているため、「契約内容が改ざんされない」「中央管理者を介在させず、契約内容が自動で実行される」という2つの条件を満たすことができます。
このように、第三者を介さずに契約プロセスを自動化できるので、取引期間の短縮化や人件費の削減などを実現できるのが、スマートコントラクトの最大のメリットです。
ただし、スマートコントラクトは、すべての暗号資産が実装している機能ではありません。よく知られたところでは、イーサリアム(ETH)がこの機能を実装しています。ブロックチェーンの可能性に注目した人々の手によって、すでにさまざまなサービスが生み出されています。
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ブロックチェーンの種類
ブロックチェーンには、主に以下の3つの種類があります。
パブリック型プライベート型コンソーシアム型
それぞれどのような特徴があるのか、順番に見ていきましょう。
パブリック型
パブリック型のブロックチェーンは、中央に管理者がおらず、不特定多数のユーザーによって管理されているブロックチェーンです。
取引の仲介者がおらず、透明性のあるデータがインターネット上に公開されていることが特徴です。そのため、パブリック型のブロックチェーンは、オープン型のブロックチェーンといわれることもあります。
パブリック型のブロックチェーンは他の種類のブロックチェーンと比べて安全性が非常に高いという特徴があります。その反面、ブロックチェーン上に新しい情報を書き込むためには多くの処理と時間を要するというデメリットがあります。
プライベート型
プライベート型のブロックチェーンは、個人や単独の組織などで管理され、ルール変更が容易であり、取引承認スピードも速いことが特徴です。パブリック型のブロックチェーンが持っている「処理速度が遅い」という問題がない反面、透明性は低いという特徴があります。
プライベート型のブロックチェーンでは、情報は外部に公開されないためプライバシーが確保され、閉じたシステム内でブロックチェーンにデータを格納できます。このような特徴から、プライベート型は一般企業や金融機関による利用が想定されており、許可型(パーミッション型)のブロックチェーンとも言われています。
コンソーシアム型
コンソーシアム型のブロックチェーンは、複数の組織やグループなどによって管理されているブロックチェーンです。コンソーシアム型は、分散性、安全性、処理速度の全てにおいて、パブリック型とプライベート型との中間の性質を兼ね揃えています。より具体的にいえば、コンソーシアム型は単一の組織ではなく複数の組織やグループによって管理されているため、プライベート型に比べて高い分散性と安全性が備わっています。一方で、パブリック型とは異なり参加者を限定しているため、プライベート型のような速い処理速度も備えています。このような特徴から、コンソーシアム型のブロックチェーンは同業の複数企業が協力してつくるブロックチェーンへ活用されています。
取引情報が記録されるまでの流れ
ブロックチェーンでは、取引が発生するとその情報が生成・検証され記録されていきます。そのプロセスを、簡単にご説明しましょう。
トランザクション:取引情報の生成
まずは、「トランザクション」と呼ばれる、取引情報を生成する作業が行われます。
例えば、AさんがBさんに1BTCを送金するというトランザクションを生成します。あらかじめ登録している秘密鍵を使って署名すると、ネットワークに接続している、ほかのノードがその内容を確認していきます。
ここで問題が見つかった場合には、そのトランザクションは廃棄され、その先の処理は行われません。
マイニング:データの検証と記録
トランザクションに問題がなければ、暗号資産取引の参加者によって、取引データが検証されます。
そしてデータの内容や記録の手順に問題がなければ、ひとかたまりのブロックとしてブロックチェーン上に連結され、記録されます。これが「マイニング(採掘)」と呼ばれる作業で、検証する人を「マイナー(採掘者)」と呼びます。
マイナーは検証する作業の報酬として、決まった額のビットコインを受け取ります。そして、マイニングが完了した段階で初めて、AさんからBさんへの「1BTCの送金」が実行されます。
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ビットコイン(BTC)におけるブロックチェーンの3つのメリット
ビットコインに使われているブロックチェーンには、主に以下のような3つのメリットがあります。
1.改ざんが非常に難しい2.管理運用コストが安い3.システム全体としての安定性が高い
1.改ざんが非常に難しい
1つ目のメリットは「改ざんが非常に難しい」ということです。なぜビットコインに使われているブロックチェーンは改ざんが難しいのか、その仕組みを簡単に説明します。
ブロックチェーンは、ひとまとまりのデータが鎖状に連なったものですが、その連結部分には「ハッシュ値」という特殊な文字列が使われています。
そして、ブロックの中の情報を改ざんすると、このハッシュ値がまったく違うものに書き換わってしまい、世界中のノードによって、すぐに改ざんしたことがわかります。
さらに重要なことは、「それぞれのブロックは、自分の1つ前のブロックのハッシュ値を情報として持っている」ということです。改ざんによってあるブロックのハッシュ値が変わってしまったら、次に連なるブロックにも手を入れて、書き換わったハッシュ値に合致するようにしなくてはなりません。
これは単に「文字列を打ち換える」という簡単な作業ではなく、高度な計算を繰り返し、ようやくできることです。たとえそれができたとしても、さらにその次のブロックも…と、延々と作業を続けなくてはならないのです。
それが途方もない作業だということは、理解できるでしょう。ブロックチェーンのこうした特性によって、ビットコインのセキュリティが保たれています。
ただし、記録を確認・検証してブロックをつないでいくマイナー(採掘者)たちが結託し、全体の過半数を占めるほどの計算能力を持ったなら、ブロックチェーンに対するさまざまな攻撃が理論上は可能です。
これは「51%攻撃」と呼ばれるものですが、現実的にそれを実行することは、極めて難しいとされています。
2.管理運用コストが安い
2つ目のメリットは「管理運用コストが安い」ということです。すでにご説明したように、ブロックチェーンは複数のノードによって、データが保存・管理されています。
これを一元管理するとしたら、莫大なコストがかかります。サーバーだけでも相当な容量が必要ですし、その後の保守や管理費も含めたら、膨大なコストになります。
しかし、世界中のノードが分散管理すれば、そうした費用がかかりません。ビットコインを日常的に使っているユーザー、暗号資産取引で利益を狙う投資家、ブロックを作りチェーンを伸ばしていくマイナーなど、ビットコインに関わるあらゆる人たちが、少しずつマシンパワーを提供することで、情報が保存・管理されるのです。
これは、分散管理ならではの、大きなメリットです。そのため、ビットコインは、送金手数料を低く抑えることができます。
特に海外送金の場合に有利に働き、ビットコインは金融機関よりも遥かに安い手数料での取引が可能です。
3.システム全体としての安定性が高い
3つ目のメリットは「システム全体としての安定性が高い」ということです。これは、ブロックチェーンが分散管理されていることに由来します。
集中管理型の場合、何らかのトラブルでメインシステムが止まってしまったら、取引全体が停止してしまいます。通常は、安全策としてサブシステムを用意しておくものですが、コストを考えればそれにも限界があります。
ところが分散管理型ならば、どこかに不具合が起こっても、全体が止まるということがありません。あるマイナーがマシントラブルを起こし、ブロックの生成がまったくできなくなったとしても、ほかのマイナーが作業すれば、次々とブロックが作られることになります。
システム全体の安定性は、取引の信頼性を大きく左右します。その意味では、世界中のノードによって支えられているブロックチェーンには、大きな安定感があるといえます。
実際に、ビットコインは2009年に取引が始まってから、これまで一度もシステムが停止したことはありません。
ビットコイン(BTC)におけるブロックチェーンの3つのデメリット
数々のメリットを持つ半面、ブロックチェーンには次のような3つのデメリットもあります。
1.時間あたりの取引数が少ない2.スケーラビリティ問題を抱えている3.関連法規の未整備
ビットコインの取引を行う人は、デメリットについても把握しておきましょう。
1.時間あたりの取引数が少ない
1つ目のデメリットは「時間当たりの取引数が少ない」ことです。ビットコインの場合、1つのブロックを生成するために約10分かかります。つまり理論上では、AさんがBさんに1BTCを送金すると、その取引が承認されて実際に送金されるまで10分かかる、ということになります。
また、ビットコインは、1つのブロックの記録容量が小さいこともあって、現状、ビットコインがさばけるトランザクション(取引)の数は、1秒間に7件ほどといわれています。
こうした課題を解決するため、メインのブロックチェーンから分岐する「サイドチェーン」を作ったり、ブロックチェーンの外側で取引を繰り返して最終的な結果だけをメインチェーンに記録する「オフチェーン」の手法を使ったりして、取引速度を上げる対策が進められています。
2.スケーラビリティ問題を抱えている
2つ目のデメリットは「スケーラビリティ問題を抱えている」ということです。スケーラビリティ問題とは、ビットコインの取引量が増えることによって送金に時間がかかったり、送金要求が承認されなかったり、取引手数料が高騰するといった一連の問題のことを指します。
ビットコインが登場した当初、取引量はまだ微々たるものでした。エンジニアたちのあいだで、半ば趣味のように、あるいは実証試験のように取引されていたのです。しかし、ビットコインが世間に知られるようになり、その可能性に多くの人々が注目するようになると、取引量は急速に増えてスケーラビリティ問題を抱えるようになりました。
取引の遅延が起こり、早く処理するために手数料が高額になりやすく、それを嫌って利用者が離れていくリスクもあります。
取引量が増えることへの対応は、ビットコインにとって大きな課題なので、さまざまな対策が打ち出され、試行錯誤が行われています。
3.関連法規の未整備
3つ目のデメリットは「関連法規がまだ整備されていない」ということです。
ビットコインをはじめとする暗号資産は、まだまだ新しい技術です。ブロックチェーンを使った多くの実験的な改良がなされ、その技術を活かした多種多様なサービスが世界中で生み出されています。そのため、法律が追い付かずに、未整備の状況が発生しやすくなります。
日本では、2017年4月1日に施行された「改正資金決済法」によって、暗号資産として暗号資産が定義され、その後も金融庁を中心に、法整備や業界の健全性確保など、行政としての動きが続いてきました。
しかし、ブロックチェーンを利用した新たなサービス、新たなビジネスを起こしたとしても、それが法的に問題ないかどうかという懸念は、常に残ります。日本では合法だとしても、ほかの国では違法とされるケースもありえます。
ブロックチェーンの関連技術とそこから生まれるサービスの法的整備は、今や世界各国の課題にもなっています。
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ブロックチェーンの分岐とは?
ひとつながりのブロックチェーンが分岐することもあります。意図的に行われる分岐としては、まずバージョンアップを目的としたもの。もうひとつは、新たな暗号資産を作るためのものです。
ビットコインは、過去にどちらの分岐も経験しています。それによって、「Segwit」や「P2SH」といった機能が実装され、「ビットコインキャッシュ」や「ビットコインゴールド」などの新たな暗号資産が生まれました。こうした分岐は、今後も必要に応じて行われることでしょう。
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ブロックチェーンの活用事例
ビットコインをはじめとした暗号資産にとどまらず、ブロックチェーンは多方面に応用され、多種多様なサービスを生み出しています。
その多くは、改ざんへの強さやスマートコントラクトの機能が活用されており、その広がりはとどまるところを知りません。それらブロックチェーンの活用例のいくつかを分野ごとにご紹介しましょう。
地方自治体
ブロックチェーン技術は、既に多くの地方自治体で活用・実証実験が行われています。例えば証明書や市民証、契約書などのデータを電子化してブロックチェーンで管理すれば、強固なセキュリティによる改ざん防止が実現できます。さらにブロックチェーンを活用することでハンコレス化やデジタル化を目指し、地方創生を積極的に推し進めようと活動する地方自治体も存在します。
契約事務のデジタル化「長崎県長崎市」
参考:長崎市理財部契約検査課「長崎市電子契約システムの実証実験について」
2021年9月、長崎市は東芝デジタルソリューションズ株式会社とブロックチェーンを活用した契約事務のデジタル化に関する連携協定を締結しています。東芝デジタルソリューションズ株式会社が長崎市に導入している電子調達システムとブロックチェーンを連携させ、電子契約システムを構築しました。
契約事務手続きの効率化とコロナ禍における接触機会の削減を目的として導入実験を行っており、電子契約システムを通じて決済記録や届出の申請など社会全体のデジタル化を促進することが期待されます。
吉本興業とコラボした地方創生型メタバース「兵庫県養父市」
吉本興業株式会社との連携協定のもと、養父市はメタバース「バーチャルやぶ」をオープンしました。
メタバース内において、市内の観光名所やかつて栄えた明延鉱山のワールドなど体験型コンテンツを用いて市の魅力を発信しています。また、メタバース上には養父市役所も再現されており、「メタバース市民証」なるものも発行することが可能です。
地域の魅力発信に加えて、人々の交流拠点を設ける観点からもつながりの創出が期待されます。
参考:メタバース「バーチャルやぶ」オープン | 養父市公式ホームページ
ブロックチェーンと地方自治体・企業。身近な活用法や導入例を解説!
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金融(貯蓄、送金、証券取引、資金調達など)
暗号資産による送金は、金融機関を介さないため手数料が非常に低く、しかも24時間機能しますから、すでに海外為替取引などに活用されています。
また、株券などの有価証券を電子データ化し、ブロックチェーンで管理すれば、高いセキュリティを維持したまま運用コストを下げることができ、取引手数料の抑制につながります。さらに、保有株数に応じて議決権を付与すれば、ブロックチェーン上で株主決議を行うことも可能となるかもしれません。
独自デジタル通貨発行「三菱UFJフィナンシャル・グループ」
三菱UFJフィナンシャル・グループは、2020年度内にブロックチェーンを活用した独自のデジタル通貨「coin(コイン)」を発行する方針であることを明らかにしました。
スマホアプリ上で銀行口座の預金とcoinを交換することが可能で、個人間送金の高速化および低コスト化の実現が期待されています。
また、coinは決済手段としても利用される予定で、サービス開始初期は共同運営先のリクルートが提供するWebサービス(ホットペッパーグルメ、じゃらん等)で利用可能になるとのこと。
なお、実用に関してはボラティリティの高さが問題視される暗号資産ですが、同コインは「1コイン=1円」のステーブルコインとして発行される予定です。
参考:朝日新聞デジタル「三菱UFJ、デジタル通貨「コイン」を今年度後半に開始」
認証(本人確認、著作権管理、公証など)
ブロックチェーン上に記録された個人情報のうち、必要なものだけを参照するしくみがあれば、あらゆる場面での個人認証が、身分証明書を提示することなく可能になるかもしれません。
また、楽曲や文章、写真、映像作品などの著作権も、ブロックチェーン上に記録しておくことで、その後の盗用などに対して正当な権利を主張できます。
現在、同様の機能を持つものとして、公証人が発行する「確定日付」がありますが、ブロックチェーンを使えば、公証人の手を借りずに公正証書を発行することができるとも言われています。
デジタルコンテンツの権利情報処理「ソニー/ソニー・ミュージックエンタテインメント/ソニー・グローバルエデュケーション」
ソニー株式会社、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、株式会社ソニー・グローバルエデュケーションは、ブロックチェーン技術を基盤としたデジタルコンテンツの権利情報処理システムを開発しました。
ブロックチェーンを活用することで、改ざんが困難な形で事実情報を記録できるので、高い安全性と透明性を兼ね備えた権利情報処理の手段として実用化されていくことが期待されています。
ソニーのデジタルコンテンツの著作権管理に利用される同システムは、まずはデジタル教科書などの教育コンテンツから導入して、音楽、映画、VRコンテンツ、電子書籍などに段階的に導入されていく予定です。
参考:ソニー「ブロックチェーン基盤を活用したデジタルコンテンツの権利情報処理システムを開発」
公共サービス(各種申告、納税、投票、医療など)
ブロックチェーンをベースとした行政サービスが作られれば、選挙の投票のほか、各種申告や納税を、オンラインで行うことが可能となるかもしれません。
また、血液型やアレルギー、これまでの病歴や受診記録などをブロックチェーンに保存しておき、各医療機関で共有・参照できるようにすれば、万一の事故などで緊急搬送された際にも、的確な治療をすみやかに受けることができる可能性もあるでしょう。
ブロックチェーンでデジタルIDを発行「ID2020」
引用:ID2020
世界では、いまだに11億人もの人が法的なIDを所持していないという問題があります。ID2020は、こうした人々にIDを付与することを目標に活動する国連主導のプロジェクトです。
世界的コンサルティング企業でID2020の創業メンバーであるAccenture(アクセンチュア)が、ブロックチェーンと生体認証システムを活用して開発したデジタルIDを、2030年までに普及させることを目標にしています。
参考:ID2020
エンターテイメント
ゲームの世界でも、ブロックチェーンが活用されています。例えば、個性的なキャラクターをペットとして育てる「CryptoKitties」というNFTゲームでは、スマートコントラクトによる課金システムがとられており、その機能を使って育てたキャラクターをNFTとして個人間で売買することができます。
また、各種オンラインゲームの中で使われている通貨を、別のゲーム内でも使えるような両替システムを組むこともできますし、理論上はゲーム内で稼いだ通貨をビットコインなどの暗号資産に、さらにはドルや円といった法定通貨に換えることも可能です。
もちろん、実現するには法的な高いハードルがありますが、それができればゲームと現実の世界が、直接リンクすることにもなるでしょう。
ブロックチェーンゲーム「クリプトスペルズ(CryptoSpells)」
引用:クリプトスペルズ
クリプトスペルズ(Crypto Spells)は、2019年6月25日に正式リリースされ、初日で売上金額が600ETH(当時のレートで約2,000万円)を突破した人気NFTゲームです。
ゲームの管理・運営にブロックチェーンを利用しているので、カードの発行枚数、所有者、取引履歴などの情報が改ざんされにくいという特徴があり、デジタル上のカードに資産としての価値を付与することが可能です。
このような特徴を生かして、クリプトスペルズではゲーム内で使用するカードをユーザー同士で自由に売買することが可能です。
なお、コインチェック株式会社は、2020年11月よりクリプトスペルズを提供するCryptoGames株式会社と連携を開始しました。
本連携のもと、クリプトスペルズで利用可能なNFTを、2021年に提供を予定しているCoincheckのNFTマーケットプレイスにおいて取扱うことを検討していきます。
参考:Coincheck、NFTマーケットプレイス事業において日本最大級のBCG「CryptoSpells」と連携を開始
不動産
ブロックチェーンの持つ耐改ざん性、安定性、信頼性、さらにスマートコントラクトによる高効率な自動契約機能は、各種のデータ管理や登記の自動化に適しています。車の登録や土地の登記、債権の売買なども、仲介者の手を借りず、自動的かつ確実に契約が実行されることで、時間とコストの削減効果は非常に大きいといえます。
さらにはホテルに宿泊する権利や、そこで行われるイベントへの参加権を組み合わせたメンバーシップNFTとして販売するなど、不動産業界へのブロックチェーンの新たな活用方法も広がっています。
NOT A HOTEL
引用:NOT A HOTEL
「あたらしい暮らし」を提唱するNOT A HOTELは、「世界中にあなたの家を」をコンセプトとした、アプリ上で自宅と別荘、ホテルを自由に切り替えることができるホテル及び住宅販売を行うライフスタイルサービスです。
NOT A HOTELのオーナーは、所有物件を自宅や別荘として利用するか、ホテルとして貸し出すかをアプリ上から簡単に切り替えることが可能です。利用時のチェックインからチェックアウトまで全てアプリで完結させることができます。 費用がかかりがちな住宅保有におけるコストを、30日単位でのシェア購入で分散させたり、使わない日をホテルとして貸し出すことで収益化を図ることもできるのです。
またNOT A HOTELでは、メンバーシップ会員権をNFT化した「NOT A HOTEL NFT」の販売も行っています。メンバーシップ会員になることで、ユーザーは一日単位でNOT A HOTELを利用することができたり、NOT A HOTEL主催の食やワイン、アートなどを楽しめるイベントへ参加することができます。
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ブロックチェーンに関するQ&A
ブロックチェーンに関するよくある疑問を、Q&A形式でご紹介します。
Q:ブロックチェーンとは何ですか?
ブロックチェーンは、さまざまな取引履歴を信頼性のある形で保存することが可能なシステムです。トランザクションと呼ばれる取引データをブロックで管理し、それらのブロックを次から次へと鎖のようにつないでいく構造を持つことから、ブロックチェーンと呼ばれています。
Q:ブロックチェーンの特徴を教えてください。
ブロックチェーンでは、ネットワークに参加する全員が情報を分散して共有・管理することで、誰が、いつ、どのような取引を行ったのかを明確にして、偽造やハッキングができないようにしています。このような仕組みを、分散型台帳技術、またはP2P(ピアツーピア)ネットワークといいます。
Q:ブロックチェーンにはどのような種類がありますか?
ブロックチェーンには主に、パブリック型、コンソーシアム型、プライベート型の3種類があります。
Q:ブロックチェーンにはどんなメリットがありますか?
ビットコインには、「改ざんが非常に難しい」、「管理運用コストが安い」、「システム全体としての安定性が高い」などのメリットがあります。
ブロックチェーンのまとめ
ビットコインのバックボーンを支えるブロックチェーンについて、その基礎から将来性までを解説してきました。
ブロックチェーンには、メリットだけでなくデメリットもあります。しかし、ブロックチェーンはうまく活用すれば、暗号資産取引のみならず、社会全体を支えるインフラにもなりえます。
ブロックチェーンを活用したサービスは日々生み出されて、従来の作業がより効率化され、同時に新たな価値も生み出されています。ブロックチェーンはまさに、将来を変える可能性を秘めているテクノロジーと言えるでしょう。
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これから暗号資産(仮想通貨)を始めたいと考えている人のなかには、ブロックチェーンの仕組みや安全性が気になる人もいるかもしれません。暗号資産の歴史のなかで、さまざまなハッキング事件なども起こりました。
しかし、暗号資産のハッキング事件は取引所に要因があるものが多く、暗号資産のブロックチェーン自体の安全性は強固なものであるとも考えられています。暗号資産初心者は、リスクを抑えて大切な資産を安全に運用したいと考えるでしょう。
そこでこの記事では、ブロックチェーンの仕組みや安全性などについて、初心者にもわかりやすく解説します。
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンは分散型台帳技術とも呼ばれ、暗号資産の取引データはブロックという台帳に記録されています。
ブロックチェーンは、さまざまな取引履歴を信頼性のある形で保存することが可能なシステムです。ブロックはデータが入る容量があらかじめ決まっており、1つのブロックが埋まると新しいブロックが作られます。
取引の履歴はトランザクションと呼ばれ、複数のトランザクションが集まったものがブロックと呼ばれています。数多くのブロックがチェーンで繋がれたような見た目であることから、ブロックチェーンと名付けられました。
ブロックチェーンは、基本的には大規模なサーバーを必要としないため、運用コストが安くなる点が、メリットの一つだと言えるでしょう。
ブロックチェーンの種類
そんなブロックチェーンにはいくつかの種類があり、例えばパブリック型・コンソーシアム型・プライベート型などに分けることができます。
パブリック型
パブリック型のブロックチェーンは、中央に管理者がおらず、不特定多数のユーザーによって管理されているブロックチェーンです。
取引の仲介者がおらず、透明性のあるデータがインターネット上に公開されていることが特徴です。そのため、パブリック型のブロックチェーンは、オープン型のブロックチェーンといわれることもあります。
コンソーシアム型
コンソーシアム型のブロックチェーンは、複数の組織やグループなどによって管理されているブロックチェーンです。
プライベート型
プライベート型のブロックチェーンは、個人や単独の組織などで管理され、ルール変更が容易であり、取引承認スピードも速いことが特徴です。
このような特徴から、プライベート型は一般企業や金融機関による利用が想定されており、許可型(パーミッション型)のブロックチェーンともいわれています。
ブロックチェーンが安全と考えられる理由とは?
続いて、ブロックチェーンが安全と考えられる理由についてご紹介します。
1. P2P
例えば、暗号資産ビットコイン(BTC)のブロックチェーンが安全と考えられる理由として、P2Pのシステムを導入していることが挙げられます。
P2Pのシステムとは、データを分散して情報共有するようなシステムのことです。中央集権型でデータを管理している場合は、中央のサーバが落ちてしまうと、ネットワーク全体が落ちてしまう可能性があります。
しかし、P2Pのシステムを利用している場合は、複数のコンピューターがデータを分散して管理しているため、たとえサーバーの1つがハッカーによる攻撃によってダウンしたとしても、全体に問題は起こらなくなっています。
ハッカーによってデータのファイルが失われた場合でも、他のサーバにデータが保管されているため、再び復元することも可能です。多くのユーザーのコンピューターにデータが分散して保存されることで、リスクも1カ所に集中せずに分散されます。
このようにビットコイン(BTC)はユーザーが相互に監視しあう分散型のシステムになっており、これまでの中央集権型のシステムとは異なる特徴を持っています。
2. 暗号技術
ビットコイン(BTC)のブロックチェーンが安全と考えられる理由として、暗号技術が導入されていることも挙げられます。
暗号技術は、公開鍵と秘密鍵の2つを利用してデータをやり取りすることが特徴です。公開鍵と秘密鍵はペアになっており、暗号化したデータはこの2つがないと複号できない仕組みになっています。
公開鍵は第三者にも公開されますが、暗号の解除は秘密鍵がないと行うことができません。そのため、秘密鍵さえ盗まれなければ、暗号資産の安全性は確保されますが、逆にいうと秘密鍵は厳重に管理することが大切です。
秘密鍵を万が一第三者へ渡してしまった場合、データを漏えいさせてしまったり、暗号資産が盗まれてしまったりする可能性があります。
3. PoW(プルーフ・オブ・ワーク)
ビットコイン(BTC)のブロックチェーンが安全と考えられる理由として、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムが導入されていることも挙げられます。
Powとは、簡単にお伝えすると、取引の承認システムを指します。ビットコイン(BTC)の場合、ブロックチェーンへブロックを追加するためには、非常に難解な計算問題を解く必要があります。
こちらの計算作業(取引の承認作業)のことをマイニングと呼び、マイニングが最初に成功した人には、報酬としてビットコイン(BTC)が与えられる仕組みになっています。いち早くマイニングに成功するためには、膨大な計算作業を高速に行うことができる高性能なコンピューターの導入が必要です。
そのため、今では個人がビットコイン(BTC)のマイニングで成功することは難しい状況となっています。また、1つのブロックを改ざんしようとした場合、その後のブロックも改ざんする必要があるため、不正するには多くの手間と時間を要します。
これにより、ビットコイン(BTC)のブロックチェーンは非常に改ざん困難な仕組みとなっています。
暗号資産以外でも採用されているブロックチェーン
ブロックチェーンは、暗号資産の取引以外でも、金融サービスなどさまざまな領域のサービスにも採用され始めています。
例えば、2016年にはオリックス銀行やNTTデータ、静岡銀行などが金融サービスの共同研究の開始を発表しました。
他にも、2017年には富士通が、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループのメガバンク3行と共同で、ブロックチェーン技術を活用した個人間送金サービスの実証実験を、2018年1月から行うと発表しました。
また、2018年11月には、三菱UFJ銀行が、米国Ripple社が提供する技術を活用した日本・ブラジル間における国際送金の共同研究を開始することを発表したりと、様々な金融機関からもブロックチェーン技術は注目されています。
詳しくはこちら:リップル(XRP)の特徴とは?
モナコインのハッキング事件
ブロックチェーンが改ざんされて暗号資産が盗まれた事件としてニュースでも取り上げられたのは、2018年5月に起こったモナコイン(MONA)に対するサイバー攻撃です。
この事件では、海外のLivecoinという取引所に「Block withholding attack」と呼ばれる大規模攻撃が仕掛けられたことによって、約1,000万円の損失があったと言われています。
ハッカーは不正なブロックを大量にチェーンでつなぎ、正当なブロックだと思わせたうえで既存のチェーンにつなぎ合わせました。この不正なブロックチェーンによって取引所を騙し、多額のモナコインを盗みだすことに成功しました。
ブロックチェーンの改ざんが成功した例は、このハッキング事件が暗号資産市場で初めてだといわれています。モナコインは日本発祥の暗号資産であり、巨大掲示板サイトで生まれた暗号資産です。
日本でも人気が高い暗号資産であるモナコインは、コミュニティなどが活発であることも特徴で、この事件は多くのトレーダーに衝撃を与えました。
ハッキング後の対応
2018年5月に起こったモナコインに対するハッキング事件を受けて、ブロックチェーン推進協会は2018年6月1日に説明会を開きました。
この説明会では、ブロックチェーンの合意形成のメカニズムが悪用されたと説明しています。PoWのシステムには限界があるとし、PoWに他の技術を組み合わせるとの見解を示しました。
ハッキングされたモナコインについては、取り戻せる可能性は明確にあると説明をしています。ハッカーの目星はついているといわれており、資産を凍結したり入金を止めたりするなどの手立てを講じるとしました。
51%攻撃とは?51%攻撃で可能な不正の種類
ブロックチェーンの改ざんに関して、よく話題に上がるのが51%攻撃です。51%攻撃とは、全マイナーのうちの51%以上が悪意のあるマイナーで占められている状態を指します。
その悪意のあるマイナーによって、ブロックチェーンをコントロールされてしまうことで、ハッキングが起こります。具体的に51%攻撃によって可能になる不正の種類には、以下があります。
1つ目は、送金や売買などの仮想取引の二重支払いです。二重支払いとは、同じ暗号資産で2回の取引をすることを指します。
2つ目は、マイニングを独占し、マイニング報酬を全て手に入れる不正です。そして3つ目は、取引承認を妨害されたり、送金が消されたりする不正です。
51%攻撃をすることでハッカーにとって大きな利益がもたらされるように思われますが、ハッキングにあった暗号資産が暴落する可能性もあります。その結果、ハッカーが不正によって得た多額の暗号資産の価値も暴落してしまうこともあります。
ただし、ハッカーがハッキングで得た暗号資産を価値が暴落する前に法定通貨に全額換金した場合は、その限りではないため注意が必要です。
51%攻撃では不可能なこと
51%攻撃において不可能なことは、他人のビットコイン(BTC)を盗むことです。
ビットコイン(BTC)は、秘密鍵によってウォレットから別の場所へ送金することができます。51%攻撃はブロックチェーンネットワークを狙った攻撃ですが、秘密鍵はブロックチェーン上に記録されている訳ではありません。
そのため、ウォレットの秘密鍵をハッカーが得られない限りは、ウォレットに保管してあるビットコイン(BTC)は安全だといえるでしょう。
また、51%攻撃は過去の取引を改ざんすることも不可能です。分岐を起点として行われる51%攻撃は、分岐以前のブロックチェーンに記録された取引データを書き換えることはできません。
詳しくはこちら:ビットコイン(BTC)の51%攻撃とは?仕組みや発生リスクについて解説
信頼できる暗号資産の取引所を利用することも大切
モナコインのハッキング事件が起こったことで、ブロックチェーンの安全性が疑問視される声も聞かれました。
しかし、依然としてブロックチェーンが安全性の高い技術であることに変わりはなく、暗号資産に注目しているトレーダーもいまだに世界中に多く存在します。また、国内外のハッキング事件を受け、暗号資産の取引所はセキュリティ対策をより強固なものとするように見直し、改善しているところが増えています。
他にも、自身で二段階認証を行ったり複雑なパスワードを設定したりすることで、より暗号資産の取引をするうえで安全性を高めることができます。パスワードは他で使用しているものは使い回さず、意味を持たない英数字で作成するようにしましょう。
自身の資産を守るためにも、取引を開始する前にさまざまな取引所のセキュリティについて理解しておく必要があります。安全に暗号資産を取引するために、セキュリティ対策が強固な信頼できる取引所を利用しましょう。
暗号資産(仮想通貨)の話題が増えるにつれて、取引をしてみようと考える人も増えています。
しかし、暗号資産には興味があっても、安全性が不安だと感じている人もいるかもしれません。たしかに暗号資産にはリスクもありますが、仕組み自体の安全性は高いと言われています。
安全性に関する不安は、暗号資産の仕組みを理解することで解消できることもあります。どんな仕組みなのかを理解できれば、安全性とリスクを把握したうえで取引することも可能です。
そこで、暗号資産の特徴や仕組みについて、初心者向けにもわかりやすく簡単にご紹介します。
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目次
暗号資産の概要
暗号資産の特徴
1. 換金可能
2. 中央管理者がいない場合がある
3. ブロックチェーン技術が使われている
4. 通貨発行量の上限が定められている場合がある
想通貨が安全とされる理由とは?それぞれの仕組みを解説
1. 電子署名
2. ブロックチェーン技術
3. マイニング
電子署名とは?
電子署名の役割
秘密鍵と公開鍵
ブロックチェーンとは?
暗号資産の取引データはブロックに格納される
取引履歴はユーザー同士がつながったネットワークを上に保存される
マイニングとは?
マイニングに成功すると報酬として暗号資産がもらえる
マイニングが計算競争と言われる理由
暗号資産を使うメリット
1. 資産運用の手段として使える
2. 短時間で送金できる
3. 送金手数料が安い
4. 両替の必要がない
暗号資産を使うデメリット
1. 価格変動幅が大きい
2. 詐欺通貨が存在する
3. ハッキングリスクがある
暗号資産取引の始め方は?まずは暗号資産取引所に口座開設
暗号資産のハッキングのリスクとその対策方法
ハッキングリスクがあることを認識しておく
ビットコインシステム自体がハッキングされたことはない
ウォレットとは暗号資産を保管できる財布
暗号資産には安全性を保つ仕組みが存在する
暗号資産の概要
暗号資産の仕組みを理解するにあたっては、まずは暗号資産の概要を把握することが大切です。
暗号資産とは、インターネット上で使える通貨で、暗号通貨・暗号資産とも呼ばれることもあります。円やドルなどの法定通貨とは異なり、紙幣や硬貨は発行されていない通貨です。
日本では、いち早く暗号資産の法的位置が明確にされました。暗号資産は、資金決済法により支払手段と位置付けられています。法定通貨とは異なりますが、商品やサービスを購入したときの対価として支払うことが可能です。
また、法定通貨で暗号資産を購入できることはもちろん、電子マネーとは異なり、暗号資産を法定通貨に戻せることも暗号資産の要件のひとつとして定められています。
最初に登場した暗号資産は、ビットコイン(BTC)です。ビットコイン(BTC)の考案者は「サトシナカモト」とされています。
日本人男性のような名称ですが、国籍や性別、個人か団体かなどは未だに不明の存在です。サトシナカモトがビットコインシステムに関する論文を発表し、その論文をもとにビットコインシステムが稼働され、元祖暗号資産であるビットコイン(BTC)が誕生しました。
暗号資産(仮想通貨)とは何か?初心者にもわかりやすく解説
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暗号資産の特徴
ビットコイン(BTC)に代表される暗号資産は、今では世界中に1000種類以上存在すると言われています。そんな暗号資産には、例えば以下のような特徴があります。
1. 換金可能
1つ目は、換金可能であることです。
電子マネーも暗号資産と同様に形のない支払手段です。しかし、電子マネーは日本円などの法定通貨に戻すことができない仕組みになっています。
一方、暗号資産は、そのときの時価で売買を行うことが可能です。
2. 中央管理者がいない場合がある
2つ目は、中央管理者がいない場合があることです。
円やドルなどの法定通貨は、中央銀行などが発行通貨量を管理しています。また、状況に応じて柔軟に新規通貨発行を行うことも中央管理者の役目です。
一方、ビットコイン(BTC)などの暗号資産には、中央管理者に相当する存在がいない場合があります。プログラムが通貨システムの運用を行い、通貨の新規発行も、プログラムに従って行われる仕組みです。
3. ブロックチェーン技術が使われている
3つ目は、ほとんどの暗号資産でブロックチェーン技術が使われていることです。
過去の取引分を含むすべての取引データは、ブロックチェーン上に格納されています。ブロックチェーンのシステムに自由にアクセスできる不特定多数が監視することで、不正な取引などが行われにくくなっています。
4. 通貨発行量の上限が定められている場合がある
4つ目は、通貨発行量の上限が定められている場合があることです。
法定通貨には上限はありませんが、暗号資産の中には、あらかじめ定められた通貨発行量上限を超えて発行されない仕様になっているものもあります。
暗号資産が安全とされる理由とは?それぞれの仕組みを解説
暗号資産の安全性について、代表的な暗号資産システムであるビットコイン(BTC)を例に挙げて解説します。
ビットコイン(BTC)を例とする理由は、数ある暗号資産のなかでも最初に登場した通貨で、多くの暗号資産が似たようなシステムを採用しているからです。ビットコインシステムが安全だとされる主な理由には、例えば以下が挙げられます。
1. 電子署名
1つ目は、電子署名の仕組みが採用されている通貨システムであることです。
どの口座に関する取引かを、取引データのなかに含めて履歴が保管される仕組みになっています。
2. ブロックチェーン技術
2つ目は、ブロックチェーン技術です。
ブロックチェーン技術は、取引の改ざんを事実上不可能にする高度な検証・承認の仕組みを支える重要な技術だとされています。
3. マイニング
3つ目は、マイニングです。
ビットコイン(BTC)は、マイニングによって取引の正当性を検証が検証されます。マイニングは、不特定多数が取引の正当性を監視することを可能にする重要な仕組みです。
これら3つの点について、それぞれ詳しく解説します。
電子署名とは?
電子署名の「署名」は、契約当事者が約束事について合意した証として記載するものです。
電子署名の役割
電子署名は、電子的な取引について、間違いなく取引した本人が行ったものであることを証明する役割を果たしています。電子署名の仕組みを採用することで、不正送金などの防止が可能です。
電子署名とは、送信元と送信先を明確にするための取引証明書だと理解するとよいでしょう。電子署名が行われた暗号資産取引データのことをトランザクションといいます。
秘密鍵と公開鍵
暗号資産のシステムにおける電子署名は、秘密鍵と公開鍵の作成から始まります。秘密鍵と公開鍵は、両方が揃うことで初めて正当な取引だと認められる鍵の役割を果たすものです。
公開鍵は公表されて誰でも確認できるものですが、秘密鍵は文字通り本人しか使うことができない仕組みになっています。つまり、秘密鍵を持っている本人しか、正当な取引ができないということです。
秘密鍵は暗号化されており、公開鍵から秘密鍵を類推することはできない仕組みになっています。秘密鍵を本人がしっかり管理しておけば、暗号資産取引の不正取引防止が可能です。
ブロックチェーンとは?
ビットコイン(BTC)をはじめとする多くの暗号資産には、ブロックチェーン技術が採用されています。
暗号資産の取引データはブロックに格納される
暗号資産の取引データは、一定の間隔で生成されるブロックと呼ばれるものに格納されます。
格納の際には、取引の正当性を検証して承認される手続きが行われる仕組みです。この仕組みは、マイニングと呼ばれています。
承認されたブロックには、直前のブロック情報が含まれていることも特徴です。そのため、各ブロックは、まるで鎖状につながっている形で暗号資産システム上に保存されます。
この鎖状にブロックがつながったものがブロックチェーンです。
取引履歴はユーザー同士がつながったネットワークを上に保存される
すべての取引履歴が含まれているブロックチェーンは、ホストコンピュータなど特定の場所で保存されるのではなく、ユーザー同士がつながったネットワークを上に保存されます。
ブロックチェーンのデータは誰でもアクセスできるようになっており、不特定多数のシステム参加者全員で共有可能です。仮に、誰かがネットワーク上の取引データを書き換えたとしても、不特定多数で共有されているブロックチェーンのデータすべてを書き換えることはできない仕組みになっています。
そのため、データを改ざんしても、システム参加者にすぐに不正がわかってしまうのです。
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マイニングとは?
マイニングとは、暗号資産取引データに不正が含まれていないかを確認し、取引の正当性を検証する行為です。取引検証について最初に成功した人には、報酬が支払われます。
マイニングに成功すると報酬として暗号資産がもらえる
報酬は、新規に発行される暗号資産です。
ビットコイン(BTC)の場合、約10分間の取引を1つにまとめて取引検証を行い、1つのブロックに格納します。マイニングは、計算競争だといわれています。
取引データと直前ブロックの代表値、さらに任意の1つの値をある関数に代入して得た値が、先頭にゼロがたくさん並ぶ値だった場合に正解を得たことになる仕組みです。マイニングは、正解が得られる任意の値を見つけ出す作業だと言えます。
マイニングが計算競争と言われる理由
任意の値は、答えなどから類推することはできず、総当りで何度も関数に代入することになります。任意の値を見つけられる確率は相当低く、膨大な計算を繰り返さない限り答えは得られないため、計算競争だといわれるのです。
正解が得られる任意の値を見つけた人は、ネットワークにその値を報告します。ビットコインシステム参加者は、任意の値を関数に入れてみることで正解かどうか簡単に判断可能です。
正解だと確認されるとそのブロックは承認され、ブロックチェーンにつなげられます。正解を見つけたマイナーは、承認後にビットコイン(BTC)を受け取るという流れです。
取引検証や承認は、誰でも参加可能です。マイニングの仕組みによって、中央管理者不在でも不正を防止することができます。
ビットコイン(BTC)マイニングの仕組みを分かりやすく解説します
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暗号資産を使うメリット
暗号資産取引を行うにあたっては、暗号資産を使うメリットを理解しておくことも重要です。主なメリットには、例えば以下が挙げられます。
1. 資産運用の手段として使える
1つ目は、資産運用の手段として使える点です。購入した暗号資産の価格が上昇することによって、保有資産額が増加する可能性があります。
暗号資産の価格は、需要と供給によって決まります。暗号資産が広まることで需要が増加すると、暗号資産の価格は上昇する可能性が高いです
そのため、資産運用の手段として暗号資産を利用できるメリットがあります。
2. 短時間で送金できる
2つ目は、短時間で送金できることです。
海外送金を行う場合、銀行の国際送金システムを利用すると数日かかることもあります。一方、暗号資産で送金すれば、短時間で海外送金を完了させることができます。
3. 送金手数料が安い
3つ目は、送金手数料が安いことです。特に、国際送金に関しては、手数料を抑えることができます。
また、金融商品の売買を行う場合よりも、暗号資産売買の手数料は、他の金融商品よりも低く設定される傾向があります。
4. 両替の必要がない
4つ目は、海外で支払手段として利用する場合に、両替の必要がないことです。
インターネットに国境はなく、暗号資産はどの国でもそのまま支払手段として利用できます。
暗号資産を使うデメリット
暗号資産の使用には、メリットだけでなくデメリットもあると認識しておくことも必要です。主なデメリットには、例えば以下が挙げられます。
1. 価格変動幅が大きい
1つ目は、暗号資産価格の変動幅が大きいことです。
価格の急激な値上がりによって、大きな利益につながる場合もあります。ただし、予想とは反対の値動きが生じた場合に、大きな損失を被る可能性があることも認識しておく必要があるでしょう。
2. 詐欺通貨が存在する
2つ目は、詐欺通貨が存在することです。
暗号資産は、1,000を超える種類があるといわれています。そのなかには、ほとんど無価値であるものも含まれている可能性があることに注意が必要です。
3. ハッキングリスクがある
3つ目は、ハッキングの被害を受けて通貨を盗まれるリスクがあることです。
暗号資産は、電子データであるため簡単に持ち運べるという利点があります。その一方で、ネットワークを通じたハッキングなどの攻撃を受けると簡単に盗まれてしまう可能性もあるのです。
保有している暗号資産を安全に保管するためにも、ハッキング対策は十分に行っておく必要があるでしょう。
暗号資産取引の始め方は?まずは暗号資産取引所に口座開設
Coincheckでは、以下の2ステップで簡単に口座開設ができます。
1.アカウント作成をする2.本人確認を行う
口座開設はスマートフォンのアプリまたはパソコンのブラウザから行うことができます。口座開設のやり方については、以下の記事で詳しく解説しています。
Coincheck(コインチェック)の口座開設方法を解説【動画付き】
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暗号資産取引を始めるためには、暗号資産の取引所に口座を開設する必要があります。金融庁登録済の暗号資産の取引所Coincheckでは、初心者でも簡単に取引を始めることができます。
Coincheckで口座を開設する場合は、まずメールアドレスの登録を行ったうえで、本人確認書類の提出や郵送物の受け取りなどが必要です。
口座開設が完了したら、日本円を入金します。その後、いよいよ暗号資産の購入です。取引価格を確認しながら取得したい数量を指定して購入します。対価は、入金した日本円で支払います。
暗号資産を取得したら、価格上昇を待って売却して利益を得ることが可能です。また、買い物の支払手段として利用することもできます。
暗号資産のハッキングのリスクとその対策方法
暗号資産取引所の中には、ハッキングを受けて保有していた顧客の暗号資産が盗まれたことによって、倒産に追い込まれた取引所もあります。
ハッキングリスクがあることを認識しておく
そのため、暗号資産取引を行う人は、ハッキングの実態を理解しておくことも大切です。取引所には、口座を開設した利用者の暗号資産が保管されています。
通貨が盗まれた場合、補償が行われることもありますが、最悪の場合は自分の暗号資産が盗まれるリスクがあることを認識しておきましょう。ただし、ハッキングされたと言っても、ブロックチェーン技術が破られたわけではありません。
ビットコインシステム自体がハッキングされたことはない
ブロックチェーン技術に支えられたビットコインシステム自体が、ハッキングにより被害を受けたことは過去に一度もない状況です。
しかし、取引所がハッキングされてしまった場合は、資産を失うリスクがあります。そのため、万が一に備えて、ウォレットを利用して分散保管することも検討する必要があるでしょう。
ウォレットとは暗号資産を保管できる財布
ウォレットとは、自ら暗号資産を保管できる暗号資産用電子財布のことです。
ウォレットには、いくつかの種類があり、秘密鍵をオフラインで管理できるハードウェアウォレットやペーパーウォレットなどもあります。ウォレットは目的に応じて使い分けることが大切です。
暗号資産(仮想通貨)のウォレットとは?特徴や種類は?
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暗号資産には安全性を保つ仕組みが存在する
ビットコイン(BTC)などの暗号資産システム自体は、不正を排除する電子署名やブロックチェーン技術、マイニングの仕組みによって一定の安全性が保たれています。
ただし、ハッキングのリスクはあるため、資産を安全に保管するためにも、セキュリティ対策は十分に行っておくことが重要です。暗号資産の安全性とリスクを認識したうえで、取引所に口座開設をして暗号資産取引を始めてみましょう。
主要な暗号資産(仮想通貨)が利用している基盤技術となるブロックチェーンですが、ハッキング(改ざん)するのは困難だとされてきました。
しかし、最近ではブロックチェーンのシステム上の脆弱性が原因で発生してしまったハッキング事件が起こってきています。そこで、この記事ではまずブロックチェーン技術の特徴や安全性についての基本的概念についてお伝えします。
さらに、ブロックチェーンにはどのような技術的限界や危険性があるのかや、現在取りうるセキュリティ対策などについてご紹介していきます。
ブロックチェーンとは?
ブロックチェーン(分散型台帳技術)は多くの暗号資産を支えており、取引データのコアとなる技術的基盤となっています。
トランザクションとブロック
暗号資産を送金する際の取引履歴データは「トランザクション」と呼ばれます。複数のトランザクションから構成される、一定数のトランザクションの「かたまり」を格納したものが「ブロック」です。
銀行の取引に例えるなら、入出金などの個々の取引がトランザクション、通帳や入出金明細に該当するのがブロックともいえるでしょう。
トランザクションが新規で発生すると、それがまとめられてブロックが生成されます。そのようにして生成されたブロックが、その次に生成されるブロックに取り込まれるような形で承認されていきます。
このように絶えずブロックが生成され、それが承認されていくとチェーン(鎖)のような連なりになっていきます。こうして数々のブロックがチェーンのように一塊になっていく流れになっていくことから、ブロックチェーンと呼ばれています。
P2P方式・分散型取引台帳
なお、ブロックチェーンにも種類がありますが、その多くは分散しながらユーザー同士でシステム管理をおこなう仕組みとなっています。この仕組みは「P2P(ビア・ツー・ピア)方式」あるいは「分散型取引台帳」と呼ばれています。
銀行のような中央集権による管理機関によって管理されておらず、権限が一箇所に集中することがありません。そのため、取引データが集中してサーバーに過大な負担がかかることで起こるシステム障害などにも強く、さらに低コストでの金融サービス供給を可能にしています。
詳しくはこちら:ブロックチェーンとは?基礎知識やメリット・デメリットをわかりやすく解説
ブロックチェーンの暗号化による安全性
ブロックチェーンには、取引データの改ざんなどを防ぐために「ハッシュ関数」によるブロックの暗号化や「Proof of Work」などの仕組みがあります。以下に詳しくご紹介していきます。
ハッシュ関数
ブロックチェーンは取引データの安全性を担保するために「ハッシュ関数」という暗号化のための技術を用いています。
ハッシュ関数とは、取引データが外部から判読できないようにするために生成される一定の文字数による不規則な文字列のことです。外観上は一種の暗号のようなこの文字列はハッシュ値と呼ばれています。
一定数のトランザクションがブロックとして格納されているのは前述の通りですが、このブロック内の取引データ履歴はオープン化され、誰でも確認できるようになっています。
しかし、肝心のトランザクションの具体的な取引内容については、このハッシュ関数により暗号化されています。したがって、記録されている取引履歴自体は外部から確認できるものの、取引内容の詳細は判別できないようにしています。
このハッシュ値は全く同一のデータに対しては同じハッシュ値が生成されます。しかし、少しでも異なるデータに対しては異なるハッシュ値を生成することで、外部から判別不能とし、改ざん等からデータを守っています。
Proof of Work(プルーフ・オブ・ワーク、仕事の証明)
例えば、暗号資産の代表格のビットコイン(BTC)のブロックチェーンにおいては、新たなブロックの生成は、マイニングをおこなうマイナーによる「承認作業」を通じておこなわれます。
この承認作業は「マイニング(採掘)」と呼ばれ、過去の一連のブロック生成において不正がおこなわれていないことを証明する仕組みにもなっています。この仕組みはProof of Work(仕事の証明)と呼ばれ、ビットコイン(BTC)のブロックチェーンの安全性を担保するために大きな役割を担っています。
このマイニングを通じて新たに生成されるブロック内には、過去のトランザクションデータを暗号化した直前のハッシュ値と新たなトランザクションデータ、そし後述する「ナンス」によって構成されています。
このナンスとは「Number Used Once」の略称であり、マイナーが新たなブロックを追加するたびに生成する32ビットの数値です。前述の承認作業とはこれら直前のハッシュ値と新たなトランザクションデータ、ナンス値の整合性を膨大な計算を通じて確認し、承認することです。
この承認を通じて新たなブロックがブロックチェーンに追加され、マイニングを成功させたマイナーにはその報酬としてコインが支払われます。
ブロックチェーン技術の限界や危険性
ブロックチェーンには、既にご紹介してきたように改ざんなどを防ぐための安全性が担保される仕組みがあります。しかし、ここへきてブロックチェーンのシステム的な脆弱性を利用して盗み出されるハッキング事件が起こりました。
それが「モナコイン(MONA)のブロックチェーン書き換え事件」です。これまでのハッキング事件は、取引所への攻撃などによってコインが抜き去られるといったものが大半でした。
この事件は従来改ざんされることはないといわれてきたブロックチェーンの信頼性に、大きく影響するものでした。モナコインのブロックチェーンのシステム上の脆弱性は、今日まで根本的には解決されていません。したがって、今後も同じような事件が発生する可能性が残されています。
Selfish Mining(セルフィッシュ・マイニング)
モナコインのハッキング事件はSelfish Mining(セルフィッシュ・マイニング)によってブロックチェーンのルールを悪用し、ブロックチェーンが不正に書き換えられたことで起きました。
マイナーによる承認作業の際に複数のブロックが承認されると、既存のブロックチェーンが分岐(フォーク)されることがあります。ブロックチェーンのルールを簡単にいえば、既存のブロックチェーンよりも長いブロックチェーンが承認されて生まれてくると、その長いほうのブロックチェーンが正しい結果であると認識されます。
すると、分岐の際に既存のブロックチェーンは無効化され、そこで「Reorg(巻き戻し)」と呼ばれる再編成が起きるようになっています。つまり、再編成によって既存のブロックチェーンに入れ替わるように新たなブロックチェーンが採用されてしまうことになります。
モナコイン事件の手口
モナコイン事件のハッカーは、まず海外の暗号資産取引所「Livecoin」にモナコインを送金してから他のコインに換金して出金しました。そしてハッカーはモナコインの承認をおこない、生成した多くのブロックをすぐに公開せずに一定期間隠し持っていました。
そしてある程度まとめて公開することで、まずは既存のブロックチェーンが分岐させました。そして次に既存のブロックチェーンよりも長いブロックチェーンにすることで、既存のブロックチェーンを無効化させました。
無効化されたほうのブロックチェーンにはハッカーがモナコインを使って購入した他の通貨の購入履歴やその後にその購入した通貨を出金したデータが記録されていましたが、無効化により消去されました。
この事件後、モナコインの価格は急落しました。日本国内の一部の暗号資産取引所ではモナコイン取引時に必要な承認回数を増やすなどの対策を発表したところもあります。しかし、新たなハッキング手段となったSelfish Miningなどの技術的な課題を克服する対策は見つかっていないのが現状です。
セキュリティ対策の方法や仕組み
ブロックチェーンの安全上の課題はすぐには取り除くことができないため、ハッキングに対する防衛策を個別に講じる必要があります。
暗号資産取引所もそのためにセキュリティ対策を講じています。例えばその一つとして「マルチシグ」が挙げられます。
マルチシグとは
マルチシグとは複数の秘密鍵を利用した公開認証方式のことです。マルチとは「複数」、シグは「署名」を表しており、秘密鍵が常に複数のあるのが特徴です。
これまでの個人認証は「パスワード認証方式」が主流で、予め設定したIDとパスワードを入力して個人を認証する方式です。しかし、秘密鍵がパスワード1つしかないこの方式では、個人の端末などにハッキングされると取引所内に保管している暗号資産が持ち出されてしまう可能性があります。
この点、マルチシグは複数の秘密鍵を、複数の場所に保管しておく仕組みがとられています。ハッカーは複数のそれぞれの端末に侵入して、すべての秘密鍵を入手しなければハッキングすることができません。
マルチシグを使えばハッキングしづらくなりますので、セキュリティ対策として非常に有効です。マルチシグで利用されている秘密鍵の数ですが、システムによって異なります。
一般的には「2 of 3」方式が採用
一般的なマルチシグは「2 of 3」と呼ばれる方式が採用されています。
この2 of 3では、3つの秘密鍵が設定されており、そのうちの2つの秘密鍵が揃えば認証される仕組みになっています。大方の2 of 3は、3つの秘密鍵のうちの1つが利用している暗号資産取引所で保管され、残りの2つの鍵は個人端末で保管されます。
そうすることで取引所が仮にハッキングされて保管していた秘密鍵が盗まれても、認証されるのを防いでくれます。反対に個人の端末で保管されている秘密鍵が盗まれても、同じように個人で保管されている秘密鍵と取引所で保管されている秘密鍵が揃わないので、ハッカーが盗難することができません。
マルチシグは、認証に必要な複数の秘密鍵を同時に盗むことが困難なために、非常に有効なセキュリティ対策といえます。しかし、それでも個人で2つの秘密鍵が1つの端末に保管されている場合、ハッカーが比較的簡単に侵入してしまう可能性もあります。
また、個人が端末に保管している2つの秘密鍵が端末の故障や破損などで失われたり、アクセスできなくなるリスクもあります。さらに取引所がハッキングにより秘密鍵の1つを盗まれると、シングルシグとなってしまい、上述のパスワード認証方式と同じセキュリティレベルになる可能性もあります。
このように、マルチシグだけでは完璧なセキュリティ対策とは言えないことは理解しておいたほうがいいでしょう。
コールドウォレットによる保管
続いて、マルチシグの限界をかなりのレベルで克服できるのが、コールドウォレットです。暗号資産を保有したら、マルチシグ対応の取引所を利用しつつ、合わせてコールドウォレットによる保管も大切になってきます。
このウォレットですが、常時ネットにつながった状態のものを「ホットウォレット」、ネットにつながっておらず、完全に隔離できるのが「コールドウォレット」になります。
ホットウォレットの特徴
ホットウォレットは暗号資産のお財布のように常にインターネット回線に接続されて、暗号資産取引がおこなえる状態になっています。したがって、暗号資産の売買や送金をリアルタイムで取引するのに便利です。
暗号資産取引所の多くが決済や送金用のアプリなどのサービスを提供し、リアルタイム取引ができるようにしています。しかし、常時ネット回線に接続されていることから、ハッカーによる侵入や保管している暗号資産の流出が起こるリスクが高くなります。
コールドウォレットの特徴
その点、オンラインから隔絶され、USBやペーパーなどで秘密鍵を保管するコールドウォレットは、ハッキングによる流出を防いでくれます。
コールドウォレットの場合、紛失や災害時などの消失のリスクには気をつける必要がありますが、ハッキング対策には非常に有効な手段となります。先ほどご紹介したモナコインの流出事件でも、コールドウォレットに保管していたユーザーのコインは流出を免れました。
暗号資産取引所はマルチシグ対応をしているところを選び、個人でもコールドウォレットなどを活用することで、ハッキングから自分の通貨を守るように心がけることが重要です。
SSL(Secure Sockets Layer)と二段階認証
続いて、SSLを利用している暗号資産取引所なら、基本的にはデータ通信も安心できると言えるでしょう。
SSLはインターネット上の暗号化技術で通信データを暗号化するためのプロトコル(通信方式)です。これによって悪意のある第三者に覗かれたり、個人情報を抜き去られるのを防いでくれます。
また、昨今では、セキュリティ向上のためにログイン時に「二段階認証」と呼ばれる方式を採用する取引所が増えています。
取引画面にログインする際に登録済みのメールアドレスとパスワード以外に、スマートフォン宛てにログインの都度発行されるワンタイムのパスワードの入力が必要になります。
二段階認証なら、たとえメールアドレスやパスワードの情報が盗まれても、アカウントにアクセスされて不正に出金されるなどの被害を防いでくれる可能性が高まります。取引所に登録後は必ず二段階認証を設定しましょう。
ブロックチェーンについてのまとめ
この記事ではブロックチェーンの技術的な限界や危険性などについてお伝えするとともに現時点で取りうるセキュリティ対策についてお伝えしました。
暗号資産を保有する場合はマルチシグ対応の仕組みやコールドウォレット、二段階認証を上手く活用して資産を常に守る意識を持つ必要があります。
また、暗号資産に関するニュースなどを定期的にチェックして、セキュリティ面にも関心を持つように心がけるのが良いでしょう。
みなさんはブロックチェーンと聞いてどんなものを思いつくでしょうか?ブロックチェーンと聞くと暗号資産等の金融分野に活用される技術、と想像する方も多いかもしれません。 しかし、金融以外の分野にも身近な活用が期待される技術であることは深く知られていないのではないでしょうか。本記事ではブロックチェーンの基礎から、導入のメリットを解説するとともに、公的機関や企業での活用事例を紹介します。 この記事でわかること ブロックチェーン利用のメリット ブロックチェーン市場の現在 地方自治体・企業での活用事例 ※【掲載団体様を随時募集】 本記事では自治体および企業のブロックチェーンの取り組みを募集しております。 事例でのご紹介を希望される方は下記のメールアドレスへご連絡ください。 この記事を読めば 「ブロックチェーンがどのようなことに使われているのか知りたい!」 「ブロックチェーン技術を利用した地方創生、地方活性化が気になる」 という方々の疑問を解決できるでしょう。 また、自治体や企業、ビジネス等におけるブロックチェーンの活用方法についてみなさんも考える良い機会になると思います。 Coincheckの無料登録はこちら 目次 地方自治体が抱える問題点 ブロックチェーンが促進する地方創生 そもそもブロックチェーンとは ブロックチェーンの市場規模 地方自治体や企業がブロックチェーンを導入するメリット 運用コスト削減 不正・改ざんがしづらい 契約業務の効率化 構造の安定性 ブロックチェーンのビジネスモデル・導入例 【福岡県飯塚市】住民票等各種証明書のデジタル化 【長崎県長崎市】契約事務のデジタル化 【熊本県熊本市】行政文書を安全かつ透明性の高い情報として公開 【佐賀県佐賀市】ごみ発電電力の地産支障による環境価値を電子証書化 【石川県加賀市】マイナンバーカードとブロックチェーンを活用した行政サービス 【福島県磐梯町】地域商品券をスマホアプリによって発行 【兵庫県養父市】吉本興業とコラボした地方創生型メタバース 【株式会社ルーラ】 観光促進型デジタル通貨サービスルーラコイン 【株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング】水産物のトレーサビリティ まとめ 地方自治体が抱える問題点 2014年に日本創生会議が発表したレポートでの地方消滅都市という言葉が衝撃を与え、それを背景に政府の政策としても地方創生が意識され始めました。持続可能な自治体のために何が必要なのか注目されるようになったタイミングとも言えるかもしれません。 しかし、近年もなお首都圏への一極集中が進み、地方自治体の多くは人口減少や高齢化等の問題を抱えています。生産年齢人口が減少し、限られた労働力、資本の中で運営するためにはより一層、業務の効率化を進めなければなりません。 ブロックチェーンが促進する地方創生 では、地方の課題に対してブロックチェーンはどのような形で影響を及ぼすのでしょうか。 「ブロックチェーンのビジネスモデル・導入例」で紹介するような国や自治体でも実証実験の取り組みが広まりつつあることからも分かるように、ブロックチェーン技術がこれまでの技術では解決できなかった社会の既存課題を解決するための手段として期待されています。 地域の社会課題解決を考えるうえで何か革新的な方法を模索している方々もいるのではないでしょうか。そのような方々にブロックチェーン技術が選択肢の一つになれるよう、魅力を分かりやすくお伝えしていきたいと思います。 そもそもブロックチェーンとは? ブロックチェーンとは、情報を記録・管理するための技術です。取引の情報をブロックというまとまりで管理し、それらを鎖状にして分散管理していることからブロックチェーンと呼ばれます。 記録された取引情報の全部、あるいは一部を利用者全員が共有し、保存・管理しているのです。これこそがブロックチェーンであり、誰が、いつ、どのような情報を記録したのか明確にして共有し、偽造できないような形で保存・管理する技術になります。 構造はシンプルでありながらも、データの改ざんに強いことから暗号資産の取引の記録にブロックチェーンが使われています。 ブロックチェーンとは?基礎知識やメリット・デメリットをわかりやすく解説 Coincheck ブロックチェーンの市場規模 ブロックチェーン技術を活用するといっても市場の現在の立ち位置を理解しなくては導入へのイメージがわきにくいかもしれません。まずはブロックチェーンの市場規模を把握することで将来性を確認しておきましょう。 国内の研究所は2020年で100〜200億とされている国内市場規模は2025年には1000億を超えるとの予測を立てています。経済産業省が発表した資料では、ブロックチェーン技術関連の国内市場は67兆円もの潜在規模があるとしており、近い将来の大きな市場成長が見込まれています。 参考:経済産業省「平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料」 また、ブロックチェーン関連企業の設立数、投資金額も年々増加傾向にあります。企業数については、2020年時点で430社に達するとされる国内の仮想通貨・ブロックチェーン関連企業のうち150社はスタートアップ企業に分類されるといいます。 参考:Blockchain Data Book 2020 環境整備については政府が新しい資本主義の核としてWeb3.0を掲げ、「骨太方針2022」にはweb3.0促進に向けた環境整備が明記され、国として税制や法改正を行う方針を提言しました。 WEB3.0とは?暗号資産の関係と銘柄やメリット・デメリットを解説 Coincheck 地方自治体や企業がブロックチェーンを導入するメリット ブロックチェーン市場の拡大の背景には、ブロックチェーンの活用にいくつかの利点があることが考えられます。ここでは導入のメリットについて紹介します。 自治体や企業がブロックチェーンを導入するメリットは4つあります。 運用コスト削減 不正・改ざんがしづらい 契約業務の効率化 構造の安定性 それぞれ詳しく見ていきましょう。 運用コスト削減 従来の中央集権型のサーバクライアント方式では処理がサーバに集中するため高スペックのサーバを用意する必要があります。ブロックチェーンはP2P方式なので、取引に関係するあらゆるノードが処理を受け持つ分、高スペックなサーバーなどを用意する必要がありません。 したがって運用コストの削減が実現されている分、金融業界や不動産業界、役所等の公共機関からも様々な需要があります。 ハッシュ値 不正・改ざんがしづらい 個々の取引記録(トランザクション)はハッシュ関数という特殊な関数によって置き換えられます。 ハッシュ関数とは、規則性のない一定の長さの文字列(ハッシュ値)に置き換える関数のことを言います。ハッシュ値は、入力するデータをわずかにでも変えると全く異なるハッシュ値が導き出されます。ハッシュ値から元データを割り出すことができないことから、不可逆的であり、不正・改ざんが難しいとされています。 スマートコントラクト 契約業務の効率化 スマートコントラクトとは人の手を解さずに契約内容を自動で実行してくれる仕組みのことです。ブロックチェーン技術の利用により、「契約内容が改ざんされない」「中央管理者を介在させず、契約内容が自動で実行される」という二つの条件を満たすことができます。 契約内容とその実行条件をあらかじめプログラミングしておくことが可能であるために、取引期間の短縮化や人件費の削減などが期待されるのがスマートコントラクトのメリットです。 P2P システムの安定性 P2Pシステムとは、複数のコンピューターがデータを分散して情報共有するシステムのことです。 従来の中央集権のクライアントサーバシステムでは、中央のサーバにデータを一極集中で管理するため、一つのサーバがダウンするなどの不具合が起こった場合、システム全体の停止に至る可能性があります。 一方で、P2Pシステムの場合は、中央のサーバにデータを一極集中で管理することはないので、一つのサーバがダウンするなどの不具合が起こってもシステム全体の停止には至ることはありません。 したがって、情報の分散管理によりシステム全体の安定性が高いといえます。 ブロックチェーンのビジネスモデル ・導入例 参考:経済産業省「平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料」 ブロックチェーンのメリットが分かっても実際にはどのように活用されるのかイメージがわかない方が多いのではないでしょうか。 次は実際にどのようなビジネスモデルが考えられるのか事例とともに紹介します。 ブロックチェーン技術の展開が有望な事例としてどのようなものがあげられるのでしょうか。経済産業省が公表する資料では上図のような例があげられています。 これをみてもわかるように、ブロックチェーン技術は産業構造へ影響を与える可能性があり、私たちの生活に身近な分野において幅広い活用の可能性があると考えられます。 以下では具体的に導入や実証実験に至っている例を紹介したいと思います。 参考:基礎自治体におけるプロックチェーン技術の活用に関する調査研究 | 公益社団法人東京市町村自治調査会 【福岡県飯塚市】 住民票等各種証明書のデジタル化 福岡県飯塚市では住民票等各種証明書の「申請」「交付」を住民所有の端末から作成可能とする仕組みの実証実験を行っています。一般に行政文書の電子交付では紙の文書に相違ない証明性を保つことが困難であるという課題があります。 そこでブロックチェーン技術を活用し、不正改ざんを見つけやすくすることで電子文書の信頼性の保証を実現しています。窓口での手続きが必要ないことから、コロナ禍による非接触の行政サービスとしても期待されます。 参考:飯塚市のブロックチェーンの取組 | 飯塚市公式ホームページ 【長崎県長崎市】契約事務のデジタル化 2021年9月、長崎市は東芝デジタルソリューションズ株式会社とブロックチェーンを活用した契約事務のデジタル化に関する連携協定を締結しています。東芝デジタルソリューションズ株式会社が長崎市に導入している電子調達システムとブロックチェーンを連携させ、電子契約システムを構築しました。 契約事務手続きの効率化とコロナ禍における接触機会の削減を目的として導入実験を行っており、電子契約システムを通じて決済記録や届出の申請など社会全体のデジタル化を促進することが期待されます。 出典:長崎市理財部契約検査課「長崎市電子契約システムの実証実験について」 【熊本県熊本市】 行政文書を安全かつ透明性の高い情報として公開 行政が保有する情報のオープン化を国から推進されている中で、熊本市では行政文書を安全かつ透明性の高い情報として公開し二次利用の促進を図るため、ブロックチェーン技術を応用した実証実験を行っています。文書開示時に生成されたハッシュ値と文書照合時に生成したハッシュ値とを比較することで改ざんを検知することが可能になります。 この仕組みの活用により、業務負荷軽減・利便性向上等の効率化に加え、行政文書改ざんなどの内部不正の抑止効果が期待されます。 参考:熊本都市政策 vol.7 (2019-2020) 【佐賀県佐賀市】 ごみ発電電力の地産地消による環境価値を電子証書化 2010年に環境都市宣言を行い「地域循環共生圏」を推進している佐賀市。その共生圏内で生まれた環境価値をブロックチェーン技術で可視化するシステムの構築を検証し、一部導入しています。 具体的には、佐賀市清掃工場でのバイオマス発電や公共施設での再生可能エネルギーの電気供給実績をブロックチェーンに記録し、電力の地産地消を証明する「環境価値証書」を発行しています。地域の「資源循環」「炭素循環」を確認できることで地域住民の行動変容を促し、証明された環境価値が魅力として地域の活性化にもつながることが期待されます。 参考:地域循環共生圏とは? | 佐賀市公式ホームページ 【石川県加賀市】 マイナンバーカードとブロックチェーンを活用した行政 サービスの提供 加賀市は2018年に「ブロックチェーン都市宣言」を発表し、ICTの活用でのスマートシティ化による地域課題解決を目指しています。その中でもブロックチェーン技術を活用した幅広い電子行政サービスを検討しています。 スマートフォンとマイナンバーを紐づけし、市民の持つ端末から投票できる電子投票システムや、住民票を持たないながらもマイナンバーとの紐づけで市内各種サービスを受けることができる電子市民制度の実証に至っています。 今後の地方創生で重要視される関係人口の拡大に期待されるサービスだといえます。 参考:e-加賀市民 | 加賀市公式ホームページ 加賀市、コロナワクチンの質問をチャットボットで対応。 | aismiley 【福島県磐梯町】 地域商品券をスマホアプリによって発行 磐梯市では2020年よりデジタル変革戦略室を設け、デジタル技術も活用し町民本位の行政・地域・社会の再デザインに取り組んでいます。 会津大学ですでに導入されていた地域通貨「白虎」を応用し、2021年に商工業の更なる地域活性化を目的として「磐梯町とくとくデジタル商品券」を発行しました。端末のアプリにチャージした金額の25%がポイントとして割増しで付与されるもので、(紙で発行されている商品券では割増しの割合は20%)利便性やコスト削減、高いセキュリティの観点からブロックチェーン技術が生かされています。 町民のアプリ決済の土台が定まりつつある中で、今後、地域通貨「ばんだいコイン」の運用に至る磐梯町の取り組みにも期待できます。 参考:世界最先端のブロックチェーンの技術を活用した「磐梯デジタルとくとく商品券」販売開始 | 磐梯町公式ホームページ 【兵庫県養父市】 吉本興業とコラボした地方創生型メタバース 吉本興業株式会社との連携協定のもと、養父市はメタバース「バーチャルやぶ」をオープンしました。 メタバース内において、市内の観光名所やかつて栄えた明延鉱山のワールドなど体験型コンテンツを用いて市の魅力を発信しています。また、メタバース上には養父市役所も再現されており、「メタバース市民証」なるものも発行することが可能です。 地域の魅力発信に加えて、人々の交流拠点を設ける観点からもつながりの創出が期待されます。 参考:メタバース「バーチャルやぶ」オープン | 養父市公式ホームページ 【株式会社ルーラ】 観光促進型デジタル通貨サービスルーラコイン 出典:ルーラコイン 株式会社ルーラでは、全国の観光地や温泉地のみで使える地域活性化を目的とした日本初の観光促進型デジタル通貨サービス「ルーラコイン」事業を立ち上げています。 2022年7月時点で12地域91店舗と連携し、全国で横断的に使えるデジタル通貨であることから特定の地域でしか使えないといった地域通貨の弱みを観光地、温泉地の連携により克服しています。 ルーラコインのみによってしか購入できない宿泊プランやアクティビティを提供することで独自性を生み、金額では測れない地域の魅力の創出につながっているといえます。 【株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング】水産物のトレーサビリティ 出典:ホヤの朝獲れをブロックチェーンで追跡、水産資源のトレーサビリティ向上に期待 新たな水産業の形を目指す株式会社フィッシャーマンジャパンマーケティング(宮城県石巻市)は2020年にホヤの産地と鮮度を証明する仕組みとして、株式会社chaintopeのトレーサビリティシステムを採用し、実証実験を行いました。 産地や鮮度がきわめて重要であるホヤにブロックチェーンを活用したトレーサビリティシステムを用いることで、商品の適正な管理を消費者に認知してもらい値段以外の価値基準の付与を目的としています。 消費者が端末から簡単にサプライチェーンを確認でき、消費者に安心安全を提供するシステムとして魅力的であると言えます。 参考:Fisherman japan|フィッシャーマン・ジャパン 公式サイト まとめ ここまでブロックチェーンの導入メリットからいくつかの活用事例まで紹介してきました。 これらからも分かるようにブロックチェーンの活用方法は考え方によって多岐にわたります。 ブロックチェーンの活用が自治体や企業の既存課題解決の手段の一つとして考えられる場は今後より拡大すると考えられます。 金融・投機に限らず、様々な分野における新たな価値交換の形がすぐそこまで来ているのかもしれません。
「そもそもブロックチェーンって何? どういう仕組みなの?」 最近、暗号資産(仮想通貨) を始めた方や、興味をお持ちになった方の中には、そのような疑問を覚えた方もいるのではないでしょうか。 この記事で解説するブロックチェーンの特徴や仕組みを読めば、昨今暗号資産以外の分野でも注目されているブロックチェーンについて、基礎から理解することができます。 Coincheckの無料登録はこちら ブロックチェーンとは暗号資産(ビットコイン)取引の記録方式 ビットコインにおいてのブロックチェーンとはビットコイン(BTC)取引の土台となる技術で、一言で言うとビットコイン取引の記録をまとめた台帳の役割を果たしています。 トランザクションと呼ばれる取引データをブロックで管理し、それらのブロックを一つのチェーン状にして分散管理していることからブロックチェーンと呼びます。 実にシンプルな構造ですが、データの改ざんに強く、金融情報を記録しておくのに優れているため、暗号資産の取引の記録方式としてブロックチェーンが使われています。 ブロックチェーンの特徴 ブロックチェーンは「分散型台帳技術」とも呼ばれ、世界中のユーザーの端末に同じ台帳が保存されており、閲覧することができます。このことが、ビットコインをはじめとする暗号資産が「非中央集権的」といわれる理由です。 また、ブロックチェーンは高度な暗号化技術が使われているというのも、ブロックチェーンの大きな特徴です。これらの特徴からのため、これまでの帳簿では難しかったことが実現できるようになりました。 では、ブロックチェーンだからこそ実現可能になったことを、いくつかピックアップしてご紹介しましょう。 取引の信用を担保できる すべてのユーザーが同じ台帳を閲覧でき、内容を確認することができますから、取引の信用を確保することができます。つまり、「世界中のユーザーが証人」という環境下で取引できる、というわけです。 不正取引を排除できる ブロックチェーンによって、不正取引を排除できます。データの改ざんが疑われる場合には、その部分のデータを他のユーザーが保管しているデータと比較すれば、正しいかどうかがすぐにわかります。世界中のユーザーが保管しているデータを同時に改ざんすることは、現実的には不可能です。 コストを削減できる もし、暗号資産を一元管理するとしたら、保守や管理の費用などに膨大なコストがかかることになります。実際には、ブロックチェーンを活用することで暗号資産は分散管理されているため、これらのコストを削減できています。 また、ブロックチェーンをベースに取引のプロセスを構築すれば取引承認も分散されることになるので、一元管理よりも取引承認の作業負荷が軽くなります。その浮いた分のコストを、報酬としてマイナーに還元しているのです。 ブロックチェーンはどのように作られる? ブロックチェーンを知るには、まずチェーンがどのように作られ、使われるのかを知ることから始めるといいでしょう。ビットコインを例に説明していきます。 ブロックチェーンの一つひとつのブロックの中には、ビットコインの取引の記録が納められています。 例えば、「AからBへ、0.5BTCを送金した」という取引ですと、取引記録は1つだけではありません。ブロックに収まるだけの取引記録を詰めこんでひとまとめにし、特定のルールにもとづいてブロックを生成します。現金を持たないビットコインでは、この取引した記録をもとにコインの保有量を算出しています。改ざんができないよう暗号化した上でブロックにし、チェーンの最後端につながれていきます。 ブロックチェーンを暗号化するハッシュ関数 ブロックの暗号化に使われるのが、ハッシュ関数という特殊な関数です。ハッシュ関数には「入力値が少しでも違うと、出力値がまったく別のものになってしまう」という特徴があり、さらに出力値から入力値を逆算することができません。 ビットコインの場合、このハッシュ関数を利用して膨大な計算を行うことで、ブロックが正当なものとして認められ、チェーンにつなげることができます。 正しいブロックを作ってチェーンにつなげるためには、ハッシュ関数にさまざまな数値を代入して計算し続け、条件を満たす入力値(ナンス)を見つけ出さなくてはなりません。 この一連の作業が「マイニング(採掘)」であり、その作業を行う人や企業を「マイナー」と呼びます。 マイニングによって取引が記録される マイニングは複雑な計算を何度も繰り返すことになるため、高いスペックを持つPCが必要になります。マイニングに成功すると、報酬として新たにビットコインが発行され、報酬として受け取ることができます。 そのため、膨大な電力を使い、マイニングを行う企業が世界中に存在します。それだけのコストをかけても、見返りが十分に得られるからです。 なお、マイニングによる報酬の付与の仕方は「コンセンサスアルゴリズム」と呼ばれ、いくつかの方法があります。ビットコインの場合は、「PoW(プルーフ・オブ・ワーク)」という方式を採用しており、最も早く計算処理できた場合に報酬が与えられます。多くの暗号資産がこの方式を採り入れていますが、ほかの方法を採用している暗号資産もあります。 暗号資産(仮想通貨)のマイニングとは?仕組みと実践方法について解説 Coincheck コンセンサスアルゴリズムの主な種類は3種類 コンセンサスアルゴリズムにはPoWのほか、PoS、PoI、などが存在します。それぞれに独自の仕組みがありますので、簡単に説明しておきましょう。 1. PoW(プルーフ・オブ・ワーク) PoWでは、最も早く計算処理できた場合に報酬を得られます。ビットコインが採用していることから、この方式を採り入れている暗号資産は数多くあります。 ただし、性能の高い計算能力を備えたマシンと膨大な電力が必要になるため、コストをかけられる企業は多くないことから、マイニングの寡占化が起こる危険性を指摘されています。 2. PoS(プルーフ・オブ・ステーク) PoSは、マイナーが持っている暗号資産の量や保有期間に応じて、報酬の獲得率が上がる仕組みです。単純な「早い者勝ち」ではなくなるため、コストを軽くできるほか、大規模な設備がなくてもマイニングに参加しやすくなります。 3. PoI(プルーフ・オブ・インポータンス) PoIは、マイナーが持っている暗号資産の量や保有期間に加えて、取引量や取引回数も参照して報酬の獲得率が上がります。つまり、マイナーが暗号資産の取引にコミットしているほど、報酬を得られる可能性が高くなるわけです。 PoIは、暗号資産「ネム(XEM)」が採用している方式です。なお、ネムではマイニングにあたる作業のことを、「ハーベスト(収穫)」と呼んでいます。 Coincheckの無料登録はこちら ブロック生成の難度を調整する理由は? マイニングによってブロックを生成するには、特定条件を満たすナンスを見つけ出さなくてはなりません。そしてこの条件を変えると、マイニングの難度を調整することができます。 例えば、サイコロを1つ投げて、「5以下ならブロック生成」という条件であれば、6の目を出さなければブロックが生成されます。しかし、「2以下で生成」となると、ブロック生成の難度は大きく上がり、時間もかかるようになります。 ビットコインでは、総発行量があらかじめ決められていますが、難度調整を行わないと新規発行のペースが上がり、インフレを起こしてしまいます。そのため、10分に1個のブロックが作られるよう、常に難度調整が行われています。 ブロックチェーンの分岐とは? ひとつながりのブロックチェーンが分岐することもあります。意図的に行われる分岐としては、まずバージョンアップを目的としたもの。もうひとつは、新たな暗号資産を作るためのものです。 ビットコインでは、いずれの分岐も経験しています。それによって、「Segwit」や「P2SH」といった機能が実装され、「ビットコインキャッシュ」や「ビットコインゴールド」などの新たな暗号資産が生まれました。こうした分岐は、今後も必要に応じて行われることでしょう。 応用分野を広げるブロックチェーンの可能性 改めてブロックチェーンについておさらいしましょう。 ブロックチェーンとは 「分散型台帳技術」とも呼ばれる暗号資産取引の記録方式。 ブロックチェーンの特徴としては以下の3つが挙げられます。 1・取引の信用を担保できる ―全てのユーザーが同じ台帳を確認できるため「世界中のユーザーが証人」になる。 2・不正取引を排除できる ―世界中のユーザーのデーターを同時に改ざんするのは不可能。 3・コストを削減できる ―ブロックチェーンを活用することにより分散管理が可能。コストや作業負担が軽減。 ビットコインには欠かせない技術であるブロックチェーン。その信頼性や改ざんへの耐性などから、食品の産地偽装防止や生産・流通プロセスの透明化、さらに不動産などの契約、権利情報の記録システムなどへの応用が摸索されています。 まだ新しい技術ではありますが、その可能性はまさに無限に広がっているのです。 暗号資産交換業者のCoincheckでは、ビットコインは少額からでも購入できるのでブロックチェーンに興味のある方は、暗号資産の取引所にも触れておくと良いでしょう。
暗号資産(仮想通貨) について調べているときに、「マルチシグ」という言葉を目にしたことがある人もいることでしょう。しかし、具体的にどのようなものであるのかを、知らない人もいるのではないでしょうか。 この記事では、マルチシグの意味や具体的な仕組み、マルチシグを利用するメリットやデメリットについて解説していきます。 マルチシグは、暗号資産の送金を行うにあたり大切な役割を果たすシステムです。暗号資産の取引をする人なら知っておくべき、マルチシグの重要性について理解を深めていきましょう。 目次 まずはざっくり解説!マルチシグとは 暗号資産の送金の方法 暗号通貨の送金の仕組み マルチシグはこの秘密鍵が複数必要になるということ マルチシグの3つのメリット メリット① セキュリティの向上 メリット② 秘密鍵紛失のリスクヘッジ メリット③ 誤送金のリスクヘッジ マルチシグの2つのデメリット デメリット① 秘密鍵の管理が手間 デメリット② 手数料がかかる マルチシグを導入している取引所を利用してみよう Coincheckの無料登録はこちら まずはざっくり解説!マルチシグとは マルチシグは、正式名称を「マルチシグネチャー」といい、直訳では「複数の署名」という意味です。本人である証拠として用いられる「署名」と同じく、セキュリティを強化させるためのシステムです。 暗号資産の送金を行う際には、事前に設定した複数の「秘密鍵」が必要となります。マルチシグの活用場所は、たとえば、一部の暗号資産取引所と暗号資産の保管場所であるウォレットです。 次から、暗号資産の送金の際にマルチシグがどのように活用されているのかについて、詳しく紹介します。 暗号資産の送金の方法 マルチシグは、暗号資産の送金の際のセキュリティを管理するためのシステムです。しかし、実際にどのような仕組みにより管理されているのかを知らない人もいることでしょう。 そもそも暗号資産とは、セキュリティ確保のために暗号技術が利用されているデジタル通貨です。正式名称は「暗号資産」と呼ばれています。暗号通貨の送信時の通信内容の暗号化に関わる鍵には、秘密鍵のほかに公開鍵もあります。 そこで、秘密鍵と公開鍵の役割やこれらの鍵がどのように使用されるかについて解説します。 暗号通貨の送金の仕組み 暗号資産でやり取りされるのは紙幣や硬貨などのお金ではなく、電子データです。取引の際には、電子データが間違いなく送信者本人のものであるかを証明するために署名を行います。 この署名を「電子署名」といいます。 暗号資産のウォレットには、自分だけが知っている「秘密鍵」が入っています。秘密鍵からは他の人に公開してもよい「公開鍵」が生成でき、公開鍵を人間が扱いやすい形にしたものを「アドレス」と呼びます。 ブロックチェーンには、ウォレットのアドレスに残高がいくらあるかという情報が記録されています。残高を動かすためには、アドレスの元となった秘密鍵が必要です。 残高を動かす際は送金データを作成し、秘密鍵を用いて電子署名を行います。送金データがアドレスの元となった秘密鍵で署名されているかどうかは、第三者による確認が可能で、その確認作業がマイニングです。 暗号資産のマイニングとは?仕組みと実践方法について解説 Coincheck マルチシグはこの秘密鍵が複数必要になるということ 公開鍵と秘密鍵は一つずつ使い、署名の際には秘密鍵が一つ必要となる方法を「シングルシグ」といいます。一方、署名を解読する際に秘密鍵が複数必要となるのが「マルチシグ」です。マルチシグはシングルシグのセキュリティを、より頑丈にするために活用されます。 マルチシグで必要となる秘密鍵の数は、「A of B」という表記で知ることが可能です。たとえば、三つある公開鍵のうち、署名の解読に二つの鍵を使う場合には「2 of 3」と表記されます。鍵の数に決まりはなく、「3 of 4」などもあります。ただし、「2 of 3」で設定することが一般的です。 マルチシグの3つのメリット マルチシグの仕組みが理解できたら、次は、特徴について知っておきましょう。まず、マルチシグのメリットを紹介します。 メリット① セキュリティの向上 マルチシグの大きなメリットとしてあげられるのが、セキュリティの向上です。先述した通り、マルチシグでは秘密鍵を複数使用します。正しい鍵がそろわなければデータを署名することはできないため、鍵は多ければ多いほど安心です。 鍵が一つだけの場合よりも、複数あるほうが、盗まれるリスクは少なくなります。サーバー攻撃によって鍵を一つ盗んでも、さらにほかの鍵がなくては署名は難しいからです。 メリット② 秘密鍵紛失のリスクヘッジ 暗号資産のセキュリティは鍵によって管理するので、鍵がないと取引できません。シングルシグの場合、秘密鍵が一つしかないため、その一つを紛失すると取引データを署名できなくなります。つまり、秘密鍵を失くした時点で、アドレス内にある資産が利用できなくなってしまうのです。 しかし、マルチシグであれば、秘密鍵が複数あります。たとえば、「2 of 3」に設定しておけば、一つの鍵を紛失してもほかの鍵で署名可能です。 ただし、紛失しても取引するのに不自由がないとはいえ、リスクは残っています。第三者が自分の鍵を持っている可能性があり、悪用される恐れもあるからです。常にリスクを最低限に抑えておきたいなら、一つでも紛失した時点ですべての秘密鍵を変えたほうが安心です。 メリット③ 誤送金のリスクヘッジ 誤った内容で送金してしまうリスクを抑えられるのも、マルチシグのメリットです。マルチシグでは、鍵を複数使用します。複数の鍵を使うということは、何度も署名を行う必要が生じるということです。 通常であれば、署名するたびに送信内容を目にすることになります。1回目で誤った内容を見逃しても、2回目の署名の際に気付く可能性もあるのです。 このような可能性を考えると、署名する回数は多ければ多いほど誤送信のリスクは軽減されることになります。 暗号資産のセキュリティは大丈夫?知っておきたいリスクや対策 Coincheck マルチシグの2つのデメリット 続けて、マルチシグのデメリットについても紹介します。 デメリット① 秘密鍵の管理が手間 セキュリティが強化されている点が魅力である一方、セキュリティ管理に必要なカギの管理は面倒になります。同じ場所で保管すると、盗まれてしまったときにすべての資産を失ってしまう恐れがあります。 そのため、必ず、別々の場所で保管しなければなりません。個人でリスクを抑えるためには、異なるデバイスで保管することが必要です。ただし、保管するデバイスの数が多いほど、手間はかかります。 一つはスマートフォン(スマホ)、もう一つはパソコンと保管場所が増えれば、各デバイスでの管理が必要となるからです。 デメリット② 手数料がかかる 鍵の数が増えれば、その分、システムは複雑となります。一つだけしか鍵を必要としないシングルシグに比べて、マルチシグのシステムは機能が複雑です。 機能の複雑さに差があれば、設定や送金にかかる費用が加わってきます。 そのため、マルチシグを利用する場合には、追加手数料がかかることが通常です。マルチシグの利用で必要となる追加手数料には、たとえば、設定手数料や送金手数料などがあります。 マルチシグを導入している取引所を利用してみよう 以上、マルチシグの仕組みとメリット・デメリットを解説しました。 マルチシグは、シングルシグに比べて手数料がかかったり、秘密鍵が多い分だけ管理が面倒になったりします。 マルチシグとは「複数の署名」という意味で、本人である証拠として用いられる「署名」と同じく、セキュリティを強化させるためのシステムです。 マルチシグのメリット セキュリティの向上 秘密鍵紛失のリスクヘッジ 誤送金のリスクヘッジ マルチシグのデメリット 秘密鍵の管理が手間 手数料がかかる このようにマルチシグはセキュリティ対策向上の役割を果たしてくれています。 また、暗号資産取引所を選ぶ基準としてマルチシグの導入を指標に置いてみても良いかもしれませんね。 暗号資産取引所のCoincheckではマルチシグを導入しておりセキュリティも万全ですので、まだ登録されていない方は試しに使ってみてください。暗号資産取引を始めるなら、マルチシグの設定をぜひ検討しましょう。 Coincheck(コインチェック)の安全性やセキュリティについて Coincheck
「仮想通貨のマイニングって何?」 「マイニングの仕組みを知りたい」 暗号資産(仮想通貨) の勉強を始めようと思っている方の中には、このような疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか? 仮想通貨のマイニングを一言でいうと、仮想通貨の取引内容を承認し、取引を成立させる作業のことをいいます。 この記事では、マイニングの仕組みをイラスト付きで徹底解説!マイニングのやり方や報酬の仕組み、マイニングで得た利益にかかる税金などについてもわかりやすく解説していきます。 仮想通貨のマイニングに興味をもっている方や、これからマイニングを始めようと思っている方はぜひ参考にしてみてください。 Coincheckの無料登録はこちら 目次 仮想通貨(暗号資産)のマイニングとは マイニングの仕組み 1回のマイニングでもらえる報酬は600万円以上!? ビットコインの半減期になるとマイニング報酬が半分になる マイニングのルールを決める「コンセンサスアルゴリズム」とは 5種類のコンセンサスアルゴリズム マイニングのやり方は主に3種類 個人で行う「ソロマイニング」 チームで行う「プールマイニング」 業者に任せる「クラウドマイニング」 ビットコインのマイニングは個人でもできる?マイニングに必要なものを解説 家庭用のパソコンやスマートフォンがあればマイニングができる CPUとGPUはおすすめしない マイニングには高度な計算能力の設備が必要 マイニング事業の利益は電気代に左右される 安定して報酬を得たいなら「ステーキングサービス」がおすすめ Coincheckのリスク(LSK)ステーキングサービスとは? 個人ならマイニングの利益にかかる税金は確定申告で納めよう 仮想通貨のマイニングに関するQ&A Q:ビットコインのマイニングとはどのような作業ですか? Q:ビットコインのマイニング報酬はどのくらいですか? Q:マイニングのやり方を教えてください Q:マイニングで得た利益に税金はかかりますか? 自分にできる範囲でマイニングを楽しもう 仮想通貨(暗号資産)のマイニングとは? マイニングとは、仮想通貨の取引内容を承認し、取引を成立させる作業のことをいいます。 ビットコイン(BTC)をはじめとする仮想通貨には、円やドルのように通貨の発行や流通を管理する国や中央銀行が存在しません。 そのため、ネットワークに参加する不特定多数の参加者が、自身が所有するコンピュータを利用して通貨の管理を行う仕組みを採用しています。 この中央管理者が存在せず、個々の端末が共同でデータの管理をするネットワークのことを、「P2P(ピアツーピア)」といいます。 ネットワークの参加者は、仮想通貨の取引内容を確認し、問題がなければ承認します。このように、仮想通貨の取引はP2P参加者による承認を経て初めて成立するのです。 暗号資産の世界では、この「第三者による取引の確認と承認作業」のことをマイニングといい、マイニングを行う人たちのことを「マイナー(採掘者)」と呼んでいます。 マイナーたちは、「コンセンサスアルゴリズム」という独自のルールに従ってマイニングを行い、その報酬として新規発行されたコインを受け取ります。コンセンサスアルゴリズムについては、後ほど「マイニングのルールを決める「コンセンサスアルゴリズム」とは」の項目で詳しく解説します。 マイニングの仕組み ビットコインなどの仮想通貨の取引履歴は、ブロックチェーンと呼ばれるネット上の巨大な取引台帳にすべて記録されています。 ブロックチェーンを構成する各ブロックには、「いつ・誰が・どのくらいの量の仮想通貨を取引したか」といった情報が格納されています。 このような情報が入ったブロックを、次から次へと鎖のようにつなげていく構造を持つことから、「ブロックチェーン」と名付けられました。 ちなみに、ビットコインの場合は約10分でひとつのブロックが生成されます。これは言い換えると、ビットコインで送金などを行なった場合、取引(送金)が完了するまでに10分程度かかるということを意味します。 ブロックチェーンとは?基礎知識やメリット・デメリットをわかりやすく解説 Coincheck 1回のマイニングでもらえる報酬は600万円以上!? マイナーは仮想通貨の取引の承認を行い、ブロックの生成を手伝う見返りとして報酬を得ています。 報酬は、「マイニングした通貨を決められた枚数だけもらえる」というケースが一般的です。例えばビットコインの場合、1回のマイニングの成功報酬は6.25BTC(2020年11月現在)というのがルールで決められています。 仮に1BTC=100万円だとすると、ひとつの取引の承認作業を行うだけで、625万円ももらえることになります。前述したように、ビットコインの場合は10分でひとつのブロックが生成されるので、一日に獲得できる報酬の総額は9億円になります。 このように聞くと、誰でも簡単に大金が稼げるように思えるかもしれませんが、実際はそれほど甘くはありません。 報酬がもらえるのは1人だけ というのも、マイニング報酬がもらえるのは「最初に承認に成功した1名だけ」という決まりがあるからです。 マイニングには膨大な計算が必要であり、それを実行するための高性能なパソコンを所持していなくてはなりません。また、マシンを長時間稼働させる必要があるので、高額な電気代もかかります。 マイニングはこのように大勢で計算競争を行い、最初に問題を解いた1人だけが報酬をもらえる仕組みになっています。この場合の計算とは、「ハッシュ関数」という関数を用いて、「ナンス値」という数値を導き出すことを意味します。 ビットコインは採掘難易度が高い マイニングに成功する難易度のことを、「採掘難易度(ディフィカルティ)」といいます。一般的に、ビットコインなどマイニング報酬額が高い通貨ほど競争率が激しくなり、採掘難易度も上がります。 まだ通貨としての価値が高くなかった頃は、個人のパソコンでもビットコインのマイニングは可能でした。 しかし、100万円以上の価格がついた現在は、マイニング専用のコンピュータ設備を有する事業者がほぼすべての報酬を独占しており、個人がビットコインのマイニング報酬を得るのは不可能に近いと言われています。 こうした企業は、中国などの地価や電気代の安い国に「マイニング・ファーム」と呼ばれる施設を作り、そこに大量のマシンを置いて24時間体制でマイニングを行なっているため、個人のPCの処理能力では到底敵わないのです。 ただし、ビットコインほど高額でないアルトコインの場合、それほど競争率も激しくないため、銘柄によっては個人でもマイニング報酬を得ることは十分可能です。 ビットコインの半減期になるとマイニング報酬が半分になる マイニング報酬は、一定期間ごとに減るようにルールづけられています。ビットコインの場合は、21万ブロックが生成されるごとに半減するよう設定されています。 ビットコインの総発行量は2,100万BTCと設計されており、マイニングの報酬(ブロック生成の報酬)としてブロック生成ごとに新規発行されるようになっています。 2020年11月の時点では、そのうちの約1,850万枚が発行され、マイニング報酬は6.25BTCとなっています。 主要な通貨とマイニング報酬の関係を、表にまとめてみました。 通貨名 マイニング報酬(2020年11月時点) ビットコイン(BTC) 6.25BTC イーサリアム(ETH) 2ETH ビットコインキャッシュ(BCH) 6.25BCH モナコイン(MONA) 12.5MONA 【2020年6月更新】ビットコインの半減期とは?仕組みや影響を解説 Coincheck マイニングのルールを決める「コンセンサスアルゴリズム」とは 中央管理者のいないP2Pネットワークでは、参加者全員で不正を監視してシステムを正常に保たなくてはなりません。このような状況下で、参加者の合意を取る方法を「コンセンサスアルゴリズム」といいます。 より具体的に説明すると、コンセンサスアルゴリズムとは、「マイニングを行う人を選ぶ際の基準」を定めたルールのようなものと考えるとわかりやすいかもしれません。 例えば、ビットコインやイーサリアムが採用しているPoW(プルーフ・オブ・ワーク)というアルゴリズムの場合、「膨大な計算量が必要となる作業を、最も早く完了させた人がブロックを生成する権利を得る」というのが、ネットワーク内のルールとして決められています。 先ほどマイニング報酬の項目でも説明しましたが、大勢のマイナーが一斉に計算競争を行い、一番早く問題を解いた人が報酬を得るというのがPoWのルールです。 5種類のコンセンサスアルゴリズム コンセンサスアルゴリズムには、いくつか種類があります。主要なコンセンサスアルゴリズムと、その特徴を一覧表にまとめてみました。 名称 特徴 採用している通貨 PoW(プルーフ・オブ・ワーク) 計算速度の速さによって取引の承認者を決定する ・ビットコイン(BTC) ・イーサリアム(ETH) ・ビットコインキャッシュ(BCH) ・ライトコイン(LTC) ・イサーリアムクラシック(ETC) ・モナコイン(MONA) PoS(プルーフ・オブ・ステーク) 通貨の保有量と保有期間によって取引の承認者を決定する (※)イーサリアムが移行予定 PoI(プルーフ・オブ・インポータンス) 通貨の保有量、取引量、取引回数などの指標から保有者の「重要度」をスコアリングし、承認者を決める ・ネム(XEM) PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス) 企業や組織が選んだ特定の承認者(バリデーター)によって取引が承認される ・リップル(XRP) DPoS(デリゲート・プルーフ・オブ・ステーク) 通貨保有量によって重みづけをした投票を行い、そこで承認者を決定する ・リスク(LSK) このように、コンセンサスアルゴリズムにはいくつもの種類があり、それぞれ異なる特徴をもっています。また、どのアルゴリズムを採用しているかによって、その通貨がどのような目的をもっているかをある程度推測することができます。 例えば、「非中央集権的」な運用を目的とするビットコインやモナコイン(MONA)などは、有志のネットワーク参加者だけで取引の管理ができるPoWを採用しています。 その一方で、「リップル社」という法人によって管理・運営されているリップル(XRP)は、自分たちが選んだ者だけが取引の承認をできるという、中央集権的なPoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)というアルゴリズムを採用しています。 コンセンサスアルゴリズムの基礎と初心者が抑えておきべき5種類のアルゴリズム Coincheck マイニングのやり方は主に3種類 マイニングにはいくつかの種類があります。1人でやってみたり、複数でやってみたりするやり方がありますので、それぞれ確認していきましょう。 個人で行う「ソロマイニング」 ソロマイニングとは、個人で機材をそろえ、1人でコツコツとマイニングするやり方です。 しかし、資金力のあるマイナーが集中しているビットコインなどのマイニングは、難易度が非常に高くなっています。 例えば、高性能なGPUを搭載したパソコンでソロマイニングをするとすれば、500年に一度報酬がもらうことができればラッキーでしょう。導入や運用などコストを考えると、ビットコインのソロマイニングはとても現実的とはいえません。 しかし、あまり名の知られていないコインなら、マイニングの競争をする相手も少ないため、高性能マシンが必要ない場合もあります。 チームで行う「プールマイニング」 マイニングプール内で複数人が計算能力を提供しあい、チームとしてマイニングを行うスタイルをプールマイニングといいます。 チームの計算能力を結集して得られたマイニング報酬は、提供した計算能力に応じて分配されます。 ソロマイニングよりも大規模な計算能力が得られるために、マイニング成功率は高まります。報酬は、チームメンバーが提供している計算能力に従って分配されるので、収入を安定させることができます。 その反面、たとえ個人のマイニングの実績が高くても、報酬はメンバー内で分配するために、大きな報酬を得にくいというデメリットがあります。 業者に任せる「クラウドマイニング」 クラウドマイニングは、ビジネスとしてマイニングを行っている組織や企業に出資することで、マイニングの報酬を配当として受け取るというスタイルです。 自分自身でコンピュータや電力を用意する必要がなく、専門知識がなくても手軽に始めることができます。マイニングというよりも、マイニング会社に対する投資と考えるとわかりやすいでしょう。 ただ、業者を十分に注意して見極める必要があります。過去には、お金を騙し取られる「マイニング詐欺」などの事件もありました。 ビットコインのマイニングは個人でもできる?マイニングに必要なものを解説 先ほどご紹介した「ソロマイニング」のように、個人でも機材さえあればビットコインのマイニングは可能です。 ビットコインのマイニングに必要なものはASIC(エーシック)です。マイニングにはCPU(中央演算処理装置)、GPU(グラボ)、FPGAなどのマシンでも対応できますが非効率です。 適切なマシンかは、コインに使われているハッシュアルゴリズムなどによって違ってきます。 家庭用のパソコンやスマートフォンがあればマイニングができる WindowsやMacといった家庭用のパソコンやスマートフォン(スマホ)からでもマイニングをすることが可能です。理由は、CPUが搭載されているからです。 ですが、パソコンやスマートフォンだと計算効率が悪いので、利益を得ることは難しいでしょう。 CPUとGPUはおすすめしない ビットコインのマイニングを行う場合、CPUとGPUはおすすめしません。なぜなら、電気代がかなり高くなってしまうからです。 CPUとGPUは多少の計算処理の違いはありますが、どちらにしても電気をたくさん消費します。 ビットコインのマイニングに参加したいなら、ASICをおすすめします。「ASICで参加すること」かつ「多くのライバルに対し、支払う電気代で優位に立つこと(日本の場合は個人レベルだと不可能に近い)」が利益を出すための主な条件となります。 なお、GPUでしか掘れないように設計されたコインもありますので、GPUでマイニングしたい場合は、それらのコインもおすすめです。 マイニングには高度な計算能力の設備が必要 ブロックを生成する際に必要なナンス値を発見するには、何千京回・何垓回ものハッシュ化処理が必要になります。 そのためには、ハッシュ関数の実行に特化した計算能力と機器構成が必要になります。 ビットコインのように知名度が高く、また収益性も高いコインでは、参入しているマイナーも多いため、さらに高度な計算能力を備えた設備を投資する必要があります。 マイニング事業の利益は電気代に左右される マイナー同士の競争に打ち勝つには、ライバルよりも高い計算能力を多数そろえ、必要なときにコンピュータを稼働させられることが求められます。そこで欠かせないのが安価な電力です。 倉庫のような場所で多くのマシンを動かすとなると、十分な空調を効かせて室温を一定以下に保っておく必要があります。 当然ながら大量の電力を使いますから、電気代の高い国だと利益に対してコストが高くなりすぎてしまいます。したがって、マイニング事業が赤字になって儲からないのです。 安定して報酬を得たいなら「ステーキングサービス」がおすすめ ビットコインのマイニングは、個人でも参加可能です。ただし、高性能なマシンや大量の電力が必要な上に競争が激しいため、現在は個人が参入して利益を得るのはほぼ不可能な状態になっています。 「仮想通貨を利用して安定して利益を得たい」という方には、マイニングの代替手段と言われている「ステーキングサービス」をおすすめします。 ステーキングとは、特定の仮想通貨を保有することで、その通貨のブロックチェーンのオペレーションをサポートし、報酬を得る仕組みです。報酬を得るためには、一定量の仮想通貨をロックする(預け入れる)必要があります。 例えるなら、銀行口座に一定期間お金を預けることにより、利子を受け取る仕組みと似たようなものと考えるとわかりやすいでしょう。 Coincheckのリスク(LSK)ステーキングサービスとは? 当社が提供するステーキングサービスは、CoincheckでLSKを保有し付与対象条件に該当するお客様に対して、当社がLSKネットワークの投票プロセスによって得た報酬を分配する仕組みになっています。 当社が投票したデリゲート(取引承認者)が上位101位までに選出された場合、デリゲートが受け取るForging報酬の一部を投票の報酬として当社が受領し、CoincheckでLSKを保有しているお客様に対して、保有量に応じて付与いたします。 ステーキングとは?利益を得られる仕組みとリスク(Lisk)ステーキングサービスについて Coincheck 個人ならマイニングの利益にかかる税金は確定申告で納めよう マイニングにかかる税金は基本的には仮想通貨取引で得た利益と同じ扱いになります。 個人でマイニングで得た利益は雑所得、法人で得た利益は事業所得に分類されます。 個人の場合は、雑所得が20万円を超えたら確定申告が必要になります。 ※詳しくは国税庁や所轄の税務署などにご確認ください。 仮想通貨のマイニングに関するQ&A 仮想通貨のマイニングに関するよくある疑問を、Q&A形式でご紹介します。 Q:ビットコインのマイニングとはどのような作業ですか? ビットコインの取引内容を承認し、取引を成立させる作業のことです。 マイナー(取引を承認する人)はマイニングをする見返りとして、新規に発行されたビットコインを受け取ることができます。 Q:ビットコインのマイニング報酬はどのくらいですか? 2020年11月時点のビットコインのマイニング報酬は、6.25BTCです。 ビットコインのマイニング報酬は、半減期と呼ばれるタイミングで半分に減るように設定されています。ビットコインでは、21万ブロックが生成されるごとに半減期が訪れるため、次回の半減期(4回目)は2024年になると想定されます。 なお、次回の半減期後の報酬は3.125BTCになる予定です。 Q:マイニングのやり方を教えてください マイニングの方法には、以下の3種類があります。 ・ソロマイニング…個人で機材をそろえて、1人でマイニングする方法 ・プールマイニング…複数人が計算能力を提供しあい、チームとしてマイニングを行う方法 ・クラウドマイニング…マイニング事業者に出資をし、マイニング報酬を配当として受け取る方法 Q:マイニングで得た利益に税金はかかりますか? 一定額以上の利益が出た場合、マイニングで得た利益には税金がかかります。 個人の場合、マイニングで得た利益は雑所得に分類され、利益が20万円を超えたら確定申告が必要になります。 自分にできる範囲でマイニングを楽しもう マイニングとは、仮想通貨の取引データの正当性を検証し、正当な取引データが格納されたブロックを作成する作業のことでしたね。 仮想通貨は、多くのマイナーによって支えられて存在しています。 新規にマイナーとして参加しようとすると初期投資が必要ですが、マイニングにはあまり知られていないコインをコツコツと育てていくという楽しみもあります。 まずは必要な知識を身につけ、自分に合ったやり法でマイニングを楽しんでみましょう。それもまた、仮想通貨の楽しみ方の一つではないでしょうか。
「ブロックチェーンってよく聞くけど、どういう仕組みなの?」 最近、暗号資産(仮想通貨)の取引を始めた方や、興味を持った方の中には、そのような疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか? ブロックチェーンとは、ビットコイン(BTC)をはじめとする多くの暗号資産で採用されている情報を記録・管理するための技術です。ブロックチェーンは、暗号資産の枠を超えて、さまざまな取引を自動化・効率化するなど、多くの可能性を秘めています。 ここでは、ブロックチェーンの基礎知識とメリット・デメリット、その可能性について解説します。 Coincheckの無料登録はこちら 目次 ブロックチェーンとは? ブロックチェーンの4つの特徴 P2P(ピアツーピア)ネットワーク 暗号技術 PoW(プルーフ・オブ・ワーク) スマートコントラクト ブロックチェーンの種類 パブリック型 プライベート型 コンソーシアム型 取引情報が記録されるまでの流れ トランザクション:取引情報の生成 マイニング:データの検証と記録 ビットコイン(BTC)におけるブロックチェーンの3つのメリット 改ざんが非常に難しい 管理運用コストが安い システム全体としての安定性が高い ビットコイン(BTC)におけるブロックチェーンの3つのデメリット 時間あたりの取引数が少ない スケーラビリティ問題を抱えている 関連法規の未整備 ブロックチェーンの分岐とは? ブロックチェーンの活用事例 地方自治体 金融(貯蓄、送金、証券取引、資金調達など) 認証(本人確認、著作権管理、公証など) 公共サービス(各種申告、納税、投票、医療など) エンターテイメント 不動産 ブロックチェーンに関するQ&A Q:ブロックチェーンとは何ですか? Q:ブロックチェーンの特徴を教えてください。 Q:ブロックチェーンにはどのような種類がありますか? Q:ブロックチェーンにはどんなメリットがありますか? ブロックチェーンのまとめ ブロックチェーンとは? ブロックチェーンは一言でいえば情報を記録・管理するための技術です。ひとまとまりの情報をまとめ、それを次から次へと鎖のようにつないでいく構造を持つことから、ブロックチェーンと呼ばれます。 日本語では「分散型台帳技術」ともいわれます。分散型台帳技術を解説すると、「台帳」はお金のやりとりを記録したもので、「分散」は文字どおりあちこちに分けて保管しておくことを指します。 通常、台帳といえば会計帳簿や賃金台帳、住民基本台帳や登記簿などが挙げられ、これらは企業や地方自治体、国といった特定の組織が管理をしています。一方でブロックチェーンには特定の管理者はおらず、台帳の全部、あるいは一部を、暗号資産を取り扱う参加者全員が共有し、保存・管理しているのです。これが分散型台帳であり、ブロックチェーンは、誰が、いつ、どのような情報を台帳に書き込んだのかを明確にして共有し、偽造できないような形で保存・管理する技術になります。 ブロックチェーンの4つの特徴 さまざまな最先端技術が駆使されているブロックチェーンは、情報の改ざんやハッキングなどに対する耐久性が高い情報管理技術と言われています。実際に、世界で初めて開発された暗号資産であるビットコイン(BTC)で利用されているブロックチェーンは、これまで一度も改ざんやハッキングの被害を受けたことがありません。 ここではブロックチェーンの安全性や利便性の高さを裏付ける、4つの代表的な特徴についてご紹介します。 1.P2P(ピアツーピア)ネットワーク ビットコインなどのブロックチェーンでは、情報の管理にP2Pネットワークを採用しているため、安全性が高いと言われています。 P2Pネットワークとは、複数のノード(node)がデータを分散して情報共有するシステムのことです。ノードとは、「ビットコインなど、特定の暗号資産のネットワークに接続したコンピュータ端末」のことで、peer(ピア)とも呼ばれています。 意味合いとしては、先ほどご紹介した「分散型台帳技術」と同じなので、P2Pは分散型台帳技術の英語での呼び方と思っていただけると分かりやすいでしょう。 従来のクライアントサーバシステムでは、サーバが故障するなどしてダウンすると、システム全体が停止してしまうという問題があります。 しかし、P2Pネットワークを利用している場合は、複数のコンピューターがデータを分散して管理しているため、たとえサーバーの1つがハッカーによる攻撃によってダウンしたとしても、全体に問題は起こらなくなっています。 ハッカーによってデータのファイルが失われた場合でも、他のサーバにデータが保管されているため、再び復元することも可能です。多くのユーザーのコンピューターにデータが分散して保存されることで、リスクも1カ所に集中せずに分散されます。 このように、P2Pネットワークを採用しているブロックチェーンは、ユーザーが相互に監視しあう分散型のシステムになっており、これまでの中央集権型のシステムとは異なる特徴を持っています。 2.暗号技術 ビットコインのブロックチェーンが安全と考えられる理由として、暗号技術が導入されていることも挙げられます。 暗号技術とは、データの内容を第三者にわからない形式に変換し、その変換したデータを元に戻すための技術のことを指します。暗号技術は、公開鍵と秘密鍵の2つを利用してデータをやり取りすることが特徴です。公開鍵と秘密鍵はペアになっており、暗号化したデータはこの2つがないと複号できない仕組みになっています。 公開鍵は第三者にも公開されますが、暗号の解除は秘密鍵がないと行うことができません。そのため、秘密鍵さえ盗まれなければ、暗号資産の安全性は確保されますが、逆にいうと秘密鍵は厳重に管理することが大切です。 秘密鍵を万が一第三者へ渡してしまった場合、データを漏えいさせてしまったり、暗号資産が盗まれてしまう可能性があります。 3.PoW(プルーフ・オブ・ワーク) ビットコインのブロックチェーンが安全と考えられる理由として、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムが導入されていることも挙げられます。 Powとは、簡単にお伝えすると、取引の承認システムを指します。ビットコインの場合、ブロックチェーンへブロックを追加するためには、非常に難解な計算問題を解く必要があります。 こちらの計算作業(取引の承認作業)のことをマイニングと呼び、マイニングが最初に成功した人には、報酬としてビットコインが与えられる仕組みになっています。いち早くマイニングに成功するためには、膨大な計算作業を高速に行うことができる高性能なコンピューターの導入が必要です。 そのため、今では個人がビットコインのマイニングで成功することは難しい状況となっています。また、1つのブロックを改ざんしようとした場合、その後のブロックも改ざんする必要があるため、不正するには多くの手間と時間を要します。 これにより、ビットコインのブロックチェーンは非常に改ざん困難な仕組みとなっています。 暗号資産のPoWとは?仕組みや種類・代表例なども紹介 Coincheck 4.スマートコントラクト スマートコントラクトとは、人の手を介さずに契約内容を自動で実行してくれる仕組みのことです。ブロックチェーン技術が利用されているため、「契約内容が改ざんされない」「中央管理者を介在させず、契約内容が自動で実行される」という2つの条件を満たすことができます。 このように、第三者を介さずに契約プロセスを自動化できるので、取引期間の短縮化や人件費の削減などを実現できるのが、スマートコントラクトの最大のメリットです。 ただし、スマートコントラクトは、すべての暗号資産が実装している機能ではありません。よく知られたところでは、イーサリアム(ETH)がこの機能を実装しています。ブロックチェーンの可能性に注目した人々の手によって、すでにさまざまなサービスが生み出されています。 スマートコントラクトとは?仕組みやイーサリアム(ETH)との関係を解説! Coincheck ブロックチェーンの種類 ブロックチェーンには、主に以下の3つの種類があります。 パブリック型プライベート型コンソーシアム型 それぞれどのような特徴があるのか、順番に見ていきましょう。 パブリック型 パブリック型のブロックチェーンは、中央に管理者がおらず、不特定多数のユーザーによって管理されているブロックチェーンです。 取引の仲介者がおらず、透明性のあるデータがインターネット上に公開されていることが特徴です。そのため、パブリック型のブロックチェーンは、オープン型のブロックチェーンといわれることもあります。 パブリック型のブロックチェーンは他の種類のブロックチェーンと比べて安全性が非常に高いという特徴があります。その反面、ブロックチェーン上に新しい情報を書き込むためには多くの処理と時間を要するというデメリットがあります。 プライベート型 プライベート型のブロックチェーンは、個人や単独の組織などで管理され、ルール変更が容易であり、取引承認スピードも速いことが特徴です。パブリック型のブロックチェーンが持っている「処理速度が遅い」という問題がない反面、透明性は低いという特徴があります。 プライベート型のブロックチェーンでは、情報は外部に公開されないためプライバシーが確保され、閉じたシステム内でブロックチェーンにデータを格納できます。このような特徴から、プライベート型は一般企業や金融機関による利用が想定されており、許可型(パーミッション型)のブロックチェーンとも言われています。 コンソーシアム型 コンソーシアム型のブロックチェーンは、複数の組織やグループなどによって管理されているブロックチェーンです。コンソーシアム型は、分散性、安全性、処理速度の全てにおいて、パブリック型とプライベート型との中間の性質を兼ね揃えています。より具体的にいえば、コンソーシアム型は単一の組織ではなく複数の組織やグループによって管理されているため、プライベート型に比べて高い分散性と安全性が備わっています。一方で、パブリック型とは異なり参加者を限定しているため、プライベート型のような速い処理速度も備えています。このような特徴から、コンソーシアム型のブロックチェーンは同業の複数企業が協力してつくるブロックチェーンへ活用されています。 取引情報が記録されるまでの流れ ブロックチェーンでは、取引が発生するとその情報が生成・検証され記録されていきます。そのプロセスを、簡単にご説明しましょう。 トランザクション:取引情報の生成 まずは、「トランザクション」と呼ばれる、取引情報を生成する作業が行われます。 例えば、AさんがBさんに1BTCを送金するというトランザクションを生成します。あらかじめ登録している秘密鍵を使って署名すると、ネットワークに接続している、ほかのノードがその内容を確認していきます。 ここで問題が見つかった場合には、そのトランザクションは廃棄され、その先の処理は行われません。 マイニング:データの検証と記録 トランザクションに問題がなければ、暗号資産取引の参加者によって、取引データが検証されます。 そしてデータの内容や記録の手順に問題がなければ、ひとかたまりのブロックとしてブロックチェーン上に連結され、記録されます。これが「マイニング(採掘)」と呼ばれる作業で、検証する人を「マイナー(採掘者)」と呼びます。 マイナーは検証する作業の報酬として、決まった額のビットコインを受け取ります。そして、マイニングが完了した段階で初めて、AさんからBさんへの「1BTCの送金」が実行されます。 暗号資産のマイニングとは?仕組みと実践方法を初心者向けに解説! Coincheck ビットコイン(BTC)におけるブロックチェーンの3つのメリット ビットコインに使われているブロックチェーンには、主に以下のような3つのメリットがあります。 1.改ざんが非常に難しい2.管理運用コストが安い3.システム全体としての安定性が高い 1.改ざんが非常に難しい 1つ目のメリットは「改ざんが非常に難しい」ということです。なぜビットコインに使われているブロックチェーンは改ざんが難しいのか、その仕組みを簡単に説明します。 ブロックチェーンは、ひとまとまりのデータが鎖状に連なったものですが、その連結部分には「ハッシュ値」という特殊な文字列が使われています。 そして、ブロックの中の情報を改ざんすると、このハッシュ値がまったく違うものに書き換わってしまい、世界中のノードによって、すぐに改ざんしたことがわかります。 さらに重要なことは、「それぞれのブロックは、自分の1つ前のブロックのハッシュ値を情報として持っている」ということです。改ざんによってあるブロックのハッシュ値が変わってしまったら、次に連なるブロックにも手を入れて、書き換わったハッシュ値に合致するようにしなくてはなりません。 これは単に「文字列を打ち換える」という簡単な作業ではなく、高度な計算を繰り返し、ようやくできることです。たとえそれができたとしても、さらにその次のブロックも…と、延々と作業を続けなくてはならないのです。 それが途方もない作業だということは、理解できるでしょう。ブロックチェーンのこうした特性によって、ビットコインのセキュリティが保たれています。 ただし、記録を確認・検証してブロックをつないでいくマイナー(採掘者)たちが結託し、全体の過半数を占めるほどの計算能力を持ったなら、ブロックチェーンに対するさまざまな攻撃が理論上は可能です。 これは「51%攻撃」と呼ばれるものですが、現実的にそれを実行することは、極めて難しいとされています。 2.管理運用コストが安い 2つ目のメリットは「管理運用コストが安い」ということです。すでにご説明したように、ブロックチェーンは複数のノードによって、データが保存・管理されています。 これを一元管理するとしたら、莫大なコストがかかります。サーバーだけでも相当な容量が必要ですし、その後の保守や管理費も含めたら、膨大なコストになります。 しかし、世界中のノードが分散管理すれば、そうした費用がかかりません。ビットコインを日常的に使っているユーザー、暗号資産取引で利益を狙う投資家、ブロックを作りチェーンを伸ばしていくマイナーなど、ビットコインに関わるあらゆる人たちが、少しずつマシンパワーを提供することで、情報が保存・管理されるのです。 これは、分散管理ならではの、大きなメリットです。そのため、ビットコインは、送金手数料を低く抑えることができます。 特に海外送金の場合に有利に働き、ビットコインは金融機関よりも遥かに安い手数料での取引が可能です。 3.システム全体としての安定性が高い 3つ目のメリットは「システム全体としての安定性が高い」ということです。これは、ブロックチェーンが分散管理されていることに由来します。 集中管理型の場合、何らかのトラブルでメインシステムが止まってしまったら、取引全体が停止してしまいます。通常は、安全策としてサブシステムを用意しておくものですが、コストを考えればそれにも限界があります。 ところが分散管理型ならば、どこかに不具合が起こっても、全体が止まるということがありません。あるマイナーがマシントラブルを起こし、ブロックの生成がまったくできなくなったとしても、ほかのマイナーが作業すれば、次々とブロックが作られることになります。 システム全体の安定性は、取引の信頼性を大きく左右します。その意味では、世界中のノードによって支えられているブロックチェーンには、大きな安定感があるといえます。 実際に、ビットコインは2009年に取引が始まってから、これまで一度もシステムが停止したことはありません。 ビットコイン(BTC)におけるブロックチェーンの3つのデメリット 数々のメリットを持つ半面、ブロックチェーンには次のような3つのデメリットもあります。 1.時間あたりの取引数が少ない2.スケーラビリティ問題を抱えている3.関連法規の未整備 ビットコインの取引を行う人は、デメリットについても把握しておきましょう。 1.時間あたりの取引数が少ない 1つ目のデメリットは「時間当たりの取引数が少ない」ことです。ビットコインの場合、1つのブロックを生成するために約10分かかります。つまり理論上では、AさんがBさんに1BTCを送金すると、その取引が承認されて実際に送金されるまで10分かかる、ということになります。 また、ビットコインは、1つのブロックの記録容量が小さいこともあって、現状、ビットコインがさばけるトランザクション(取引)の数は、1秒間に7件ほどといわれています。 こうした課題を解決するため、メインのブロックチェーンから分岐する「サイドチェーン」を作ったり、ブロックチェーンの外側で取引を繰り返して最終的な結果だけをメインチェーンに記録する「オフチェーン」の手法を使ったりして、取引速度を上げる対策が進められています。 2.スケーラビリティ問題を抱えている 2つ目のデメリットは「スケーラビリティ問題を抱えている」ということです。スケーラビリティ問題とは、ビットコインの取引量が増えることによって送金に時間がかかったり、送金要求が承認されなかったり、取引手数料が高騰するといった一連の問題のことを指します。 ビットコインが登場した当初、取引量はまだ微々たるものでした。エンジニアたちのあいだで、半ば趣味のように、あるいは実証試験のように取引されていたのです。しかし、ビットコインが世間に知られるようになり、その可能性に多くの人々が注目するようになると、取引量は急速に増えてスケーラビリティ問題を抱えるようになりました。 取引の遅延が起こり、早く処理するために手数料が高額になりやすく、それを嫌って利用者が離れていくリスクもあります。 取引量が増えることへの対応は、ビットコインにとって大きな課題なので、さまざまな対策が打ち出され、試行錯誤が行われています。 3.関連法規の未整備 3つ目のデメリットは「関連法規がまだ整備されていない」ということです。 ビットコインをはじめとする暗号資産は、まだまだ新しい技術です。ブロックチェーンを使った多くの実験的な改良がなされ、その技術を活かした多種多様なサービスが世界中で生み出されています。そのため、法律が追い付かずに、未整備の状況が発生しやすくなります。 日本では、2017年4月1日に施行された「改正資金決済法」によって、暗号資産として暗号資産が定義され、その後も金融庁を中心に、法整備や業界の健全性確保など、行政としての動きが続いてきました。 しかし、ブロックチェーンを利用した新たなサービス、新たなビジネスを起こしたとしても、それが法的に問題ないかどうかという懸念は、常に残ります。日本では合法だとしても、ほかの国では違法とされるケースもありえます。 ブロックチェーンの関連技術とそこから生まれるサービスの法的整備は、今や世界各国の課題にもなっています。 Coincheckの無料登録はこちら ブロックチェーンの分岐とは? ひとつながりのブロックチェーンが分岐することもあります。意図的に行われる分岐としては、まずバージョンアップを目的としたもの。もうひとつは、新たな暗号資産を作るためのものです。 ビットコインは、過去にどちらの分岐も経験しています。それによって、「Segwit」や「P2SH」といった機能が実装され、「ビットコインキャッシュ」や「ビットコインゴールド」などの新たな暗号資産が生まれました。こうした分岐は、今後も必要に応じて行われることでしょう。 ビットコインキャッシュ(BCH)の今後はどうなる?注目する理由5つの理由と特徴を基礎から解説!! Coincheck ブロックチェーンの活用事例 ビットコインをはじめとした暗号資産にとどまらず、ブロックチェーンは多方面に応用され、多種多様なサービスを生み出しています。 その多くは、改ざんへの強さやスマートコントラクトの機能が活用されており、その広がりはとどまるところを知りません。それらブロックチェーンの活用例のいくつかを分野ごとにご紹介しましょう。 地方自治体 ブロックチェーン技術は、既に多くの地方自治体で活用・実証実験が行われています。例えば証明書や市民証、契約書などのデータを電子化してブロックチェーンで管理すれば、強固なセキュリティによる改ざん防止が実現できます。さらにブロックチェーンを活用することでハンコレス化やデジタル化を目指し、地方創生を積極的に推し進めようと活動する地方自治体も存在します。 契約事務のデジタル化「長崎県長崎市」 参考:長崎市理財部契約検査課「長崎市電子契約システムの実証実験について」 2021年9月、長崎市は東芝デジタルソリューションズ株式会社とブロックチェーンを活用した契約事務のデジタル化に関する連携協定を締結しています。東芝デジタルソリューションズ株式会社が長崎市に導入している電子調達システムとブロックチェーンを連携させ、電子契約システムを構築しました。 契約事務手続きの効率化とコロナ禍における接触機会の削減を目的として導入実験を行っており、電子契約システムを通じて決済記録や届出の申請など社会全体のデジタル化を促進することが期待されます。 吉本興業とコラボした地方創生型メタバース「兵庫県養父市」 吉本興業株式会社との連携協定のもと、養父市はメタバース「バーチャルやぶ」をオープンしました。 メタバース内において、市内の観光名所やかつて栄えた明延鉱山のワールドなど体験型コンテンツを用いて市の魅力を発信しています。また、メタバース上には養父市役所も再現されており、「メタバース市民証」なるものも発行することが可能です。 地域の魅力発信に加えて、人々の交流拠点を設ける観点からもつながりの創出が期待されます。 参考:メタバース「バーチャルやぶ」オープン | 養父市公式ホームページ ブロックチェーンと地方自治体・企業。身近な活用法や導入例を解説! Coincheck 金融(貯蓄、送金、証券取引、資金調達など) 暗号資産による送金は、金融機関を介さないため手数料が非常に低く、しかも24時間機能しますから、すでに海外為替取引などに活用されています。 また、株券などの有価証券を電子データ化し、ブロックチェーンで管理すれば、高いセキュリティを維持したまま運用コストを下げることができ、取引手数料の抑制につながります。さらに、保有株数に応じて議決権を付与すれば、ブロックチェーン上で株主決議を行うことも可能となるかもしれません。 独自デジタル通貨発行「三菱UFJフィナンシャル・グループ」 三菱UFJフィナンシャル・グループは、2020年度内にブロックチェーンを活用した独自のデジタル通貨「coin(コイン)」を発行する方針であることを明らかにしました。 スマホアプリ上で銀行口座の預金とcoinを交換することが可能で、個人間送金の高速化および低コスト化の実現が期待されています。 また、coinは決済手段としても利用される予定で、サービス開始初期は共同運営先のリクルートが提供するWebサービス(ホットペッパーグルメ、じゃらん等)で利用可能になるとのこと。 なお、実用に関してはボラティリティの高さが問題視される暗号資産ですが、同コインは「1コイン=1円」のステーブルコインとして発行される予定です。 参考:朝日新聞デジタル「三菱UFJ、デジタル通貨「コイン」を今年度後半に開始」 認証(本人確認、著作権管理、公証など) ブロックチェーン上に記録された個人情報のうち、必要なものだけを参照するしくみがあれば、あらゆる場面での個人認証が、身分証明書を提示することなく可能になるかもしれません。 また、楽曲や文章、写真、映像作品などの著作権も、ブロックチェーン上に記録しておくことで、その後の盗用などに対して正当な権利を主張できます。 現在、同様の機能を持つものとして、公証人が発行する「確定日付」がありますが、ブロックチェーンを使えば、公証人の手を借りずに公正証書を発行することができるとも言われています。 デジタルコンテンツの権利情報処理「ソニー/ソニー・ミュージックエンタテインメント/ソニー・グローバルエデュケーション」 ソニー株式会社、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、株式会社ソニー・グローバルエデュケーションは、ブロックチェーン技術を基盤としたデジタルコンテンツの権利情報処理システムを開発しました。 ブロックチェーンを活用することで、改ざんが困難な形で事実情報を記録できるので、高い安全性と透明性を兼ね備えた権利情報処理の手段として実用化されていくことが期待されています。 ソニーのデジタルコンテンツの著作権管理に利用される同システムは、まずはデジタル教科書などの教育コンテンツから導入して、音楽、映画、VRコンテンツ、電子書籍などに段階的に導入されていく予定です。 参考:ソニー「ブロックチェーン基盤を活用したデジタルコンテンツの権利情報処理システムを開発」 公共サービス(各種申告、納税、投票、医療など) ブロックチェーンをベースとした行政サービスが作られれば、選挙の投票のほか、各種申告や納税を、オンラインで行うことが可能となるかもしれません。 また、血液型やアレルギー、これまでの病歴や受診記録などをブロックチェーンに保存しておき、各医療機関で共有・参照できるようにすれば、万一の事故などで緊急搬送された際にも、的確な治療をすみやかに受けることができる可能性もあるでしょう。 ブロックチェーンでデジタルIDを発行「ID2020」 引用:ID2020 世界では、いまだに11億人もの人が法的なIDを所持していないという問題があります。ID2020は、こうした人々にIDを付与することを目標に活動する国連主導のプロジェクトです。 世界的コンサルティング企業でID2020の創業メンバーであるAccenture(アクセンチュア)が、ブロックチェーンと生体認証システムを活用して開発したデジタルIDを、2030年までに普及させることを目標にしています。 参考:ID2020 エンターテイメント ゲームの世界でも、ブロックチェーンが活用されています。例えば、個性的なキャラクターをペットとして育てる「CryptoKitties」というNFTゲームでは、スマートコントラクトによる課金システムがとられており、その機能を使って育てたキャラクターをNFTとして個人間で売買することができます。 また、各種オンラインゲームの中で使われている通貨を、別のゲーム内でも使えるような両替システムを組むこともできますし、理論上はゲーム内で稼いだ通貨をビットコインなどの暗号資産に、さらにはドルや円といった法定通貨に換えることも可能です。 もちろん、実現するには法的な高いハードルがありますが、それができればゲームと現実の世界が、直接リンクすることにもなるでしょう。 ブロックチェーンゲーム「クリプトスペルズ(CryptoSpells)」 引用:クリプトスペルズ クリプトスペルズ(Crypto Spells)は、2019年6月25日に正式リリースされ、初日で売上金額が600ETH(当時のレートで約2,000万円)を突破した人気NFTゲームです。 ゲームの管理・運営にブロックチェーンを利用しているので、カードの発行枚数、所有者、取引履歴などの情報が改ざんされにくいという特徴があり、デジタル上のカードに資産としての価値を付与することが可能です。 このような特徴を生かして、クリプトスペルズではゲーム内で使用するカードをユーザー同士で自由に売買することが可能です。 なお、コインチェック株式会社は、2020年11月よりクリプトスペルズを提供するCryptoGames株式会社と連携を開始しました。 本連携のもと、クリプトスペルズで利用可能なNFTを、2021年に提供を予定しているCoincheckのNFTマーケットプレイスにおいて取扱うことを検討していきます。 参考:Coincheck、NFTマーケットプレイス事業において日本最大級のBCG「CryptoSpells」と連携を開始 不動産 ブロックチェーンの持つ耐改ざん性、安定性、信頼性、さらにスマートコントラクトによる高効率な自動契約機能は、各種のデータ管理や登記の自動化に適しています。車の登録や土地の登記、債権の売買なども、仲介者の手を借りず、自動的かつ確実に契約が実行されることで、時間とコストの削減効果は非常に大きいといえます。 さらにはホテルに宿泊する権利や、そこで行われるイベントへの参加権を組み合わせたメンバーシップNFTとして販売するなど、不動産業界へのブロックチェーンの新たな活用方法も広がっています。 NOT A HOTEL 引用:NOT A HOTEL 「あたらしい暮らし」を提唱するNOT A HOTELは、「世界中にあなたの家を」をコンセプトとした、アプリ上で自宅と別荘、ホテルを自由に切り替えることができるホテル及び住宅販売を行うライフスタイルサービスです。 NOT A HOTELのオーナーは、所有物件を自宅や別荘として利用するか、ホテルとして貸し出すかをアプリ上から簡単に切り替えることが可能です。利用時のチェックインからチェックアウトまで全てアプリで完結させることができます。 費用がかかりがちな住宅保有におけるコストを、30日単位でのシェア購入で分散させたり、使わない日をホテルとして貸し出すことで収益化を図ることもできるのです。 またNOT A HOTELでは、メンバーシップ会員権をNFT化した「NOT A HOTEL NFT」の販売も行っています。メンバーシップ会員になることで、ユーザーは一日単位でNOT A HOTELを利用することができたり、NOT A HOTEL主催の食やワイン、アートなどを楽しめるイベントへ参加することができます。 NOT A HOTELとは?NFTの特徴、購入方法や使い方について解説 Coincheck ブロックチェーンに関するQ&A ブロックチェーンに関するよくある疑問を、Q&A形式でご紹介します。 Q:ブロックチェーンとは何ですか? ブロックチェーンは、さまざまな取引履歴を信頼性のある形で保存することが可能なシステムです。トランザクションと呼ばれる取引データをブロックで管理し、それらのブロックを次から次へと鎖のようにつないでいく構造を持つことから、ブロックチェーンと呼ばれています。 Q:ブロックチェーンの特徴を教えてください。 ブロックチェーンでは、ネットワークに参加する全員が情報を分散して共有・管理することで、誰が、いつ、どのような取引を行ったのかを明確にして、偽造やハッキングができないようにしています。このような仕組みを、分散型台帳技術、またはP2P(ピアツーピア)ネットワークといいます。 Q:ブロックチェーンにはどのような種類がありますか? ブロックチェーンには主に、パブリック型、コンソーシアム型、プライベート型の3種類があります。 Q:ブロックチェーンにはどんなメリットがありますか? ビットコインには、「改ざんが非常に難しい」、「管理運用コストが安い」、「システム全体としての安定性が高い」などのメリットがあります。 ブロックチェーンのまとめ ビットコインのバックボーンを支えるブロックチェーンについて、その基礎から将来性までを解説してきました。 ブロックチェーンには、メリットだけでなくデメリットもあります。しかし、ブロックチェーンはうまく活用すれば、暗号資産取引のみならず、社会全体を支えるインフラにもなりえます。 ブロックチェーンを活用したサービスは日々生み出されて、従来の作業がより効率化され、同時に新たな価値も生み出されています。ブロックチェーンはまさに、将来を変える可能性を秘めているテクノロジーと言えるでしょう。 ビットコイン(BTC)半減期とは?仕組みや日付、価格への影響を解説 Coincheck
これから暗号資産(仮想通貨)を始めたいと考えている人のなかには、ブロックチェーンの仕組みや安全性が気になる人もいるかもしれません。暗号資産の歴史のなかで、さまざまなハッキング事件なども起こりました。 しかし、暗号資産のハッキング事件は取引所に要因があるものが多く、暗号資産のブロックチェーン自体の安全性は強固なものであるとも考えられています。暗号資産初心者は、リスクを抑えて大切な資産を安全に運用したいと考えるでしょう。 そこでこの記事では、ブロックチェーンの仕組みや安全性などについて、初心者にもわかりやすく解説します。 ブロックチェーンとは ブロックチェーンは分散型台帳技術とも呼ばれ、暗号資産の取引データはブロックという台帳に記録されています。 ブロックチェーンは、さまざまな取引履歴を信頼性のある形で保存することが可能なシステムです。ブロックはデータが入る容量があらかじめ決まっており、1つのブロックが埋まると新しいブロックが作られます。 取引の履歴はトランザクションと呼ばれ、複数のトランザクションが集まったものがブロックと呼ばれています。数多くのブロックがチェーンで繋がれたような見た目であることから、ブロックチェーンと名付けられました。 ブロックチェーンは、基本的には大規模なサーバーを必要としないため、運用コストが安くなる点が、メリットの一つだと言えるでしょう。 ブロックチェーンの種類 そんなブロックチェーンにはいくつかの種類があり、例えばパブリック型・コンソーシアム型・プライベート型などに分けることができます。 パブリック型 パブリック型のブロックチェーンは、中央に管理者がおらず、不特定多数のユーザーによって管理されているブロックチェーンです。 取引の仲介者がおらず、透明性のあるデータがインターネット上に公開されていることが特徴です。そのため、パブリック型のブロックチェーンは、オープン型のブロックチェーンといわれることもあります。 コンソーシアム型 コンソーシアム型のブロックチェーンは、複数の組織やグループなどによって管理されているブロックチェーンです。 プライベート型 プライベート型のブロックチェーンは、個人や単独の組織などで管理され、ルール変更が容易であり、取引承認スピードも速いことが特徴です。 このような特徴から、プライベート型は一般企業や金融機関による利用が想定されており、許可型(パーミッション型)のブロックチェーンともいわれています。 ブロックチェーンが安全と考えられる理由とは? 続いて、ブロックチェーンが安全と考えられる理由についてご紹介します。 1. P2P 例えば、暗号資産ビットコイン(BTC)のブロックチェーンが安全と考えられる理由として、P2Pのシステムを導入していることが挙げられます。 P2Pのシステムとは、データを分散して情報共有するようなシステムのことです。中央集権型でデータを管理している場合は、中央のサーバが落ちてしまうと、ネットワーク全体が落ちてしまう可能性があります。 しかし、P2Pのシステムを利用している場合は、複数のコンピューターがデータを分散して管理しているため、たとえサーバーの1つがハッカーによる攻撃によってダウンしたとしても、全体に問題は起こらなくなっています。 ハッカーによってデータのファイルが失われた場合でも、他のサーバにデータが保管されているため、再び復元することも可能です。多くのユーザーのコンピューターにデータが分散して保存されることで、リスクも1カ所に集中せずに分散されます。 このようにビットコイン(BTC)はユーザーが相互に監視しあう分散型のシステムになっており、これまでの中央集権型のシステムとは異なる特徴を持っています。 2. 暗号技術 ビットコイン(BTC)のブロックチェーンが安全と考えられる理由として、暗号技術が導入されていることも挙げられます。 暗号技術は、公開鍵と秘密鍵の2つを利用してデータをやり取りすることが特徴です。公開鍵と秘密鍵はペアになっており、暗号化したデータはこの2つがないと複号できない仕組みになっています。 公開鍵は第三者にも公開されますが、暗号の解除は秘密鍵がないと行うことができません。そのため、秘密鍵さえ盗まれなければ、暗号資産の安全性は確保されますが、逆にいうと秘密鍵は厳重に管理することが大切です。 秘密鍵を万が一第三者へ渡してしまった場合、データを漏えいさせてしまったり、暗号資産が盗まれてしまったりする可能性があります。 3. PoW(プルーフ・オブ・ワーク) ビットコイン(BTC)のブロックチェーンが安全と考えられる理由として、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムが導入されていることも挙げられます。 Powとは、簡単にお伝えすると、取引の承認システムを指します。ビットコイン(BTC)の場合、ブロックチェーンへブロックを追加するためには、非常に難解な計算問題を解く必要があります。 こちらの計算作業(取引の承認作業)のことをマイニングと呼び、マイニングが最初に成功した人には、報酬としてビットコイン(BTC)が与えられる仕組みになっています。いち早くマイニングに成功するためには、膨大な計算作業を高速に行うことができる高性能なコンピューターの導入が必要です。 そのため、今では個人がビットコイン(BTC)のマイニングで成功することは難しい状況となっています。また、1つのブロックを改ざんしようとした場合、その後のブロックも改ざんする必要があるため、不正するには多くの手間と時間を要します。 これにより、ビットコイン(BTC)のブロックチェーンは非常に改ざん困難な仕組みとなっています。 暗号資産以外でも採用されているブロックチェーン ブロックチェーンは、暗号資産の取引以外でも、金融サービスなどさまざまな領域のサービスにも採用され始めています。 例えば、2016年にはオリックス銀行やNTTデータ、静岡銀行などが金融サービスの共同研究の開始を発表しました。 他にも、2017年には富士通が、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループのメガバンク3行と共同で、ブロックチェーン技術を活用した個人間送金サービスの実証実験を、2018年1月から行うと発表しました。 また、2018年11月には、三菱UFJ銀行が、米国Ripple社が提供する技術を活用した日本・ブラジル間における国際送金の共同研究を開始することを発表したりと、様々な金融機関からもブロックチェーン技術は注目されています。 詳しくはこちら:リップル(XRP)の特徴とは? モナコインのハッキング事件 ブロックチェーンが改ざんされて暗号資産が盗まれた事件としてニュースでも取り上げられたのは、2018年5月に起こったモナコイン(MONA)に対するサイバー攻撃です。 この事件では、海外のLivecoinという取引所に「Block withholding attack」と呼ばれる大規模攻撃が仕掛けられたことによって、約1,000万円の損失があったと言われています。 ハッカーは不正なブロックを大量にチェーンでつなぎ、正当なブロックだと思わせたうえで既存のチェーンにつなぎ合わせました。この不正なブロックチェーンによって取引所を騙し、多額のモナコインを盗みだすことに成功しました。 ブロックチェーンの改ざんが成功した例は、このハッキング事件が暗号資産市場で初めてだといわれています。モナコインは日本発祥の暗号資産であり、巨大掲示板サイトで生まれた暗号資産です。 日本でも人気が高い暗号資産であるモナコインは、コミュニティなどが活発であることも特徴で、この事件は多くのトレーダーに衝撃を与えました。 ハッキング後の対応 2018年5月に起こったモナコインに対するハッキング事件を受けて、ブロックチェーン推進協会は2018年6月1日に説明会を開きました。 この説明会では、ブロックチェーンの合意形成のメカニズムが悪用されたと説明しています。PoWのシステムには限界があるとし、PoWに他の技術を組み合わせるとの見解を示しました。 ハッキングされたモナコインについては、取り戻せる可能性は明確にあると説明をしています。ハッカーの目星はついているといわれており、資産を凍結したり入金を止めたりするなどの手立てを講じるとしました。 51%攻撃とは?51%攻撃で可能な不正の種類 ブロックチェーンの改ざんに関して、よく話題に上がるのが51%攻撃です。51%攻撃とは、全マイナーのうちの51%以上が悪意のあるマイナーで占められている状態を指します。 その悪意のあるマイナーによって、ブロックチェーンをコントロールされてしまうことで、ハッキングが起こります。具体的に51%攻撃によって可能になる不正の種類には、以下があります。 1つ目は、送金や売買などの仮想取引の二重支払いです。二重支払いとは、同じ暗号資産で2回の取引をすることを指します。 2つ目は、マイニングを独占し、マイニング報酬を全て手に入れる不正です。そして3つ目は、取引承認を妨害されたり、送金が消されたりする不正です。 51%攻撃をすることでハッカーにとって大きな利益がもたらされるように思われますが、ハッキングにあった暗号資産が暴落する可能性もあります。その結果、ハッカーが不正によって得た多額の暗号資産の価値も暴落してしまうこともあります。 ただし、ハッカーがハッキングで得た暗号資産を価値が暴落する前に法定通貨に全額換金した場合は、その限りではないため注意が必要です。 51%攻撃では不可能なこと 51%攻撃において不可能なことは、他人のビットコイン(BTC)を盗むことです。 ビットコイン(BTC)は、秘密鍵によってウォレットから別の場所へ送金することができます。51%攻撃はブロックチェーンネットワークを狙った攻撃ですが、秘密鍵はブロックチェーン上に記録されている訳ではありません。 そのため、ウォレットの秘密鍵をハッカーが得られない限りは、ウォレットに保管してあるビットコイン(BTC)は安全だといえるでしょう。 また、51%攻撃は過去の取引を改ざんすることも不可能です。分岐を起点として行われる51%攻撃は、分岐以前のブロックチェーンに記録された取引データを書き換えることはできません。 詳しくはこちら:ビットコイン(BTC)の51%攻撃とは?仕組みや発生リスクについて解説 信頼できる暗号資産の取引所を利用することも大切 モナコインのハッキング事件が起こったことで、ブロックチェーンの安全性が疑問視される声も聞かれました。 しかし、依然としてブロックチェーンが安全性の高い技術であることに変わりはなく、暗号資産に注目しているトレーダーもいまだに世界中に多く存在します。また、国内外のハッキング事件を受け、暗号資産の取引所はセキュリティ対策をより強固なものとするように見直し、改善しているところが増えています。 他にも、自身で二段階認証を行ったり複雑なパスワードを設定したりすることで、より暗号資産の取引をするうえで安全性を高めることができます。パスワードは他で使用しているものは使い回さず、意味を持たない英数字で作成するようにしましょう。 自身の資産を守るためにも、取引を開始する前にさまざまな取引所のセキュリティについて理解しておく必要があります。安全に暗号資産を取引するために、セキュリティ対策が強固な信頼できる取引所を利用しましょう。
暗号資産(仮想通貨)の話題が増えるにつれて、取引をしてみようと考える人も増えています。 しかし、暗号資産には興味があっても、安全性が不安だと感じている人もいるかもしれません。たしかに暗号資産にはリスクもありますが、仕組み自体の安全性は高いと言われています。 安全性に関する不安は、暗号資産の仕組みを理解することで解消できることもあります。どんな仕組みなのかを理解できれば、安全性とリスクを把握したうえで取引することも可能です。 そこで、暗号資産の特徴や仕組みについて、初心者向けにもわかりやすく簡単にご紹介します。 Coincheckの無料登録はこちら 目次 暗号資産の概要 暗号資産の特徴 1. 換金可能 2. 中央管理者がいない場合がある 3. ブロックチェーン技術が使われている 4. 通貨発行量の上限が定められている場合がある 想通貨が安全とされる理由とは?それぞれの仕組みを解説 1. 電子署名 2. ブロックチェーン技術 3. マイニング 電子署名とは? 電子署名の役割 秘密鍵と公開鍵 ブロックチェーンとは? 暗号資産の取引データはブロックに格納される 取引履歴はユーザー同士がつながったネットワークを上に保存される マイニングとは? マイニングに成功すると報酬として暗号資産がもらえる マイニングが計算競争と言われる理由 暗号資産を使うメリット 1. 資産運用の手段として使える 2. 短時間で送金できる 3. 送金手数料が安い 4. 両替の必要がない 暗号資産を使うデメリット 1. 価格変動幅が大きい 2. 詐欺通貨が存在する 3. ハッキングリスクがある 暗号資産取引の始め方は?まずは暗号資産取引所に口座開設 暗号資産のハッキングのリスクとその対策方法 ハッキングリスクがあることを認識しておく ビットコインシステム自体がハッキングされたことはない ウォレットとは暗号資産を保管できる財布 暗号資産には安全性を保つ仕組みが存在する 暗号資産の概要 暗号資産の仕組みを理解するにあたっては、まずは暗号資産の概要を把握することが大切です。 暗号資産とは、インターネット上で使える通貨で、暗号通貨・暗号資産とも呼ばれることもあります。円やドルなどの法定通貨とは異なり、紙幣や硬貨は発行されていない通貨です。 日本では、いち早く暗号資産の法的位置が明確にされました。暗号資産は、資金決済法により支払手段と位置付けられています。法定通貨とは異なりますが、商品やサービスを購入したときの対価として支払うことが可能です。 また、法定通貨で暗号資産を購入できることはもちろん、電子マネーとは異なり、暗号資産を法定通貨に戻せることも暗号資産の要件のひとつとして定められています。 最初に登場した暗号資産は、ビットコイン(BTC)です。ビットコイン(BTC)の考案者は「サトシナカモト」とされています。 日本人男性のような名称ですが、国籍や性別、個人か団体かなどは未だに不明の存在です。サトシナカモトがビットコインシステムに関する論文を発表し、その論文をもとにビットコインシステムが稼働され、元祖暗号資産であるビットコイン(BTC)が誕生しました。 暗号資産(仮想通貨)とは何か?初心者にもわかりやすく解説 Coincheck 暗号資産の特徴 ビットコイン(BTC)に代表される暗号資産は、今では世界中に1000種類以上存在すると言われています。そんな暗号資産には、例えば以下のような特徴があります。 1. 換金可能 1つ目は、換金可能であることです。 電子マネーも暗号資産と同様に形のない支払手段です。しかし、電子マネーは日本円などの法定通貨に戻すことができない仕組みになっています。 一方、暗号資産は、そのときの時価で売買を行うことが可能です。 2. 中央管理者がいない場合がある 2つ目は、中央管理者がいない場合があることです。 円やドルなどの法定通貨は、中央銀行などが発行通貨量を管理しています。また、状況に応じて柔軟に新規通貨発行を行うことも中央管理者の役目です。 一方、ビットコイン(BTC)などの暗号資産には、中央管理者に相当する存在がいない場合があります。プログラムが通貨システムの運用を行い、通貨の新規発行も、プログラムに従って行われる仕組みです。 3. ブロックチェーン技術が使われている 3つ目は、ほとんどの暗号資産でブロックチェーン技術が使われていることです。 過去の取引分を含むすべての取引データは、ブロックチェーン上に格納されています。ブロックチェーンのシステムに自由にアクセスできる不特定多数が監視することで、不正な取引などが行われにくくなっています。 4. 通貨発行量の上限が定められている場合がある 4つ目は、通貨発行量の上限が定められている場合があることです。 法定通貨には上限はありませんが、暗号資産の中には、あらかじめ定められた通貨発行量上限を超えて発行されない仕様になっているものもあります。 暗号資産が安全とされる理由とは?それぞれの仕組みを解説 暗号資産の安全性について、代表的な暗号資産システムであるビットコイン(BTC)を例に挙げて解説します。 ビットコイン(BTC)を例とする理由は、数ある暗号資産のなかでも最初に登場した通貨で、多くの暗号資産が似たようなシステムを採用しているからです。ビットコインシステムが安全だとされる主な理由には、例えば以下が挙げられます。 1. 電子署名 1つ目は、電子署名の仕組みが採用されている通貨システムであることです。 どの口座に関する取引かを、取引データのなかに含めて履歴が保管される仕組みになっています。 2. ブロックチェーン技術 2つ目は、ブロックチェーン技術です。 ブロックチェーン技術は、取引の改ざんを事実上不可能にする高度な検証・承認の仕組みを支える重要な技術だとされています。 3. マイニング 3つ目は、マイニングです。 ビットコイン(BTC)は、マイニングによって取引の正当性を検証が検証されます。マイニングは、不特定多数が取引の正当性を監視することを可能にする重要な仕組みです。 これら3つの点について、それぞれ詳しく解説します。 電子署名とは? 電子署名の「署名」は、契約当事者が約束事について合意した証として記載するものです。 電子署名の役割 電子署名は、電子的な取引について、間違いなく取引した本人が行ったものであることを証明する役割を果たしています。電子署名の仕組みを採用することで、不正送金などの防止が可能です。 電子署名とは、送信元と送信先を明確にするための取引証明書だと理解するとよいでしょう。電子署名が行われた暗号資産取引データのことをトランザクションといいます。 秘密鍵と公開鍵 暗号資産のシステムにおける電子署名は、秘密鍵と公開鍵の作成から始まります。秘密鍵と公開鍵は、両方が揃うことで初めて正当な取引だと認められる鍵の役割を果たすものです。 公開鍵は公表されて誰でも確認できるものですが、秘密鍵は文字通り本人しか使うことができない仕組みになっています。つまり、秘密鍵を持っている本人しか、正当な取引ができないということです。 秘密鍵は暗号化されており、公開鍵から秘密鍵を類推することはできない仕組みになっています。秘密鍵を本人がしっかり管理しておけば、暗号資産取引の不正取引防止が可能です。 ブロックチェーンとは? ビットコイン(BTC)をはじめとする多くの暗号資産には、ブロックチェーン技術が採用されています。 暗号資産の取引データはブロックに格納される 暗号資産の取引データは、一定の間隔で生成されるブロックと呼ばれるものに格納されます。 格納の際には、取引の正当性を検証して承認される手続きが行われる仕組みです。この仕組みは、マイニングと呼ばれています。 承認されたブロックには、直前のブロック情報が含まれていることも特徴です。そのため、各ブロックは、まるで鎖状につながっている形で暗号資産システム上に保存されます。 この鎖状にブロックがつながったものがブロックチェーンです。 取引履歴はユーザー同士がつながったネットワークを上に保存される すべての取引履歴が含まれているブロックチェーンは、ホストコンピュータなど特定の場所で保存されるのではなく、ユーザー同士がつながったネットワークを上に保存されます。 ブロックチェーンのデータは誰でもアクセスできるようになっており、不特定多数のシステム参加者全員で共有可能です。仮に、誰かがネットワーク上の取引データを書き換えたとしても、不特定多数で共有されているブロックチェーンのデータすべてを書き換えることはできない仕組みになっています。 そのため、データを改ざんしても、システム参加者にすぐに不正がわかってしまうのです。 ブロックチェーンとは?基礎知識やメリット・デメリットをわかりやすく解説 Coincheck マイニングとは? マイニングとは、暗号資産取引データに不正が含まれていないかを確認し、取引の正当性を検証する行為です。取引検証について最初に成功した人には、報酬が支払われます。 マイニングに成功すると報酬として暗号資産がもらえる 報酬は、新規に発行される暗号資産です。 ビットコイン(BTC)の場合、約10分間の取引を1つにまとめて取引検証を行い、1つのブロックに格納します。マイニングは、計算競争だといわれています。 取引データと直前ブロックの代表値、さらに任意の1つの値をある関数に代入して得た値が、先頭にゼロがたくさん並ぶ値だった場合に正解を得たことになる仕組みです。マイニングは、正解が得られる任意の値を見つけ出す作業だと言えます。 マイニングが計算競争と言われる理由 任意の値は、答えなどから類推することはできず、総当りで何度も関数に代入することになります。任意の値を見つけられる確率は相当低く、膨大な計算を繰り返さない限り答えは得られないため、計算競争だといわれるのです。 正解が得られる任意の値を見つけた人は、ネットワークにその値を報告します。ビットコインシステム参加者は、任意の値を関数に入れてみることで正解かどうか簡単に判断可能です。 正解だと確認されるとそのブロックは承認され、ブロックチェーンにつなげられます。正解を見つけたマイナーは、承認後にビットコイン(BTC)を受け取るという流れです。 取引検証や承認は、誰でも参加可能です。マイニングの仕組みによって、中央管理者不在でも不正を防止することができます。 ビットコイン(BTC)マイニングの仕組みを分かりやすく解説します Coincheck Coincheckの無料登録はこちら 暗号資産を使うメリット 暗号資産取引を行うにあたっては、暗号資産を使うメリットを理解しておくことも重要です。主なメリットには、例えば以下が挙げられます。 1. 資産運用の手段として使える 1つ目は、資産運用の手段として使える点です。購入した暗号資産の価格が上昇することによって、保有資産額が増加する可能性があります。 暗号資産の価格は、需要と供給によって決まります。暗号資産が広まることで需要が増加すると、暗号資産の価格は上昇する可能性が高いです そのため、資産運用の手段として暗号資産を利用できるメリットがあります。 2. 短時間で送金できる 2つ目は、短時間で送金できることです。 海外送金を行う場合、銀行の国際送金システムを利用すると数日かかることもあります。一方、暗号資産で送金すれば、短時間で海外送金を完了させることができます。 3. 送金手数料が安い 3つ目は、送金手数料が安いことです。特に、国際送金に関しては、手数料を抑えることができます。 また、金融商品の売買を行う場合よりも、暗号資産売買の手数料は、他の金融商品よりも低く設定される傾向があります。 4. 両替の必要がない 4つ目は、海外で支払手段として利用する場合に、両替の必要がないことです。 インターネットに国境はなく、暗号資産はどの国でもそのまま支払手段として利用できます。 暗号資産を使うデメリット 暗号資産の使用には、メリットだけでなくデメリットもあると認識しておくことも必要です。主なデメリットには、例えば以下が挙げられます。 1. 価格変動幅が大きい 1つ目は、暗号資産価格の変動幅が大きいことです。 価格の急激な値上がりによって、大きな利益につながる場合もあります。ただし、予想とは反対の値動きが生じた場合に、大きな損失を被る可能性があることも認識しておく必要があるでしょう。 2. 詐欺通貨が存在する 2つ目は、詐欺通貨が存在することです。 暗号資産は、1,000を超える種類があるといわれています。そのなかには、ほとんど無価値であるものも含まれている可能性があることに注意が必要です。 3. ハッキングリスクがある 3つ目は、ハッキングの被害を受けて通貨を盗まれるリスクがあることです。 暗号資産は、電子データであるため簡単に持ち運べるという利点があります。その一方で、ネットワークを通じたハッキングなどの攻撃を受けると簡単に盗まれてしまう可能性もあるのです。 保有している暗号資産を安全に保管するためにも、ハッキング対策は十分に行っておく必要があるでしょう。 暗号資産取引の始め方は?まずは暗号資産取引所に口座開設 Coincheckでは、以下の2ステップで簡単に口座開設ができます。 1.アカウント作成をする2.本人確認を行う 口座開設はスマートフォンのアプリまたはパソコンのブラウザから行うことができます。口座開設のやり方については、以下の記事で詳しく解説しています。 Coincheck(コインチェック)の口座開設方法を解説【動画付き】 Coincheck Coincheckの無料登録はこちら 暗号資産取引を始めるためには、暗号資産の取引所に口座を開設する必要があります。金融庁登録済の暗号資産の取引所Coincheckでは、初心者でも簡単に取引を始めることができます。 Coincheckで口座を開設する場合は、まずメールアドレスの登録を行ったうえで、本人確認書類の提出や郵送物の受け取りなどが必要です。 口座開設が完了したら、日本円を入金します。その後、いよいよ暗号資産の購入です。取引価格を確認しながら取得したい数量を指定して購入します。対価は、入金した日本円で支払います。 暗号資産を取得したら、価格上昇を待って売却して利益を得ることが可能です。また、買い物の支払手段として利用することもできます。 暗号資産のハッキングのリスクとその対策方法 暗号資産取引所の中には、ハッキングを受けて保有していた顧客の暗号資産が盗まれたことによって、倒産に追い込まれた取引所もあります。 ハッキングリスクがあることを認識しておく そのため、暗号資産取引を行う人は、ハッキングの実態を理解しておくことも大切です。取引所には、口座を開設した利用者の暗号資産が保管されています。 通貨が盗まれた場合、補償が行われることもありますが、最悪の場合は自分の暗号資産が盗まれるリスクがあることを認識しておきましょう。ただし、ハッキングされたと言っても、ブロックチェーン技術が破られたわけではありません。 ビットコインシステム自体がハッキングされたことはない ブロックチェーン技術に支えられたビットコインシステム自体が、ハッキングにより被害を受けたことは過去に一度もない状況です。 しかし、取引所がハッキングされてしまった場合は、資産を失うリスクがあります。そのため、万が一に備えて、ウォレットを利用して分散保管することも検討する必要があるでしょう。 ウォレットとは暗号資産を保管できる財布 ウォレットとは、自ら暗号資産を保管できる暗号資産用電子財布のことです。 ウォレットには、いくつかの種類があり、秘密鍵をオフラインで管理できるハードウェアウォレットやペーパーウォレットなどもあります。ウォレットは目的に応じて使い分けることが大切です。 暗号資産(仮想通貨)のウォレットとは?特徴や種類は? Coincheck 暗号資産には安全性を保つ仕組みが存在する ビットコイン(BTC)などの暗号資産システム自体は、不正を排除する電子署名やブロックチェーン技術、マイニングの仕組みによって一定の安全性が保たれています。 ただし、ハッキングのリスクはあるため、資産を安全に保管するためにも、セキュリティ対策は十分に行っておくことが重要です。暗号資産の安全性とリスクを認識したうえで、取引所に口座開設をして暗号資産取引を始めてみましょう。
主要な暗号資産(仮想通貨)が利用している基盤技術となるブロックチェーンですが、ハッキング(改ざん)するのは困難だとされてきました。 しかし、最近ではブロックチェーンのシステム上の脆弱性が原因で発生してしまったハッキング事件が起こってきています。そこで、この記事ではまずブロックチェーン技術の特徴や安全性についての基本的概念についてお伝えします。 さらに、ブロックチェーンにはどのような技術的限界や危険性があるのかや、現在取りうるセキュリティ対策などについてご紹介していきます。 ブロックチェーンとは? ブロックチェーン(分散型台帳技術)は多くの暗号資産を支えており、取引データのコアとなる技術的基盤となっています。 トランザクションとブロック 暗号資産を送金する際の取引履歴データは「トランザクション」と呼ばれます。複数のトランザクションから構成される、一定数のトランザクションの「かたまり」を格納したものが「ブロック」です。 銀行の取引に例えるなら、入出金などの個々の取引がトランザクション、通帳や入出金明細に該当するのがブロックともいえるでしょう。 トランザクションが新規で発生すると、それがまとめられてブロックが生成されます。そのようにして生成されたブロックが、その次に生成されるブロックに取り込まれるような形で承認されていきます。 このように絶えずブロックが生成され、それが承認されていくとチェーン(鎖)のような連なりになっていきます。こうして数々のブロックがチェーンのように一塊になっていく流れになっていくことから、ブロックチェーンと呼ばれています。 P2P方式・分散型取引台帳 なお、ブロックチェーンにも種類がありますが、その多くは分散しながらユーザー同士でシステム管理をおこなう仕組みとなっています。この仕組みは「P2P(ビア・ツー・ピア)方式」あるいは「分散型取引台帳」と呼ばれています。 銀行のような中央集権による管理機関によって管理されておらず、権限が一箇所に集中することがありません。そのため、取引データが集中してサーバーに過大な負担がかかることで起こるシステム障害などにも強く、さらに低コストでの金融サービス供給を可能にしています。 詳しくはこちら:ブロックチェーンとは?基礎知識やメリット・デメリットをわかりやすく解説 ブロックチェーンの暗号化による安全性 ブロックチェーンには、取引データの改ざんなどを防ぐために「ハッシュ関数」によるブロックの暗号化や「Proof of Work」などの仕組みがあります。以下に詳しくご紹介していきます。 ハッシュ関数 ブロックチェーンは取引データの安全性を担保するために「ハッシュ関数」という暗号化のための技術を用いています。 ハッシュ関数とは、取引データが外部から判読できないようにするために生成される一定の文字数による不規則な文字列のことです。外観上は一種の暗号のようなこの文字列はハッシュ値と呼ばれています。 一定数のトランザクションがブロックとして格納されているのは前述の通りですが、このブロック内の取引データ履歴はオープン化され、誰でも確認できるようになっています。 しかし、肝心のトランザクションの具体的な取引内容については、このハッシュ関数により暗号化されています。したがって、記録されている取引履歴自体は外部から確認できるものの、取引内容の詳細は判別できないようにしています。 このハッシュ値は全く同一のデータに対しては同じハッシュ値が生成されます。しかし、少しでも異なるデータに対しては異なるハッシュ値を生成することで、外部から判別不能とし、改ざん等からデータを守っています。 Proof of Work(プルーフ・オブ・ワーク、仕事の証明) 例えば、暗号資産の代表格のビットコイン(BTC)のブロックチェーンにおいては、新たなブロックの生成は、マイニングをおこなうマイナーによる「承認作業」を通じておこなわれます。 この承認作業は「マイニング(採掘)」と呼ばれ、過去の一連のブロック生成において不正がおこなわれていないことを証明する仕組みにもなっています。この仕組みはProof of Work(仕事の証明)と呼ばれ、ビットコイン(BTC)のブロックチェーンの安全性を担保するために大きな役割を担っています。 このマイニングを通じて新たに生成されるブロック内には、過去のトランザクションデータを暗号化した直前のハッシュ値と新たなトランザクションデータ、そし後述する「ナンス」によって構成されています。 このナンスとは「Number Used Once」の略称であり、マイナーが新たなブロックを追加するたびに生成する32ビットの数値です。前述の承認作業とはこれら直前のハッシュ値と新たなトランザクションデータ、ナンス値の整合性を膨大な計算を通じて確認し、承認することです。 この承認を通じて新たなブロックがブロックチェーンに追加され、マイニングを成功させたマイナーにはその報酬としてコインが支払われます。 ブロックチェーン技術の限界や危険性 ブロックチェーンには、既にご紹介してきたように改ざんなどを防ぐための安全性が担保される仕組みがあります。しかし、ここへきてブロックチェーンのシステム的な脆弱性を利用して盗み出されるハッキング事件が起こりました。 それが「モナコイン(MONA)のブロックチェーン書き換え事件」です。これまでのハッキング事件は、取引所への攻撃などによってコインが抜き去られるといったものが大半でした。 この事件は従来改ざんされることはないといわれてきたブロックチェーンの信頼性に、大きく影響するものでした。モナコインのブロックチェーンのシステム上の脆弱性は、今日まで根本的には解決されていません。したがって、今後も同じような事件が発生する可能性が残されています。 Selfish Mining(セルフィッシュ・マイニング) モナコインのハッキング事件はSelfish Mining(セルフィッシュ・マイニング)によってブロックチェーンのルールを悪用し、ブロックチェーンが不正に書き換えられたことで起きました。 マイナーによる承認作業の際に複数のブロックが承認されると、既存のブロックチェーンが分岐(フォーク)されることがあります。ブロックチェーンのルールを簡単にいえば、既存のブロックチェーンよりも長いブロックチェーンが承認されて生まれてくると、その長いほうのブロックチェーンが正しい結果であると認識されます。 すると、分岐の際に既存のブロックチェーンは無効化され、そこで「Reorg(巻き戻し)」と呼ばれる再編成が起きるようになっています。つまり、再編成によって既存のブロックチェーンに入れ替わるように新たなブロックチェーンが採用されてしまうことになります。 モナコイン事件の手口 モナコイン事件のハッカーは、まず海外の暗号資産取引所「Livecoin」にモナコインを送金してから他のコインに換金して出金しました。そしてハッカーはモナコインの承認をおこない、生成した多くのブロックをすぐに公開せずに一定期間隠し持っていました。 そしてある程度まとめて公開することで、まずは既存のブロックチェーンが分岐させました。そして次に既存のブロックチェーンよりも長いブロックチェーンにすることで、既存のブロックチェーンを無効化させました。 無効化されたほうのブロックチェーンにはハッカーがモナコインを使って購入した他の通貨の購入履歴やその後にその購入した通貨を出金したデータが記録されていましたが、無効化により消去されました。 この事件後、モナコインの価格は急落しました。日本国内の一部の暗号資産取引所ではモナコイン取引時に必要な承認回数を増やすなどの対策を発表したところもあります。しかし、新たなハッキング手段となったSelfish Miningなどの技術的な課題を克服する対策は見つかっていないのが現状です。 セキュリティ対策の方法や仕組み ブロックチェーンの安全上の課題はすぐには取り除くことができないため、ハッキングに対する防衛策を個別に講じる必要があります。 暗号資産取引所もそのためにセキュリティ対策を講じています。例えばその一つとして「マルチシグ」が挙げられます。 マルチシグとは マルチシグとは複数の秘密鍵を利用した公開認証方式のことです。マルチとは「複数」、シグは「署名」を表しており、秘密鍵が常に複数のあるのが特徴です。 これまでの個人認証は「パスワード認証方式」が主流で、予め設定したIDとパスワードを入力して個人を認証する方式です。しかし、秘密鍵がパスワード1つしかないこの方式では、個人の端末などにハッキングされると取引所内に保管している暗号資産が持ち出されてしまう可能性があります。 この点、マルチシグは複数の秘密鍵を、複数の場所に保管しておく仕組みがとられています。ハッカーは複数のそれぞれの端末に侵入して、すべての秘密鍵を入手しなければハッキングすることができません。 マルチシグを使えばハッキングしづらくなりますので、セキュリティ対策として非常に有効です。マルチシグで利用されている秘密鍵の数ですが、システムによって異なります。 一般的には「2 of 3」方式が採用 一般的なマルチシグは「2 of 3」と呼ばれる方式が採用されています。 この2 of 3では、3つの秘密鍵が設定されており、そのうちの2つの秘密鍵が揃えば認証される仕組みになっています。大方の2 of 3は、3つの秘密鍵のうちの1つが利用している暗号資産取引所で保管され、残りの2つの鍵は個人端末で保管されます。 そうすることで取引所が仮にハッキングされて保管していた秘密鍵が盗まれても、認証されるのを防いでくれます。反対に個人の端末で保管されている秘密鍵が盗まれても、同じように個人で保管されている秘密鍵と取引所で保管されている秘密鍵が揃わないので、ハッカーが盗難することができません。 マルチシグは、認証に必要な複数の秘密鍵を同時に盗むことが困難なために、非常に有効なセキュリティ対策といえます。しかし、それでも個人で2つの秘密鍵が1つの端末に保管されている場合、ハッカーが比較的簡単に侵入してしまう可能性もあります。 また、個人が端末に保管している2つの秘密鍵が端末の故障や破損などで失われたり、アクセスできなくなるリスクもあります。さらに取引所がハッキングにより秘密鍵の1つを盗まれると、シングルシグとなってしまい、上述のパスワード認証方式と同じセキュリティレベルになる可能性もあります。 このように、マルチシグだけでは完璧なセキュリティ対策とは言えないことは理解しておいたほうがいいでしょう。 コールドウォレットによる保管 続いて、マルチシグの限界をかなりのレベルで克服できるのが、コールドウォレットです。暗号資産を保有したら、マルチシグ対応の取引所を利用しつつ、合わせてコールドウォレットによる保管も大切になってきます。 このウォレットですが、常時ネットにつながった状態のものを「ホットウォレット」、ネットにつながっておらず、完全に隔離できるのが「コールドウォレット」になります。 ホットウォレットの特徴 ホットウォレットは暗号資産のお財布のように常にインターネット回線に接続されて、暗号資産取引がおこなえる状態になっています。したがって、暗号資産の売買や送金をリアルタイムで取引するのに便利です。 暗号資産取引所の多くが決済や送金用のアプリなどのサービスを提供し、リアルタイム取引ができるようにしています。しかし、常時ネット回線に接続されていることから、ハッカーによる侵入や保管している暗号資産の流出が起こるリスクが高くなります。 コールドウォレットの特徴 その点、オンラインから隔絶され、USBやペーパーなどで秘密鍵を保管するコールドウォレットは、ハッキングによる流出を防いでくれます。 コールドウォレットの場合、紛失や災害時などの消失のリスクには気をつける必要がありますが、ハッキング対策には非常に有効な手段となります。先ほどご紹介したモナコインの流出事件でも、コールドウォレットに保管していたユーザーのコインは流出を免れました。 暗号資産取引所はマルチシグ対応をしているところを選び、個人でもコールドウォレットなどを活用することで、ハッキングから自分の通貨を守るように心がけることが重要です。 SSL(Secure Sockets Layer)と二段階認証 続いて、SSLを利用している暗号資産取引所なら、基本的にはデータ通信も安心できると言えるでしょう。 SSLはインターネット上の暗号化技術で通信データを暗号化するためのプロトコル(通信方式)です。これによって悪意のある第三者に覗かれたり、個人情報を抜き去られるのを防いでくれます。 また、昨今では、セキュリティ向上のためにログイン時に「二段階認証」と呼ばれる方式を採用する取引所が増えています。 取引画面にログインする際に登録済みのメールアドレスとパスワード以外に、スマートフォン宛てにログインの都度発行されるワンタイムのパスワードの入力が必要になります。 二段階認証なら、たとえメールアドレスやパスワードの情報が盗まれても、アカウントにアクセスされて不正に出金されるなどの被害を防いでくれる可能性が高まります。取引所に登録後は必ず二段階認証を設定しましょう。 ブロックチェーンについてのまとめ この記事ではブロックチェーンの技術的な限界や危険性などについてお伝えするとともに現時点で取りうるセキュリティ対策についてお伝えしました。 暗号資産を保有する場合はマルチシグ対応の仕組みやコールドウォレット、二段階認証を上手く活用して資産を常に守る意識を持つ必要があります。 また、暗号資産に関するニュースなどを定期的にチェックして、セキュリティ面にも関心を持つように心がけるのが良いでしょう。