ビットコイン(BTC)や暗号資産に興味がある人のなかには、「具体的な使い方が知りたい」という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、ビットコインや暗号資産の使い方の事例や使う前の準備について、暗号資産の初心者の方にもわかりやすくご紹介します。
目次
ビットコイン(BTC)/暗号資産9つの使い方
最初に、すでに実用化されているビットコインと暗号資産の使い方についてご紹介します。
具体的には、以下の9つの用途があります。
- 送金
- 決済(実店舗、ネットショッピング)
- 公共料金の支払い
- 寄付
- 資金調達(ICO)
- アプリ開発などの「プラットフォーム」
- NFTの購入
- 海外では代替通貨や法定通貨として使われることも
- 投資・資産運用
それぞれどのような使い方なのか、順番に見ていきましょう。
送金
現在のところ1番期待されている仮想通貨の使い道としては、『送金手段』としての使い道が挙げられます。
例えば、ビットコインは相手のビットコインアドレスを指定するだけで金融機関を通さず個人間での送金が可能です。
ビットコインアドレスが銀行口座のような役割を果たし、基本的に取引所からでもウォレットからでも手軽に送金できます。
また、単に「仮想通貨も法定通貨のように送金が可能」というだけではなく、特に海外送金においては、銀行などの金融機関から法定通貨を送金する場合と比べて多くのメリットがあると言われています。
ビットコイン送金の具体的なメリットは、手続きが簡単で送金スピードが速く、かつ手数料が安いというところです。
<金融機関からの送金とビットコイン送金の比較>
金融機関からの送金 | ビットコイン(BTC)の送金 | |
---|---|---|
手続き | 煩雑で複雑な手続きが必須(いくつかの銀行を経由するため) | ビットコインアドレスと送金量を指定するだけ |
送金スピード | 数日、もしくは数週間かかる | 十分〜程度 |
手数料 | 数百円〜千円程度 | 数十円前後 |
※送金する国や状況によって時間や手数料は上下します
また、ビットコイン以外のXRP(リップル)やネム(XEM)などの仮想通貨においても、送金手段としての使い道が期待されています。
特にXRP(リップル)は国際送金を3.3秒で完了させ、手数料もほぼ0円で行える、送金に特化した仮想通貨です。
参考:How XRP Stacks Up Against Other Digital Assets
本格的な実用化はこれからですが、日本の大手銀行もXRP活用プロジェクトに参加しているなど、既存の送金システムを覆す役割を果たすことが期待されています。
このように、仮想通貨は送金手段としてすでに利用されているだけでなく、さらなる普及が見込まれているのです。
決済(実店舗、ネットショッピング)
暗号資産は、買い物やサービスの「決済手段」としての使い道があります。
2017年4月1日施行の「改正資金決済法」において、仮想通貨は正式な決済手段として法的に認められました。
現在は、電子マネーやクレジットカードでの決済と同じように、多くの実店舗やネットショップで仮想通貨による決済ができるようになっています。
実店舗で利用する
例えば、ビットコインは下記のような実店舗で決済手段として使うことが可能です。
ビットコインで決済できる主な店舗※2021年12月時点 | 詳細 |
---|---|
ビックカメラ | 注文金額が10万円まで、全店舗でビットコインでの決済が可能 |
HIS | 都内9拠点33店舗でビットコイン決済を導入 |
メガネスーパー | 全店舗でビットコイン決済を導入 |
コジマ | 一部店舗のみ |
ソフマップ | 一部店舗のみ |
ビットコインでの支払いに対応している実店舗は、家電量販店などが挙げられます。
暗号資産は決済手数料が安いため、ビットコイン決済に対応する実店舗は世界中で増加傾向であることが特徴です。実店舗でビットコイン決済するためには、事前にスマートフォンなどにウォレットアプリをダウンロードしておく必要があります。
決済する際に指定されたQRコードを読み取り、店舗側に送金する仕組みになっています。スマホをかざすだけで決済が可能であるため、パスモのようなイメージで使用でき手軽に買い物を楽しむこともできます。
クレジットカードのように、暗証番号を入力したりサインをしたりする必要もありません。
ネットショッピングで利用する
暗号資産での決済が可能なネットショップも、世界的には増加傾向だといえます。ビットコイン決済に対応しているネットショップには、Bitcoinmall(ビットコインモール)などが挙げられます。
Bitcoinmallでは生活家電やパソコン、生活雑貨やおもちゃなど幅広い商品を取りそろえていることが特徴です。送料が無料であるため、他のネットショップよりも利用しやすいといえます。
価格表記が日本円ではなく、「BTC」や「MONA」などの暗号資産の単位で表示されているケースもあるため注意しましょう。ネットショップ内には、暗号資産レートなども表示されています。
価格変動によっては日本円よりもお得な買い物ができるケースもあるため、自身でビットコインの価格変動を見極める必要があります。
公共料金の支払い
暗号資産は、「公共料金の支払い手段」としての使い道があります。
例えば、Coincheck(コインチェック)では、「Coincheckでんき」というサービスを開始していて、ビットコイン(BTC)で電気代を支払うことが可能です。
ビットコインで決済する場合に既存の電気サービスと比べて1〜7%割引されるプランだけでなく、電気代金の1〜7%をビットコインとして貯められるプランも用意されています。
さらに、2019年10月4日からは「Coincheckガス」というサービスを新たに提供し始め、ガス料金においてもビットコインでの支払いが可能になりました。
ビットコインで決済する場合に、使用料金が3%割引されるプランや、ガス料金の3%がビットコインで貯められるプランが用意されています。
※株式会社イーネットワークシステムズ(ENS)と丸紅グループの電力会社「丸紅新電力」が提携し、電気を供給しております。 参考:三ッ輪産業株式会社
Coincheckでんきの詳細は以下をご覧ください。
寄付
暗号資産には、「寄付手段」としての使い道もあります。
暗号資産での寄付は、ブロックチェーンの性質上「誰から誰へ寄付したか」が一目瞭然で寄付の透明性が高く、法定通貨による寄付と比べて手数料が安いといったメリットがあります。
これまで、法定通貨による寄付には下記のような問題がありました。
- 寄付の使い道が不透明で、本当に必要な人に寄付が届いているのか分からない
- 少額の寄付金では手数料の方が高くついてしまうために、手軽に寄付できない
暗号資産による寄付は、これらの問題を解決できるため、本格的な実用化が期待されているのです。
現在のところは、NPO法人や赤十字などでビットコインでの寄付を受け付けている事例があります。
資金調達(ICO)
暗号資産には、「資金調達手段」としての使い道もあります。
例えば、企業が資金調達をしたい時に独自の「トークン」を発行し、投資家がイーサリアム(ETH)などの暗号資産で「トークン」を購入するICO(Initial Coin Offering)と呼ばれる資金調達方法があります。
投資家は、トークンを持っていることで企業が提供するサービスを受けられたり、のちに売買することで利益を得られたりします。
ICOを行うことで企業は資金調達を迅速に行えて、プロジェクトや新しい技術の開発につなげられ、投資家は企業を応援しながら利益を得られるメリットがあります。
ただし、ICOは、価値のないトークンを発行して仮想通貨を集めるなど、詐欺に近い形で使われることもあるので注意が必要です。
金融庁からもガイドラインを出して注意を呼びかけるなど、投資家を守るためのICOにかかわる環境整備が進められているところです。
アプリ開発などの「プラットフォーム」
ここまで紹介してきた「送金」や「決済」といった法定通貨のような使い道とは大きく異なりますが、暗号資産には、アプリケーションの基盤などになる「プラットフォーム」としての使い道があります。
少し想像しにくいかもしれませんが、暗号資産には新しい技術が搭載されているので、その技術を応用してゲームアプリや便利なシステムを作ることが可能なのです。
プラットフォームとして利用できる暗号資産の代表としてはイーサリアムが挙げられ、イーサリアムは、すでに取引所やゲームの根幹のシステムとして使われています。
イーサリアム以外の暗号資産も、下記一覧表のようにプラットフォームとしての使い道があります。
暗号資産 | プラットフォームとしての主な使い道 |
---|---|
イーサリアム(ETH) | アプリケーションの基盤になる暗号資産。契約内容記録や自動実行が可能なスマートコントラクトという技術が注目されている。すでにゲームアプリや分散型取引所での活用事例がある。 |
イーサリアムクラシック(ETC) | アプリケーションの基盤になる暗号資産。IoT分野への活用が期待されている。 |
リスク(LSK) | アプリケーションの基盤になる暗号資産。本格的な実用化はこれから。 |
ネム(XEM) | 新たな経済圏を作ることを目的に開発。日本では電力取引プラットフォームにネムのブロックチェーンが利用されている。また、医療分野での応用プロジェクトなども進行中。 |
アイオーエスティー(IOST) | Dapps(分散型アプリケーション)を開発できるブロックチェーンプラットフォーム。 |
エンジンコイン(ENJ) | 2,000万人以上が利用しているプラットフォーム「Enjin」で利用される暗号資産。Enjinは、ブロックチェーンゲーム用のプラットフォーム。 |
プラットフォームとして利用できる暗号資産は機能が多様で、ビジネスへの活用だけでなく、行政サービスや人道支援の場での活用も期待されています。
NFTの購入
暗号資産には、「NFT(Non-Fungible Token)の決済手段」としての使い道もあります。
NFTとは、主にイーサリアムのブロックチェーン上で構築できる代替不可能なトークンのことです。NFTの登場により、データや権利など物質として存在しないものにも一点物としての価値を与えることができるようになりました。
NFTはゲームやアート、不動産や会員権などさまざまな分野で活用されていますが、NFTを購入するには決済時にイーサリアムなどの暗号資産が必要になります。NFTの取引はMetaMaskなどの暗号資産用のウォレットを使って行うのが一般的ですが、取引成立時には購入者のウォレットから販売者へのウォレットへ、購入金額分の暗号資産が自動的に振り込まれるようになっています。
Coincheckが運営するNFTマーケットプレイス「Coincheck NFT」では、『The Sandbox』、『Crypto Spells』、『Sorare』、『Meebits』など多数のNFTタイトルを取り扱っています。
NFTの取引に興味をお持ちの方は、ぜひCoincheck NFTのご利用をご検討ください。
海外では代替通貨や法定通貨として使われることも
海外では代替通貨や法定通貨としての使い道もあります。
例えば、ベネズエラでは2018年に政府主導で暗号資産「ペトロ」が発行されました。
アメリカの経済制裁などによって、深刻な経済危機に陥っていたベネズエラの再建のために発行された暗号資産が「ペトロ」です。
様々な問題はありますが、現在もベネズエラ政府主導により、年金やボーナスを暗号資産「ペトロ」で支払うといった政策が取られるなど、自国の法定通貨の代わりのように使われているようです。
また、2021年には中央アメリカの小国「エルサルバドル」が世界で初めてビットコインを法定通貨として採用し、大きな話題となりました。
同国がビットコインを法定通貨化した理由としては、海外から送金の促進と金融包摂の推進が挙げられます。エルサルバドルでは国民の約7割が銀行口座などを持っておらず、従来の金融サービスを利用できない状態が続いています。そこでビットコインを法定通貨化することで、金融面での国民の利便性を向上させるのが目的といわれています。
ベネズエラやエルサルバドルの事例は特殊で、現在のところ仮想通貨が代替通貨や法定通貨として使われることはほとんどありません。
ただ、今後実用化が進めば、暗号資産を代替通貨や法定通貨として使う国も増えてくるかもしれません。
投資・資産運用
最後に、一般的に知られている「投資対象」としての使い道があります。
投資もしくは投機対象としての側面が、多くの人が認識している主な仮想通貨の使い道と言えます。
2021年の11月には、ビットコインは過去最高値となる6万7,000ドル(約770万円)を記録しました。同年1月には約3万ドルだった価格が、わずか11ヶ月ほどで2倍以上も値上がりしたことに驚いた方も多いのではないでしょうか?
マネックス証券 チーフアナリストの大槻奈那氏は、暗号資産はボラティリティ(価格の変動率)が大きいので、ポートフォリオに1%〜5%ほど組み入れるだけでそれなりのリターンが期待できると述べています。
大槻氏は、2020年にコインチェックが行ったインタビューで暗号資産投資について次のように説明しています。
個人的におすすめなのは、投資できる資金の1%〜5%ほどを暗号資産に充てるやり方です。暗号資産は、ボラティリティが他の金融資産の数倍〜10倍ほどあります。 ある日、日経平均が1%上がったときに、暗号資産は最大で10%くらい上がるほどボラがある。それくらいボラがあるということは、同じだけの利益を得るための元本が、他の資産の数分の一程度でいいということになります。
引用:「ビットコイン200万円超。価格高騰の背景にあるものとは」マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻奈那氏インタビュー
ビットコインをはじめとする暗号資産を購入するには、まず暗号資産取引所で口座開設(登録)をする必要があります。国内最多クラスの暗号資産を扱うCoincheckの登録方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
ビットコイン(BTC)を使う前に用意するべき「ウォレット」とは?
ビットコインを使う際には、「ウォレット」を用意するのが一般的です。この段落では、ビットコインを使う前に用意するべき「ウォレット」について解説します。
暗号資産におけるウォレットとは、通貨を安全に保管するツールのことを指します。ウォレットという名の通り、暗号資産用の電子財布として利用できることが特徴です。
ウォレットは暗号システムを用いて、ウォレット内に保管している暗号資産を守るためのシステムになっています。ウォレット内で実際に保管しているのは、暗号資産そのものではなく「秘密鍵」と呼ばれるものです。
秘密鍵は、ビットコインを取引するための暗証番号の役割を担っています。ウォレットには多くの種類があり、使い勝手やセキュリティの強度にはそれぞれ違いがあります。
そのため、自身の目的に応じて使い分けるようにしましょう。
暗号資産のウォレットの種類と特徴
ウォレットは、大きくはホットウォレットとコールドウォレットに分けることができます。
ホットウォレットはオンラインでネットワークにつながっているため、ハッキングを受けるリスクがあります。クラウド上で管理するオンラインウォレットやスマホ用アプリを使用するモバイルウォレット、パソコンにウォレットをインストールするデスクトップウォレットなどはホットウォレットに分類されます。
反対に、コールドウォレットはオフライン管理であるため、安全性が高いことが特徴です。USB状のデバイスなどを使用するハードウォレットや紙に印刷して保管するペーパーウォレットなどは、コールドウォレットに分類されます。
暗号資産を安全に保管したい場合には、コールドウォレットを使用するのが一般的です。ウォレットのなかでも高額なのはハードウォレットですが、利便性が高く持ち運びしやすいというメリットがあります。
詳しくはこちら:暗号資産(仮想通貨)のウォレットとは?特徴や種類は?
暗号資産のウォレットを使うメリット
ここでは、ビットコインなどの暗号資産をウォレットに保管するメリットについて解説します。
1. 暗号資産を分散して保管できる
1つ目のメリットは、暗号資産を分散して保管できることです。セキュリティレベルのより高いウォレットを選べば、ハッキングリスクも抑えられます。
2. 送金や残高照会がスムーズに素早く行える
2つ目のメリットは、送金や残高照会がスムーズに素早く行えることです。スマホのウォレットを利用すれば、より簡易的に残高照会などが行えるでしょう。
3. カウンターパーティーのリスクを抑えられる
3つ目のメリットは、カウンターパーティーのリスクを抑えられることです。カウンターパーティーとは、暗号資産の取引所や取引相手などのことを意味します。
暗号資産の取引所などが万が一ハッキングなどによって閉鎖した場合、自身の暗号資産を取り出せなくなるといったリスクを軽減することが可能です。
ビットコイン/暗号資産の使い方を把握すればデジタル通貨を活用可能
一般的にビットコインの用途は投資や資産運用というイメージが強いかもしれませんが、実店舗やネットショッピングでの利用、海外送金など、使い道は数多くあります。
さまざまな使い道を検討している場合には、暗号資産を安全に保管できるウォレットも導入することが大切です。次世代のデジタル通貨として、国内外から注目されるビットコインや暗号資産を上手に活用するようにしましょう。
Coincheckでは、ビットコインをはじめとする暗号資産を500円から購入することができます。ビットコインに興味が芽生えた方は、まずはCoincheckに口座開設をしてみてはいかがでしょうか。