ラップドビットコイン(WBTC)とは、ビットコイン(BTC)と1:1にペッグするように設計されたイーサリアム上のERC-20トークンです。
※ラップドビットコイン(WBTC)は1WBTC=1BTCを目標価格として設定しており、実際に1BTC付近で価格が推移していますが、相場の変動等により目標価格に対して大きく下落する可能性があります。
ビットコイン(BTC)のスマートコントラクトを作成し、 ERC-20形式に標準化することでイーサリアムエコシステムに大きな流動性をもたらすことを目的とし、BitGoやKyber NetworkといったDeFi(分散型金融)・暗号資産業界の主要な企業・組織によって開発されました。現在はWBTC DAOと呼ばれる分散型自律組織によって管理されています。
今回の記事では、2023年10月11日からCoincheckで取扱いを開始するラップドビットコイン(WBTC)について解説します。
目次
ラップドビットコイン(Wrapped Bitcoin/WBTC)とは
ラップドビットコイン(WBTC)とは、ビットコイン(BTC)と1:1にペッグするように設計されたイーサリアム上のERC-20トークンです。
※ラップドビットコイン(WBTC)は1WBTC=1BTCを目標価格として設定しており、実際に1BTC付近で価格が推移していますが、相場の変動等により目標価格に対して大きく下落する可能性があります。
ビットコインのスマートコントラクトを作成することでイーサリアムエコシステムに大きな流動性をもたらすことを目的とし、BitGoやKyber NetworkといったDeFi(分散型金融)・暗号資産業界の主要な企業・組織によって開発されました。
通貨名 | ラップドビットコイン |
ティッカーシンボル | WBTC |
発行可能上限数 | 上限なし(ビットコインに依存) |
コンセンサスアルゴリズム | Proof of Stake(Ethereum) |
時価総額ランキング(2023年8月時点) | 16位 |
公式サイト | https://wbtc.network/ |
ラップドビットコイン(WBTC)の仕組み
ラップドビットコイン(WBTC)は1WBTC=1BTCを目標価格として設定している暗号資産です。ラップドビットコイン(WBTC)はカストディアンと呼ばれる機関によって発行され、以下3つの仕組みによって市場に出回るラップドビットコイン(WBTC)の供給量を調整しています。
Receving(受信)
ラップドビットコイン(WBTC)は、ユーザーが取引所などのマーチャント(販売元)にトークンを要求することでラップドビットコイン(WBTC)とビットコイン(BTC)を交換できます。
マーチャントはユーザーの身元を証明するためのKYC/AML認証を行い、身元が確認できるとユーザーからマーチャントにビットコイン(BTC)を転送し、マーチャントからユーザーにWBTCを転送してスワップを行います。
Minting(鋳造)
Minting(鋳造)とは新しいラップドビットコイン(WBTC)を作成するプロセスを指します。Mintingはマーチャントの要求によって開始され、発行元であるカストディアンはマーチャントが必要とするだけのラップドビットコイン(WBTC)をアドレスに送付します。
Burning(燃焼)
Burning(燃焼)とは、保管しているビットコイン(BTC)をラップドビットコイン(WBTC)に引き換える(買い戻す)アクションで、マーチャントアドレスのみ実行が可能です。
Burningされたラップドビットコイン(WBTC)がマーチャントのアドレス残高から差し引かれ、その金額分のビットコイン(BTC)がカストディアンからマーチェントへ送られることで、ラップドビットコイン(WBTC)の市場の供給量が減少します。
ラップドビットコイン(Wrapped Bitcoin/WBTC)の特徴・メリット
ラップドビットコイン(WBTC)の特徴やメリットとして、以下の2つが挙げられます。
- ビットコインの価格に連動する暗号資産
- ERC-20規格で発行され、ビットコインの利便性が拡大
それぞれ詳しくみていきましょう。
ビットコインの価格に連動する暗号資産
ラップドビットコイン(WBTC)は、ビットコインの価格と1:1にペッグされるように設計された暗号資産です。
※ラップドビットコイン(WBTC)は1WBTC=1BTCを目標価格として設定しており、実際に1BTC付近で価格が推移していますが、相場の変動等により目標価格に対して大きく下落する可能性があります。
引用:Coingecko
上記のチャートからも同期間でのラップドビットコイン(WBTC)とビットコイン(BTC)の値動きや価格帯は、連動していることが見て取れます。
ERC-20規格で発行され、ビットコインの利便性が拡大
またラップドビットコイン(WBTC)の大きな特徴として、ERC20規格で発行されている点が挙げられます。
これまでビットコインはスマートコントラクトに対応していなかったことから、主なユースケースは「保有」「決済」の2つと非常に限られていました。
しかし、ラップドビットコイン(WBTC)はERC-20規格の暗号資産であり、イーサリアムブロックチェーン上で構築されているため、業界シェアの多くを占めるイーサリアム(ERC-20規格)に対応したアプリやサービスで管理できます。またラップドビットコイン(WBTC)は、ダイ(DAI)やチェーンリンク(LINK)などの他のERC20トークンと分散型取引所(DEX)を介して交換することも可能です。
このように、ラップドビットコイン(WBTC)は利便性が高く、今後のユースケースの拡大にも期待できると言えるのではないでしょうか。
ラップドビットコイン(Wrapped Bitcoin/WBTC)の将来性
ラップドビットコイン(WBTC)の将来性には次の2つの要素が大きく関係してくるでしょう。
- ビットコインの将来性
- ステーブルコインへの信頼
ビットコインの将来性
ラップドビットコイン(WBTC)は、ビットコイン(BTC)の価格に連動する暗号資産であることから、その値動きや将来性はビットコインに依存するものと考えられています。この機能をラップドビットコイン(WBTC)が持ち続ける限り、ビットコイン(BTC)が長期的に上昇すればその恩恵を受けられるでしょう。
ステーブルコインへの信頼
また、ラップドビットコイン(WBTC)はビットコイン(BTC)の価格に連動する暗号資産であることから「ビットコインのステーブルコイン」と認識されることが多く、このことから暗号資産市場全体におけるステーブルコインへの不信感がラップドビットコイン(WBTC)に悪影響を及ぼす可能性があります。
※ラップドビットコイン(WBTC)は1WBTC=1BTCを目標価格として設定しており、実際に1BTC付近で価格が推移していますが、相場の変動等により目標価格に対して大きく下落する可能性があります。
法定通貨担保型の事例にはなりますが、実際に2018年にUSDTの発行元であるテザー社が、ステーブルコインに裏付けられた資金以上にテザーを市場に供給しているのではないかという疑惑が生じた「テザー疑惑」では、取り付け騒ぎが起こり、USDTの価格が大幅に下落しました。
ステーブルコインとして機能しなくなり無価値となる不安は、暗号資産全体に及んでいるため、マイナスイメージの払拭も今後の課題となるでしょう。
ラップドビットコイン(Wrapped Bitcoin/WBTC)の購入方法
暗号資産ラップドビットコイン(WBTC)はCoincheckにて購入することが可能です。Coincheckでは、販売所とつみたてでの取り扱いがあります。
ここでは、WBTCをCoincheckの販売所で購入する方法を解説します。
※Coincheckで暗号資産を購入するには、事前に口座開設を完了させておく必要があります。口座開設の詳しいやり方は、以下の記事をご覧ください。
スマホアプリで暗号資産ラップドビットコイン(WBTC)を購入する方法
Coincheckのスマホアプリを使って暗号資産ラップドビットコイン(WBTC)を購入する方法を紹介します。具体的な手順は以下の通りです。
- 1.画面下メニューの「販売所」をタップする
- 表示されたコインの中から「ラップドビットコイン(WBTC)」をタップする
- 3.「購入」をタップする
- 4. 購入金額を入力し、「日本円でラップドビットコイン(WBTC)を購入」→「購入」をタップする
スマホアプリを使うと、時間や場所を問わず、わずかこれだけの操作で取引を完了できます。
※WBTCは2023年10月11日からCoincheckで取扱いを開始します
パソコンで暗号資産ラップドビットコイン(WBTC)を購入する方法
Coincheckはスマホアプリが便利ですが、パソコンを使っても暗号資産を購入できます。パソコンで暗号資産ラップドビットコイン(WBTC)を購入する際の手順は、以下の通りです。
- 1. Coincheckにログインして、画面の上にある「ウォレット」を選択する
- 2. ウォレットページで「コインを買う」をクリックして、「ラップドビットコイン(WBTC)」を選択する
- 3.WBTCの購入数量を指定し、表示された時価に基づいた購入金額を確認する
- 4.「OK」をクリックして購入完了
パソコンを使う場合でも、スマホアプリと同じく、簡単な操作で取引できます。パソコンはスマホよりも画面が大きく、見やすいのが魅力です。