ソラナ(SOL)は、DApps(分散型アプリ)の開発環境を提供することを目的に開発されたブロックチェーン・プラットフォームです。
高速・低コストで利用できるソラナはすでに多くの企業・エンジニアから利用されており、NFTやDeFi、DAOなどの分野で実用化が進んでいます。また、ソラナのブロックチェーン上で使用される暗号資産「SOL(ソル)」も時価総額で12位(※)にランクインするなど、投資家の間で高い人気を誇っています。
この記事では、ソラナの特徴・メリット、過去の価格推移、将来性、購入できる取引所などについて初心者の方に向けて解説していきます。
※2023年2月20日時点、CoinGecko調べ
目次
ソラナ(Solana/SOL)とは
ソラナは、DApps(分散型アプリ)の開発環境を提供することを目的に開発されたブロックチェーン・プラットフォームです。2017年にロシアのコンピューターエンジニアであるAnatoly Yakovenko氏によって考案されました。
そして、プラットフォーム内で使用される暗号資産を「SOL(ソル)」と言います。SOLは、ソラナブロックチェーン上での手数料の支払いやステーキングなどで使用されます。
通貨名 | ソラナ(Solana) |
ティッカーシンボル | SOL |
発行上限枚数 | なし |
リリース | 2020年3月 |
用途 | ソラナブロックチェーンの基軸通貨 |
コンセンサスアルゴリズム | PoS(Proof of Stake)、PoH(Proof of History)、Tower BFT |
価格(2023年2月20日時点) | 約3,300円 |
時価総額ランキング(2023年2月20日時点) | 12位 ※CoinGecko調べ |
過去最高値 | 29,483円(2021年11月 )※CoinGecko調べ |
公式サイト | https://solana.com/ja |
ソラナ(Solana/SOL)の特徴・メリット
ソラナ(SOL)の特徴・メリットとしては、主に次の5つが挙げられます。
- 処理速度が速く、取引コストが低い
- DApps(分散型アプリ)開発のプラットフォーム
- 発行上限がない
- 他のブロックチェーンと相互運用が可能
- ステーキング報酬を得られる
どのような内容なのか、順番に解説していきます。
処理速度が速く、取引コストが低い
1つ目の特徴は、「処理速度が速く、取引コストが低い」点です。
トランザクションの混雑状況により多少変動はしますが、ソラナは1秒につき3,000〜5,000件程度の取引を処理することが可能です。ビットコインが1秒あたり6件、イーサリアムが1秒あたり15件程度の処理速度だと言われていることを考えると、いかにソラナの処理能力が優れているかがわかります。
さらに、ソラナはこのような高速な取引を1件につき0.00025ドルという安い手数料で処理することが可能です。このような高い処理性能を持つことから、ソラナはDApps(分散型アプリ)だけでなく決済分野での活用も期待されています。
1秒あたりの取引処理数 | ブロック生成速度 | |
---|---|---|
ソラナ | 3,000〜5,000件程度 | 約0.4秒 |
ビットコイン | 6件程度 | 約600秒 |
イーサリアム | 15件程度 | 約15秒 |
参考:Solana | Web3 Infrastructure for Everyone
DApps(分散型アプリ)開発のプラットフォーム
2つ目の特徴は、「DApps開発のプラットフォーム」である点です。
ソラナはイーサリアムと同じように、人の手を介さずに自動で契約内容を実行できるスマートコントラクト機能を搭載しています。そのため、ブロックチェーン技術が使われた分散型アプリケーション「DApps(Decentralized Applications)」の開発プラットフォームとして、多くのエンジニアから利用されています。
発行上限がない
3つ目の特徴は、「発行上限がない」点です。
多くの暗号資産では、発行数量に上限を設定しています。例えばビットコイン(BTC)の場合には、2,100万枚という発行上限が設定されています。
これは通貨が市場に流通しすぎて希少性が下がり、価値が下落するのを防ぐためです。そのためビットコインなどの発行上限がある通貨では、一定のペースで上限に到達するようにインフレ率(新規通貨の増加率)がプログラムで設定されています。
その点、ソラナには発行上限がないため、際限なく発行してしまうと通貨の価値が下がってしまうという問題を抱えています。この問題を解消するため、ソラナではインフレ率を毎年一定の割合で低下させるという対策を講じています。つまり、新規の発行数を制限することで、通貨の価値が下落するのを防いでいるのです。
以下は、ソラナのインフレスケジュールを表したグラフです。リリース初年度の8%から徐々にインフレ率は低下していき、10年目からは1.5%で固定されるように設計されています。
引用:Solana's Proposed Inflation Schedule
他のブロックチェーンと相互運用が可能
4つ目の特徴は、「他のブロックチェーンと相互運用が可能」な点です。
ビットコインなどの独立したブロックチェーンの場合、異なるブロックチェーンとの相互運用性がないため、チェーン間で通貨を交換するには取引所を仲介する必要があります。
その点、ソラナには他のブロックチェーンとの相互運用性があるため、チェーン同士でダイレクトに通貨の交換を行うことが可能です。例えばイーサリアムとは、「Wormhole」と呼ばれるブリッジ機能を使うことでチェーン間でトークンを往来させることが可能です。
ステーキング報酬を得られる
5つ目の特徴は、「ステーキング報酬を得られる」点です。
ソラナは、コンセンサスアルゴリズムの1つにPoS(Proof of Stake)を採用しています。PoSでは、トークンの保有量によってトランザクションのバリデーター(承認者)が決定します。そして、バリデーターには取引の検証・承認のインセンティブとしてステーキング報酬が与えられます。
暗号資産取引所の中には、この仕組みを利用してステーキングサービスを行っているところがあります。ユーザーは自身が保有するソラナを取引所に預け入れ、取引所はそれを利用してバリデーターになります。そして後日、獲得したステーキング報酬を預け入れた数量に応じてユーザーに分配するのです。
こうしたサービスに参加することで、トークンの保有量が少ないユーザーでもステーキング報酬を受け取ることができます。
ソラナ(Solana/SOL)のこれまでの価格推移
引用:CoinGecko
上の画像は、リリース当初(2020年4月)から現在(2023年2月下旬)に至るまでのソラナ(SOL)のチャートです。
リリースから2020年12月まで60円〜100円台で推移していたソラナは、2021年に入ると大きく上昇し、同年4月には5,000円を記録します。その後一旦価格は下落しますが、8月になると再び高騰し、一気に10,000円を突破します。
そして、同年11月にはこれまでの最高値である29,483円を記録します。2021年末に約150円だったソラナは、11ヶ月間で約200倍も価格が上昇したことになります。
なおこの時期における高騰は、主要各国がコロナ対策の一環として大規模な金融緩和を実施したことにより過剰流動性が生まれ、その資金の一部が暗号資産市場にも流入したことが要因とされています。また、ソラナのブロックチェーン上で多くのDAppsが開発されたことも、価格上昇に大きな影響を与えたと考えられます。
しかし、2022年になるとロシアによるウクライナ侵攻などにより資源価格が高騰し、インフレ懸念が台頭してきます。そして、これを受けて各国政府が金融引き締め政策に転じたことにより、金融市場は一気に冷え込み始めます。
この影響により、2022年の1月初旬に約20,000円だったソラナは、同年末には1,000円台まで下落します。
2023年の価格推移
引用:CoinGecko
2023年に入ると、市場全体が回復基調に転じたことも手伝い、ソラナの価格は緩やかに上昇していきます。そして、2022年12月末に約1,300円だったソラナの価格は、2023年2月下旬現在は約3,200円まで回復しています。
「ソラナの価格は今後どうなっていくのか?」
次の章では、ソラナーの今後を左右する重要なポイントについて解説していきます。
ソラナ(Solana/SOL)の将来性・今後の動向
ソラナ(SOL)の将来性を占う上で重要なポイントとしては、以下の4つがあります。
- ソラナを基盤としたDAppsの増加
- 多くの有名企業と提携を結んでいる
- NFT、DeFiなどの分野で実用化が進んでいる
- Neon EVMによりイーサリアムのDAppsを使用できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ソラナを基盤としたDAppsの増加
1つ目のポイントは、「ソラナを基盤としたDAppsの増加」です。
処理速度が速く手数料が安いソラナは、DApps(分散型アプリ)開発のプラットフォームとしてすでに多くのエンジニアから利用されています。今後さらにソラナ上で開発・運営されるDAppsの数が増えていけば、それに伴いDAppsの決済やネットワーク手数料の支払いなどで使用されるソラナ(SOL)の需要も上昇していくことが考えられます。
なお、ソラナを基盤として開発されたDAppsには次のようなものがあります(2023年2月時点)。
・STEPN(NFTゲーム) ・Magic Eden(NFTマーケットプレイス) ・Raydium(分散型取引所) ・Tap Fantasy(NFTゲーム) ・MeanFi(DeFiプロジェクト)など |
多くの有名企業と提携を結んでいる
2つ目のポイントは、「多くの有名企業と提携を結んでいる」点です。
2023年2月の時点で、ソラナは以下のような企業と提携を結んでいます。
- Meta
- Brave
- CIRCLE
- Discord
- Jump Crypto
このように複数の世界的企業と提携を結んでいることからも、ソラナの将来性の高さをうかがい知ることができます。今後さらに多くの企業と提携を結ぶことができれば、ソラナの需要や知名度がより高まることが考えられます。
NFT、DeFiなどの分野で実用化が進んでいる
3つ目のポイントは、「NFT、DeFiなどの分野で実用化が進んでいる」点です。
ブロックチェーンとして高い性能を持つソラナは、DAppsの開発プラットフォームとしてNFTやDeFi、DAOなどさまざまな分野での実用化が進んでいます。
NFT
2023年2月24日の時点で、ソラナ上で展開されているNFTプロジェクトは506個あり、トータルで2,000万点以上のNFTが発行されています。さらに、Magic EdenやSolSea、Solanartなど、ソラナを基盤として開発されたNFTマーケットプレイスも複数存在します。
ソラナを基盤に開発されたNFTプロジェクトには、以下のようなものがあります。
・STEPN ・Degenerate Ape Academy ・CryptoKickers ・Solana Monkey Business ・Star Atlas など |
DeFi
2023年2月24日の時点で、ソラナ上で展開されているDeFiプロジェクトは167個あり、トータルで110億ドル以上の資金が預け入れられています。
ソラナを基盤に開発されたDeFiプロジェクトには、以下のようなものがあります。
・Orca ・Drift Protocol ・Jupiter Aggregator ・Raydium ・Mango Markets など |
このように、ソラナはNFTとDeFiを中心にさまざまなプロジェクトに利用されています。こうした実用性の高さも、ソラナの需要を高めている要因と言えるでしょう。
Neon EVMによりイーサリアムのDAppsを使用できる
4つ目のポイントは、「Neon EVMによりイーサリアムのDAppsを使用できる」です。
Neon EVMとは、ソラナにEVM(イーサリアム仮想マシン)との互換性を持たせるための機能のことで、2022年の12月にローンチされました。Neon EVMが誕生したことにより、イーサリアムのDApps(分散型アプリ)をソラナのブロックチェーン上でも利用できるようになりました。
ブロックチェーンの中でも、展開されているDAppsの数がもっとも多いイーサリアムとの互換性ができたことにより、ソラナの利便性は大幅に向上しました。
【2023年】ソラナ(Solana/SOL)の価格予想
ソラナ(SOL)に興味をお持ちの方は、今後ソラナの価格がどのように変化していくのかに関心があるのではないでしょうか。
暗号資産の価格予想を行っている海外のサイトでは、2023年のソラナの価格を以下のように予想しています。
・Price Prediction → 最低価格 = 36.74ドル(約4,923円)、最高価格 = 42.84ドル(約5,740円) ・DigitalCoinPrice → 最低価格 = 23.6ドル(約3,162円)、最高価格 = 57.69ドル(約7,730円) ・TechNewsLeader → 最低価格 = 32.91ドル(約4,409円)、最高価格 = 38.86ドル(約5,207円) ※2023年2月21日の為替レートで計算 |
現在(2023年2月21日)、ソラナの価格は約3,540円です。海外サイトの多くは、ソラナは2023年中に最大で5,000円〜8,000円程度まで上昇すると考えているようです。
※本記事はソラナ(SOL)の価格上昇を保証するものではありません。予想に反して損失を被る可能性もあるため、投資はご自身の判断と責任において行ってください。
ソラナ(Solana/SOL)を購入できる暗号資産取引所
ソラナ(SOL)を取り扱っている取引所としては、主に以下が挙げられます(2023年2月20日時点)。
-
【国内】
- GMOコイン
- SBI VCトレード
-
【海外】
- Binance
- Coinbase
- Upbit
- KuCoin
- DigiFinex など
※2023年2月20日現在、Coincheckではソラナ(SOL)を取り扱っていません。
ソラナ(Solana/SOL)に関するQ&A
ソラナ(SOL)に関するよくある疑問を、Q&A形式でご紹介します。
Q.ソラナ(SOL)とは何ですか?
ソラナは、DApps(分散型アプリ)の開発環境を提供することを目的に開発されたブロックチェーン・プラットフォームです。
そして、プラットフォーム内で使用される暗号資産を「SOL(ソル)」と言います。SOLは、ソラナブロックチェーン上での手数料の支払いやステーキングなどで使用されます。
Q.ソラナ(SOL)の過去最高値はいくらですか?
ソラナの過去最高値は、29,483円です(2021年11月 ※CoinGecko調べ)。
Q.ソラナ(SOL)にはどんな特徴がありますか?
ソラナの特徴としては、主に次の5つが挙げられます。
- 処理速度が速く、取引コストが低い
- DApps(分散型アプリ)開発のプラットフォーム
- 発行上限がない
- 他のブロックチェーンと相互運用が可能
- ステーキング報酬を得られる
Q.ソラナ(SOL)の将来性について教えてください。
ソラナの将来性を占う上でのポイントとしては、主に以下の4つがあります。
- ソラナを基盤としたDAppsの増加
- 多くの有名企業と提携を結んでいる
- NFT、DeFなどの分野で実用化が進んでいる
- Neon EVMによりイーサリアムのDAppsを使用できる
まとめ
ソラナ(SOL)の特徴、価格推移、将来性などについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
高速・低コストで利用できるソラナは、DApps(分散型アプリ)開発のプラットフォームとして多くの企業・エンジニアから利用されています。ソラナはすでにNFTやDeFi、DAOなどの分野で活用されており、その高い機能性が評価されGoogleやMetaなどの有名企業と提携を結んでいます。
今後ソラナがさらに成長していけるかどうかは、ブロックチェーンとしての性能や利便性を向上させ、需要を拡大できるかにかかってきます。具体的には、ソラナ上で展開されるDAppsの増加や、Neon EVMなどの機能を増やして他のブロックチェーンとの互換性を向上させていけるかがポイントになるでしょう。
※本記事はソラナ(SOL)の価格上昇を保証するものではありません。予想に反して損失を被る可能性もあるため、投資はご自身の判断と責任において行ってください。