暗号資産(仮想通貨)は、購入や売買ができることに加え、マイニング(採掘)での取得も可能です。暗号資産のネム(XEM)も同様ですが、ネムのマイニングは「ハーベスト」と呼ばれています。
ここでは、ネムのハーベストとは何か、マイニングとの違いや、ネムの特徴などについて解説しています。暗号資産にあまり詳しくない方向けに、専門用語もわかりやすく噛み砕いた内容となっています。
暗号資産のネム(XEM)とは?
まずは、ネム(XEM)の概要について見てみましょう。
比較的時価総額の高いメジャーなアルトコイン
ネムは2019年1月末時点にて、時価総額20位以内に位置する比較的メジャーな暗号資産です。
ネムとは”New Economy Movement”の頭文字に由来しており、「新しい経済の活動」を意味しています。ネムのプロジェクトは2014年に誕生し、暗号資産「ゼム(XEM)」とともに、2015年3月に公開されました。
ビットコイン(BTC)以外の暗号資産をアルトコインと呼びますが、ビットコイン(BTC)の技術をベースに開発された暗号資産を、まとめて「ビットコイン2.0」と呼ぶことがあります。
ビットコイン2.0の中には、ビットコイン(BTC)のブロックチェーンを利用したものもありますが、ネムは独自のブロックチェーンを開発しています。
同じく日本でメジャーのアルトコインであるイーサリアム(ETH)やリップル(XRP)も、独自のブロックチェーンやコンセンサスアルゴリズムを持つ暗号資産です。
ネム(NEM)とゼム(XEM)はどう違う?
ネムのアルファベット表記で「NEM」と「XEM」の2種類を見ることがあります。どちらも同じ意味合いで使用されますが、厳密にはネムのプロジェクトの総称がネム(NEM)、通貨単位がゼム(XEM)です。
今回ご紹介するハーベストは、暗号資産ゼム(XEM)の取得方法に関連します。呼称として広く知られているのは総称のネムであるため、ここではネム(XEM)と表記しています。
ネム(XEM)が解消しようとするビットコイン(BTC)の問題点とは
ネム(XEM)は、ビットコイン(BTC)が持っている問題点を解消する目的で開発されました。
ビットコイン(BTC)の問題とは、主にビットコイン(BTC)のブロックチェーンが持つ問題です。ビットコイン(BTC)のブロックチェーンには「PoW(Proof of Work)」というプログラムが使われています。
PoWでは、ブロックチェーン生成に多大なコストを必要とします。コストが高ければ、暗号資産が持つ「送金が簡易、迅速に行われる」というメリットを充分活かすことができません。
詳細は後述しますが、これを解消するため、PoWに拠らないブロックチェーン技術を導入しているのがネム(XEM)なのです。
詳しくはこちら:暗号資産ネム(XEM)とは?特徴を初心者にもわかりやすく解説
ネム(XEM)には熱心な支持者が多い
ネム(XEM)は、アジアや日本で特に人気が高い傾向にあります。
そのネーミングの響きやロゴデザイン、運営や支援団体の活動が活発であることも、人気の理由に挙げられるでしょう。開発者の中に日本人がいるから、という説もあります。
ネムの運営活動に呼応する形で、サポーターの支持が厚いのもネムの特徴です。「アジアから、自由で新しい経済活動を広げていく」というコンセプトが浸透しており、地域に密着したイベントも多く開催されています。
熱心なサポーターの協力が多い点も、ネムの特徴といえるでしょう。そして、ネムが支持される大きな理由の1つが「ハーベスト」なのです。
ネム(XEM)のハーベストとは?
それでは一体ネム(XEM)のハーベストとは、どのような機能なのでしょうか。
ネム(XEM)オリジナルの承認システム「ハーベスト」
ハーベストとは、簡単に説明すると「ネムのマイニング」です。
ハーベストがビットコイン(BTC)などのマイニングと違う点は、「PoI」というコンセンサス(合意形成)アルゴリズムを採用している点にあります。
PoIは”Proof of Importance”の略です。PoIは、ビットコイン(BTC)に導入されているPoWとは違うアルゴリズムを持ちます。
ビットコイン(BTC)のマイニングは、「より多くの計算処理を行う者にコイン報酬を付与する」というアルゴリズムが動いています。一方ネムのPoIでは、計算処理能力ではなく、ネムのネットワークに対する「重要度」によって決定されるのです。
このPoIによって、PoWのマイニングでかかるとされる、多大な設備費用と電気代の削減が可能となります。低いコストでマイニングが可能ということは、個人が自宅のPCで報酬を得ることもできるわけです。
PoWとはアルゴリズムが違うため、ハーベストの手法もマイニングとはことなります。ハーベストでは、どのような方法で通貨報酬が得られるのでしょうか。また、PoIの重要度とは、どのように決められるのでしょうか。
ハーベストの仕組みについて
ハーベストの仕組みを理解する前に、ハーベストの根幹であるPoIについて、大まかに説明します。PoIでは、ブロックチェーンの承認を決定してコイン報酬を得る基準を、「重要度」に置いています。
この重要度を決定する主な条件は、「コインの保有量」と「取引量」です。ハーベストでネムを獲得するためには、最初に一定量のネムを保有する必要があります。
ただ保有するだけでは、資金力のある人だけが報酬を得られることになり、公平さを欠いてしまうでしょう。「一定量のネムを保有」して、かつ「頻繁に取引をしている」という条件を満たすことが、PoIでは重要とみなされます。
ほかにも、機械的に取引を頻繁に行う行為を防いだり、悪質な取引を防ぐといった機能もサポートしています。このPoIのアルゴリズムにより、ネムにとって「重要なアカウント」、「ネムにコミットするアカウント」を選別して、コイン報酬を獲得できるシステムが「ハーベスト」なのです。
時折り見かける「ハーベスティング」も、ハーベストと同義の言葉です。どちらもHarvest(収穫)という意味があり、採掘を意味するマイニングとは区別されています。
ネム(XEM)のハーベストをやってみるには?
ハーベストは、マイニングよりも個人参入が可能なプログラムとなっています。ハーベストを行うためには、どのような手順が必要となるのでしょうか。
最初は10,000(XEM)が必要
ハーベストには、通常のハーベストとデリゲートハーベストの2種類がありますが、ここでは通常のハーベストについて説明します。
まず、最初にネム(XEM)を購入する必要があります。ネム(XEM)は、暗号資産交換業者のCoincheckが運営する販売所で購入が可能です。
ハーベストに参加できる通貨数は10,000ネム(XEM)です。2019年1月末時点にて日本円に換算すると、およそ50,000円となります。
公式サイトからウォレットをダウンロード
ネム購入のほか、パソコンとネット環境も必要となります。環境が整ったら、ネムの公式サイトからウォレットをダウンロードします。
そして、ダウンロードしたウォレットへ、ネム(XEM)を送金します。これでハーベストの準備は完了です。
ただし、PoIのアルゴリズムにより、10,000XEMを送金するだけでは、ハーベストは開始できません。
ハーベストが開始できるようになるまで、約3ヶ月程度は10,000XEMを「保有している」状態をキープする必要があります。ネムを保有して一定期間が経過すると、ハーベストが開始できるようになるシステムで、「既得バランス」と呼ばれています。
報酬がもらえるまでの期間は貢献度に左右される
ネムの既得バランスには、通貨を一定量、および一定期間保有していることに加え、一定数の取引を行うことも、有志に選ばれる条件です。
すべての条件を満たし、より多くネットワークに貢献しているものから、ランダムに報酬が付与される仕組みとなっています。
ネム(XEM)のハーベストについてのまとめ
ネム(XEM)は、ビットコイン(BTC)のブロックチェーン技術が持つ問題を解消するプロジェクト名で、通貨単位はゼム(XEM)となります。
コミュニティ活動が活発で、ゼムのマイニングはハーベストと呼ばれ、個人のPCで参加することが可能です。
ネム(XEM)をはじめて購入するなら、簡単に買える国内販売所を選ぶとよいでしょう。Coincheckなら、アカウントの開設から購入までが非常にシンプルです。
ネム(XEM)のハーベストを検討されている方は、まずはCoincheckに口座を開設してみてはいかがでしょうか。