「暗号資産(仮想通貨)で失敗してしまった…」という話は、よく聞くとほとんどが同じようなパターンから起きていることに気づきます。
たとえば、価格が急に上がったのを見て慌てて買ってしまったり、逆に下がったときに怖くなって売ってしまったり。こうした行動は、経験者でも思わずやってしまう「あるある」です。
裏を返せば、典型的な失敗パターンを先に知っておくだけで、避けられるリスクはかなり多いということでもあります。
この記事では、これから暗号資産を始める方が陥りやすい6つの失敗例と、それを防ぐための6つの対策を解説します。そもそも「仮想通貨はやめとけと言われるのはなぜ?」というところから整理したい方は、仮想通貨はやめとけと言われる理由もあわせてご覧ください。
仮想通貨でよくある失敗事例6つ
実際によくある失敗は、どれも「言われてみればそうだよね」という身近なものばかりです。まずは代表的な6つのパターンを、ひとつずつ見ていきましょう。
①高値掴み(FOMO)で買って下落する
ニュースやSNSで「今がチャンス!」と盛り上がっているのを見ると、「自分も乗り遅れたくない」と焦って買ってしまう——これが高値掴み(FOMO)と呼ばれる行動です。「FOMO」は英語で「取り残される恐怖」という意味です。
ただ、急騰した直後はすでに価格が高くなっていることが多く、その後に価格が下がると、大きな含み損を抱えやすくなります。「イナゴ買い」とも呼ばれる、初心者がいちばん陥りやすい失敗パターンです。
②狼狽売り・パニック売りで損失を確定する
価格が突然ガクッと下がったとき、「これ以上下がったら怖い」と焦って売ってしまうのが狼狽(ろうばい)売り・パニック売りです。結果として底値付近で売ってしまい、損失がそのまま確定してしまうケースが少なくありません。
暗号資産は値動きが大きく、数日で20〜30%動くことも珍しくない世界です。「こうなったら売る/待つ」という自分なりのルールを決めておかないと、気分で売買してしまいがちになります。
③レバレッジ取引で強制ロスカットされる
レバレッジ取引とは、手元にあるお金(証拠金)の数倍の金額で取引できる仕組みのことです。たとえば10万円で数十万円分の取引ができるため、うまくいけば大きな利益を狙えます。
ただ裏を返せば、予想と反対に価格が動いたときの損失も、同じように何倍にも膨らみます。損失が一定ラインを超えると、取引所が強制的にポジションを決済する「強制ロスカット」が発動し、短時間で資産の大部分を失うこともあります。
仕組みに慣れていない初心者のうちは、まずは自分が預けたお金の範囲でだけ取引できる「現物取引」から始めるのがおすすめです。
④草コイン・詐欺コインに集中投資する
「草コイン」とは、価格が安く、知名度も流通量も小さい暗号資産のことを指します。数円〜数十円で買えるため軽い気持ちで手を出しやすい一方、価値がほぼゼロになる可能性も十分にあります。
また、新しく発行されたばかりのコインには、運営者が途中で急にプロジェクトを放り出して資金を持ち逃げする「ラグプル」と呼ばれる詐欺的な事例もあります。
「短期間で10倍になる」「絶対儲かる」といった甘い言葉を見かけても、すぐに飛びつかず、信頼できる情報源で発行元や実績をチェックすることが大切です。
⑤送金先を間違えて資産を失う
暗号資産を別のウォレットや取引所に送るときは、英数字の長いアドレスを入力します。この1文字でもまちがえると、別の宛先に送られてしまい、原則として取り戻せません。
銀行振込のように「間違えたので組み戻してください」という仕組みが暗号資産にはなく、送金ミスは基本的に自己責任です。送る前にアドレスを複数回確認する/最初は少額で「テスト送金」してみる、といった一手間が、大きな損失を防いでくれます。
また、銘柄ごとに対応するネットワーク(送金ルート)が違うため、「送りたいコインの種類」と「選んだネットワーク」が合っているかも必ずチェックしましょう。
⑥確定申告を忘れて追徴課税を受ける
意外と見落としがちなのが、税金の申告です。暗号資産で利益が出たとき、その利益は税金の上では「雑所得(ざつしょとく)」という区分に入ります。
会社員(給与所得者)の場合、1年間の暗号資産の利益が20万円を超えたら、確定申告が必要になります。申告を忘れていると、本来の税金に加えて延滞税や無申告加算税といった"罰金的な税金"が上乗せされるため、利益が出た年は必ず申告するようにしましょう。具体的な計算方法や手続きについては、仮想通貨の確定申告をわかりやすく解説をあわせてご覧ください。
仮想通貨で失敗しないための6つの対策
大きな失敗を避けるいちばんのコツは、「感情に任せず、自分なりのルールを先に決めておく」ことです。ここからは、初心者でもすぐに実践できる6つのポイントを紹介します。
①余剰資金で少額から始める
暗号資産は値動きが大きいので、生活費や貯金とは別に、「なくなっても暮らしに影響が出ないお金(=余剰資金)」の範囲で始めるのが鉄則です。
最初は数千円〜数万円くらいからで十分です。実際の値動きを体感してから少しずつ金額を増やしていくほうが、結果的に失敗しにくくなります。
②長期保有・積立を基本にする
短期で売買を繰り返す取引は、値動きを読む判断や手数料の負担が重なり、初心者にはかなり難しい方法です。
そこでおすすめしたいのが、「長く持ち続ける」か、「毎月決まった金額を自動で買い続ける(積立投資)」というシンプルなスタイルです。買うタイミングを毎回悩む必要がなく、価格の上下に一喜一憂しにくくなります。
一定額を定期的に買い続ける方法は「ドル・コスト平均法」とも呼ばれ、価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことになるため、長い目で見ると平均の購入価格を抑えやすいのが特徴です。「毎月◯日に◯円」と決めて仕組みに任せられるので、忙しい方や初心者でも続けやすい方法です。
③主要銘柄を中心に分散投資する
「一点集中でドカンと当てる」よりも、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のように規模が大きく、実績のある主要銘柄を中心に、複数の銘柄に分けて持つほうが、リスクを抑えやすくなります。
逆に、マイナーな銘柄ばかりに偏ってしまうと、どれか1つが暴落したときのダメージが大きくなります。「1つの銘柄に全額」ではなく、「メインは主要銘柄、サブで興味のある銘柄」くらいのバランスを意識しましょう。
④損切りルールを事前に決めておく
失敗しないためには、「買ってから考える」のではなく、「買う前にルールを決めておく」ことが何より大切です。
たとえば「買った価格から◯%下がったら売る(損切り)」「◯%上がったら一部だけ利益確定する」といった基準を自分の中で先に決めておくと、値動きにあわせて慌てて売り買いしてしまう失敗を避けられます。ルールを決めて、そのとおりに動く——これだけで、結果は大きく変わります。
⑤金融庁登録の国内取引所を利用する
暗号資産を扱う取引所は、必ず金融庁に登録を受けた国内の事業者を選ぶのが大前提です。登録された業者は、お客さまの資産と会社の資産を分けて管理する、ネットから切り離した安全な場所(コールドウォレット)でコインを保管する、ログイン時に2段階認証を必須にするなど、厳しいルールのもとで運営されています。
一方、海外の無登録業者やSNSで突然勧誘してくるサービスは、たとえ手数料が安く見えても、金融庁から「利用に注意してください」と名指しで警告されているケースが多いのが実情です。出金できない・ハッキングされたといったトラブルが起きても、日本の法律で守ってもらうのが難しくなります。海外取引所のリスクや国内との違いは、海外の仮想通貨取引所はおすすめしない?でくわしく解説しています。
国内の取引所の手数料が海外より少し高めに見える背景には、こうした法律の基準を守るためのコストや、セキュリティ対策、日本語サポート、万が一のときの補償体制への投資があります。目の前の安さだけで比べるのではなく、「長い目で見て、安心してお金を預けられるか」という視点で選ぶことが、失敗を避ける一番の近道です。
⑥販売所と取引所形式を目的に応じて使い分ける
国内の取引所では、暗号資産の買い方が大きく2種類用意されています。1つは、取引所が提示する価格でその場で売買できる「販売所」。もう1つは、ユーザー同士が「この価格で買いたい/売りたい」と出し合い、条件が合ったら取引が成立する「取引所形式(板取引)」です。
販売所は操作がシンプルで、注文するとすぐに取引が成立するので、「はじめての購入」や「少額を買いたいとき」に向いています。ただし、買うときと売るときの価格に差(スプレッド)があり、これが実質的な手数料として乗ってきます。売買の回数が増えるほど、この差がじわじわ効いてくる点は知っておきましょう。
一方、取引所形式は手数料が0%前後に設定されている銘柄が多く、コスト面で有利です。希望する価格と数量を自分で入力する必要があるため最初は少しとまどうかもしれませんが、「まずは販売所で小さく試してみて、金額が大きくなってきたら取引所形式に切り替える」という使い分けが、失敗を避けつつコストを抑えるうえで有効です。
仮想通貨の失敗事例・対策に関するよくある質問
Q. 仮想通貨は初心者でも失敗せずに始められますか?
A. リスクをゼロにするのは難しいですが、いくつかのコツを押さえるだけで大きな失敗はぐっと避けやすくなります。
具体的には、余剰資金で少額からスタートし、ビットコインやイーサリアムといった主要銘柄を長期保有・積立で持つのが、初心者にもやさしい王道の始め方です。レバレッジ取引や草コインへの集中投資は、最初のうちはいったん見送りにしておくのがおすすめです。
Q. 仮想通貨で失敗して借金を負うことはありますか?
A. 自分のお金の範囲で買う「現物取引」なら、投資した金額を超えて損をする(借金になる)ことはありません。
ただしレバレッジ取引では、相場が急に動いたときに預けているお金(証拠金)以上の損失が出て、追加でお金を入れる必要が出てくるケース(追証)もあります。借金のリスクを絶対に避けたいなら、現物取引だけで運用するのが安全です。
Q. 送金を間違えた場合、仮想通貨は戻ってきますか?
A. 残念ながら、原則として戻ってきません。
暗号資産には銀行振込のような「組み戻し(キャンセル)」の仕組みがないため、まちがったアドレスに送ってしまった取引を取り消すことはできません。送金する前にアドレスを複数回確認する/最初は少額でテスト送金してみる、といった手順を徹底すると、大きな失敗を防ぎやすくなります。
Q. 仮想通貨の利益はいくらから確定申告が必要ですか?
A. 会社員の方の場合、給与以外の所得が年間20万円を超えると、確定申告が必要になります。
暗号資産の利益もこの「給与以外の所得」に含まれます。なお、利益が20万円以下でも、住民税の申告は別に必要になる場合があります。くわしくは税理士さんや税務署、国税庁の公式サイトなどで確認するのが安心です。
Q. 販売所と取引所、どちらで買うべきですか?
A. 手軽さを重視するなら販売所、コストを抑えたいなら取引所形式と、目的にあわせて使い分けるのがおすすめです。
販売所は注文してすぐに買える手軽さがあり、初めての購入や少額取引にぴったりです。取引所形式(板取引)は、売値と買値の差(スプレッド)がほとんどない分、コストを抑えやすく、売買の回数が多い方や、金額が大きくなってきた方に向いています。まずは両方を少額で試して、自分のスタイルに合うほうをメインに使うのが現実的です。
まとめ:暗号資産(仮想通貨)の失敗は事前のルール作りで大半を防げる
暗号資産(仮想通貨)の失敗の多くは、「気分で売り買いしてしまう」「計画を決めずに始めてしまう」「基礎をよく知らないまま手を出してしまう」という3つから起きています。
裏を返せば、本記事で紹介した6つの失敗例と6つの対策を事前に押さえておけば、大きな失敗はかなり避けやすくなるということです。余剰資金の範囲で少額から、主要銘柄を中心に、長期・分散を意識して取り組んでみてください。
Coincheckとしては、まず金融庁登録の国内取引所で安全な取引環境を整えたうえで、余剰資金の範囲で少額の積立から始めることを、はじめて暗号資産に触れる方にはとくにおすすめしています。Coincheckでは500円から暗号資産を購入でき、「Coincheckつみたて」なら毎月1万円から自動で積立ができるので、「高値で慌てて買う」「急落で怖くなって売る」といった典型的な失敗を、仕組みの力で避けやすくなります。
これから暗号資産を始めてみたい方は、暗号資産(仮想通貨)の始め方もあわせてご覧ください。