「暗号資産の出来高って何?」
「出来高を確認して何が分かるの?」
「出来高から価格の予測はできるの?」
など、あなたは今、暗号資産(仮想通貨)の出来高について詳しく知りたいと考えていませんか?
暗号資産の出来高とは、一定の期間において取引が成立した金額の累計を指し、基本的には下記のようにチャートの1番下に表示されるものです。
暗号資産の出来高が大きい時は、投資家などがオーダーを活発に出し、取引が次々に成立しているということです。
一方で、暗号資産の出来高が小さい時には、売り手と買い手が少なく、あまり取引が成立していないということを意味しています。
また、暗号資産の出来高は取引量だけでなく、その増減からも多くのことが分かります。
さらに、ローソク足などの指標とあわせて分析することで価格予測にも役立たせることができるのです。
つまり、出来高からは単純な取引量だけでなく、投資家の心理や価格トレンドなど色々なことが分かるのです。
そこで、本記事では、
- 暗号資産の出来高とは?
- 暗号資産の出来高の増減から分かること
- 出来高と他の指標から今後の価格を予測する方法
- 暗号資産の出来高ランキングを確認する方法
について詳しく紹介していきます。
「チャート分析って難しそう、理解できるかな?」といった不安を持つ方にも、簡単に理解してもらえるよう分かりやすく解説しています。
本記事を読むことで、暗号資産の出来高について詳しく理解し、出来高を活用して価格予測や分析ができるようになるため、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
暗号資産の出来高とは?暗号資産の取引量のこと
冒頭でも述べた通り、暗号資産の出来高とは、一定の期間において取引が成立した金額の累計を指します。暗号資産が活発に売買されていれば出来高は増え、売買が活発でなければ出来高は減ります。
チャート上では、Coincheckで提供している下記チャートのように表示されていることが多いので、1度確認してみてくださいね。Coincheckのサイトにおいては、チャート一覧のページから確認できます。
どれくらいの期間の取引量かというのは、1週間や1ヶ月表示などチャートの表示方法によって変わり、上記は1日ごとの取引量を表示しています。
英語では「Volume」と表記されていて、海外取引所のチャートでも出来高を確認することが可能です。
暗号資産の出来高が増えた時には何が起こっているのか?
暗号資産の出来高とは、取引が成立した金額の累計を指しますが、具体的に出来高からは何が分かるのでしょうか。
暗号資産のチャートにおいて出来高が増加した時には、下記3点のことが分かります。
- 暗号資産の取引が活発になっている
- 暗号資産の売買が成立しやすい
- 価格の大幅な上昇か下落が見込まれる
詳しく解説していきます。
暗号資産の取引が活発になっている
暗号資産の出来高が増えているということは、取引が活発になっていることを意味します。
特に出来高が急増している場合には、投資家の注目や人気が集まり、取引が過熱している状況であることが分かります。
暗号資産の売買が成立しやすい
暗号資産の出来高が増えるということは、暗号資産の売買が活発に行われていることを意味するため、暗号資産の取引が成立しやすくなります。
暗号資産の取引を行いたい時には、出来高が増えた際を狙えば、すぐに取引が成立するでしょう。
価格の大幅な上昇か下落が見込まれる
暗号資産の出来高が増えた時には、価格の大幅な上昇もしくは下落につながる可能性があります。
なぜなら、取引量が増えている際には、価格に影響を与える何らかの理由が発生したために、投資家の大量の買い注文や売り注文が殺到していることが予測されるからです。
例えば、ある暗号資産に対して悪い噂が流れて、投資家が一気に売り注文を行えば、出来高は増えて価格は急落していきます。
一方で、買い注文が集まって出来高が増えているのであれば、価格は上昇していきます。
出来高が急増していても、暗号資産の取引における「買いたい人」と「売りたい人」のどちらが優勢なのかは出来高だけでは判断できないため「暗号資産の出来高の増加=価格上昇」とは単純には言えません。
しかし、暗号資産の出来高が増えている時には、価格の大きな転換期がやってくる可能性があるということは分かります。
暗号資産の出来高が減った時には何が起こっているのか?
暗号資産の出来高が増えた時については解説しましたが、出来高が減るとどうなるのか気になる人もいるでしょう。具体的には下記4点で、増える時に起こることとは逆のことが起きています。
- 暗号資産の取引が活発ではない
- 暗号資産の売買が成立しにくい
- 価格が停滞してしまう可能性がある
- ひとりの取引が価格に大きな影響を与える可能性がある
ひとつひとつ詳しく解説していきます。
暗号資産の取引が活発ではない
暗号資産の出来高が減っている時には、取引が活発ではないということが分かります。
売り注文も買い注文もあまり入っていないことが多く、暗号資産市場の中ではあまり注目されていない通貨と言えます。
もしくは、売り注文か買い注文どちらかは多い状態で、どちらかが極端に少ない場合にも、取引は成立しないので出来高は減ります。
暗号資産の売買が成立しにくい
暗号資産の出来高が減っている時には、「買い手」も「売り手」も少ないか、どちらかが極端に少ないことが考えられるため、売買が成立しにくいです。
例えば、暗号資産の売り注文を行っても、買いたい人が多くないためにすぐに売買が成立しない可能性があります。
そのため、暗号資産の出来高が減っている時には、注文を入れても成立するまでには時間がかかるかもしれない、ということを押さえておきましょう。
価格が停滞してしまう可能性がある
暗号資産の価格は、「買いたい人」と「売りたい人」の取引レートによって決まるため、出来高が増加していて売買が活発な時には価格は動きやすいです。
一方で、出来高が少なく取引自体が少ない場合には、価格は動きにくく停滞してしまう可能性があります。
ひとりの取引が価格に大きな影響を与える可能性がある
暗号資産を「買いたい人」や「売りたい人」が少ない状況では、ひとりの投資家が大量の売り注文をしただけで、価格が大きく下落する可能性があります。
出来高が増加している時には、多くの投資家が活発に取引をしているので、ひとりの投資家の注文が価格に大きな影響を及ぼすことはあまりないでしょう。
しかし、取引量が減少している時には、取引をしている人が少ないため、ひとりの取引が価格に大きな影響を与えてしまうリスクがあるのです。
取引所の出来高は暗号資産全体の出来高ではない点に注意
暗号資産の出来高について注意しておかなければならないこととして、取引所のチャートで見る出来高は暗号資産全体の出来高でないことがあげられます。
具体的には、コインチェックのチャートにおける出来高は、コインチェック内での取引量を表しているということです。
暗号資産全体の取引量を示している訳ではないことに注意してください。
もし、日本国内の出来高をチェックしたい場合には、主な暗号資産に関しては日本暗号資産交換業協会(JVCEA)の統計情報で、月次の出来高を確認することができます。
全世界における暗号資産の出来高をチェックするにはCoinMarketCapがおすすめです。
暗号資産の価格の予測など分析のために出来高を利用する場合には、取引所ごとの出来高よりも、日本国内の出来高や世界の暗号資産市場の出来高をチェックする方が傾向などが見えてきやすいでしょう。
一方で、暗号資産の売買のために出来高を参考にするのであれば、取引所における出来高を参考にする方が、成立のしやすさなどが事前に分かります。
このように目的などに合わせて、チャートを使い分けるようにしましょう。
ただ、どのように出来高を算出しているかについては取引所によって異なるため、どれくらいの信憑性があるのかも含め、注意書きなどをよく読んだ上で活用するようにしてくださいね。
出来高と他の指標から今後の価格を予測する方法
出来高が増えた時、減った時、暗号資産市場では何が起こっているのかについてはすでに解説しましたが、「出来高をチェックすることで価格予測って可能なの?」と、出来高から価格予測をする方法について知りたいという人も多いでしょう。
そこで、本章では、出来高とその他の指標を組み合わせて価格予測をする2つの方法について紹介していきます。
- 価格のトレンドと出来高から予測
- ローソク足と出来高から予測
ただし、未来の価格の確実な予測は不可能であるため、「あくまで傾向であって絶対ではない」ということを理解した上で活用するようにしてくださいね。
価格のトレンドと出来高から今後の価格を予測する方法
価格の上昇下落トレンドと出来高から、今後の価格の予測をしてみましょう。
具体的には下記のような傾向が分かります。
上昇トレンドの時に出来高増加=価格は上がる可能性が高い
価格が上昇している際に出来高が増加している場合には、価格が上がっていく可能性が高いと言われています。
なぜなら、今後も価格が上昇すると判断した投資家たちの買い注文が増えて取引量が増えていると推測できるからです。
ただし、相場の過熱が続いていて価格の天井付近に到達しそうな場合には、利益確定のための売り注文が殺到して出来高が増えていることもあります。その場合には、価格が下落してくることもあるので注意しましょう。
上昇トレンドの時に出来高減少=価格は下がる可能性が高い
価格が上昇している際に出来高が減少している場合には、価格が下がる可能性が高いと言われています。
なぜなら価格が天井付近に近づいたと判断し、買い注文が入らなくなっていると推測できるからです。買い注文が入らなくなり売り注文が優勢になると、価格は下がっていきます。
下落トレンドの時に出来高増加=価格はさらに下がる可能性が高い
価格が下落している時に出来高が増加している場合には、価格がさらに下がっていく可能性が高いと言われています。
なぜなら、価格の下落は今後も続くと判断した投資家の売り注文が増えて出来高が増加していると予測できるからです。
ただし、価格が底を打ったと判断されれば、投資家の買い戻しにより出来高が増加し、価格が上昇していく場合もある為、注意しましょう。
下落トレンドの時に出来高減少=価格は停滞する可能性が高い
価格が下落している時に出来高が減少している場合には、価格は停滞する可能性が高いと言われています。
なぜなら、価格はある程度下げ止まったと判断され、投資家の売り注文が減って出来高が減少していると予測できるからです。
価格トレンドと出来高から、未来の価格予測をする方法を紹介しました。
上記はあくまで傾向で、絶対ではありません。そのため、その他のニュースや投資家の心理なども考えながら価格の動きを予測することをおすすめします。
ローソク足と出来高から価格を予測する方法
ローソク足とは、一定時間内における始値、高値、安値、終値の値動きを表示したものです。
ローソク足からは色々なことが分析できます。例えば、ローソク足の実体部分が長い場合は価格の値動きが大きいということです。
また、ヒゲが長く伸びているローソク足からは、一時的に大きく価格が動いたものの反発して価格が押し戻されたということが予測できます。
具体的に言うと、例えば、長い下ヒゲがあるローソク足からは、一時的に価格が大きく下落したものの、反発して買い注文の勢いが強くなり価格が押し戻されたということが予測できます。
ローソク足と出来高から今後の価格の予測をしてみましょう。具体的には下記のような傾向があります。
ローソク足の上ヒゲが長く出来高増加=価格が下落していく可能性が高い
ローソク足の上ヒゲが長い時は、一時的に買い注文の勢いが強くなったものの、売りの勢いに押し戻されてしまったことが推測できます。
さらに、出来高を確認してみて増加していれば、売りの勢いが強まっている可能性が考えられ、価格は下落していくことが予測されます。
取引が大量に成立しているにも関わらず、価格が売りに押され気味になってしまっているため、今後も価格は下落していくことが想定されるでしょう。
ローソク足の下ヒゲが長く出来高増加=価格は上昇していく可能性が高い
一方で、ローソク足の下ヒゲが長い時は、一時的に売り注文の勢いが強くなったものの、買いの勢いに押し戻されたと推測できます。
さらに、出来高を確認してみて増加していれば、買いの勢いが強まっている可能性が考えられ、価格は上昇していくことが予測されます。
ローソク足の上ヒゲや下ヒゲが長くても、出来高が少なく取引があまり成立していなければ、大きな価格トレンドの変更にはつながらないとされています。
そのため、ローソク足と出来高による価格予測においては、上下のヒゲが長く出来高が増加した時に、その他の情報とあわせて価格が転換していくかどうかを判断してみましょう。
※価格トレンド、ローソク足と出来高を組み合わせた価格予測のポイントを紹介しましたが、ここまで紹介してきたことはあくまでひとつの傾向であって絶対ではないということに注意してください。未来の価格の確実な予測をすることは不可能なので、ここまで解説してきたようなサインがあっても傾向とは全く違う値動きをすることもあります。
そのため、いくつかの指標や暗号資産に関するニュース、投資家の心理などを踏まえ、より正確な価格予測ができるよう努力と検証を続けることが大切です。
暗号資産の「出来高ランキング」を確認する方法
出来高が他の暗号資産と比べて多い銘柄があれば、取引が活発にされていて人気が高まっているということが推測できます。人気がある通貨だからこそ「売り手」と「買い手」の取引がすぐに成立して、出来高が増えていくのです。
暗号資産の出来高ランキング上位の人気のある暗号資産の中から、今後価格が上昇する暗号資産を探して投資につなげたいという人もいるでしょう。
そんな時にチェックして欲しいのは、『CoinMarketCap』です。こちらをチェックしてもらえれば、暗号資産の出来高ランキングを一覧で確認することができます。
『CoinMarketCap』で出来高ランキンングを確認する方法
出典元:CoinMarketCap
出来高ランキングが上位ということは価格が動きやすく将来有望な暗号資産である可能性が高い傾向にありますが、必ずしも価格が上昇するわけではありません。
そのため、「5.価格予測に役立つ!出来高と他の指標によるチャートの分析ポイント」で解説したチャート分析などをあわせて行いつつ、投資判断は慎重に行うようにしてくださいね。
まとめ
本記事では、
- 暗号資産の出来高とは?
- 暗号資産の出来高の増減から分かること
- 出来高と他の指標から今後の価格を予測する方法
など、暗号資産の出来高について詳しく紹介しました。
暗号資産の出来高とは、一定の期間において取引が成立した金額の累計を指し、基本的には下記のようにチャートの1番下に表示されるものです。コインチェックのチャートにおける出来高は、コインチェック内での取引量を示しているなど、チャートごとに出来高の意味が変わることは注意しましょう。
また、出来高からは単純な取引量だけでなく、色々なことが分かります。
例えば、出来高の増加からは、
- 暗号資産の取引が活発になっている
- 暗号資産の売買が成立しやすい
- 暗号資産の価格の大幅な上昇や下落が見込まれる
ということが分かり、出来高の減少からは、
- 暗号資産の取引が活発ではない
- 暗号資産の売買が成立しにくい
- 価格が停滞してしまう可能性がある
- ひとりの取引が価格に大きな影響を与える可能性がある
ということが分かります。
また、出来高は価格トレンドやローソク足のような指標とあわせて、価格予測を行うことも可能であり、本記事ではチャート分析の方法も詳しく解説しました。
ただし、未来の価格の確実な予測は不可能であるため、「あくまで傾向であって絶対ではない」ということを理解した上で活用するようにしてください。
本記事を読むことで、暗号資産の出来高について詳しく理解し、出来高を活用して価格予測や分析をしてみましょう。