2022年7月27日より2日間にわたって開催された「METAVERSE EXPO JAPAN 2022」。
同イベントでは、メタバースビジネスを牽引する企業・団体・官公庁が集結、有識者を招いたカンファレンス、エキシビションとしてメタバースに関連したコンテンツの展示が行われました。
コインチェックのエキシビションブースでは、メタバース都市「※OASIS TOKYO」の世界観を体験できる展示ブースを設置、世界を代表するアーティスト村上隆氏とバーチャルスニーカーなどを手掛けるクリエイター集団「RTFKT」所属の唯一の日本人、ARアーティストのアサギ東京氏がプロデュースをしました。
今回の記事では、コインチェックコラム編集部による「METAVERSE EXPO JAPAN 2022」の体験レポートをお届けします。同イベント内で行われたエキシビションやカンファレンスの様子と合わせ、アサギ東京氏にインタビューを敢行したので、ぜひご覧になっていただければと思います。
(※)コインチェック株式会社は、「OASIS」の運営をはじめとするメタバース事業を、マネックスクリプトバンク株式会社に事業譲渡することを決定し、MCBは本年10月2日付けで同事業を承継することといたしました。 詳しくはこちら
目次
METAVERSE EXPO JAPAN 2022の概要
「METAVERSE EXPO JAPAN 2022」は2022年7月27日より2日間にわたって東京・六本木のグランドハイアット東京で開催されました。
同イベントのメインプログラムであるエキシビションでは、メタバース関連サービスの展示が行われ、企業各社それぞれが考える様々なメタバース空間を体験することで、メタバースの今を実感できるプログラムとなっています。
もう一つのメインプログラム、カンファレンスではメタバース有識者として各企業・団体・官公庁の代表者が登壇、メタバースに関連した現在の取り組みやビジョンを共有することで、メタバースの認識を高めるプログラムとなっています。
以下ではそれぞれのプログラムから、注目のプロジェクトを抜粋して紹介します。
Conference Program
METAVERSE EXPO JAPAN 2022 オープニング
Conference Programのオープニングセッションに登壇したのは、Meta日本法人 Facebook Japan代表取締役味澤将宏氏。
「インターネットがオープンであるように、メタバースも1社で創るものではない」「日本からみんなでメタバースを創る、そういった場にしていきたい」
METAVERSE EXPO JAPAN 2022のテーマが共創であるように、メタバースはみんなで創るものという点を強調しました。
「現時点ではエンタメにおけるユースケースが多いが、今後は働き方、教育、医療、福祉など様々な分野での活用が予想される。今回のイベントを通じて、肌で感じてもらえれば」と語りました。
味澤氏の冒頭挨拶に続き、Meta最高技術責任者のAndrew ‘Boz’ Bosworth氏によるビデオメッセージが紹介されました。
ビデオメッセージ内でも、メタバースは一企業で構築できるものではないと言及。
「日本の企業を始め、開発者や研究者、クリエイターが次世代のテクノロジーを創るにあたって重要な役割を果たす」とコメントしています。
また、Metaはメタバースの研究基金に対し、2年間で5,000万ドルの投資を行っていることも明らかにしました。
次のビデオメッセージではデジタル大臣の牧島かれん氏が登場。
「メタバースの利活用は急速に進展している、プラットフォームとして空間を利用することはもちろん、メタバース上で行われる趣味、コンテンツ、取引、仕事など様々な活動、交流の機会を捉えたあらゆる事業の機会を創立するもの」「メタバースは新しい付加価値をもたらす源泉、日本の地方が抱える過疎化、少子高齢化などの課題を解決するための鍵とする位置づけ」など、政府としてもメタバースの可能性に注目していることを述べました。
続いて場所や移動の制約からの解放について言及しています。
「障害のある方で、移動の制約がある場合でも、スマートフォン、パソコンの操作が可能であれば、メタバースの中では色々な活動ができると述べました。」
その上で政府としても「テクノロジーの推進に合わない制度や規制は大胆に見直す必要がある」メタバース、ブロックチェーン、NFT、Web3といった新たなテクノロジーの促進、新たなサービスが生まれやすい社会の実現を目指すと語りました。
Exhibition Program
The Sandbox SHIBUYA109
SANDBOX SHIBUYA109の展示では、Sandbox上に渋谷駅前から109までの道のりをボクセルアートで再現。
ハチ公やスクランブル交差点、ギャルメイクのキャラクターなど、随所に渋谷を感じられる仕上がりになっています。
今後はユーザーが作成したボクセルアートを渋谷の街に設置することができ、オリジナルの渋谷を楽しめるという。
コインチェック
コインチェックのブースではARアーティストアサギ東京氏のプロデュースのもと、メタバース都市「OASIS TOKYO」の世界観を体験できるARフィルターを展示。インスタグラムのカメラを通すことで、OASISのキャラクターや風神雷神モチーフがブース内に現れる仕組みになっています。
会場ではConference Program「次世代のSNS"メタバース"とNFTの未来」内で放送された「OASIS」の紹介ムービーも流れていました。
OASIS Concept movie
動画は登壇前に流れたOASISプロジェクトのコンセプト映像。
Meta
主催でもあるMetaのブースでは、VRヘッドセット「Meta Quest 2」の体験の他、模型で日本風の街並みを再現。Instagramアプリを用いることで、スマートフォン越しに虹がかかるAR技術のデモンストレーションを行いました。
ソフトバンク
ソフトバンクの展示ではメタバース上に忠実に再現される「バーチャルPayPayドーム」を紹介。
普段は入ることのできない選手のロッカールームやベンチ裏などを歩くことができます。
その他にも、実際の試合と連動し、バッターボックスからの視点でピッチャーの投げたボールを体感できる準リアルタイム投球体験の紹介も行っていました。
今後は生の試合をバーチャル上で観戦したり、千賀投手など実在の投手のボールをバッター目線で体験することができるようです。
JAXA×バスキュール
JAXAと連携したバスキュールのブースでは国際宇宙ステーション(ISS)を再現したメタバース空間「ISS SPACE WALK in METAVERSE」を展示。
ISS周辺の宇宙遊泳を体験することが可能です。時間によって変化する地球や太陽を眺めることができます。
編集後記
今回の「METAVERSE EXPO JAPAN 2022」を通じて、各社のメタバース領域への取り組み、ビジョンが見えてきたことで、メタバースの今後の発展に期待を抱くことができました。一方で、一般層への認知、ユースケースの確立、VR.AR技術のさらなる発展、法整備といった、様々な課題があるのも事実です。
今回の主催であるMetaが掲げた「競争」ではなく「共創」に表されるように、メタバースはみんなで創るものです。メタバースの今後の発展、課題の解決に向け、我々コインチェックも一旦を担う存在として取り組みを進めていけたらと思います。
イベント体験レポートの後編ではエキシビションブースを担当いただいたARアーティストのアサギ東京氏のインタビューをお届けします。