2022年11月、世界2位の暗号資産取引所だったFTXが、わずか8日ほどで経営破綻しました。当時の報道では負債は最大で約500億ドル、日本円にして約7兆円規模に上るとされ、業界史に残る出来事になっています。
この記事では、破綻に至った経緯と業界への影響、そこから学べることを、初心者の方にもわかりやすく整理します。
この記事でわかること
※本記事は2026年4月時点の情報です。返金など個別の申請手続については、管財人が公開するKrollのFTX案件ページなど、公式の案内をご確認ください。
目次
- そもそもFTXとは?
-
FTX破綻までの一連の流れ
- 11月2日 CoinDeskが下記のようなスクープを報じる
- 11月6日 11:32pm Alameda CEOのCarolineが市場へ牽制のため下記の内容をツイート
- 11月7日 0:47am BinanceのCEO、CZが21億ドル相当のFTTを市場で売却すると宣言
- 11月7日 01:03am Carolineが1FTTを22ドルで買い取ると返信
- 11月7日 3:49am CZが5.8億ドルのFTTをBinanceへ移動させる
- 11月7日 6:49am CZがFTXと対立することを明確にした
- 11月7日 1:38pm SBFがFTXに問題がないことをツイート ※後に削除
- 11月8日 FTTが22ドルを下回り、取り付け騒ぎが勃発
- 11月9日 1:03am 30時間の沈黙を破り、SBFがツイート
- 11月10日 SECやCFTC(米国の規制当局ら)が、FTXとFTXUSの関係などに対して調査することを公表→同日にBinanceがFTX買収撤回を公開
- 11月11日 11:14pm FTXがグループ会社まとめての破産申請を行ったことを公表
- 連鎖していくFTX破綻の影響
- FTX破綻騒動の裏で起きたドラマたち
- 今回の騒動で私達が学ぶべきこと
そもそもFTXとは?
FTXは、2019年に創業者のサム・バンクマン=フリード氏、通称SBFらによって設立された、バハマを拠点とする暗号資産取引所でした。名称は一般に「Futures Exchange」、日本語で言う先物取引所の略称と説明されることが多く、先物や無期限のパーペチュアルなどのデリバティブ取引を中心に急成長し、破綻前には取引高で世界第2位規模に達したと報じられていました。
2021年には10億2,000万ドル、日本円にして約1,400億円の売上を記録するなど業績も拡大し、パーペチュアル取引などの金融商品、多数の銘柄の取扱い、比較的容易なステーキングなどを特徴として、機関投資家から個人まで幅広いユーザーに利用されていました。
世界各国で事業を展開し、日本では暗号資産取引所「Liquid」を買収する形で日本法人「FTX Japan」を設立・運営していました。後述のとおり、親会社の破綻後も、日本国内の顧客資産の分別管理の有無が焦点になります。
このように短期間で急成長を遂げたFTXとあわせ、創業者兼CEOのSBFも、若き敏腕経営者として世界中から注目されていました。
名称の由来と破綻の主な要因
FTXとはどのような取引所だったのかを短く押さえると、上記のとおり先物取引を含む取引所ブランドであり、2022年11月の破綻まで世界トップクラスのプラットフォームの一つでした。破綻に至る流れは、後述の時系列のとおり多層的ですが、ここではまず、よく聞かれるポイントだけを整理しておきましょう。
- 姉妹会社Alameda ResearchとFTXのあいだで、顧客資金や自社トークンFTTを含む資産・リスクが混在し、不透明になっていた問題。CoinDeskの報道などを契機に広く注目されました
- FTT価格の下落や大手売却観測をきっかけとした取り付けにより流動性が枯渇したこと
- ガバナンスや内部統制の欠如、および顧客資産の扱いに関する詐欺などの罪が米連邦地裁の刑事裁判で争われ、一審で実刑が言い渡されるに至ったこと。控訴審などの進捗は随時更新されており、詳細は裁判所の資料や信頼できる報道をご参照ください
登場人物と関連企業

引用:REUTERS
◉プロフィール
| 名前 | サム・バンクマン=フリード |
| 英名 | Sam[Samuel] Bankman-Fried |
| 通称 | SBF, Sam |
| 騒動時の年齢 | 30歳 |
◉簡単な来歴
| 2013年 | Jane Street Capitalでインターン後、就職 |
| 2017年11月 | Alameda Researchを設立 |
| 2019年4月 | FTXを設立 |
| 2019年12月 | Binanceと戦略的提携(BinanceがFTXの株式とFTXトークンを取得) |
| 2020年8月 | Blockfolioを1.5億ドルで買収 |
| 2022年6月 | FTX Japan設立 |
| 2022年11月 | FTXが米連邦破産法第11章にもとづくチャプター11を申請したことを公表 |

◉プロフィール
| 名前 | チャンポン・ジャオ |
| 英名 | Changpeng Zhao |
| 通称 | CZ |
| 騒動時の年齢 | 45歳 |
◉簡単な来歴
| 大学卒業後 | 先物などマッチングシステムの開発者として従事 |
| 2005年 | 高速取引を支援するツール開発会社Fusion Systemsを設立 |
| 2013年 | Blockchain.info開発者とOKCoin CTOを兼務 |
| 2017年 | Binance設立&ICO |
注) 各プロフィールは公表されている情報を元に作成していますが、正確でない場合もありますのでご了承ください。
FTX破綻までの一連の流れ
続いて、2022年11月にFTXが破産申請に至るまでの経緯を、当時の報道・投稿を手がかりに時系列で解説します。
11月2日 CoinDeskが下記のようなスクープを報じる
- Alameda Researchの総資産146億ドルのうち、ほぼ半分が自社トークンであるFTTで占められていたこと
- AlamedaとFTXの間で、巨額の資産が混同もしくは混在していたこと
参照元:Divisions in Sam Bankman-Fried’s Crypto Empire Blur on His Trading Titan Alameda’s Balance Sheet
11月6日 11:32pm Alameda CEOのCarolineが市場へ牽制のため下記の内容をツイート

■編集部翻訳
最近出回っている貸借対照表情報に関するいくつかのメモ:
- その特定の貸借対照表は、当社の部分的なものであり、そこには反映されていない資産が100億ドル以上あります。
- スクープ内容が拡散されていた為、彼らの報道内容とは別に100億ドルの資産があると公表
11月7日 0:47am BinanceのCEO、CZが21億ドル相当のFTTを市場で売却すると宣言

■編集部翻訳
昨年、BinanceはFTX 株式からの撤退の一環として、約 21 億米ドル相当の現金 (BUSD と FTT) を受け取りました。 最近明るみに出た情報により、私たちは帳簿に残っているFTTを清算することを決定しました。 1/4
- 2019年にBinanceがFTXへ出資をしていたが、2021年にFTXから半ば強制的に株式を買い戻され、資本関係が解消された
- その際の対価として、21億ドルのBUSDとFTTを受け取っていた
【考察】
2021年7月に、FTXがBinanceから株式の買戻しを行った際にCZは21億ドル相当のFTTとBUSDを受け取ったので、割合としては、23万FTT(5.75億ドル)+15.25億ドル相当のBUSDになります。
しかし、2021年のシリーズAでは4億ドル、7月のシリーズBでは9億ドルしかFTXは調達していないので、株式の買戻しをするためには、仮に調達したお金を全てつぎ込んでも2.25億ドル足りない計算になります。
この時点から資金繰りが追いついていなかったのでは?、という考察をすることが出来ます。
11月7日 01:03am Carolineが1FTTを22ドルで買い取ると返信

■編集部翻訳
@cz_binance FTTの売却による市場への影響を最小限に抑えたい場合は、本日、Alamedaが22ドルで喜んで購入します!
この時、FTTは23~25ドルの範囲で推移しているなかでの提案でしたが、CZはCarolineからの申し出を無視しました。
11月7日 3:49am CZが5.8億ドルのFTTをBinanceへ移動させる

■編集部翻訳
(Binanceの資金移動に反応したWhale Alert botに対して) 移動したよ。これは一部分だけ
実際に、FTT売却は本気であることを資金移動で示しつつ、これは一部に過ぎないとFTX側へ強くけん制しました。
しかし、これはCZ最大のブラフで、実際にはこれは一部ではなく、Binanceが保有するほぼ全てのFTT資産でした。
11月7日 6:49am CZがFTXと対立することを明確にした

■編集部翻訳
私たちの FTT を清算することは、LUNA から学ぶ、出口後のリスク管理にすぎません。 以前はサポートしていましたが、関係を解消した後に、表面上だけ仲良く取り繕うつもりはありません。 私たちは誰にも反対している訳ではありません。 しかし、陰で他の業界関係者を貶めるようなロビー活動を行う人々をサポートすることはありません。次へ。
CZがLUNAの件と暗に重なるとして、FTXへの対立姿勢を明確にしました(SBFは米国でのロビー活動を精力的に行っていました)。
11月7日 1:38pm SBFがFTXに問題がないことをツイート ※後に削除

SBFは「FTXは問題ない。競合のデマに惑わされないで」とツイートし、下記のように説明しました。
- 顧客資産をすべてカバーできる十分な資産がある
- 顧客資産を投資に流用することはない
- GAAP監査を受けており、10億ドル以上の現金がある
そして、「CZよ…エコシステムの為に協力しあえれば最高なんだけどね…」ともツイート。
11月8日 FTTが22ドルを下回り、取り付け騒ぎが勃発

引用元:These Four Key Charts Shed Light on the FTX Exchange's Spectacular Collapse
一連の騒動を受け、過去4日間でFTXから4.5億ドルのステーブルコインが出金されました。
反対にAlamedaは、FTXへ3.5億ドルのUSDCとBUSDを預け入れました。
【考察】
本当にAlamedaとFTXに資本関係がないのであれば、取り付け騒ぎを起こしているFTXに預け入れることは、経済的合理性に反した動きのため、この動きからも両者が資本を混在させていた可能性は高いと言えます。
そして、この間、SBFは沈黙を守り続けました。
11月9日 1:03am 30時間の沈黙を破り、SBFがツイート

■編集部翻訳
1) みんな、 いくつかお知らせがあります。
状況は一変し、http://FTX.com の最初と最後の投資家は同じであるBinanceとFTXの戦略的取引について合意に達しました (DD等は保留中です)。
SBFはBinanceへ身売りすることで合意し、顧客資産は1:1で保護されるであろうとツイートし、6分後にCZも確かに合意した事を表明しましたが、いつでも撤回可能である点を強調しました。

■編集部翻訳
本日の午後、FTXが私たちに助けを求めてきました。 FTXにはかなりの流動性の不足があるため、私達はユーザー保護目的に、拘束力のない LOIに署名し、http://FTX.com を完全に取得、流動性の危機をカバーすることを意図しています。 近日中に正式にDDを実施する予定です。
Binanceに頼る前に、SBFはウォールストリートやシリコンバレーの億万長者から10億ドル調達しようとしていました。
11月10日 SECやCFTC(米国の規制当局ら)が、FTXとFTXUSの関係などに対して調査することを公表→同日にBinanceがFTX買収撤回を公開

■編集部翻訳
企業へのデューデリジェンスおよび、顧客の資金の取り扱いの誤りや米国政府機関による調査の疑いに関する最新のニュース報道の結果、http://FTX.com の潜在的な買収を実施しないことを決定しました。
11月11日 11:14pm FTXがグループ会社まとめての破産申請を行ったことを公表

【破産申請直後の動き:2022年11〜12月】
FTXが破産申請を公表した翌日11月12日にFTXのウォレットがハッキングされ、6億ドル相当の暗号資産が盗まれました。
また後日、下記のような指摘や噂がメディアで報じられました。いずれも当時の情報であり、すべてが最終的に立証されたとは限りません。
- FTXには財務部が存在しない
- AlamedaやFTX幹部、特にSBFによる横領
- 監査の目をくぐるためにバックドアを仕掛けた等
そして、11月22日にデラウェア州の連邦破産裁判所にて、破産審問が開始されました。その後の手続や公判を通じて、ずさんな経営や資金の流用をめぐる実態が明らかになる過程が報じられています。
子会社を通じてバハマの不動産投資に約3億ドル、日本円にして約423億円が費やされ、そのほとんどが同社幹部の自宅や別荘の購入だったという内容もありました。
そして、騒動の中心にいた人物達には下記のような動きがありました。
- 12/13 SBFがバハマで逮捕される
- 12/22 FTXの共同創業者Gary WangとAlameda Research CEOのCarolineが詐欺罪を認める
- 12/23 SBFが米国に移送され、 NY連邦地方裁判所へ出廷。その後、保釈金2億5000万ドル(約330億円)という保釈条件に同意し保釈。
その後の米国の刑事手続の帰趨は、冒頭で述べたとおりです。
連鎖していくFTX破綻の影響
FTXの破産はその他のレンディング会社や取引所に大きな影響を与えました。その影響の一例を挙げていきます。
レンディング大手「Genesis Trading」出金停止
| 11月11日 | FTXに1.75億ドル資金ロックされたと発表 |
| 11月12日 | 親会社であるDCGが1.4億ドルの資本注入を公表 |
| 11月16日 |
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| 11月21日 |
レンディング大手 BlockFi 営業停止→破産申請
米大手仮想通貨投資企業 Galaxy Digital 一部損失
11月9日にFTXに0.76億ドルの資金がロックされた事を公表しました。
FTX破綻が及ぼした当時の影響と余波
FTXは当時世界2位の取引所でもあり、多くの暗号資産関連会社と関係性を持っていました。破綻以降も、関連する訴訟や破産手続の影響が一部の企業に残ることがあります。
下記は、AlamedaやFTXの投資先になります。

引用元:The Block
ここに記載されている企業以外でもFTX VCから資金調達していたことを公表しているPJがあります。
FTX破綻騒動の裏で起きたドラマたち
FTXの騒動は直接的な資金のやりとりでの影響だけではなく、暗号資産業界の仕組みにも影響を与えたので、その一端を紹介します。
DeFiの勝利
11月4日に※アルゴリズム型ステーブルコインであるAbracadabraにおいて、Alamedaからの担保の35%がFTTで占められている事が拡散されました。
DeFiにおいて、担保に入れられた暗号資産の価格が精算ラインまで下落した場合、自動的に売却され、担保が売り圧力になります。
AlamedaはDeFiにおいて”待った”が効かないことを知っているので、もし清算ラインまでFTT価格が下がると、担保となっていた5,000万ドル相当のFTTが叩き売られ、さらに下落を加速させてしまう為、それを避けるために彼らは迅速にAbracadabraへ返済対応せざるを得ませんでした。

引用元:Bankless
つまり、DeFiのトラストレスな仕組みがAlamedaを自然にけん制した形になったのです。
※アルゴリズム型ステーブルコインは、設定された価値を保証するための原資産が確保されているものではなく、相場の変動等により目標価格に対して大きく下落する可能性があります。
信用ビジネスの敗北
暗号資産業界はトラストレスで取引や契約を行う仕組みが多くある一方、従来型の信用ビジネスも残っており、今回のFTXの破綻でも大きな影響を受けました。
MapleFinanceがすんでのところで、Alamedaへの融資を回避
無担保型プロトコルのMaple Financeは、プロトコルによる与信審査終了後、借り手の代理人とプロトコルの間でオフチェーン法的拘束力のある契約(ISDAなど)を締結する仕組みになっています。
Maple Financeは、専門のクレジットアナリストがネイティブトークンであるMPLをステークし、ローンの引き受け・交渉・承認を行っているという触れ込みをしていました。
そしてMapleFinanceの無担保型プロトコルを通じて、Alamedaに融資していた主要融資先であるオーソゴナル・キャピタル社は融資の償還後、継続で融資をするかを検討していましたが、下記の理由から、Alamedaへの2.8億ドルの融資を実施しないことを、FTX騒動の半年ほど前にあたる2022年5月頃に決定していました。
ただし、この融資を見送ったオーソゴナル社自身も、実はFTXに多額の資金を置いており破綻の巻き添えになっています。彼らはその事実を隠して運用を続け、後に債務不履行を起こしてMapleから追放されるという末路を辿りました。
以下が、その理由になります。
- 資産の質の低下
- 不明瞭な資本政策
- 強固とはいえない業務・ビジネス慣行
- ますます複雑化する企業構造
ここでの出来事に関しては、無担保型のプロトコルがこの直前の回避に全く寄与しておらず、実際の貸し手であるオーソゴナル・キャピタル社のDD力が優れていたと言えるでしょう。
TrueFiによる被害
TrueFiとは、レンディングプロトコルの一つで、プロトコルの審査を通れば無担保で借入することが可能です。

引用元:TrueFi
Alamedaは1200万ドルの借入をTrueFiを通じて行っていますが、返済される目途は限りなく低いでしょう。

引用元:TrueFi
2022年に暗号資産業界を騒がせた関係者がこっそりと発言
Terra/UST騒動の際に、暗号資産業界を大混乱に陥れたLuna救済財団と、Terra/UST騒動の余波を受けて、破産した暗号通貨ヘッジファンドである3AC(スリー・アローズ・キャピタル)の創業者2人が下記のように発言しました。
Luna救済財団が、開発者による横領や不正利用はなかった旨の監査レポートを公開

■編集部翻訳
1/ 本日、LFG は、経験豊富な第三者監査会社である JS Held によって実施された技術監査レポートをリリースし、取引、ブロックチェーン記録、およびテラ米ドル ($UST) の価格を守るための LFG と TFL の取り組みに対する完全な透明性を提供します。 2022 年 5 月 8 日と 5 月 12 日。
3ACが騒動の渦中にいた際に、辛かったこと、不可抗力だったことをポエム調で投稿

■編集部翻訳
私は次々と押し寄せる波をサーフィンする場所にいました。次の瞬間、私は一掃され、ボードは壊れ、そしていたるところに岩礁がありました。 事業の失敗と目的の喪失の突然の痛みは、業界の寵児としての、より広義な事業サイクルであり、その後の排斥と悪魔化と同じくらい困難でした。
引用元:Twitter(@zhusu)

■編集部翻訳
宇宙は不思議な方法で働いています。 過去 1 年間、私は人生で最高値と最低値を経験しました。 多くの人がこれを読んでいることも知っています。人間性、コミュニティ、幸福はそれだけの価値があります。 Love。
今回の騒動で私達が学ぶべきこと
今回のFTX破綻は多くの関係者に様々な影響と学びを与えました。各関係者のスタンスの表明と私達がどのような学びをするべきか解説します。
CZやUniswap創業者が学んだことと、今後の方針表明

■編集部翻訳
今までは、基本的に競合に対しての公開指摘は行ってきませんでしたが、これからは業界を良くするために気になった話題にはパブリックな場でも指摘していこうと思います。それが誤報であるリスクを踏まえても。

■編集部翻訳
通貨の交換のような金融核システムを腐敗しやすい中央集権団体(CeFi)が担うのは、やはり好ましくなく、それが私達がDeFiやDEXに力を入れる一つの理由です。
今回の騒動で私たちが学ぶべきこと
◉何でも起こり得る業界である事を再認識
暗号資産業界は想定外のことが起こり得る業界ではありますが、2022年のTerra/USTショックやFTXの破綻を通じて、改めて「この業界は本当にどんなことでも起こり得るため、個人や法人問わず、全員が各々のリスク管理を徹底することで自己防衛を行わないといけない」というマインドを持ち続ける必要があるでしょう。
◉トラストレスの精神
今回のように、この業界ではまだ信用ビジネスが上手くワークしない可能性も十分に考えられるため、DeFiなどトラストレスな仕組みで成り立っているプロトコルや業界が今後より注目されていくかもしれません。
私たちもトラストレスの考え方を取り入れて、企業やプロトコルを評価していく視点が重要になってくるでしょう。
◉取引所・保管サービスを選ぶときの観点
特定の事業者を推奨するものではありませんが、中央集権型の取引・預託サービス、いわゆるCeFiを利用する際には、例えば次のような観点で公開情報を自分で確認することが有効です。
- 国内であれば、金融庁の登録暗号資産交換業者か、届出・許可の有無と履歴
- 顧客資産の分別管理や信託・保全の説明が、規約・サイト上でどう示されているか
- 財務・ガバナンスに関する開示の程度。有報・公告や、第三者監査の有無など
- レバレッジ・貸出・ステーキングなど、リスクが増える商品の条件と、利用者保護の説明
- 出金停止やハッキング等があった場合の公表の履歴と、当時の対応の透明性
いずれも「当てはまれば安全」とは限らないため、余剰資金の範囲での利用や分散など、自身の許容リスクに合わせた設計が重要です。
取引所側がどのような体制で顧客資産の分別管理やセキュリティ対策を行っているかは、Coincheckの取り組みを例に整理しています。