リップル(Ripple/XRP)にハードフォークはある?

ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といった主要な仮想通貨では、これまでハードフォークが行われてきました。

この記事ではハードフォークとは一体どのようなものなのか、またハードフォークが起こる原因についてお伝えします。

また、ハードフォークはリップル(XRP)でも起こりうるのかについて検証していき、もし起こった場合の影響なども合わせて解説していきます。

ハードフォークとは何か?

仮想通貨
ハードフォークが行われる予定の仮想通貨は、仮想通貨市場ではとても話題となります。このハードフォークとは一体どのようなものなのかについて、まずお伝えしていきます。

ハードフォークとは、新たな仕様にするために既存の仕様とは全く別のブロックチェーンに変更することをいいます。ハードフォークが実施されると新たなブロックチェーンは元のブロックチェーンとは完全に互換性がなくなります。

そしてハードフォーク後には元のブロックチェーンはそのままの形で残ります。これまで数々の仮想通貨でこのハードフォークが実行されてきました。

例えば、イーサリアム(ETH)はイーサリアム(ETH)とイーサリアムクラシック(ETC)の2つのコインへと分裂しました。

また同様にメトロポリスと呼ばれるアップデートのためのハードフォークも行われています。このハードフォークが起こる原因はいくつか考えられます。次にこの原因について解説していきます。

ハードフォークが起こる原因

ハードフォーク
ハードフォークといえば、ハッキングが起きた際などに、ブロックチェーンをハッキング前の状態にし、ハッキング事態をなかったことにする仕様変更が連想されることが多いものです。

しかし、実際のハードフォークが起こる原因は一つとは限りません。ハードフォークが起こる原因はいくつかに分かれますが、主に下記のような要因から起こります。

それぞれのハードフォークの要因について解説していきます。

アップデートのためのハードフォーク

アップデートのためのハードフォークとは、処理速度の向上やセキュリティ対策などといったブロックチェーン上の問題点を解決して、既存のプロトコル(規約)を改善するために実施される仕様変更になります。

例えば、イーサリアム(ETH)の場合、4段階のハードフォークがあり、セキュリティや取り引きデータの処理能力を向上させるために段階を踏んで行われてきています。

アップデートのためのハードフォークの場合、コミュニティ内部では同意が得られていることから、後述するコインの分裂は起きません。

コイン分裂を引き起こすハードフォーク

コイン分裂を引き起こすハードフォークとは、イーサリアム(ETH)とイーサリアム・クラシック(ETC)の分裂の際に起こったようにコミュ二ティ内部の意見対立などが要因で起こるものが挙げられます。

これはコミュニティ全体で合意されているアップデートのためのハードフォークでは、既存のコインを分裂する必要がなく、そのまま利用できることからコインの分裂は起きません。

意見の対立とは、イーサリアム(ETH)のように非中央集権の理念を重んじる側と、ハッキングを受けた通貨を無効化したいと考えている側で仕様変更をめぐるものがあります。

両者の考えが平行線をたどる場合、コインを分割して袂を分かつことになります。

詳しくはこちら:イーサリアムクラシック(ETC)の特徴とは?イーサリアム(ETH)との違いを徹底解説

アルトコイン生成のために行われるハードフォーク

ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの通貨の場合、ハードフォークすることで全く同じ技術基盤の上に新たなアルトコインを生成し、利用することができます。

例えば、あるオンラインゲーム上で利用できる専用のアルトコインを新たに生成し、ユーザーに配るといったことも簡単にできます。

ブロックチェーンを利用したビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの場合、開発に必要な情報であるプログラミングコードは誰でも利用可能なオープンソースとしています。

そのためにそのプログラミングコードを使って、既存の通貨のブロックチェーン機能を少しだけハードフォーク(仕様変更)するだけで、新たなアルトコインを生成することができます。

このような形で生成された通貨としては、ライトコイン(LTC)などがあります。

詳しくはこちら:仮想通貨ライトコイン(LTC)とは?特徴を初心者にもわかりやすく解説

リップル(Ripple/XRP)でハードフォークはあるのか?

リップル(XRP)
リップル社は既に世界数十か国の銀行や決済業者と提携しており、日本国内でも大手金融機関がリップル(XRP)による送金システムを用いたプロジェクトを行っています。

さらに広く利用されるためには承認者であるValidator(バリデータ)の数を増やして中央集権の度合いを弱めて、セキュリティの改善などが必要です。このような改良の必要性から今後リップル(XRP)でハードフォークが行われる可能性はないとは言い切れません。

しかし、その可能性は他の仮想通貨よりも低いといえるかもしれません。その理由としては、上述のハードフォークが起こる要因でもご紹介したように、ブロックチェーンを技術基盤とする他の仮想通貨とは全く異なる仕様だからです。

例えばブロックチェーン技術を活用するイーサリアム(ETH)では、仕組みの都合からセキュリティや処理速度の向上のための仕様変更にハードフォークが必要になります。

しかし、分散型台帳技術を基盤とするリップル(XRP)ではそのような仕様変更のためにハードフォークする必要がありません。また、リップル(XRP)の場合、その管理はリップル社が選定・管理しているValidatorによるものとなっています。

そのためハッキングに遭ったイーサリアム(ETH)がコミュニティ内の意見の対立からコインを分裂させるために実施されたようなハードフォークも起こる可能性は低いといえます。

さらに、ブロックチェーンのようにその技術を使って新たなアルトコインを生成するために行われるハードフォークも、リップル(XRP)の場合は国際送金決済ネットワークの提供が主眼となっており、起こる可能性は低いといえるでしょう。

これまでリップル(XRP)がハードフォークを実施すると発表したことはありませんが、その動向については今後も注視していく必要があります。

リップル(Ripple/XRP)の特徴の詳細についてはこちら

ハードフォークがあった場合のリップル(Ripple/XRP)への影響について

リップル(XRP)
このようにリップル(XRP)によるハードフォークは他の通貨よりも起こる可能性は少し低いとお伝えしました。しかし、もし実際にリップル(XRP)がハードフォークを実行した場合には、どのような影響があるのでしょうか。

ハードフォークが起こればこれまでの仕様とは全く互換性がなくなりますので、これまでのリップル(XRP)の優位性がなくなるリスクがあると考える方もいるかもしれません。しかし、実際にはハードフォークの理由によってその価値を高めた事例もあります。

The DAO事件でハッキング被害にあったイーサリアム(ETH)は、事件後にその信頼が失われ、価格も一時的に低下しました。

しかし、イーサリアム(ETH)とイーサリアム・クラシック(ETC)に分裂したハードフォークがきっかけでその後の相場は上昇に転じています。この上昇理由のすべてがハードフォークを要因とするものとは言い切れませんが、大きな要因であるのは確かでしょう。

また、同じようにハードフォークによって誕生した仮想通貨にはビットコイン・キャッシュ(BCH)もあります。これが登場したことで、ビットコイン(BTC)自体もその価格を上昇させ、特徴の似たコインどうしで価格が上昇する事例も出ています。

もし、リップル(XRP)にハードフォークが起こったとしても、必ず市場で価格が低下するとは限らないといえるでしょう。

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リップル(Ripple/XRP)のハードフォークについてのまとめ

ここまでハードフォークの概要や、リップル(XRP)にもハードフォークが起こりうるのかについてお伝えしました。

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