暗号資産(仮想通貨)にはたくさんの種類があります。なかでもよく知られている通貨が、ビットコイン(BTC)とリップルです。
どちらを購入するべきか悩む人も多いでしょう。そこで、ビットコイン(BTC)とリップル(XRP)の特徴や、主な違いなどについてご紹介します。
目次
- ビットコイン(Bitcoin/BTC)の主な特徴は何?
- リップル(Ripple/XRP)の主な特徴は何?
- 【それぞれの違い1】開発者が異なっている
- 【それぞれの違いその2】コンセンサスアルゴリズムなどの仕組みが異なる
- 【それぞれの違いその3】開発目的が異なる
- 【それぞれの違いその4】送金スピードなどの性能が異なる
- 【それぞれの違いその5】コインの発行上限数が異なる
- 【それぞれの違いその6】マイニングなど入手先が異なる
- 【それぞれの違いその7】価格が異なる
- ビットコイン(Bitcoin/BTC)とリップル(Ripple/XRP)の値動きは連動している?
- 購入するならどちらの暗号資産にすべきなの?
- それぞれの暗号資産の違いを把握しておこう
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の主な特徴は何?
ビットコイン(BTC)の主な特徴には、例えば下記の3つが挙げられます。
1. 時価総額が大きい
1つ目は、時価総額が大きいことです。
ビットコイン(BTC)は、数ある暗号資産のなかでも最大の時価総額を誇る通貨です(2019年1月時点)。
暗号資産は24時間市場で取引されており、価格は常に変動しています。その価格と発行されているすべての通貨量を掛けたものが、時価総額です。
時価総額が大きいということは、取引量が多く、旺盛な需要によって価格も上昇してきたことを意味しています。
2. 最初に登場した暗号資産
2つ目は、最初に世の中に登場した暗号資産だということです。今では暗号資産は、1,000を超える種類が存在しているといわれています。
その通貨のなかでいち早く誕生したビットコイン(BTC)は、暗号資産の元祖です。元祖であることが、ビットコイン(BTC)が有名である理由の1つとなっています。
3. 機能面での問題の指摘
3つ目は、機能面での問題を指摘されていることです。
たとえば、取引履歴を納めるブロックが小さく、取引量が増えた場合に格納しきれるのか、などの懸念があります。
ただし、いくつかの課題は、Segwitやライトニングネットワークなどの新しい技術によって、改良されつつあることも知っておきましょう。
詳しくはこちら:ビットコイン(Bitcoin/BTC)とは何か?初心者にも分かりやすく解説
リップル(Ripple/XRP)の主な特徴は何?
リップル(XRP)は、アルトコインの代表的な存在として知られています。
アルトコインとは
アルトコインとは、ビットコイン以外の暗号資産のことです。リップル(XRP)が考案されたのは2004年にまでさかのぼります。
ただし、実際にコインの発行が行われ配布されたのは、ビットコイン(BTC)誕生の後です。
リップル(XRP)は、決済や送金を低コストで簡単にできるような環境を作り、市場を活性化させることを目的として開発されました。そのため、決済・送金の機能向上に特化したシステムであることが特徴です。
リップル社が存在
また、通貨を管理するリップル社が存在していることもリップル(XRP)の特徴でしょう。
暗号資産の多くは、中央管理者が不在という仕組みで動いていますが、リップル(XRP)は違います。リップル社がリップル(XRP)を広める活動を積極的に行っていることもあり、世界中の大企業との連携が進んでいることも特徴です。
大手金融機関を含む世界中の企業との提携などを通じて、市場の活性化を実現しようとしています。
詳しくはこちら:リップル(Ripple/XRP)の特徴とは?
【それぞれの違い1】開発者が異なっている
ビットコイン(BTC)とリップル(XRP)のどちらを取引対象とするかを決めるにあたっては、相違点を理解しておくことは必要でしょう。
まず注目しておきたいポイントは、誰が開発したかです。ビットコイン(BTC)とリップル(XRP)は、考案した人が異なります。
ビットコイン(BTC)はサトシ・ナカモト
ビットコイン(BTC)は、サトシ・ナカモトによって考案されました。
サトシ・ナカモトの名前で発表されたビットコイン(BTC)に関する論文が発表されたことにより、ビットコイン(BTC)のシステムを含む、暗号資産がスタートしたのです。
サトシ・ナカモトという名前から、日本人男性を連想する人も多いでしょう。しかし、実は国籍・性別・個人か団体かを含めて一切不明です。また、ビットコイン(BTC)は、不特定多数のシステム参加者が共同でシステムを支える仕組みであり、中央管理者は存在しません。
リップル(Ripple/XRP)はRyan Fugger
一方、リップル(XRP)の送金システムであるRipplepay(Ripple payment protocol、リップルペイメントプロトコル)の考案者は、Ryan Fugger(ライアンフガー)氏です。サトシ・ナカモトとは異なり、表舞台で活躍しています。
リップル(XRP)は、開発の目的が使い勝手がよい送金システムを世に広めることにあったため、その活動を担う面もありリップル社という管理者が存在しています。この点も、管理者がいないビットコイン(BTC)との相違点です。
【それぞれの違いその2】コンセンサスアルゴリズムなどの仕組みが異なる
ビットコイン(BTC)とリップル(XRP)では、通貨システムとしての仕組みが異なっています。特に大きく異なっている点は、コンセンサスアルゴリズムの違いです。
コンセンサスアルゴリズムとは、取引検証・承認の方法だと理解すればよいでしょう。一定の時間間隔で生成されるブロックに格納される暗号資産の取引履歴は検証と承認を経て、ブロックチェーンにつなげられます。
ブロックチェーンは、各ブロックが時系列に従ってチェーン状に連なったもので、分散型台帳とも呼ばれるものです。
ビットコイン(BTC)はPoW
ビットコイン(BTC)のコンセンサスアルゴリズムには、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)が採用されています。
簡単にいえば、計算という手間がかかる検証行為(マイニング)を経たものであるため、正当な取引だと考える方法です。
膨大な量の計算を行わないと解けない計算問題をいち早く解く競争によって、取引の正当性が確保されています。計算には、膨大なマシンパワーが投入されます。
そしてこの検証・承認行為には不特定多数が参加可能です。
詳しくはこちら:暗号資産のPoWとは?仕組みや種類・代表例なども紹介
リップル(Ripple/XRP)はPoC
一方、リップル(XRP)のコンセンサスアルゴリズムは、PoC(Proof of Consensus、プルーフオブコンセンサス)です。
リップル(XRP)の取引履歴を承認するのは、不特定多数のネットワーク参加者ではなく、リップル社が選出した限られた人になります。つまり、代表者の合意で承認が完了する仕組みです。
PoWのように大量の電気を消費して膨大な計算を行う必要がないため、省エネタイプのアルゴリズムだといえます。
【それぞれの違いその3】開発目的が異なる
ビットコイン(BTC)とリップル(XRP)は、開発の目的も異なります。
サトシ・ナカモトの論文には、中央銀行によって発行量が管理されている円やドルなどの法定通貨に関する欠点を指摘する箇所があります。その欠点とは、金融緩和政策による意図的なインフレ誘導が原因となって生じる貨幣価値の相対的な下落です。
ビットコイン(BTC)は、特定の管理者が存在することによる欠点を回避できる、発行管理者不要の通貨システムを作ることを目的として開発されました。その結果登場したのが、ブロックチェーン技術を使ったデジタル通貨の決済システムです。
リップル(XRP)は、中央管理者がいることに関しては、そこまで問題視していないことが特徴です。リップル(XRP)は、低コストで素早く資金移動ができる送金システムを作り上げることを目的として開発されました。
そのため、ビットコイン(BTC)とは違い、中央管理者が存在しています。また、取引検証・承認にはPoCが採用されていることもあり、送金処理完了に必要な時間はビットコイン(BTC)よりも短時間で済むことが特徴です。
【それぞれの違いその4】送金スピードなどの性能が異なる
ビットコイン(BTC)とリップル(XRP)では、性能に大きな違いがあります。例えば、今のところ送金スピードはリップル(XRP)の方が速くなっています。
ビットコイン(BTC)では、送金処理が行われてから取引検証・承認が行われるまでにかかる標準的な時間は、約10分です。
一方、リップル(XRP)の送金処理承認完了までの時間は、数秒程度で済みます。速いスピードで処理できることは、送金システムとしての大きなメリットだといえるでしょう。
送金スピードの差は、取引検証・承認のコンセンサスアルゴリズムやブロックスピードなどの違いが大きく影響しています。ビットコインのブロック生成は、約10分間隔で行われ、検証・承認もブロック単位で行われる仕組みです。
約10分で検証が終わるように、計算問題の難易度が自動的に調整されています。難易度が下がると検証が簡単になり、通貨システムの信頼性が下がってしまうため、10分よりも短くすることはできない仕様です。
一方、リップル(XRP)では、PoCが採用されています。不特定多数の人が検証するのではなく、あらかじめ定めた信頼できる代表者が承認する仕組みであるため、数秒単位で承認を行える仕組みです。
その結果、リップル(XRP)のほうが1秒あたりの処理件数が多くなります。
【それぞれの違いその5】コインの発行上限数が異なる
ビットコイン(BTC)とリップル(XRP)には、通貨発行量の上限や発行方法にも違いがあります。ビットコイン(BTC)の通貨発行量上限は、2100万BTC(通貨単位)です。
発行量が上限に達すると、それ以上の新規発行は停止されます。一方、リップル(XRP)の総発行量は1000億XRP(通貨単位)です。
ただし、総発行量の数自体には大きな意味はありません。どちらの通貨も、小数点以下での取引は可能です。重要な点は、法定通貨とは違い、上限が定められていることです。
通貨発行に関しても違いがあります。ビットコイン(BTC)は、取引検証・承認が行われると一定のコインが新規発行される仕組みです。
新規発行量は徐々に減少するため、総発行量は上限に向かって緩やかに近づいていきます。一方、リップルは最初から上限の1000億XRPが発行済みとなっており、新規発行は行われない仕組みです。
【それぞれの違いその6】マイニングなど入手先が異なる
ビットコイン(BTC)とリップル(XRP)は、入手方法にも違いがあります。どちらの暗号資産も、取引所や販売所で購入できる点は同じです。
取引所とは、暗号資産交換業者が設定している取引市場で、投資家同士がオークション方式で取引を行います。取引所で買い注文を入れ、購入希望価格と市場価格が一致すれば取得可能です。
販売所は、業者を相手に取引することになります。業者が提示した価格で購入する仕組みで、即時に簡単に購入できるというメリットがあります。
また、どちらの通貨も、すでに保有している人から受け取る方法でも入手できます。
入手方法に関して異なる点は、マイニングによる新規発行分を報酬として受け取れるかどうかです。計算競争による取引検証行為をマイニングといいます。マイニングは、鉱物採掘を意味する言葉です。
最初に計算問題の正解を得た人が、マイニングの報酬として新規発行された暗号資産を受け取れます。ビットコインは、マイニングに成功すれば取得できますが、リップルはすべての通貨が発行済みであるため、マイニングによって取得できない仕組みです。
【それぞれの違いその7】価格が異なる
ビットコイン(BTC)やリップル(XRP)の価格は、需要と供給によって決まる仕組みです。取引所などで常に取引されているため、価格は変動します。
ビットコイン(BTC)とリップル(XRP)は、それぞれの価格が異なることも相違点です。2018年12月1日時点では、ビットコイン価格は1BTC(ビーティーシー)あたり約4000ドル、リップル(XRP)は1XRP(リップル)あたり約0.35ドルとなっています。
ただし、価格が高いほうが市場からの評価が高いというわけではないことは認識しておきましょう。暗号資産の価値は、時価総額で表されます。
時価総額とは、価格と発行済通貨数量を掛けたものです。そのため、価格の絶対値ではなく、時価総額などにも注目しながら取引を検討した方が良いでしょう。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)とリップル(Ripple/XRP)の値動きは連動している?
また、暗号資産取引を行う場合は、価格の変動に注目することが重要です。値動きの激しさや、値動きの方向を見定めて取引することによって、損失を最小化して利益を出すことが可能になります。
暗号資産の値動きを分析する場合は、ビットコイン(BTC)の値動きに注目することもポイントです。ビットコイン(BTC)の取引量は多く、暗号資産の全取引量に対してかなりの割合を占めています。
ビットコイン(BTC)と法定通貨による売買取引だけでなく、ビットコイン以外のアルトコインとの売買取引にも決済通貨として使われます。ビットコイン(BTC)は、法定通貨におけるドルのように、暗号資産における基軸通貨としての役割も果たしているのです。
そのため、ビットコイン価格が上昇するとアルトコイン価格も上昇し、ビットコイン価格が下落するとアルトコイン価格も下がる傾向があります。ビットコイン価格は、ほかの暗号資産にも影響を与えるのです。
そのためアルトコインの1つであるリップル(XRP)も、ビットコイン価格の影響を少なからず受けます。ただし、完全に連動しているわけではないことも認識しておきましょう。
購入するならどちらの暗号資産にすべきなの?
ビットコイン(BTC)とリップル(XRP)の両方に興味がある人は、どちらを取引対象とするか悩むでしょう。取引対象を決める場合に注目すべきポイントとして、例えば下記の2つが挙げられます。
1つ目は、ビットコイン(BTC)の開発の進捗度とアップデートの状況です。
ビットコインシステムは、有志の開発者によって改良が加えられています。改良がうまくいけばビットコインの評価が高まり、価格が上昇する可能性があります。
また、ビットコイン(BTC)に関しては、ビットコインETFの動向などに関しても着目しておくと良いでしょう。
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2つ目は、リップル社が推進している大手金融機関や企業との連携が、さらに進むかどうかです。世界中の企業との提携がさらに広がれば、将来の価格上昇も見込めるかもしれません。
どちらの通貨に投資するのがよいかは、一概には決めることは難しいといえます。それぞれの通貨の最新情報を収集して開発や提携の状況を見極めたうえで、自ら判断することが大切です。
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それぞれの暗号資産の違いを把握しておこう
ビットコイン(BTC)は元祖暗号資産とも呼ばれ、取引量が多く人気がある通貨です。また、リップル(XRP)も送金スピードが速いという特徴を活かして、金融機関や企業との連携を進めており、将来性があるといわれています。
ビットコイン(BTC)とリップル(XRP)のどちらを購入するかの判断に迷っている場合は、それぞれの通貨の特徴を把握し、違いを認識することが重要です。その上で両方に分散投資を行うという判断をするのも良いでしょう。
何れにせよ、常に両方の通貨に関する最新情報やニュースなどを、定期的にチェックしておくことが大切です。