大きな価格上昇によって利益を得た人も多いのが、ビットコイン(BTC)です。
そんなビットコイン(BTC)ですが、実は「空売り」をすることでも利益を出す方法があるのです。価格の上昇だけでなく、下落の場面にも空売りを行うことで利益を出すことができます。
そこで今回は、ビットコイン(BTC)の空売りの仕組みや、具体的なやり方についてご紹介します。仮想通貨をまだ取引したことはない人はもちろん、空売りに興味がある人は参考にしてみてください。
※Coincheckでは2021年1月時点でレバレッジ取引のサービスを提供しておりません。
目次
ビットコインの空売り(ショート)とは?
ビットコイン(BTC)の空売りとは、実際には持っていないビットコイン(BTC)を売ってから買い戻すことです。簡単にいうと、買いの反対をしているイメージです。
ではなぜ、「空売り」というのでしょうか。買い注文であれば即座に現物を入手できますが、売り注文といっても持ってもいないものを売ることはできません。
売り注文では、将来的に買い戻したものを売る仕組みになっており、売り注文を出した段階では現物を持っていないので「空売り」というのです。
投資においては、一般的に「安く買って高く売る」のが基本とされています。しかし、それは買い注文の場合の話で、空売りの場合には、高く売って安く買い戻すことで利益を得るのです。
つまり、下落相場でも利益を得ることができるということになります。買いのことを「ロング」というのに対して、空売りのことを「ショート」ともいうことがあります。
空売りでは、注文をしてポジションを持ち、決済して初めて取引が完了したことになります。投資家によっては、下落相場でもうまくこの空売りを利用して利益を上げている場合もあります。
ビットコインの空売り(ショート)のメリット
空売りには以下のようなメリットがあります。
1. どんな相場でもチャンスにできる
1つ目が「どんな相場でもチャンスにできる」点です。
上昇相場では、安く買って高く売るという「買い注文」で利益を出すことができ、下落相場でも、高く売って安く買い戻すという「売り注文」で利益を出すことができます。
仮想通貨の場合、長期にわたって上昇相場や下落相場が続くことがあります。どちらか一方のみの注文方法では、なかなか参加するタイミングがつかめない場合もあります。
どのような相場でも利益を出すチャンスにできるのは、空売りの大きな魅力といえるでしょう。
2. 短期で利益を出せる可能性がある
2つ目が「短期で利益を出せる可能性がある」点です。
空売りは、基本的には短い期間での取引に適しています。長期保有を行わないため、価格変動が不安定でも、タイミングさえ見極めれば利益を上げることができます。
長期保有でなくても、短期間で利益を積み上げることができるのも利点の1つといえます。
ビットコインを空売り(ショート)ができる条件
ビットコイン(BTC)空売りをしたいと思ったら、条件を満たしているかどうか確認する必要があります。
1. 信用取引である
1つ目が「信用取引であること」です。
空売りでは、手元にビットコイン(BTC)がない状態からスタートするため、現物取引では実行することができません。FX(外国為替証拠金取引)などのように、レバレッジをきかせた信用取引にて行う必要があります。
2. レバレッジ取引に対応している仮想通貨の取引所を利用する
2つ目が「レバレッジ取引に対応している仮想通貨の取引所を利用する」です。
ビットコイン(BTC)の空売りは、レバレッジ取引に対応している仮想通貨の取引所でなければ、取引することができません。
また、レバレッジの倍率も取引所によって異なります。レバレッジ倍率が大きいほどリスクは高くなりますが、リターンも期待ができるといえます。
ほかにも、必要になる証拠金やロスカットのタイミングなど、細かいルールが取引所によって異なりますので、事前にチェックしておきましょう。
レバレッジ取引について押さえておきたいポイント
空売りで取引する際の基本になるのが「レバレッジ」取引です。レバレッジ取引について押さえておきたいポイントがいくつかあります。
1. 証拠金を預け入れる必要がある
1つ目が「証拠金を預け入れる必要がある」点です。
空売りでは、注文を出した段階で現物の取引は行われませんが、注文するために最低証拠金額が定められています。この預け入れた証拠金をもとに、証拠金の何倍もの金額を取引することが可能なことから、証拠金は余裕を持つことが基本です。
空売り注文を出してから決済するまで、証拠金を割り込まないように注意しましょう。
2. 少ない資産で効率よく取引できる
2つ目が「少ない資産で効率よく取引できる」点です。
てこの原理のごとく、少ない証拠金でも多くの金額を取引できるので、レバレッジ取引では効率よく利益を上げることができる可能性があります。たとえば、レバレッジが5倍の設定の場合、100万円の仮想通貨を取引するために20万円の証拠金で済むことになります。
仮想通貨の価格変動は大きいといわれているので、短期間で大きな利益を上げることも珍しくありません。
3. ハイリスクハイリターンな方法である
3つ目が「ハイリスクハイリターンな方法である」点です。
レバレッジをきかせた取引は大きなリターンが狙える半面、リスクも大きくなります。思った通りに価格が変動せず、証拠金を割り込めば、強制ロスカットと呼ばれる自動決済がなされます。
また、準備した証拠金を超える損失が出る可能性もゼロではありません。リスクを頭に入れたうえで、賢く空売りを行う必要があります。
空売り(ショート)における売り注文の主な種類
空売りにおける売り注文の主な種類として、株式投資などでも使われる用語が大きく2つあります。
1. 指値注文
1つ目が「指値注文」です。
指値注文とは、売り始めるビットコイン(BTC)の価格を予め設定する注文方法のことをいいます。指値注文のメリットは、自分が売りたい価格で取引できることと思わぬ損失を防ぐことができることです。
細かく価格を気にする人に向いています。一方で、デメリットはすぐに約定しないことです。指定した価格になるまで取引が開始されないので、とにかくすぐに取引したい人には向いていないといえます。
2. 成行注文
2つ目が「成行注文」です。成行注文とは、自分で価格は設定せず、その時点で最も高い買い注文との取引が成立する注文方法のことをいいます。
成行注文のメリットは、自分が売りたいときにすぐ約定することです。価格を問わず、とにかく注文を成立させたいときに向いています。
一方で、デメリットは希望する価格で約定しないことです。また、激しい相場のときには、思わぬ価格で約定してしまうこともあります。
空売りにおける注文方法には、指値注文と成行注文以外にも種類がありますが、初心者はまずはこの2つを押さえておくと良いでしょう。また、損失を最小限に抑えるためにも注文を組み合わせることも有効になるので、慣れてきたら活用するのも一つの手といえます。
ビットコインの空売り(ショート)での注意点
ビットコイン(BTC)を空売りをするときに注意したいポイントとして、以下が挙げられます。
1. 追証やロスカットが適用される
1つ目が「追証やロスカットが適用される」点です。
空売りでは、レバレッジをかけての取引が一般的のため、損失がふくらむと追加で証拠金を請求されたり、ロスカットされたりすることがあります。追証を迫られるということは、元本を割っていることを意味します。
また、追証なしでも強制ロスカットをされる場合があり、意図しない決済をする場合もあるため、利用する際には注意が必要です。
2. ポジションを持ったらなるべく目を離さない
2つ目が「ポジションを持ったらなるべく目を離さない」点です。
空売りは、少しの価格変動でも資産に影響が出る取引方法です。そのため、長い間、チャートから目を離すと思わぬ損失につながる恐れもあります。
レバレッジをかけた空売りは、基本的には短期間での売買に向いている方法なので、ポジションを持ったらくれぐれも放置しないようにしましょう。
3. ハイリスクハイリターンである
3つ目が「ハイリスクハイリターンである」点です。
仮想通貨の空売りは、価格変動が激しいためにリスクがとても高いといえます。その分、リターンも大きいといえますが、大きな損失になってしまうこともあるので、あらかじめ理解したうえで、自己責任で行うようにしましょう。
ビットコインの空売り(ショート)は余裕をもって行おう
仮想通貨の取引でも、FX(外国為替証拠金取引)などと同じように、少ない資金で効率的に取引できるレバレッジをきかせた空売りの取引ができます。
空売りを利用することで少額から取引でき、下落相場でも利益を上げることが可能です。しかし、追証やロスカットなどで元本を割るリスクもあり、空売りゆえの注意点もあります。
ハイリスクハイリターンな取引方法なので、資金には余裕を持って参加する必要があります。また、仮想通貨の初心者にはハードルの高い取引ですので、これから仮想通貨を売買しようと考えている人は、まずは通常の現物取引から始めるのが良いでしょう。