ドージコイン(DOGE)とは?将来性や過去の価格・チャートを解説

ドージコイン(DOGE)は、2013年にライトコイン(LTC)の技術をもとに開発された暗号資産です。

柴犬の画像のミームである「Doge」をモチーフにしているドージコインは、高速・低コストで利用できる利便性の高さから、GucciやスペースXなどの企業から決済手段として採用されています。また、時価総額ランキングでも9位(※)に位置するなど、トレーダーの間でも高い人気を誇っています。

この記事では、ドージコインの特徴、過去の価格推移、将来性、購入できる取引所などについて解説していきます。ドージコインの取引に興味をお持ちの方は、ぜひご覧ください。

(※)2023年3月3日時点。CoinGecko調べ

ドージコイン(DOGE)とは

DOGE

引用:What is Dogecoin?

ドージコイン(DOGE)は、2013年に当時の暗号資産業界を風刺する目的で開発されたミームコインです。Adobe Systemsのマーケティング担当だったジャクソン・パルマー氏と、IBMのソフトウェアエンジニアだったビリー・マーカス氏らによって開発されました。

柴犬の画像のミームである「Doge」をモチーフとしており、プロジェクトの構想や開発目標が記載されているホワイトペーパーも存在しないことから、リリース当初ドージコインは“ジョーク通貨”という評価を受けていました。

しかし、インターネット・ミームの盛り上がりも手伝い、ドージコインのコミュニティは徐々に拡大していき通貨としての知名度を増していきます。さらに、2021年1月にはテスラ社のCEOであるイーロン・マスク氏がドージコインについて言及したことで一気に脚光を浴び、それまで0.5円ほどだった価格も約5円まで高騰しました。

通貨名 ドージコイン(Dogecoin)
ティッカーシンボル DOGE
発行上限枚数 なし
リリース 2013年12月
コンセンサスアルゴリズム PoW(Proof of Work)
価格(2023年3月3日時点) 約11円
時価総額ランキング(2023年3月3日時点) 9位 ※CoinGecko調べ
過去最高値 79.44円(2021年5月)※CoinGecko調べ
過去最低値 0.01039259円(2015年5月)※CoinGecko調べ
公式サイト https://dogecoin.com/

リリース当初に0.05円ほどだったドージコインは、2023年3月3日時点で約11円まで値上がりしており、時価総額でも9位(CoinGecko調べ)にランクインするほどの人気を集めています。

そもそもミームコインとは?

ミームコインとは、インターネット上で広く浸透しているミーム(ジョーク、ネタ画像)をモチーフにした暗号資産です。

他の暗号資産のように通貨の機能性によって評価されるというより、コミュニティの厚い支持によって需要や価格が形成されやすいのがミームコインの大きな特徴です。また、他の通貨と比べて供給量が多く、ボラティリティ(価格変動率)が高い銘柄が多いことも特徴として挙げることができます。

2023年3月現在、ミームコインには主に以下のような銘柄があります。

  • ドージコイン(DOGE)
  • モナコイン(MONA)
  • 柴犬コイン(SHIB)
  • FLOKI Inu(FLOKI)
  • Bone ShibaSwap(BONE)

ドージコイン(DOGE)の仕組み・特徴

DOGE

ドージコイン(DOGE)には、主に以下の4つの特徴があります。

  • ライトコインの技術をもとに開発されている
  • 高速・低コストな送金が可能
  • 発行上限がない
  • ボラティリティ(価格変動率)が高い

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ライトコインの技術をもとに開発されている

1つ目の特徴は、「ライトコインの技術をもとに開発されている」点です。

ドージコインは、2013年12月にライトコイン(LTC)の技術をもとに開発されました。ライトコインはビットコイン(BTC)をベースに2011年に誕生した暗号資産で、ビットコインが抱えるトランザクション(取引)処理速度の問題などを解決する目的で開発されました。

もともとビットコインをモデルに開発されたこともあり、3つの通貨には共通点が多くあります。例えば、どの通貨も取引を承認する際のコンセンサスアルゴリズムには「PoW(Proof of Work)」を採用しています。

高速・低コストな送金が可能

2つ目の特徴は、「高速・低コストな送金が可能」な点です。

以下の表は、1回の取引に要する時間を比較したものです。表からもわかるように、ドージコインはビットコインの10倍ほどの処理能力を有しています。

通貨名 1回の取引に要する時間
ビットコイン(BTC) 約10分
ライトコイン(LTC) 約2分30秒
ドージコイン(DOGE) 約1分

また、送金手数料もビットコインやライトコインと比べて割安な点も、ドージコインのメリットとして挙げることができます。

安い手数料で高速な取引が可能なことから、航空宇宙メーカーの「スペースX」やファッションブランドの「Gucci」など、ドージコインを決済手段として導入する企業も増えてきています。

発行上限がない

3つ目の特徴は、「発行上限がない」点です。

多くの暗号資産では、発行数量に上限を設定しています。例えばビットコインなら2,100万枚、ライトコインなら8,400万枚という発行上限が設定されています。

これはマイニングなどで通貨の総量が増えることによって希少性が下がり、価値が下落するのを防ぐためです。通貨によっては発行上限を設定するだけでなく、市場に流通する通貨の一部を取り除く「バーン(Burn)」などを利用して、価格の下落を防いでいるものもあります。

その点、ドージコインには発行上限が設定されておらず、バーンのような価格が下落しない仕組みも設けられていないため、理論的には価格が上昇しにくい設計になっています。

しかし、そのような構造上の問題を抱えながらも、通貨としての話題性の高さやコミュニティの強い団結力などに後押しされる形で、ドージコインの価格が高騰することはこれまでに何度もありました。

ボラティリティ(価格変動率)が高い

4つ目の特徴は、「ボラティリティ(価格変動率)が高い」点です。

コミュニティの団結力が強く、通貨としての話題性が高いドージコインは、他のアルトコインに比べてボラティリティが高い傾向があります。

そして、多くの暗号資産が通貨のアップデートや企業との提携などの情報により価格が変動しやすい傾向があるのに対して、ドージコインには著名人の発言やSNSでの投稿などによって価格が変動しやすいという特徴があります。

例えば、2021年5月にはテスラCEOのイーロン・マスク氏がTwitterでドージコインを支持する内容の投稿をしたことがきっかけとなり、ドージコインの価格は約7,000%も高騰しました。

ドージコイン(DOGE)のこれまでの価格推移

DOGE

引用:CoinGecko

上の画像は、リリース(2013年12月)から現在(2023年3月上旬)に至るまでのドージコイン(DOGE)のチャートです。

ドージコインは、2021年1月にイーロン・マスク氏がTwitter上で言及したことがきっかけで注目を集めるようになりました。ツイートを見たトレーダーがマスク氏がドージコインを支持していると解釈し、ドージコインの価格は一気に上昇します。2020年の12月末に約0.5円だった価格は、2021年1月末には約5円まで急騰。マスク氏のツイートがきっかけとなり、1ヶ月間で約10倍も価格が高騰しました。

続く2021年5月にも、マスク氏がドージコインを支持するツイートをしたことを受けて価格が高騰します。そして、5月8日にはこれまでの最高値である79.44円(CoinGecko調べ)を記録しました。

しかし、2022年に入ってからは市場全体の冷え込みもあり、ドージコインの価格も下落していきます。2022年の年頭に約20円だった価格は、同年末には約9円まで値下がりします。

2023年の価格推移

DOGE

引用:CoinGecko

2023年になると再びドージコインの価格は上昇していき、2月初旬には約12.5円まで回復します。ただし、ドージコイン単体においては価格上昇につながるようなニュースが年初からないため、この値上がりは上昇トレンドにある市場の動向につられて起こったと見るのが自然でしょう。

「ドージコインの価格は今後どうなっていくのか?」

次の章では、ドージコインの価格形成に影響を与える可能性のある3つのポイントについて解説していきます。

ドージコイン(DOGE)の将来性・今後の動向

DOGE

ドージコイン(DOGE)の将来性を占う上で重要なポイントとしては、以下の3つがあります。

  • 「ドージコイン・トレイルマップ」に沿って開発されている
  • イーロン・マスク氏の言動によって価格が変動する可能性がある
  • 決済手段として導入する企業が増えている

どのような内容なのか、順番に解説していきます。

「ドージコイン・トレイルマップ」に沿って開発されている

1つ目のポイントは、「ドージコイン・トレイルマップに沿って開発されている」です。

ドージコインには、一般的な暗号資産に見られるような公式のホワイトペーパーが存在しません。その代わりに、ドージコインの開発・運営を主導する非営利団体のドージコイン財団は、2021年12月に「ドージコイン・トレイルマップ」というアップデート計画を発表しています。

トレイル・マップには、ドージコインをより実用的な暗号資産にするためのさまざまな取り組みが記載されています。具体的には、小売業者やゲーム開発者などがドージコインを導入するのをサポートするプロダクトの開発や、コンセンサスアルゴリズムをPoWからPoS(Proof of Stake)に移行することで、スケーラビリティの問題を解決することなどが記載されています。

この計画に沿って開発が進み、通貨としての利便性が向上すれば、それに併せてドージコインの需要も拡大することが考えられます。

イーロン・マスク氏の言動によって価格が変動する可能性がある

2つ目のポイントは、「イーロン・マスク氏の言動によって価格が変動する可能性がある」です。

前述したように、ドージコインは2021年1月にテスラ社CEOのマスク氏がTwitter上で言及したことがきっかけで脚光を浴びるようになりました。なおその時にツイートされたのは、ファッション雑誌「Vogue」をもじった、「DOGUE」という愛犬家向けの雑誌の表紙画像でした。

そして、「DOGUE」という名称が「DOGE」と似ていることから、この投稿がマスク氏がドージコインを支持するメッセージであるとトレーダーたちから解釈され、ドージコインの価格は急騰します。投稿前日の2021年1月28日に約0.8円だった価格は、投稿当日の1月29日には一気に3.4円まで上昇しました。

DOGE

引用:Twitter

反対に、マスク氏の発言がきっかけとなりドージコインの価格が下落したこともあります。

2021年5月に、アメリカの人気バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」にマスク氏が出演した際には、同氏が番組内でドージコインに対してネガティブな発言をしたのを受けて、ドージコインの価格は約36%も下落しました。

このように、これまでドージコインの価格はマスク氏の言動に多大な影響を受けてきました。最近では、2022年10月にマスク氏がTwitter社を買収したことを受けて、ドージコインの価格は一時70%以上も高騰しました。

こうしたこれまでの傾向を見る限り、今後もマスク氏の動向がドージコインに影響を与える可能性はあるでしょう。

決済手段として導入する企業が増えている

3つ目のポイントは、「決済手段として導入する企業が増えている」です。

リリース当初はミームコインという形態ばかりが注目されていたドージコインでしたが、高速・低コストで利用できるという事実が知れ渡ってからは、決済手段として採用する企業が増えてきています。

以下は、ドージコインを決済手段として採用している主な企業です。

  • スペースX(航空宇宙メーカー)
  • Gucci(高級ファッションブランド)
  • タグ・ホイヤー(高級時計メーカー)
  • Nexon America(ゲーム制作会社)
  • Kuoni Business Travel(スイスの老舗旅行会社)
  • AMCシアター(アメリカの大手映画館チェーン)

このように、ドージコインを決済手段として採用する企業が今後も増えていけば、それに伴いドージコインの需要や価値も高まることが考えられます。

【2023年】ドージコイン(DOGE)の価格予想

DOGE

暗号資産の価格予想を行っている海外のサイトでは、2023年のドージコインの価格を次のように予想しています(2023年3月3日時点の予想)。

Price Prediction → 最低価格 = 0.11ドル(約15円)、最高価格 = 0.13ドル(約17.8円)
DigitalCoinPrice → 最低価格 = 0.0717ドル(約9.8円)、最高価格 = 0.18ドル(約24.6円)
TechNewsLeader → 最低価格 = 0.12ドル(約16.4円)、最高価格 = 0.13ドル(約17.8円)
※2023年3月3日の為替レートで計算

現在(2023年3月3日)、ドージコインの価格は約11円です。海外サイトの多くは、2023年のドージコインは大体10円〜24円のレンジで推移すると見ているようです。

※本記事はドージコイン(DOGE)の価格上昇を保証するものではありません。予想に反して損失を被る可能性もあるため、投資はご自身の判断と責任において行ってください。

ドージコイン(DOGE)を購入できる取引所

ドージコイン(DOGE)を取り扱っている取引所としては、主に以下が挙げられます(2023年3月3日時点)。

    【国内】
  • bitbank
  • GMOコイン
  • SBI VCトレード
    【海外】
  • Binance
  • Coinbase
  • Upbit
  • MEXC
  • DigiFinex など

※2023年3月3日現在、Coincheckではドージコイン(DOGE)を取り扱っていません。

ドージコイン(DOGE)に関するQ&A

Q&A

ドージコイン(DOGE)に関するよくある疑問を、Q&A形式でご紹介します。

Q.ドージコイン(DOGE)とは何ですか?

ドージコインは、2013年にライトコイン(LTC)の技術をもとに開発された暗号資産です。

柴犬の画像のミームである「Doge」をモチーフにしているドージコインは、高速・低コストで利用できる利便性の高さから、GucciやスペースXなどの企業から決済手段として採用されています。また、時価総額ランキングでも上位に位置するなど、トレーダーの間でも高い人気を誇っています。

Q.ドージコイン(DOGE)の過去最高値はいくらですか?

ドージコインの過去最高値は、79.44円です(2021年5月、CoinGecko調べ)。

Q.ドージコイン(DOGE)にはどんな特徴がありますか?

ドージコインには、主に以下の4つの特徴があります。

  • ライトコインの技術をもとに開発されている
  • 高速・低コストな送金が可能
  • 発行上限がない
  • ボラティリティ(価格変動率)が高い

Q.ドージコイン(DOGE)の将来性について教えてください。

ドージコインの将来性を占う上で重要なポイントとしては、以下の3つがあります。

  • 「ドージコイン・トレイルマップ」に沿って開発されている
  • イーロン・マスクの氏の言動によって価格が変動する可能性がある
  • 決済手段として導入する企業が増えている

まとめ

ドージコイン(DOGE)の特徴、価格推移、将来性などについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

リリース当初はミームコインとしてしか注目されていなかったドージコインは、現在は高速・低コストで利用できる機能性が評価され、GucciやスペースXなどの企業から決済手段として採用されています。

記事内で紹介した「ドージコイン・トレイルマップ」に沿ってアップデートが進んでいけば、通貨としての利便性が向上し、さらに需要が拡大していくことが予想されます。

また、これまでドージコインはテスラ社CEOのイーロン・マスク氏の言動に大きな影響を受けてきました。今後も同氏の発言によって価格が変動する可能性があるため、これからドージコインの取引を始める方はマスク氏の動向に注目することをお勧めします。

※本記事はドージコイン(DOGE)の価格上昇を保証するものではありません。予想に反して損失を被る可能性もあるため、投資はご自身の判断と責任において行ってください。