ビットコイン(Bitcoin/BTC)は登場した初期から何倍になったのか?

近年、暗号資産(仮想通貨)市場がにぎわい、日本でも金融庁登録済の暗号資産交換業者の数が増えています。

暗号資産に投資している人の中には数万円が1億円以上になった人さえ現れており、ビジネスとしても、投資先としても、暗号資産に多くの方が注目しています。

また、暗号資産をビジネスチャンスと捉え、新規事業を始める形で企業が参入するケースも少なくありません。そんな暗号資産が注目を浴びた理由の一つに、「ビットコイン(BTC)」が挙げられます。

そこで、本記事では、ビットコイン(BTC)の基本的な特徴や、これまでの価格推移などの歴史についてご紹介します。

執筆Coincheck Column編集部

Coincheck Column編集部は暗号資産の取引経験者やブロックチェーンの知見に深いメンバーで構成されています。これから暗号資産を始める方々に「暗号資産について正しく理解していただき安心して取引できる」ことを目的に執筆しています。/ 運営元:コインチェック株式会社

ビットコイン(Bitcoin/BTC)の主な特徴とは?

ビットコイン(BTC)
ビットコイン(BTC)は、インターネット上に存在する仮想の通貨です。

1. ビットコインはモノとして存在しない

そのため、日本の「円(JPY)」のように、手で触れることのできるお札や硬貨は存在しません。自分がどれだけビットコイン(BTC)を保有しているかの確認は、ネット上でしかできません。

2. 中央銀行が管理しないシステム

ビットコイン(BTC)は「円(JPY)」と違い、管理する中央銀行などがありません。

「円(JPY)」の場合、日本銀行が世の中の流通に合わせて、流通量を調整します。しかし、ビットコイン(BTC)の場合は、コインを管理する銀行がなく、ブロックチェーンという技術を用いて、あらかじめ決められたプログラムに従って流通量が変動します。

また、すべてのビットコイン(BTC)取引履歴はブロックチェーン上には、記録されており、誰もがそれを参照できるようになっています。

3. マイニング

マイニングとは、簡単に言うと、不正が起こらないようにビットコイン(BTC)の取引を確認する作業のことで、具体的には「パソコンによる計算」です。

ビットコイン(BTC)のマイニングを行うためには、莫大な電力とスペックの高いパソコンが必要です。そのため、マイニング報酬というインセンティブが設計されています。

マイニングに成功した人には、ビットコイン(BTC)が報酬として付与される仕組みになっているのです。そしてこの計算量が莫大であるために、理論上はビットコイン(BTC)の取引を改ざんすることが不可能と言われています。

計算という莫大な労力が、改ざん不可能性を担保しているのです。

4. 発行枚数は約2100万枚

また、ビットコイン(BTC)は発行限度額が決まっており、現在も限度枚数の約2100万枚に日々近づいています。

そのために、マイニングを行うことによって得られるビットコイン(BTC)の枚数が一定であると、市場に出回るビットコインの総量が限度枚数にすぐ届いてしまいます。

そこで、ビットコイン(BTC)の発行枚数に合わせて、マイニングで得られる枚数が減少していきます。2012年に、マイニング報酬は50BTCから25BTCに、さらに、2018年にもう一度半減し、現在のマイニング報酬は12.5BTCです。

5. 送金時間の短縮

ビットコイン(BTC)は、送金の面で大きな革命をもたらしました。

従来の方法では、海外へ送金をする際、送金したい国の通貨を扱っている銀行に行き、高額な手数料を支払う必要があります。さらに、複数の銀行を介するため、送金には非常に時間がかかります。

また、銀行での海外送金は複雑な記入事項が多く、少しでも間違えれば、時間だけかかって送金がうまくいかないこともあります。

この問題はビットコイン(BTC)で解決されました。ビットコイン(BTC)はネット上の通貨なので、24時間いつでも送金可能であり、本人へダイレクトに送金ができるため、時間のロスもなくなります。

ビットコイン(Bitcoin/BTC)の登場と価格の上昇率は?

ビットコイン(BTC)
ビットコイン(BTC)はいつ、どこで、誰の手によって生まれたのでしょうか。

「Satoshi Nakamoto」という匿名の人物が2008年に公開した論文をもとに、2009年1月、ビットコイン(BTC)が誕生しました。

その後、Satoshi Nakamotoなる人物がソフトフェアの会社に、最初の送金を行いました。この送金がビットコイン(BTC)史上初めての送金であり、ここからビットコイン(BTC)は始まります。

ここからは、ビットコイン(BTC)の歴史について交えながら、価格と上昇率について紹介します。

ビットコイン(BTC)誕生当初 (2009年~2010年頃)

ビットコイン(BTC)が登場した当初は、通貨の価値が認められず、1BTC=
約「0円」でした。

その数か月後、ビットコイン(BTC)のマイニングが初めて成功し、マイニングの際にかかる電気代が計算され、法定の通貨と同じ立場であると一部に認められました。その時の価値は1BTC≒0.07円ほどでした。

さらに、その数か月後、ビットコイン(BTC)を用いて、初めて決済が行われました。その時はピザ2枚に対して10,000BTCが支払われています。

この時に支払われたビットコイン(BTC)は、1BTC=約0.2円の価値です。ここまでで、ビットコイン(BTC)の創設から約1年を経ています。

その後も、Mt. GOX社によるビットコイン(BTC)の取引開始によって価格が上がりますが、それでも1BTC≒5円ぐらいまでにしかなりませんでした。

最初の価格上昇(2011~2012年)

2011年に入り、ビットコイン(BTC)の価格が上昇します。

まずMt.GOX社が日本のTibanne社に買収されます。この買収をきっかけに、価格が1BTC≒70円台に上がりました。

その後、アメリカのTIME誌にて特集が組まれたことで、多くの人にビットコイン(BTC)が周知され、1BTC=80円台に上がります。

ここで終わりかと思われましたが、まだ終わりではありませんでした。この特集をきっかけにはじまった高騰は1BTC≒1500円までに至りました。ビットコイン(BTC)が創設された時の約20,000倍です。

しかし、ビットコイン(BTC)がハッキングの被害を受けたことやFBIによるビットコイン(BTC)を用いたマネーロンダリングの取り締まりによって、1BTC≒400円台に降下してしまいます。

一方で、WordPressがビットコイン(BTC)決済を可能としたことやマイニングが堅調に行われ、マイニング報酬の半減期をむかえたことで、1BTC=1,000円台まで回復します。

さらなるビットコイン(BTC)の飛躍(2013年)

2013年になり、ビットコイン(BTC)に問題が見つかりましたが、すぐにバージョンアップされ、解決されました。この時には1BTC≒4,000円の価値になっています。

世間ではキプロス危機が起こり、ユーロ等法定通貨への不信感が募り、多くの人がビットコイン(BTC)への投資を行います。また、ビットコイン(BTC)のATMがカリフォルニアに作られ、1BTC≒5000円台になります。

さらに、日本でもビットコイン(BTC)がNHKで特集されるなど、知名度が上がり、1BTC≒12万円台まで急上昇します。しかしながら、ここで一度止まります。

その理由は、中国でのビットコイン(BTC)規制です。中国がビットコイン(BTC)の取引を禁止したことで価格は下降していきます。

下降・停滞期(2014~2016年)

続いて、初めにビットコイン(BTC)を扱った取引所であるMt.GOX社がハッキングされ、大量のビットコイン(BTC)を盗まれるとともに取引所を閉鎖しました。

ユーザーの多くは、ビットコイン(BTC)を紛失し、同時に価格も急激に下落、1BTC≒18,000円台になってしまいます。

そこから2016年にかけては比較的安定した値動きで、高ければ1BTC≒6万円台、低ければ3万円台というような状態が続きました。

現在(2017~2018年)

2017年になると、日本にも取引所が増え始めました。価格は過去最高額1BTC≒11万円台にまで戻り、ビットコイン(BTC)バブルが始まります。

皆さんもご存じのとおり、2017年は価格が上がり続け、2018年の年始には1BTC≒200万円台という過去最高の価格をつけました。

このように価格の推移を中心に紹介しましたが、ビットコイン(BTC)は誕生時の何十万倍、何百万倍まで価格が上昇していることがわかります。

今後のビットコイン(Bitcoin/BTC)は?

2018年の年始に過去最高価格をつけてから、2019年に入ってビットコイン(BTC)の価格は以前よりも落ち着いています。

しかしながら、ビットコイン(BTC)を用いたユースケースは日々増え続けており、ビットコイン(BTC)が使える場所も、世界中で増え続けています。

ビットコイン(BTC)の価格が今後大きく上昇していくかについて断言することはできませんが、ビットコイン(BTC)は誕生当時と比べると、着実に世の中に浸透しつつあると言えるでしょう。