ビットコインの取引を安全に行うためには、保管する方法についても理解を深める必要があります。保管方法にはさまざまな種類があり、投資する金額やトレードスタイルなどによって選ぶことが大切です。
秘密鍵をオフラインで保管する方法と、オンラインで保管する方法には、それぞれにメリットとデメリットがあります。
そこでこの記事では、暗号資産(仮想通貨)取引ににおいて、ビットコインなどの暗号資産はどのような保管方法があるのかを、初心者向けにわかりやすく解説します。
目次
- 暗号資産は盗難リスクがあるからこそ安全な保管が大切
- アプリの使い勝手に優れているCoincheck(コインチェック)
- 日本語に対応しているビットコイン(Bitcoin/BTC)のウェブウォレットはある?
- ハードウェアウォレットで保管するときに意識しておきたいポイント
- デスクトップウォレットの利用時に気をつけておきたい点
- 少額のビットコイン(Bitcoin/BTC)の保管ならモバイルウォレットも活用
- アドレスと秘密鍵を印刷して保管するペーパーウォレット
- Coincheck(コインチェック)の貸暗号資産サービス
- 海外の暗号資産の取引所を利用する場合の注意点
- ビットコイン(Bitcoin/BTC)の保管先を分散して安全性を高めていく
暗号資産は盗難リスクがあるからこそ安全な保管が大切
ビットコインをはじめとする暗号資産は、盗難リスクがあるからこそ、安全に保管・管理することが大切です。
暗号資産の価格は常に著しく変動しており、相場が急激に動くときにはハッキング被害も起こりがちです。海外や日本国内においても、取引所を舞台に多額のハッキング事件などが起こったことがあります。
そのため、取引所を利用するだけでなく、必要に応じて自分でウェブウォレットやハードウェアウォレットなどのウォレットを活用するのも良いでしょう。トレードスタイルや投資額に合わせて複数の保管先を確保しておくことで、自分の資産をより安全に守ることができます。
強固なセキュリティを施した保管方法ほど、設定や管理などに手間と時間を要します。しかし、長期間暗号資産を保有したい場合は、セキュリティの強固な保管方法を利用する方が良いでしょう。
また、秘密鍵をオンラインで管理するよりも、オフラインで管理した方がより安全と言えます。入出金などの取引に手間はかかりますが、ハードウェアウォレットどを利用した方が、よりセキュリティは高まります。
しかし、世界中のハッカーはさまざまな手段でハッキングを試みるため、絶対確実に守れる方法とは断言できません。そのため、自分でウォレットを分散管理するなどして、リスクを分散させて暗号資産には投資するようにしましょう。
アプリの使い勝手に優れているCoincheck(コインチェック)
金融庁登録済の暗号資産取引所であるCoincheckは、ビットコインをはじめ合計30種類以上の暗号資産を取り扱っています。
取り扱いのある暗号資産は時価総額上位のものが多く、投資先の選択肢の広さと、スマホアプリのユーザビリティの高さでCoincheckは定評があります。
また、コインチェックアプリは操作性が高く、初心者でも気軽に取引や送金などに利用できることがメリットです。
コインチェックアプリからは、ビットコインだけでなく、多くのアルトコインを簡単に取引できることも魅力のひとつとなっています。コインチェックアプリはトップがチャート画面になっており、直感的に利用しやすいという特徴があります。
メニューからは総資産や取引履歴をチェックすることができ、アカウントを切り替えると貸暗号資産サービスも利用することができます。
ウィジェット機能を利用すれば、アプリを開かずにビットコインなどの暗号資産のリアルタイムの価格や変動率などを確認可能です。ビットコインの保管だけでなく、売買や送金、決済などの多様な用途に使えるのがコインチェックアプリです。
日本語に対応しているビットコイン(Bitcoin/BTC)のウェブウォレットはある?
ビットコインを保管するウェブウォレットには、blockchain.infoなどがあります。blockchain.infoは日本語にも対応しており、多くのユーザーに利用されています。
スマホアプリの操作性も高く、セキュリティに関する項目を設定すれば、安全性もある程度は高められるウォレットだといえるでしょう。スマホアプリには、iOS版とAndroid版の2種類があります。
ビットコインやイーサリアムに対応したblockchain.infoは、メールアドレスとパスワードを登録するだけで利用できます。
利用する上でのセキュリティフレーズのバックアップは、セキュリティを高めるために必要となるものです。セキュリティフレーズは資産を引き出すことを可能にするため、第三者の手に渡らないよう厳重に保管しましょう。
blockchain.infoは、ウェブ版とスマホアプリを手軽に連携できるうえに、送金の処理速度が比較的速いことが特徴です。ただし、リカバリーフレーズを紛失するとウォレットへの復帰が困難となるため、その点は注意しましょう。
また、暗号資産の取引所を利用するときと同様に、利用を始める前に必ず二段階認証を設定しておくことで、セキュリティを高めることができます。しかしながら、blockchain.infoはコインチェックアプリとは異なり、日本円からビットコインを購入したりすることはできない点には注意が必要です。
ハードウェアウォレットで保管するときに意識しておきたいポイント
続いて、大量のビットコインなどを保管するときは、より安全性の高いハードウェアウォレットを利用するのも一つの方法です。
ただし、ハードウェアウォレットを利用するためにはUSBのような専用の端末を購入する必要があるため、購入資金が1万円程度かかることが一般的です。ほかの保管方法よりも、コストが高くなることには注意しましょう。
例えば、ハードウェアウォレットのTREZOR(トレザー)は、パソコンのUSB端子に接続する端末ですが、ビットコインや多くのアルトコインを保管することができます。
TREZORのデバイス内に秘密鍵がオフラインで保存されるシステムになっているため、ハッキングのリスクを抑えて保管することができます。なお、秘密鍵とは暗号資産を引き出すためのパスワードのようなものです。
スマホではハードウォレットを利用できないため、パソコンのUSB端子から読み込む必要があります。例えば、暗号資産の取引所のウォレットには普段トレードする分の暗号資産を置き、数年単位で保有する暗号資産はハードウォレットに保管しておくのも一つの方法です。
デスクトップウォレットの利用時に気をつけておきたい点
デスクトップウォレットは、パソコンにインストールしてローカル環境で暗号資産を管理できるメリットがあります。
セキュリティ面では比較的安全ですが、初期設定が多少面倒なケースもあります。なお、デスクトップウォレットは、パソコン上の財布だと考えることもできます。
そのため、パソコンが故障をしてしまった場合は暗号資産が取り出せなくなってしまうリスクや、ウイルス感染、ハッキング被害に巻き込まれるリスクもあります。利用する際には、自分でセキュリティ対策やこまめなバックアップなどを行うようにしましょう。
また、長期間暗号資産を保有したい人にとっては、デスクトップウォレットは向かない場合があります。長期間保有するときは、ハードウェアウォレットなど、オフラインで秘密鍵を保管する方が安全だからです。
さらに、デスクトップウォレットの種類によってはダウンロードに時間を要するものもあるため、ダウンロードを待つ間に取引のタイミングを逃すおそれもあります。
取引タイミングを逃したくないトレーダーの方などは、すぐに暗号資産の取引ができる、コインチェックアプリなど取引所のアプリを選択する方が良いでしょう。
少額のビットコイン(Bitcoin/BTC)の保管ならモバイルウォレットも活用
少額のビットコインを保管したい場合には、モバイルウォレットを利用するのも良いでしょう。
iPhoneやAndroidのスマホにアプリをインストールすると、携帯可能なため、いつでもどこでも利用できることがメリットです。また、モバイルウォレットはQRコードが表示される仕組みになっているため、さまざまな店舗で暗号資産を利用することも可能です。
しかし、セキュリティ面ではハードウェアウォレットなどと比べると低くなるため、多額の暗号資産を入れるのは控えておく方が良いでしょう。また、スマホを紛失した場合はモバイルウォレット自体も失ってしまうため、悪用されたり資産を失ったりしてしまうケースもあるため、管理には注意しましょう。
アドレスと秘密鍵を印刷して保管するペーパーウォレット
長期で暗号資産を保管したい場合には、ペーパーウォレットを利用する方法もあります。
セキュリティ面を考えた場合、ペーパーウォレットは安全性が高い保管方法だといわれています。なぜなら、多くのハッキングはネット上で行われているからです。
ペーパーウォレットは、アドレスと秘密鍵を紙に印刷することで長期の保管ができます。ただし、ペーパーウォレットの作成プログラム自体の改変や、紛失リスクや焼失リスク、ペーパー自体の盗難リスクもあるため、導入する際には慎重に検討しましょう。
ペーパーウォレットは、手軽に作成できること、無料で利用できることがメリットです。とはいうものの、保管場所を忘れてしまったり保管を雑にしたりすると、アドレスと秘密鍵を紛失してしまいかねません。
印字や紙が劣化した場合には、秘密鍵が読み取れなくなるケースもあります。そのため、ペーパーウォレットを長期間保管する際は、高温多湿や直射日光を避け、厳重に保管するようにしましょう。
また、ペーパーウォレットが不要になった際は、適切に処分することが重要です。
Coincheck(コインチェック)の貸暗号資産サービス
Coincheckでは、ビットコインを貸し出すことで利用料がもらえる、貸暗号資産サービスを提供しています。
ユーザーが保有する暗号資産をCoincheckに一定期間貸し出すと、一定の利用料を受け取れる仕組みです。長期で暗号資産を保有する際には、Coincheckの貸暗号資産サービスを利用するのもよいでしょう。
貸出期間は4種類から選ぶことができ、14日間で1%、30日間で2%、90日間で3%、365日間で5%となっており、預け入れる期間が長いほど利率は高くなります。ただし、暗号資産の価格が大きく変動した場合には、元本割れするリスクもあることを念頭に置いたうえで利用しましょう。
Coincheckの貸暗号資産サービスでは、ビットコインのみならず、イーサリアム、リップル、ネム等のCoincheckで取扱う暗号資産の貸付ができます。対応している暗号資産は、Coincheckのアカウントにログインの上、こちらのページをご確認ください。人気の高い暗号資産によっては、申請に時間を要するケースもあります。
なお、貸暗号資産サービスは一度預け入れると、価格が暴騰したり暴落したりしても期限まで売却できません。そのため、貸暗号資産サービスは余剰資金内で余裕を持って利用するようにしましょう。
ただし、価格に左右されて短期トレードをしてしまいがちな暗号資産初心者には、自分の判断で自由に売却できない貸暗号資産サービスは向いているのかもしれません。
海外の仮想通貨の取引所を利用する場合の注意点
ビットコインは、海外の暗号資産の取引所でも取引や保管がされています。
日本国内の取引所で取り扱っていない暗号資産であっても、海外の暗号資産取引所なら取り扱われているケースもあります。そうした物珍しい暗号資産を取引するには、海外の暗号資産の取引所に頼ることもあるかもしれません。
ただし、海外の取引所は国内の金融庁の登録業者ではないため、顧客保護が不十分であったり、取引に対して規制が強化されるリスクなど、様々なリスクがあることには注意が必要です。
また、日本語に対応している海外の暗号資産の取引所も少ないため、暗号資産初心者にとっては利用するハードルは高くなります。海外の暗号資産の取引所は日本では取り扱いのないアルトコインを取引できるメリットはありますが、サポートや信頼性は日本国内の取引所と比べて優れているわけではありません。
送金や着金などのトラブルが発生しうることも念頭に入れておきましょう。また、会社の情報が詳細に公開されているか、過去に重大なトラブルがなかったかなどは、取引所選びのポイントになるでしょう。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の保管先を分散して安全性を高めていく
暗号資産の取引所のウォレットのみを使用している場合、万が一取引所が破綻した際には、自分の資産が失われてしまう可能性もあります。
そのため、ビットコインの取引を行う際には、保管先を分散させて安全性を高めることも大切です。また、ハードウェアウォレットを導入する際には価格や機能などを比較検討するようにし、中古品などはハッキングリスクがあるため利用しないようにしましょう。
多額の資金を暗号資産へ投資したい方は、保管先を分散させ、秘密鍵をオフラインで管理することでセキュリティを向上できます。また、暗号資産初心者や英語に自信のない方は、日本国内の金融庁登録済の暗号資産の取引所を利用するとよいでしょう。
他にも、長期間暗号資産を保有するつもりの方は、Coincheckの貸暗号資産サービスを利用するのも一つの方法です。投資額や投資スタイルに合わせて、ハードウェアウォレットやペーパーウォレットなどを上手に利用するようにしましょう。