暗号資産(仮想通貨)の作り方とは?個人での発行手順と注意点をわかりやすく解説

ICOやIEOで新しい暗号資産(仮想通貨)やトークンが販売されているのを見ると、発行元がどうやって暗号資産やトークンを作っているのか気になりませんか?

実はトークンならば、簡単に自分で作ることができるといったら驚くのではないでしょうか。専門知識がないと難しそうというイメージがあるかもしれません。
この記事では、トークンの意味、作り方と使い方について解説します。

暗号資産(仮想通貨)を作る2つの方法

暗号資産(仮想通貨)を作る2つの方法

暗号資産の作り方は大きく分けて2つあります。

  1. ブロックチェーン自体を作る
  2. トークンとして暗号資産を作る

それぞれ解説します。

1. ブロックチェーン自体を作る

暗号資産を作る方法として、ブロックチェーン自体を作る方法が挙げられます。

ブロックチェーン自体を作る方法でも、大まかにゼロからブロックチェーンを作成する方法と、既存のプログラムを改変して作成する2つの方法があります。

ゼロからブロックチェーンプログラムやDAGのプログラムを構築する方法は、新規性を持たせた暗号資産を作ることができます。しかし、膨大な時間や労力、高度な知識、プログラミングのスキルなどが必要になるため、素人が作るのは現実的ではありません。

次に、既存の暗号資産のプログラムを複製したあとに改変して作る方法です。ビットコインやイーサリアムなど多くの暗号資産は、オープンソースと呼ばれるプログラムが誰でも自由に閲覧・利用できる方法で公開されています。オープンソースとして公開されているプログラムの多くは自由に改変・公開することが可能であるため、現在流通している多くの暗号資産がこの方法で誕生しました。

例えば、日本生まれの暗号資産モナコインは、ライトコインのプログラムを改変して作られています。公開当初はライトコインと同じ「Scrypt」というマイニングアルゴリズムを採用していましたが、その後のアップデートで「Lyra2REv2」と呼ばれる独自のアルゴリズムに変更されるなど、独自の進化を遂げています。

2. トークンとして暗号資産を作る

トークンとして暗号資産を作る方法では、新たにブロックチェーンを作るわけでなく、既存の暗号資産のブロックチェーンをそのまま利用して、トークンを生成します。

近年ではイーサリアムやソラナ上で発行するケースが多く、これらのブロックチェーン以外でもスマートコントラクト機能を備えていれば、基本的にはトークン発行が可能です。

プログラミングほどの専門知識は不要かつ、比較的簡単に新規トークンを作ることができます。

トークン発行の手順

トークン発行の手順

暗号資産を手軽に発行するには、トークンを発行することが適しているでしょう。

この章では、一般的なトークン発行の手順を解説します。

独自トークン発行の準備を行う

独自トークンを発行するには、まずはトークンを発行するブロックチェーンを選ぶ必要があります。

ブロックチェーンにより発行にかかる手数料や、トークン送信時等の手数料、かかる時間等が異なるため、自分の発行したいトークンの設計に適したブロックチェーンを採用しましょう。

ブロックチェーンを選定したら、そのブロックチェーンに対応したウォレットを作成したうえで、手数料に必要な暗号資産を用意します。

独自トークン発行時に必要な設定を行う

独自トークンに必要な情報を整理し、各ブロックチェーンに最適化されたトークン発行サービスやアプリケーションを使います。

一般的に、トークン発行には「コインの名称、初期発行量、取引単位、手数料、譲渡の可否、供給量変更の可否」などを設定するため、あらかじめトークンの設計を済ませておきましょう。

これらの設定を行い承認されれば、新たなトークンが発行されます。

主要なチェーン別のトークン発行例

トークン発行で使われることが多い、イーサリアムとソラナでのトークン発行の流れを解説します。

発行したいトークンの設計により全体的な流れが変わるため、あくまでも大まかな流れとしてご参照ください。

イーサリアム(Ethereum)でのトークン発行

イーサリアム(Ethereum)でのトークン発行

多くのIEOやICO、NFTなどのトークンは、イーサリアムを利用して発行されています。主に流通しているイーサリアムのトークンの多くは、ERC20やERC721、ERC1155などのフォーマットで作られており、同じフォーマットのトークンはプラットフォームやウォレットを横断した取引が可能です。

イーサリアム上でのトークン発行は、これまでに利用されていた期間が長いため、信頼性が高く、情報を手に入れる難易度は比較的低いです。

また、簡単にトークンを発行するアプリケーションに比べて高度な設定をしやすく、既存のプラットフォームの利用ができる可能性があるというメリットもあります。

イーサリアムを利用してトークンを作る場合、主にSolidityというプログラミング言語が使用されます。このプログラミング言語はイーサリアムのスマートコントラクトを扱うことを前提に設計されたもので、C++やPython、JavaScriptといった言語を参考に設計されています。

トークンの制作時には基本的にはそのままイーサリアムの本番環境へ公開するのではなく、テストネットと呼ばれる動作確認のための試験用ネットワークでテストをしてから、本番環境へデプロイする傾向です。

そのため、イーサリアムで高度なトークンを発行する場合には、Solidityなどのスマートコントラクトを扱えるプログラミング言語を理解したうえで、さらにテストネットの利用方法などの幅広い知識が必要になってくるでしょう。

ソラナ(Solana)でのトークン発行

ソラナ(Solana)でのトークン発行

近年、ソラナでのトークン発行の事例が増加しています。ソラナでのトークン発行はイーサリアムに比べて手数料が安価な点が特徴です。

ソラナでトークンを発行するには、まずはソラナのウォレットを作成する必要があります。ここではウォレットと表現しますが、正確には手数料の支払いや受取等を行うウォレットアドレスが必要になります。そのため、ウォレットアドレスだけでなく、秘密鍵も取得でき、かつ自分で管理できるウォレットを作成するとよいでしょう。

トークンの発行元はウォレットアドレスによって識別されますが、そのアドレスを管理する権限は秘密鍵にあります。秘密鍵が流出すると発行者権限や資産を奪われる恐れがあるため、厳重に管理する必要があります。

簡単なトークン発行であれば、GUI上で作成可能なツールやサービスも存在するため、自分の発行したいトークンに合わせたサービスを探すと手軽でしょう。

その他のチェーン(Polygon など)

このほかのブロックチェーン上でのトークン発行は、一般的に「トークン発行の手順」の流れが参考になるでしょう。

Polygonにはトークン発行サービスやアプリケーションが備わっているため、それらを利用すると簡単に発行ができるでしょう。

暗号資産・トークンを発行するときの法律・リスク・注意点

暗号資産・トークンを発行するときの法律・リスク・注意点

暗号資産やトークンを発行する際、法律等による規制を受ける場合や、技術的なリスクなどの注意点があります。

基本的に日本国内で発行する場合は資金決済法・金融商品取引法などの規制を受けるため、暗号資産やトークンを発行し、販売や流通等を行いたい場合は、細心の注意が必要です。

資金決済法・金融商品取引法における位置づけ

暗号資産やトークンを発行したときに、資金決済法・金融商品取引法などで規制される形になる可能性があります。

例えば、発行したトークンなどを、なんらかのイベント等で無償配布する場合、純粋な無償配布であれば資金決済法・金融商品取引法などの規制対象にならない可能性があります。ただし、何らかの条件(商品の購入など)が付随し実質的な対価性が認められる場合などは規制対象となるリスクがあるため注意が必要です。

本格的に発行した暗号資産・トークン等でビジネスを行いたい場合は、発行前のタイミングで、一度専門家に相談すると良いです。

取引所への上場には審査が必要

発行した暗号資産やトークンを取引所で上場したい場合は、暗号資産やトークンの審査が必要になります。

特に中央集権型取引所(CEX)では、その取引所の所在地となる国などの法的規制を前提とした審査になります。

取引所への上場を検討している場合でも、暗号資産やトークン発行前のタイミングで、一度専門家に相談することが賢明でしょう。

無届けでの公募・販売はリスクが高い

暗号資産やトークンを発行した際、公募や販売を無届けで行うことは法的なリスクがかなり高いです。

暗号資産やトークンを用いて資金調達を行うICO(Initial Coin Offering)等では、資金決済法や金融商品取引法などの規制対象となることが法令で明確化されています。

暗号資産やトークンを用いての資金調達は資金決済法や金融商品取引法の規制対象となることは一般的であるため、こちらも実施前に一度専門家への相談が必要となるでしょう。

参考:金融庁「ICO(Initial Coin Offering)について~利用者及び事業者に対する注意喚起~」

個人発行で押さえておきたいセキュリティ・スキャム対策

個人的にトークンを発行する場合、同名の偽物トークンなどが発行するリスクがあります。

ブロックチェーン上だけではトークンの真贋判定は難しいため、発行者のホームページやSNSなど、なんらかの本人証明となりうるWeb上で、コントラクトアドレス等を公開するなどの、セキュリティ・スキャム対策をとる必要が発生するでしょう。

暗号資産(仮想通貨)の作り方まとめ

暗号資産(仮想通貨)の作り方まとめ

暗号資産そのものを作るには専門知識が必要ですが、ブロックチェーン上でトークンを発行することは比較的容易です。

しかし、ICOやIEOなどのトークンを用いた資金調達については、自身で販売する場合は暗号資産交換業登録が必要になり、暗号資産交換業者に販売を委託するにはそれなりの手続きが必要となります。個人でこのハードルを越えるのはなかなか難しいため、関連法令などをよく確認しましょう。