メタバースにおける地方自治体・企業の活用事例一覧!現状の課題やメリットを解説

みなさんはメタバースが、日本の地方における様々な社会課題を解決するための重要なデジタル技術という位置付けになっていることをご存知でしょうか?

現在もなお首都圏への人口一極集中が続く日本では、主に若年層を中心とした人口流出により地方での少子高齢化・経済衰退・文化財の老朽化などの様々な社会課題が深刻な問題となっています。

そこで近年、数あるデジタル技術の中でもメタバースに対して地方課題の解決策としての注目が集まり、全国の地方自治体や企業が連携を図りながらメタバースを活用した地方創生に注力しているのです。

この記事では、地方で注目されるメタバースの基礎から、地方創生の中で活用するメリット、そして実際に行われている地方での活用事例を紹介していきます。

この記事でわかること

この記事を読むことで、

「なぜ、メタバースに注目が集まっているのか」

「地方創生の中でメタバースがどのように活用されているのか知りたい」

といった疑問を解決することができるでしょう。

また、みなさんが住んでいる地域の社会課題や地方自治について改めて考える良い機会になるかもしれません。

目次

そもそも『メタバース』とは

そもそもメタバースとは

まず初めに、地方創生に活用されるメタバースとはどんなものかについて説明していきます。

メタバースとは「インターネット上に構築された三次元の仮想空間」です。「超越」を意味する”メタ”と「世界」を意味する”ユニバース”が組み合わされた造語で、1992年にアメリカで出版されたSF小説『スノウ・クラッシュ』で初めて使用されました。

その特徴として、メタバースでは現実世界と同じように建造物が立ち並び、ユーザーは自身の分身である「アバター」を用いて仮想空間の中でライブやファッション、さらにはボイスチャットでの他者とのコミュケーションなど現実世界と遜色のない社会的な活動を営むことができる点が挙げられます。

『FORTNITE』や『The Sandbox』などの有名タイトルに代表されるゲーム分野での活用が多くみられるメタバースですが、コロナ禍におけるリモートでの仕事や生活が常態化したことで、物理的距離を保ちながらも密接なコミュニケーションを取ることができるメタバースの活用はゲーム以外の分野でも拡大の動きを見せています。

メタバースによる地方創生の現状

メタバースによる地方創生の現状

では実際に、政府や地方公共団体の地方創生においてメタバースはどれほどの注目や期待を集めているのでしょうか。
2016年に内閣府から発表された「第5次科学技術基本計画」では日本の2050年の理想的な社会像「society5.0」として以下のような明記がされていました。

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)

引用元:「ソサエティ5.0とは」内閣府

当時では現在ほどの注目はなかったメタバースですが、「society5.0」と記された日本社会における理想像から考えると、日本行政のメタバースへの活用はこの時からすでに計画されていた可能性もあるのではないかと思います。

また実際に、2022年8月、内閣府が地方創生SDGsプラットフォームにメタバース分科会の設置を発表し、官民連携で地方行政にメタバースを活用したビジネスモデルを導入していくことを示しています。この政府の動きからわかるように、メタバース活用の取り組みが地方を含む日本経済の促進に寄与すると政府が期待していることは間違いないでしょう。

では、上記のようにメタバースが国や地方を挙げて注目されている理由について解説していきます。

メタバース市場拡大への期待

政府がメタバースに注目する理由として、メタバースにおける市場規模拡大への期待の高さが挙げられます。

Statista社が発表した世界のメタバースの市場規模統計では、2021年度の4兆2,640億円から2030年には78兆8,795億円まで約14倍ほど市場規模が拡大するとの予想が見て取れます。

このメタバース市場拡大の背景には、新型コロナウイルスによる非接触型コミュニケーションの常態化以外にも、NFTやブロックチェーン等の暗号技術をメタバースと組み合わせることで生まれる、仮想空間での現実世界と同じ規模での経済圏創出への期待感の高さもあるのではないでしょうか。

metaverse market

出典:Statista(Grand View Research)

地方自治体が抱える問題

地方問題

依然として日本における地方地域では人口流出や高齢化などが進行し続け、それに起因する様々な社会課題が深刻化しています。

ここでは、そのような日本の地方自治体が抱える社会課題について3つの問題を考えていきます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

人口減少・過疎化

人口増減の種類は、転入や転出での「社会増減率」と出生や死亡等による「自然増減率」の2つの種類に分類することができます。

2021年に総務省統計局が発表した都道府県別人口の増減要因を見てみると、同年人口が増加しているのは沖縄県のみで、ほとんどの地方地域は自然増減率だけでなく社会増減率においてもマイナスの数値を示しており、深刻な人口減少の問題を抱えていることが見てとれます。

人口減少
出典:総務省統計局|人口推計 2021年(令和3年)

地方における人口減少は、少子高齢化と若者の都市部への流出という問題も同時に内包しており、人口減少・過疎化という地域課題が起因となって地方の労働力不足や税収不足、さらには整備されない地方のインフラが増えてしまい、地域経済の衰退がより加速度的に進んでしまうのです。

地域の衰退

日本における地方の衰退では、人口流出により労働力不足に陥ると地方に進出していた企業は撤退を余儀なくされると同時に、地方で働く場所が少なくなってしまうため若者がさらに都市圏に流出してしまうという負のサイクルが生まれてしまいます。

そしてこの負のサイクルは経済的なものだけでなく、地方の衰退によって従来の生活・行政サービスの質を保てなくなり「居住環境の悪化」「治安の悪化」「災害危険性の増大」といったような福祉的な環境にも影響をもたらします。

このように地域経済が衰退することで、様々な社会問題が深刻化してしまうのです。

文化財の老朽化

地方での人口減少・少子高齢化の進行は、地方の文化財にも影響を与えています。

地方における文化財は、有形であれ無形であれ、これまでの地域の人々の生活や風土との関わりにおいて生み出されたものとして、各地域の歴史や文化を認識させてくれる重要な財産とされています。

しかし、現在の地方における過疎化・少子高齢化の急激な進行によってその地域の重要な文化財の継承者や管理者が不足してしまい、多くの文化財が開発や老朽化、災害等による消滅の危機のみならず、文化財継承の担い手不足による老朽化の危機に瀕しています。

地方自治体がメタバースを活用するメリット

ここまで日本の地方自治体が抱える社会課題について説明してきましたが、この章では実際に自治体が地方創生においてメタバースを導入するメリットを紹介していきます。

地方創生の取り組みにおいてメタバースを活用する代表的なメリットは主に5つあります。

では、それぞれのメリットについて説明していきます。

関係人口の創出

地方創生におけるメタバース導入の動きの中で、最も期待されるメリットの1つが関係人口の創出です。

「関係人口」とは、その地域に住んでいる「定住人口」でもなく、観光などで訪れた「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です。

人口減少
出典: 総務省|関係人口ポータルサイト

この関係人口創出の成功事例としてよく挙げられるのが「エストニアのデジタル居住権」です。デジタル先進国として注目をされている小国エストニアでは、2014 年から外国人にも政府が発行する各種電子サービスへのアクセス権を付与する「e-Residency(イーレジデンシー:仮想住民制度)」の仕組みを展開し、世界中から約9万人の関係人口の創出とその先進的な取り組みが評価され多くの投資家からの投資を集めることに成功しました。

そして現在、この仮想住民制度の仕組みをメタバースによって実現することで、より現実の世界に近い形でのデジタル仮想住民の創出や日本の地方経済に寄与する関係人口の創出が期待されているのです。

雇用の創出

メタバースは、新しいサービスを提供すると共に、新たな雇用を創出するというメリットがあります。

記事の最後に紹介する地方自治体のメタバース活用例の中でも、長崎県西海市が国から支給される地方創生推進交付金を活用して「西海メタバースアカデミー」という次世代のテクノロジーに対応する地域の人材育成と共に、Web3.0関連事業に力を入れている民間企業を市内に積極的に誘致する等の地域の雇用創出に力を入れています。

WEB3.0について詳しく知りたい方はこちら。

ボーダーレスに地域の魅力を発信

地方観光におけるメタバースの導入はその地域の魅力をボーダレスに、世界に向けて発信することができます。

コロナ禍において、日本の観光業に関わるあらゆる体験やサービスが止まってしまいましたが、メタバース上であれば、その地域の景観やおすすめスポットなどの地域特有の魅力を世界に向けて発信することが可能になります。

対面に近いコミュニケーション

メタバースの強みは、仮想空間上でよりリアルに近いコミュニケーションが取れることです。例えば、従来のECサイト等でのショッピングでは、Webサイトやアプリなどに表示されたテキスト情報だけで購入の是非を判断していました。

しかし、メタバースにおいては高度な3DCG映像や音声技術が導入されることで、よりリアルに近いコミュニケーションを取ることができるようになります。

2022年8月に日本の民間企業によって「AI Avatar AOI」という、メタバース上のAIアバターが相手の発話を高精度で認識し、自然な話し言葉を用いたより、リアルなコミュニケーションを可能にする技術が開発されました。

このようなメタバース上の音声技術の進歩は、メタバース上に展開するECストアでの接客や観光業などでのガイド等に利用されることが期待されています。

文化財のデジタルアーカイブ

メタバースは、地方において管理者や継承者が不足している文化財保存のアーカイブツールとしての役割も期待されています。

建築やモノづくりの現場で、過去に造られた建造物や製品をデジタルデータとして設計文書などの情報アーカイブとして残すことで、培ってきた製造ノウハウや保存方法を後世に伝えていくことが可能になります。

地方自治体や企業によるメタバースの導入例

これまで日本の地方自治体の現状やメタバース導入のメリットを確認してきましたが、実際にどのようにメタバースが活用されているのかイメージがわかない方が多いのではないでしょうか。

次は実際にどのようなビジネスモデルが考えられるのか、地方自治体や企業の活用事例とともに紹介します。

地方自治体のメタバース導入例

【新潟県長岡市】メタバースとNFTを活用した「仮想山古志プロジェクト」

新潟県長岡市内の山古志地域では、デジタル上の関係人口を増やす試みとして村の電子住民票を付与したNFTアートの発行と、山古志メタバースをつくる取り組みを行いました。

村の特産である錦鯉をモチーフにした「Nishikigoi NFT」の保有者は、村のデジタル村民として地域活性化のプロジェクトへの出席や、デジタル村民選挙での投票ができるようになり、村外で生活しながらも村の振興プロジェクトやガバナンスに参加することができます。

nishikigoi NFT

出典:Nishikigoi NFT

そして、同村はNFTの発行だけでなくCluster上で山古志メタバースを展開しており、デジタル村民のためのイベントを定期開催することで、リアル村民とデジタル村民の交流機会を積極的に創出しているようです。

【大阪府泉佐野市】バーチャルマーケット上でふるさと納税返礼品をPR

ふるさと納税3年連続日本一に輝く大阪府泉佐野市は、2022年8月13日〜28日にかけて開催されたバーチャルマーケット2022Summerに参加しました。

同市はふるさと納税の返礼品を3Dモデル化してイベントにて展示し、来場者がバーチャル空間上で返礼品を紹介するデジタルポスターに触れると、自動で泉佐野市のふるさと納税サイトに遷移する仕組みが取られていたようです。

参考:泉佐野市|バーチャルマーケット2022Summer出展決定

また泉佐野市は、ふるさと納税の返礼品としてKawaii Girlの作者である「Ame-Chan」がデザインした「いずみさのNFT」を採用しており、全50種類のアート作品を同市のふるさと納税特設サイト「さのちょく」や「ふるなび」にて限定で提供していることもあり、メタバースだけなくNFTを活用した先進的な地方創生モデルとして注目を集めています。

さのちょく

出典:さのちょく

【静岡県焼津市】バーチャルマーケット上でふるさと納税返礼品を展示

静岡県焼津市は、メタバース上で行われる世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット2022Summer」に参加し、焼津市のPR動画や全国第10位の人気を誇るふるさと納税返礼品の紹介など、市の魅力を発信するブースを展示しました。

また焼津市においても、来場者がバーチャル空間上で返礼品を紹介するデジタルポスターに触れると、自動的に同市が運営するふるさと納税サイトに遷移する仕組みが取られていたようです。

参考:焼津市|バーチャルマーケット2022Summerについて

今回出展した焼津市のブースでは、返礼品として人気が高い「ネギトロ」や「カツオのたたき」などの3Dモデル展示に加え、やいづ親善大使を務めるSKE48の青木詩織さんが実演した「ミナミマグロのバーチャル解体ショー」、そして市職員がVR接客に挑戦するなど、積極的に来場者との交流を行い焼津市の魅力発信を行っていました。

【長崎県西海市】次世代の雇用創出を試みる「西海メタバースアカデミー」

長崎県西海市は、株式会社西海クリエイティブカンパニーと連携し同市内でのデジタル人材育成を目的とした「メタバースアカデミー」をThe Sandbox上で開講しました。

西海市が主導するメタバースアカデミーでは、新しい世の中の変化に対応し、地域で活躍するデジタル人材を育てることを目的として2022年9月から約2ヶ月の間で合計8つの講義を開講しています。

10月に予定されるプログラムでは、同月4日から24日にかけて「バーチャル自治体令和市」にて加工センター長を務める川原健吾氏を始めとしたメタバース有識者が計4回の講義を開講するようですので、ご興味がある方は是非参加してみてください。

西海メタバースアカデミー

出典:PRTIMES|西海市、Web3.0とメタバースを活用して新しい働き方を学ぶための学校を開校。

【熊本県天草市】天草メタバース計画で人材育成を図る

熊本県天草市は、VRコンテンツ企画開発を行う株式会社pararerl及び動画制作などの広報物の制作を行う株式会社コーホー部と共同し、メタバース上で天草市の魅力を発信する「パララボ天草」を開設しました。

天草メタバースプロジェクトは、VR観光体験ツアーやメタバース上で接客や案内をするアバターガイドの指導、そして高校生から参加可能なVRエンジニアのへの教育を行い、地元天草市の魅力をメタバースを通じて発信することができる人材育成を目的としています。

天草メタバース

出典:PRTIMES|「天草メタバース計画」に向けて、天草市とパララボが進出協定を締結。

【奈良県奈良市】メタバース上で奈良写真美術館オープン

奈良県奈良市にある入江泰吉記念奈良市写真美術館では、日本の写真美術館としては初めての試みであるNFT写真美術館を2022年秋「The Sandbox」と「Decentraland」上で開設する予定です。

このプロジェクトは、15万点以上ある入江泰吉作品のデジタル化及びNFT化を進めることで文化財の保存と共に美術館や奈良の魅力をメタバースを通じて世界に広げるという目的があります。

また、同館ではこのプロジェクトに先駆けて9月23日〜25日の期間にDecentralandでプレオープン特別企画として智辯学園高等学校写真新聞部展を行いました。

美術館メタバース

出典:入江泰吉記念奈良市写真美術館公式サイト|展覧会を作ろう in メタバース

【長崎県佐世保市】重要文化財である「針尾送信所」のデジタルアーカイブ

長崎県佐世保市は、株式会社ハコスコが結成した「メタバースマスターズ」というVR専門家らと連携を行い、同市にある重要文化財「針尾送信所」のデジタルアーカイブ政策に取り組んでいます。

同市ではメタバースツアーだけでなくユーチューブで公開している「針尾送信所オンラインツアー」や「現地見学会」など、より多くの人に知ってもらうための接点創出にも注力しているようです。

針尾送信所
出典:ハコスコ|デジタルアーカイブ「針尾送信所VR」を制作、貴重な文化財の観光資源をVR化

【山口県萩市】 ディセントラランド上でふるさと納税キャンペーン

 萩市

出典:PRTIMES|【SPECTRUM×山口県萩市】メタバースに関する連携協定を締結

山口県萩市は、メタバース事業を展開しているSPECTRUM(スペクトラム)株式会社と連携し、メタバースを活用して「萩ブランド」を世界に発信していく地方創生活動を始めます。

そしてその活動の第一弾として行われるのが、SPECTRUM株式会社が保有する「Decentraland(ディセントラランド)」の区画を使ったふるさと納税返礼品の展示会です。

期間は2022年11月1日~2023年1月31日(予定)で、展示場では同市で有名な萩焼や地酒など様々な特産品が展示されており、参加者は展示物に触れることで同市のふるさと納税サイトに遷移する仕組みがとられる予定で、暗号資産を必要としない工夫がとられていることも特徴です。

 展示会場

出典:萩市|メタバースを活用した「ふるさと納税キャンペーン」

【佐賀県嬉野市】メタバース『デジタルモール嬉野』開設

佐賀県嬉野市では、新たな観光まちづくりを目指したプロジェクトとして、大日本印刷株式会社、日本工営株式会社、株式会社ケー・シー・エスと連携し『デジタルモール嬉野』をメタバース上で開設しました。

デジタルモール嬉野とは、新幹線の嬉野温泉駅と同時開業する嬉野観光交流センター等の建築データに基づいて高精細に表現されたメタバースで、参加者は自らのアバターを使ってメタバース上を自由に散策することができます。

また、開設時には、メタバース上でコインを集めると、リアルの駅前の交流施設内で景品がもらえるガチャを実施していたようです。今後は獲得コイン数に応じた地域のリアル店舗で使用できるクーポン付与等も計画されており、メタバース上に訪れる多くの参加者が楽しめる仕組みが取られています。

 デジタルモール嬉野

出典:嬉野市|建設部 新幹線・まちづくり課

企業による自治体のメタバース支援例

【九州地方整備局】メタバースを活用した川づくり

九州地方整備局は土木研究所と共同で、全国初となるメタバースを活用した川づくりを行いました。そして、同社はこの取り組みで低コストで、よりリアルな3DCGの川モデルの作成を実現させています。

ゲームエンジンを活用してメタバース上に川を作ることは、作業等の効率性を高められるだけでなく、地域住民に対して「川がある街の体験」を仮想空間上で視覚的に提供することができ、従来より地域住民の具体的な意見を反映するインフラ造りが可能なるのではないかと、今後の活用が期待されています。

参考:国土交通省|全国初!メタバース(仮想世界)を用いた川づくり

九州整備局

【ノーボーダーズ】地方創生がテーマのNFTゲームカードシリーズ鳥取県編を発表

NOBORDER.z FZE(ノーボーダーズ)は、手塚プロダクションと連携してメタバースとNFTを活用する地方創生をテーマにしたプロジェクト「ASTROBOY×JAPAN(ご当地アトム)NFT」の鳥取県編の発売を発表しました。

同プロジェクトは、世界的なIPを要する手塚プロダクションと全国の自治体ネットワーク、そしてXANAのメタバース及びNFTゲームという3つの要素を集結させ、コロナ渦下で疲弊した地域経済・観光マーケット回復の支援を目的としているプロジェクトです。

参考:鳥取県|『鉄腕アトム』NFTメタバースゲームで観光振興・地域活性化!日本各地をテーマにしたご当地NFTの共同開発・販売を開始

「astroboyNFT」は手塚作品の中でも世界中で多くのファン抱える「鉄腕アトム」とのコラボ作品ということもあり、現時点(2022年9月執筆)でXANAが運営する公式NFTマーケットプレイスXANALIAでは、26011点発行されたNFTが全て売り切れ状態であるなど、日本IPタイトルの強さが伺えるプロジェクトになりました。

astroboy nft

出典:PRTIMES|【世界最大手】バイナンスNFTからXANAの『ご当地アトムNFT』発売決定!

【SBINFT】バーチャル白浜

SBINFT株式会社は、和歌山県白浜町で開催された壁画アートイベント「POW!POW!JAPAN」と連携しバーチャル空間Cryptovoxelwで「バーチャル白浜」を開催しました。

バーチャル白浜では、メタバースを通じた白浜町の魅力発信とともに、NFTマーケットプレイス「nanakusa」公認アーティストのAURORA氏ひかげ氏とのコラボ作品の展示も行い、NFTを通じたメタバース空間での経済効果も期待されたプロジェクトでした。

バーチャル白浜

出典:PRTIMES|アートで白浜町の地方創生!メタバース企画「バーチャル白浜」開催

【ハコスコ】日本の重要文化財を活用したメタバース事業を展開へ

ハコスコ株式会社は太陽企画株式会社、スタジオビックル合同会社、VoxelKei氏と共に「メタバースマスターズ」というデジタルアーカイブ制作チームを結成し日本の歴史的建造物などの文化財や、観光地などの再現を目的としたデジタルアーカイブやメタバース空間を制作を行うメタバースソリューション事業を開始しました。

ハコスコはメタバース上でのECサービス「メタストア」を開設しており、本件のメタバース事業では、同社のこれまで培ってきた技術ノウハウである「観光×EC×VR」を活かしたプロジェクトとして、コロナ渦で疲弊した地方経済の再興の寄与に大きな期待が寄せられています。

またハコスコが運営している「メタバースマガジン」では、同社のVR制作ノウハウを記事として共有しているので、もしメタバース作りに興味がある方は読んでみると良いでしょう。

ハコスコ

出典:ハコスコ|国内19文化財のデジタルアーカイブをハコスコのメタバースマスターズが制作し、一挙公開

【日本旅行】メタバース「さいたまルーム」を展開

さいたまルーム

出典:さいたま市|メタバース(さいたまルーム)について(実証実験)

日本旅行は9月26日「メタバースを活用した実証実験に関する基本協定書」をさいたま市と締結し、メタバース「さいたまルーム」上での行政サービス運営の実証実験を行うことを発表しました。

実証実験では、メタバース上で同市のPRや取り組み活動の情報発信、マイナポイント事業に関する広報を実施していき、今後の行政運営におけるメタバースの有効性や課題などを検証していくとされています。

また「さいたまルーム」では、9月27日から11月26日の期間で開設されており、平日9:00〜17:00の間には実際に市の職員がメタバース上で利用者の質問に受け答えしてくれるサービスも展開しているようです。

まとめ

ここまで日本が抱える地方課題からメタバース活用のメリットやその活用例を紹介してきました。

この記事からもわかるように、メタバースの活用方法は自治体によって同一ではありません。メタバースの活用が地方自治体や企業の既存課題解決の手段の一つとして考えられる場は、今後より拡大していくでしょう。

メタバースはまだまだ私たちの間ではゲーム分野で活用されているイメージが強いですが、もしかしたら数年後にはゲーム分野を飛び越えて、私たちの生活の中でメタバースが当たり前の存在になっているかもしれませんね。