広告のブロック機能や、ブラウザを利用することで暗号資産(仮想通貨)を取得できる機能などで注目を集めているBrave ブラウザの実際の使用感や機能はどのようなものなのでしょうか。
この記事では、Braveブラウザの特徴や暗号資産を貯める方法、安全性、使い方などを解説していきます。
この記事でわかること
- Braveブラウザの特徴
- Braveブラウザの安全性
- Braveブラウザの始め方
- BraveブラウザでBATを取得する方法
目次
Braveブラウザとは
Braveブラウザとは、Mozilla(「Firefox」の開発元)の元CEOでJavaScriptの開発者でもあるブレイダン・アイク氏が手がけるChromiumベースのブラウザです。
広告ブロックやそれにともなう高速化、Braveリワードによる暗号資産BATの報酬などが特徴であり、広告を通じて得た収益の70%を、Brave Rewardsとしてユーザーに直接還元するなど、新たなWEBの収益循環を生み出そうとしているブラウザです。
既存のWEB広告のような、興味の薄い広告を大量にみせることは、広告主にとってもユーザーにとっても、またサイト運営者にとっても不利益があります。
広告主はターゲットに届けにくい点、ユーザーはデータ容量と無駄な時間が増える点、サイト運営者は広告の単価が落ちる点など、関わる三者にとって、何かしらのデメリットと課題をはらんでいます。
そこで、BraveではBATを用いた新たな収益サイクルを構築することで、PV至上主義のWEBを変革していく狙いがあるようです。
一部ではWEB3.0時代のブラウザとも呼ばれており、今後のより発展をすることが望まれているプロジェクトの一つでもあります。
Braveブラウザの特徴
Braveブラウザの大きな特徴は、広告を非表示・ブロックできる点とブラウザ自体に暗号資産ウォレットが搭載されている点、そしてブラウザの利用で暗号資産のBATが取得できることでしょう。
この項目では以下の6点の特徴について詳しく解説します。
- 広告ブロック
- プライバシー保護
- ブラウザが高速
- 暗号資産BATが貯まる「BraveRewards」
- chromeの拡張機能が使用可能
- Braveニュース
広告ブロック
広告はサイトの収益性を保つために必要不可欠なものですが、余分なデータ使用量をとられたり、ページの読み込みが速度が遅くなったり、興味のないものを見させられたり、ユーザーにとっては不利益なものですよね。
Brave ブラウザはWEBページに表示される広告を非表示にすることができます。この機能だけでも、Brave ブラウザをインストールしたいと思う方は多いのではないでしょうか。
なんと、Brave ブラウザではYouTubeやTwitterの広告すらブロックしてしまいます。広告にとられる無駄な時間や、サブスクリプションにかかる費用を削減できるのです。
Brave ブラウザのホーム画面では、ブロック済みの広告数や、節約したデータ使用量、読み込み時間などを表示できます。Brave ブラウザを使用したことで、どの程度の利益があったのかを数的に分かりやすく表示されるのです。インターネットがライフラインとなっている現代人には嬉しい機能です。
プライバシー保護
Braveブラウザでは、トラッカーやサイトを越境したCookie追跡、フィンガープリンティングなどの取得・利用をブロックします。
また、欧州連合(EU)の一般データ保護規則 (GDPR) とカリフォルニア州消費者プライバシー法 (CCPA)という法律の遵守をつとめており、Braveブラウザ自体が個人が特定出来る範囲の情報の取得を行わないようにしています。
その他にもプライバシーに関する規定・ポリシーなどが設定されているため、より細かく確認したい場合は、公式HPを確認すると良いでしょう。
高速ブラウザ
Braveブラウザは、角川アスキー総合研究所による主要コンテンツサイトの表示速度の調査において最速という結果になりました。
参照:角川アスキー総合研究所「「スマホでのコンテンツ視聴に占める広告の比率調査」を実施 主要Webサイトのデータ転送量、平均4割は広告」
この調査では広告を含む読み込み時間を計測したものであるため、広告ブロッキング機能がデフォルトで備わっているBraveに分があったようです。
なお、ブラウザの純粋な動作速度はアップデートなどにより前後するものです。さらに、通信環境や端末、OS、拡張機能の有無などにより動作速度は変動するため、最高速であるかどうかは一概に宣言しにくく、どのような観点での最高速であるかも注視する必要があります。
しかし、Braveブラウザは高速ブラウザとして選出されるほどには、高速なブラウザの一員であると言えるでしょう。ベース自体もChromiumであるため想定外に低速であるとは考えにくく、角川アスキー総合研究所の結果を加味しても、少なくとも低速なブラウザではないと言えます。
Braveブラウザは、通常使用ではストレスのない動作速度のブラウザでと言えるでしょう。
BraveRewards
Braveには「BraveRewards」という、広告を閲覧することで暗号資産のBATがもらえる機能が存在します。
Brave Rewardsでは、Brave起動時にホーム画面にBraveプライベート広告の画像を表示することができます。広告が表示される回数は自分で設定でき、煩雑に感じるようならオフにすることも可能です。
この広告は、WEBページやコンテンツを閲覧しているときに急に表示されるようなものではなく、動作の邪魔にもならないため、比較的不快に思わないことでしょう。
また、広告として表示される画像はスタイリッシュであるため、ブラウザのデザインとして認識することも可能です。
BATの使い道
Braveで貯めたBATは、暗号資産取引所で換金することができます。また、サイト運営者やコンテンツ制作者への投げ銭として使用することも可能です。
Braveでは広告をブロックするため、サイト運営者やコンテンツ制作者には収益が発生しなくなっています。その代用として、BATを使うことで、異なる収益源を生もうという試みが行われています。
広告主側も、Braveの高度にターゲティングされた広告配信能力を使えるため、広告による収益性をあげられるといったメリットがあります。
また、米国在住のBraveユーザーは、BATをAmazonギフトポイントやiTunesポイント、Google Playギフトなどの各種ポイントに交換することも可能です。
暗号資産BATとは
BATとは、Basic Attention Tokenの略で、Webブラウザbraveで利用される独自トークンです。
Braveで広告を閲覧したり、ユーザーからの投げ銭が行われたりすると取得できるトークンで、Coincheckを含めた国内取引所で売買されています。
イーサリアムベースで作成されたERC-20トークンであるため、DeFiなどでも取引されています。
- 発行開始:2017年5月31日
- 発行要件:Webブラウザ『brave』で広告を閲覧した際にユーザーに支払われる
- 発行枚数:15億bat(全て発行済み)
- トークン規格:ERC-20
- その他特徴:マイニング、半減期なし
- 公式ホームページ:https://basicattentiontoken.org/ja/
BATについての詳細は、こちらの記事で紹介しています。
GoogleChromeの拡張機能も使用可能
Braveでは、Google Chromeの拡張機能を使用することができます。
暗号資産やDeFiを扱う方はMetaMaskなどの拡張機能を導入していることも少なくありませんが、そういった拡張機能も使うことができます。
他ブラウザ、特にChromeからの移行や併用にもストレスが少ないことはメリットの一つと言えます。
Brave News
Braveブラウザには、Googleのニュースフィードのような機能「Brave News」が備わっています。自分が興味のありそうな記事を自動で勧めてくれる機能です。
この機能は広告よって支えられていますが、ユーザーの個人情報は非公開であり、匿名化された状態で閲覧できます。つまり、トラッキングは一切ないということです。
引用:Brave
Brave Newsは、Braveブラウザのホーム画面を下にスライドすると表示されます。利用したくない場合には、利用しないを選択すると、それ以上動作を求められることはありませんでした。
Braveブラウザの危険性・安全性は?
Braveブラウザでは、プライバシーポリシーを宣言しており、自身で取得される情報を制限することができます。つまり、個人情報を勝手に保持されたり、ビックデータ解析などに利用されたりする可能性を低減可能です。
ブラウザの構造的には、ChromeのベースとなっているChromiumから作られているため、ベース自体はChromeと同程度には安全であると言えるでしょう。Chromiumはオープンソースで、かつバグや脆弱性の検証が行われているため比較的セキュアでしょう。
もっとも、どのブラウザも開発元は安全であると宣言するものの、脆弱性が発見されることが珍しくないため、脆弱性のニュースには目を光らせ、常に最新安定版のブラウザを利用することが重要です。
よりセキュリティを重視するのならば、デバイスの通信を常に監視するのがベストでしょう。
なお、ブラウザの安全性を過信して、セキュリティ対策を何も行わないのはリスクになります。
chromeなどのブラウザでは、拡張機能を導入することで暗号資産の秘密鍵が盗まれたり、キーロガーのような動作をされたりしたケースも存在します。
パスワードは分離管理する、二段階認証を行う、怪しいサイトにはアクセスしない、提供元がハッキリしないアプリや拡張機能は導入しない、重要なパスワードの入力はシステムキーボードを利用するなど、基本的なセキュリティ対策はどんなブラウザを使っていても行うことが必須です。
また、Braveブラウザに限らず、公式サイト以外からのダウンロードでは、マルウェアなどの悪意のあるソフトウェアもインストールしてしまう恐れがあります。
Braveブラウザをダウンロードする際には、公式サイトからダウンロードをするようにしましょう。(https://brave.com/ja/)
Braveブラウザの始め方
Braveブラウザを始めるには、まずはダウンロード後、インストールすることが必須です。
Braveブラウザが利用できるデバイスとOSは以下の通りです。(2022年11月時点)自分の使っている端末がサポート対象かを確認しましょう。
OS以外の情報や、動作環境などの詳細はこちらよりご確認ください。
PC
- Windows(Windows 7以上)
- Mac (OS X El Capitan 10.11.0以上)
- Linux (64-bit Ubuntu 16.04以上、Mint 17以上、Debian 9以上など。)
スマートフォン
- iOS (iOS 12以上)
- Android(Android 5以上)
Braveブラウザのダウンロード方法
スマートフォンの場合は、アプリストアからダウンロードが可能です。
PCの場合は公式サイトのダウンロードからダウンロードが可能です。
引用:Brave
PCではダウンロード後にインストールする必要があるため、ダウンロードしたファイルを実行するか、所定の動作を行ってインストールしましょう。
引用:Brave
Braveブラウザの初期設定
この記事では、PCでのBraveブラウザの使用方法を解説します。
Braveブラウザをインストールしたら、自動でアプリが実行されます。
引用:Brave
Chromeなど他ブラウザから移行をする場合には、「ブックマークと設定のインポート」から、移行元のブラウザ・ユーザーを選択し、インポートを選択することで移行が完了します。
引用:Brave
ブラウザから設定やパスワードを引き継ぐ設定を行えば、いままで使っていたブラウザと同じような使用感でBraveブラウザを利用することができます。
暗号資産が貯まる「Brave Rewards」の設定方法
Brave Rewardsの設定するには、まずBrave ブラウザのホーム画面から、「右側のRewardsの使用開始」をクリックします。
引用:Brave
「クイックツアーに参加」をクリックすると、Brave Rewardsについての概要を知ることができます。
BATを貯めたい場合は、「Brave Rewardsの使用を開始」をクリックしましょう。
引用:Brave
その後、「ウォレットサービスを選択」という画面が表示されますが、ウォレットを選択しなくてもBATを貯めることはできるようです。引き出しを行うにはBitFlyerとの連携が必要になります。
また、Brave Rewardsでの広告の表示量は設定から変更することができます。表示量が多いほどBATを多く貯めることはできますが、動作速度や煩雑さは増します。コントロールしたい場合には、「設定>Brave Rewards>表示する広告の最大数」からチェックしましょう。
引用:Brave
Braveブラウザの使い方は簡単
Braveブラウザの目玉機能である広告のブロックやBATの取得は驚くほど簡単にできました。また、他ブラウザからのブックマークや拡張機能の引継ぎも可能であるため、Braveブラウザを使うハードルはとても低いと言えるでしょう。
操作感も一般的なブラウザと比べ大きく変わらないため、使い始めてもすぐに慣れそうなデザインです。
Braveブラウザを使って、設定さえしていれば勝手にBATが溜まるのもうれしいポイントです。Braveブラウザの導入を検討している方は、試しに使ってみるのも良いのではないでしょうか。
※なお、当社にBATを入金・送金される場合は、Ethereumネットワーク上のERC20をご利用ください。異なるネットワークから送られた場合は通貨が失われる可能性がありますのでご注意ください。
詳しくはこちらをご参照ください。