ビットコイン(BTC)と金の購入方法と税金の違いについて

ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)は、データであるが故に、円やドルなどの法定通貨のように現物の紙幣がない点が特徴です。

ですが、実はこのビットコインには実物資産の「金」とさまざまな共通点があり、「デジタルゴールド」とも呼ばれていることをご存知でしょうか?

この記事では以下の4つのポイントに触れながら、ビットコインと金の類似点や購入方法などについて解説していきます。

  • ビットコイン(BTC)と金の共通点
  • ビットコイン(BTC)の購入方法と税金について
  • 金の購入方法と税金について
  • ビットコイン(BTC)と金の違い

執筆Coincheck Column編集部

Coincheck Column編集部は暗号資産の取引経験者やブロックチェーンの知見に深いメンバーで構成されています。これから暗号資産を始める方々に「暗号資産について正しく理解していただき安心して取引できる」ことを目的に執筆しています。/ 運営元:コインチェック株式会社

ビットコイン(BTC)と金の共通点

ビットコイン(BTC)
そもそもビットコイン(BTC)は、法定通貨のドルや円などのように、種類が様々ある暗号資産の中のひとつの通貨のことを指します。

そんなビットコイン(BTC)と金の意外な共通点について見ていきましょう。

国が発行しているものではない

まず、ビットコイン(BTC)は法定通貨などとは違い、国が発行しているものではなく、金も同様に国が発行しているものではありません。

ビットコイン(BTC)には、法定通貨を管理する中央銀行のような仕組みはありません。

ビットコイン(BTC)は中央に管理者がいてコントロールされているものではなく、あらかじめ組み込まれたプログラムによって、システムが自動で稼働しているのです。

全体量が決まっている

ビットコイン(BTC)も金も、その全体量は決まっています。

ビットコイン(BTC)の最大発行枚数は、あらかじめ2100万BTCと決まっており、プログラムに書き込まれています。

また、金の場合もこれまでに掘り出した総量は約15万トンです。まだ採掘されていない金も世界のどこかに眠っている可能性はゼロではありませんが、あまり高くないと言われています。

どちらにも共通して言えるのは、希少性があるということです。そこで、暗号資産も金も購入するには当然お金が必要になりますが、身近なところで法定通貨と置き換えて考えてみましょう。

法定通貨も全体量が決まっており、2017年末時点で日本で流通しているお札を集めると、約107兆円にもなると言われています。

詳しくはこちら:日本の紙幣の流通量

例えば、この法定通貨に対して、急に国の政策などによって、倍の214兆円にすると決まったら、円の価値は大幅に下落するでしょう。

ビットコイン(BTC)などの暗号資産や金も、全体量が決まっているからこそ希少価値があるといえるのです。

需要と供給によって価格が変動する

ビットコイン(BTC)や金の価値が変動しないかと言われれば、決してそうではありません。

金の場合は、例えば原油・米ドル・世界経済情勢などによる様々な影響によって、常に変動を続けています。

ビットコイン(BTC)の場合は、2009年の0.07円程度から2017年には200万円以上と、非常に大きく価値が上昇しました。

その理由の一つとしては、暗号資産が世の中のお金のシステムを大きく変えうる存在として注目されたからでしょう。

では、暗号資産や金の価値はなぜ変動するのかというと、それは需要と供給のバランスが一因だといえます。

具体的にどのように価値が決まるのかというと、それを欲しいと思う人が多くいると価値が上がり、逆にそれを欲しいと思う人が減ると価値が下がるといったように、需要と供給のバランスによって価値が決まります。

実際にビットコイン(BTC)の登場当初は、注目度も低かったためその価値は低かったですが、人々の興味が集まるにつれて価値も上がっていきました。

長い年月を経ても状態が劣化しない

さらに、ビットコイン(BTC)も金も、両者とも状態が劣化しないという特徴も持ちます。

ビットコイン(BTC)の誕生から10年以上経とうとしていますが、ビットコイン(BTC)はそもそも電子上のデータですので、劣化することがありません。

以上のような性質を持つことから、暗号資産を保有している人の中には、その資産の多くをビットコイン(BTC)で保有し、ビットコイン(BTC)を「仮想の金 = デジタルゴールド」と捉えている人もいるようです。

ビットコイン(BTC)の購入方法と税金について

実際にビットコイン(BTC)を購入するためには、基本的には暗号資産の交換所と呼ばれるところから、インターネット上で購入します。

暗号資産の交換所は、大きく分けて『販売所』と『取引所』を提供しています。

名前の通り、販売所はビットコイン(BTC)などの暗号資産を販売しているところで、取引所はユーザー同士でビットコイン(BTC)などの暗号資産の売り買いの取引をしている場所になります。

ビットコイン販売所について

どちらからでもビットコイン(BTC)は購入できますが、販売所であれば初心者でも簡単にすぐに購入することができます。

販売所でビットコイン(BTC)を購入する場合は、あらかじめ決められたレートで購入することになります。取引の操作も簡単なことが多いため、初心者でも注文ミスをしにくくなっている点が特徴です。

ビットコイン取引所について

一方、取引所を利用する場合は、ビットコイン(BTC)の売り手がいて初めて購入ができるため、必ずしも買いたい時にすぐに購入可能なわけではありません。

自分の好きな価格や数量を指定して注文をすることができたりもしますが、取引に慣れていないと注文ミスをしてしまう可能性もあります。そのため、利用する際には注意が必要です。

このように販売所と取引所はそれぞれメリットとデメリットがありますので、実際に利用してみて、自分に合っている方で購入するのが良いでしょう。

ビットコイン(BTC)には税金はかかる?

税金
暗号資産を購入してそのまま保有している分には、基本的に税金はかかりません。

ですが、ビットコイン(BTC)などの暗号資産で得た利益は「雑所得」として扱われ、一定の利益が出た場合は納税が必要となります。

他にも、例えば10万円で購入した暗号資産が値上がりして、20万円になったとします。その暗号資産で20万円の支払いをした場合、実質10万円の利益が出ているため、その10万円も雑所得として見なされます。

雑所得の場合は、所得が大きければ大きいほど、かかってくる税率も大きくなる累進課税制度が適応されます。そのため、所得が非常に大きい場合、最大で45%もの税金を「所得税」として支払わなければなりません。

また、この雑所得にかかる税金は「所得税」だけでなく、利益の一律10%を「住民税・地方税」として支払うことも義務づけられています。

一方、株式投資やFX(外国為替証拠金取引)の場合は、申告分離課税が適用されるため、税率は20.315%(所得税15.315%+住民税5% ※所得税に復興特別税を含む)となっています。

FXも元々は雑所得に分類されていましたが、途中で税制が変わりました。

このような経緯を鑑みると、2022年時点では暗号資産の利益も雑所得に分類されていますが、今後変わっていく可能性もあります。

※税金等の詳細につきましては管轄の税務署や税理士等にお訊ねいただくか、または国税庁タックスアンサーをご参照ください。

金の購入方法と税金について

金の購入
金は、その希少性から、世界中で価値あるものとして認識されているものです。

また、金そのものに価値があることから、ドルや円などの法定通貨などとは違い、その価値が守られています。

金を購入する方法

金を購入するには、金を取り扱っている業者から購入をします。

日本国内だと、例えば田中貴金属工業・三菱マテリアル・日本マテリアル・徳力本店・第一商品などから購入が可能です。

金自体の価値は世界共通なので、基本的にはどこの業者から購入してもさほど違いはなく、2023年5月末時点では、1gは約9000円程度となっています。

業者によっては10gは販売しておらず、1kg単位の販売をメインとしている業者もいますので、購入したい量によって利用する業者を選ぶとよいでしょう。

また、一言に金といっても、金には様々な形があり、いわゆる「金の延べ棒」のような物や「金貨」、他にも「純金積立」といったようなものもあります。

金に税金はかかる?

金の税金に関しては、売却時に20万円以上の利益が出るものに対しては「譲渡所得」として課税対象となります。

逆に20万円以下であれば、申告の必要は原則ありません。また、金の所持期間によっても、かかってくる税金は変わってきます。

所有期間が5年以下で手放した場合は、利益を出すために金を購入したとみなされるため、5年以上所有していた場合と比べて倍の税金がかかってきます。

ビットコイン(BTC)と金の違いとは

金とビットコイン
ここまで、ビットコイン(BTC)と金の資産としての価値など、類似点についてご紹介してきました。では、逆にどういった点が違うのでしょうか。

支払いの可否

金は基本的に資産を安全に保有するためのものですが、ビットコイン(BTC)は支払いのためにも使用することができます。

すでに、お店などでも、現金ではなくクレジットカードや電子マネーなど、キャッシュレスで支払いをしているという方も多いのではないでしょうか。

日本でもビットコイン(BTC)などの暗号資産で支払いができる場所は徐々に増えていることからも、暗号資産はこれからどんどん実用的なものになるかもしれません。

保管場所

金の場合は実物となるので、金庫や銀行など安全な場所で保管をしなくてはいけません。

一方、ビットコイン(BTC)であれば、データとして資産を保管することができるので、現実的なスペースは不要となります。

また、ビットコイン(BTC)の場合はデータで存在しているため、どこにでも持ち運びが可能です。実用性の部分と重なる面もありますが、国境が存在しないのです。

歴史の長さ

ビットコイン(BTC)は、2008年にSatoshi Nakamotoと呼ばれる人物によって考案されました。名前だけを見ると日本人かと思われますが、実態はベールに包まれています。

現在では1000種類以上の暗号資産が存在していますが、ビットコイン(BTC)は最初に誕生した暗号資産です。

2008年からと考えた場合、2023年時点でもまだ15年しか歴史のないビットコイン(BTC)は、まだまだ発展途上です。そのため、価値も大きく変動しやすく、投資対象としても話題となっているのです。

それに対し、金は紀元前3100年頃よりエジプトで価値のあるものとして使用され、その価値はいまだに全世界で認められています。

ビットコイン(BTC)と金についてのまとめ

仮想であるビットコイン(BTC)は、実在する金と相反する存在でありながら、類似点も多くあることがわかります。

このような類似点もあってか、より一層、ビットコイン(BTC)のような暗号資産には世界中が注目しています。

現時点では歴史も浅く、発展途上のビットコイン(BTC)はまだ不安定なものではありますが、その利便性や実用性などから、今後の通貨という概念を大きく変えるかもしれません。