XRP(エックスアールピー)のブロックチェーンとは?

XRP(エックスアールピー)は時価総額でも常に上位を占める人気の仮想通貨です。

XRP(エックスアールピー)は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの技術的基盤であるブロックチェーンとは異なる、XRP Ledgerと呼ばれる分散型台帳(DLT)技術によって成り立っています。

本記事ではブロックチェーンの基礎に軽く触れたうえで、XRP Ledgerの仕組みとブロックチェーンとの違い、リップル社の決済ネットワークについて解説します。XRPやリップル社の概要は 「エックスアールピー(XRP)とは」をご覧ください。

ブロックチェーンとは?

XRP(エックスアールピー)

ブロックチェーンとは、取引データを鎖状につなぎ、改ざんを防ぐ仕組みのことです。暗号化と分散管理により信頼性を保ちます。

詳しくは『ブロックチェーンとは』の記事で仕組みを解説しています。本稿では、その違いが際立つXRP Ledger(XRPL)の構造を中心に説明します。

XRP(エックスアールピー)のXRP Ledgerとは?

XRP(エックスアールピー)

XRP(エックスアールピー)は、国際送金の効率化(リアルタイム性・コスト低減)を目的に設計された次世代型決済プラットフォームです。既存のSWIFTネットワークなど従来のインフラとも相互運用できる点が特徴です。

XRP Ledger(XRPL)は、2011〜2012年にDavid Schwartz氏、Jed McCaleb氏、Arthur Britto氏らによって開発されたオープンソースの分散型台帳です。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のようなマイニング型のブロックチェーンとは異なり、採掘を伴わない合意方式(RPCA)を採用しています。

より広い意味合いを持つ「分散型台帳技術(DLT:Distributed Ledger Technology)」を利用しており、リップル社ではこの分散型台帳を「XRP Ledger(XRPレジャー)」と呼んでいます。

XRP Ledgerを基盤とするリップル社の次世代型決済プラットフォームは、主に銀行などの金融機関や法人向けの台帳となっています。

また、銀行口座を持たない発展途上国での利用にも適しており、2012年の運用開始以来、広く利用されてきました。

XRP Ledgerとビットコイン(BTC)のブロックチェーン

XRP(エックスアールピー)

XRP Ledgerは、リップル社の次世代型決済ネットワークにおいて、早くて低コストの国際送金システムを構築するという目的のために開発されました。

なぜ、早くて低コストの決済が可能なのかといえば、承認作業量と承認時間が既存のブロックチェーンよりも少なくて済むからです。

詳細については後述しますが、まずビットコイン(BTC)のブロックチェーンでは、不特定多数のマイナーと呼ばれる人達による承認作業が必要です。

そして、その承認時間や作業は膨大です。それだけ多くの作業時間や手間をかけて、ビットコイン(BTC)のブロックの承認作業がおこなわれています。

一方のXRP Ledgerでは、世界各地の企業・研究者・個人など複数主体のValidator(検証者)が稼働し、各ノードはUnique Node List(UNL)=「信頼する検証者集合」に基づいてRPCAで投票・合意します。UNLの大半(約80%以上)の同意が得られない限り確定せず、新規レジャーは通常3〜5秒程度で確定します。

XRP Ledgerではこのために承認時間が短く、低コストでの国際送金を可能にしています。

XRP Ledgerの運用はコミュニティ主導で進んでおり、デフォルトUNL(dUNL)はXRPL Foundation等が公開しています。各運用者は必要に応じて自前のUNLを設定でき、特定企業の単独管理に依存しない前提です。

リップル社の分散台帳技術とブロックチェーンの関係や違い

XRP(エックスアールピー)

XRP(エックスアールピー)では、ビットコインの技術的な基盤となっているブロックチェーン技術は用いられておりません。

その代わりに、XRP Ledgerと呼ばれている独自の承認方式が利用されているとお伝えしました。

それでは果たして、ブロックチェーンとXRP Ledgerの関係や細かい違いはどうなっているのでしょうか。そこで両者の違いの詳細について解説していきます。

そこで両者の違いの詳細について解説していきます。

ブロックチェーンとの違いを理解する上で大切なのが、「承認方法の違い」「承認者や管理者の違い」「セキュリティの仕組みの違い」になります。

以下に順を追ってお伝えしていきます。

承認方法の違い

ビットコイン(BTC)のブロックチェーンの場合、新規の取引データが取り込まれたブロックが生成される際には、マイニングと呼ばれる承認作業が必要です。

このマイニングは非常大規模な計算作業を高性能なコンピュータで、時間と電気コストをかけておこなうものです。この作業はProof of Work(仕事の証明)と呼ばれ、その膨大な作業ゆえに一部のマイナーと呼ばれている人達に半ば独占されている状態です。

一方のXRP Ledgerの場合、既にご紹介したように、各ノードが自らのUNLに基づいて投票し、UNLの大半(概ね80%超)の同意が得られない限り確定しないRPCAにより合意が形成されます。ビットコイン(BTC)のブロックチェーンに比べて、承認作業が非常に早く済みます。

特にXRP(エックスアールピー)は既存の国際送金に代わって、速くて低コストの国際送金サービスの提供を目指しているネットワークシステムです。そのことからも、金融業界を中心に各業界から期待されているのがわかります。

承認者や管理者の違い

ビットコイン(BTC)は誰でもマイナー/ノードとして参加できる前提で設計されています。

一方のXRP Ledgerは、多主体のValidatorが運用し、各ノードがUNL(信頼する検証者集合)に基づいて合意します。デフォルトUNL(dUNL)はXRPL Foundation等が公開しており、運用者は自前のUNLに切り替えることも可能です。これにより特定企業の単独管理に依存しないアーキテクチャとなっています。

セキュリティの仕組みの違い

ビットコイン(BTC)のブロックチェーンの場合、承認されたブロックは常に公開され、ユーザー同士で管理し合う仕組みがとられています。そうすることでオープンソースなネットワークが構築され、透明性と安全性が確保されています。

一方のXRP Ledgerでは、これとは異なるセキュリティの仕組みを持っています。

XRP Ledgerでは、各トランザクションに最小10 drops(0.00001 XRP)の手数料が設定され、処理時にバーン(焼却)されます。この設計はスパム攻撃や過剰トランザクションを防ぐアンチスパム機構として機能しています。

ネットワーク負荷が高い場合は手数料が一時的に上昇し、DDoS攻撃などへの耐性を高めるよう設計されています。

XRP Ledgerを基盤としたリップル社の決済ネットワーク(Ripple Payments/旧RippleNet)

XRP Ledger(XRPL)の合意イメージ

XRP Ledgerを利用したRipple Payments(旧RippleNet)は、銀行や送金業者、一般企業が国際送金をリアルタイムで行うための決済ネットワークです。開発当初からリップル社は、次の4点を重視して設計しています。

それは「全世界共通であること」「リアルタイムで反映されること」「確実に実行されること」「手数料が安く抑えられること」の4項目です。これらを満たす形で提供されているのがRipple Payments(旧RippleNet)です。

RippleNetは2019年にサービス統合が進み、その後はRipple Paymentsとして提供されています。流動性供給サービスはOn-Demand Liquidity(ODL)として組み込まれています。

Ripple Payments(旧RippleNet)— メッセージング&ルーティング

銀行・決済業者向けの決済メッセージング、取引ルーティング、決済ステータス追跡などの機能を提供します。
旧 xCurrent/xViaで提供されていたAPIおよびGUIを内包しており、SWIFT MTやISO 20022フォーマットとも連携可能です。
取引は Interledger Protocol を介して各参加金融機関の元帳に連携され、リアルタイムで到達確認と手数料・FX レートの見積もりが行われます。

On-Demand Liquidity(ODL)

ODL(On-Demand Liquidity)は、Ripple Payments内で提供される流動性サービスで、従来「xRapid」と呼ばれていました。送金元通貨→XRP→送金先通貨へと即時に変換することで、事前の口座資金プール(ノストロ口座)を不要にし、数秒でのクロスボーダー決済を実現します。

取引ごとにXRPをブリッジ資産として用いるため、流動性確保コストを大幅に削減できるのが特徴です。

Coincheck(コインチェック)の主なサービスについて

コインチェックの取り扱い通貨

Coincheckでは、仮想通貨の購入や売却をおこなう「現物取引」のサービスを提供しています。

それ以外にも、保有する仮想通貨を貸し出して利用料をもらえる「貸暗号資産サービス」や、他の取引所や他のユーザー宛てに手持ちの仮想通貨を送金するサービスなどもあります。

Coincheckでの現物取引は、今回ご紹介したXRP(エックスアールピー)も含めて、以下を含む35種類の仮想通貨に対応しています(2025年11月時点)。

  • ビットコイン(BTC)
  • イーサリアム(ETH)
  • イーサリアム クラシック(ETC)
  • リスク(LSK)
  • エックスアールピー(XRP)
  • ネム(XEM)
  • ライトコイン(LTC)
  • ビットコインキャッシュ(BCH)
  • モナコイン(MONA)
  • ステラルーメン(XLM)
  • クアンタム(QTUM)
  • ベーシックアテンショントークン(BAT)
  • アイオーエスティー(IOST)
  • エンジンコイン(ENJ)
  • サンド(SAND)
  • ポルカドット(DOT)
  • フィナンシェトークン(FNCT)
  • チリーズ(CHZ)
  • チェーンリンク(LINK)
  • ポリゴン(MATIC)
  • エイプコイン(APE)
  • アクシーインフィニティ(AXS)
  • イミュータブル(IMX)
  • ラップドビットコイン(WBTC)
  • シバイヌ(SHIB)
  • アバランチ(AVAX)
  • ブリリアンクリプトトークン(BRIL)
  • ブラッドクリスタル(BC)
  • ドージコイン(DOGE)
  • ザ・グラフ(GRT)
  • ディセントラランド(MANA)
  • マスクネットワーク(MASK)
  • ペペ(PEPE)
  • ファンプラ(FPL)
  • ダイ(DAI)

※現在、ブラッドクリスタル(BC)はCoincheck販売所での購入を一時中止しております。

XRP Ledger(XRPL)とブロックチェーンの違いまとめ

将来見通しや価格に関する内容は『エックスアールピー(XRP)の今後』をご参照ください。

この記事ではXRP(エックスアールピー)の技術的な基盤となっているXRP Ledgerやブロックチェーンとの違いなどについてお伝えしてきました。

XRP(エックスアールピー)は既存の国際送金システムとは異なり、安くて速い決済サービスが特長となっています。

各業界からも多くの期待が寄せられ、日本の大手金融グループも含めて、これまで数多くのプロジェクトが実施されてきています。

XRP(エックスアールピー)は常にその仕様がアップグレードされ、より便利になってきているため、これからも目が離せない通貨の一つといえるでしょう。