暗号資産(仮想通貨)と投資信託の違いと投資を行う上での注意点

投資は利益を得るために行う経済活動ですが、投資の対象となる金融商品にはさまざまなものがあります。

たとえば、株式や投資信託、FXなどは代表的な投資対象です。また、ビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産(仮想通貨)も、投資の対象として近年人気が高まっています。

投資を行う際は、金融商品ごとの違いをしっかりと押さえておくことがチャンスを広げるためには有益です。

そこで今回は、初心者向けの金融商品として人気の高い投資信託と、新しい投資対象として注目を集める暗号資産について、その違いや特徴、注意点などについて紹介します。

投資家から集めた資金を運用する投資信託

投信
投資信託とは、多くの資金を投資家から集めて、投資のプロがさまざまな金融商品に投資をすることで運用益を得る金融商品です。

投資信託は、投資のプロが運用してくれるため、個別株の投資などに比べて、初心者でも始めやすい投資として知られています。ただし、一言で投資信託といっても、それを運用するプロによって、どれくらいの資金をどこに投資するのか運用方針が異なります。

国内株式や外国株式など、どの銘柄をどの割合で組み込むかもプロの腕にかかってきます。ただし、当然運用次第では元本を割るおそれはあります。

投資対象を定めて実際に投資するのはプロが行いますが、その点には注意して投資信託は利用すべきでしょう。

投資信託で資産運用するメリット

投資信託メリット
初心者に向いていると言われる投資信託ですが、メリットには以下のようなポイントが挙げられます。

1. 運用を投資のプロにお任せできる

1つ目は「運用を投資のプロにお任せできる」ことです。

投資信託で取り扱う金融商品は、国内から海外まで、また株式から債券に至るまで多岐にわたります。本来、投資対象の知識がないと投資は難しいものです。

ですが、投資信託であれば投資家本人が直接投資対象を決める訳ではなく、投資のプロに運用をお任せしますので、投資の知識がない初心者でも参加しやすいという特徴があります。

当然投資のプロといっても運用がうまくいかない局面もありますが。全く知識のない金融商品に個人で手を出すよりはリスクを抑えることができるかもしれません。

2. 少額から始められる

2つ目は「少額から始められる」ことです。

投資信託の中には、長いスパンを見込んでコツコツと投資をするのに向いた商品もあります。また、証券会社などによっては、月1,000円程度からでも始めることができますので、まとまった資金がない人も活用することができます。

3. 分散投資によるリスク低減効果がある

3つ目は「分散投資によるリスク軽減効果がある」ことです。

投資の基本は、さまざまな金融商品に投資することによるリスク分散です。一部の金融商品が急落しても、ほかの金融商品を保持していれば資産の急激な減少を抑えることができるため、分散投資は基本とされています。

投資信託では、集めた資金をもとに債券や株式などあらゆる金融商品に配分して投資を行いますので、あらかじめ分散投資が行われているものが多くなっています。

投資信託を始めるときに注意しておきたいデメリット

投資信託デメリット
投資信託にはメリットもありますが、デメリットもあります。

1. 元本保証がない

1つ目は「元本保証がない」ことです。

投資信託は、元本保証がないため運用成績によっては損失を抱えてしまうリスクがあります。長期で運用することによって複利効果などが期待できますが、相場やタイミングによって運用状況は常に変化します。

FXなどのように元本を超えるマイナスは発生しないものの、コツコツ積み立ててきた資産が目減りしてしまうおそれもあるので注意が必要です。

2. 手数料などのコストを支払う必要がある

2つ目は「手数料などのコストを支払う必要がある」ことです。

投資信託には、いくつかのコストが発生します。証券会社などに支払う買付手数料(販売手数料)のほか、信託報酬や信託財産留保額といったコストがかかります。

仮に運用益が発生しても、こうしたコストを差し引いたらマイナスになってしまうことも珍しくありません。そのため、投資信託の商品を選ぶ前にコストの確認をするのは必須といえます。

3. 資産の売却までに時間がかかる場合がある

3つ目は「資産の売却までに時間がかかる場合がある」ことです。

投資信託の種類によっては、クローズド期間と呼ばれる売却できない期間が存在するものもあります。資産の売却までに時間がかかると、相場の急変などに対応できないリスクもあります。

投資信託を申し込む際は、売却時の日本円の入金までの日数などについても、あらかじめ確認することが大切でしょう。また、売却の際は証券取引所が終了した時点で計算が行われるため、売却時に価格がわからないことにも注意が必要です。

暗号資産の特性と注目されている理由

暗号資産
ビットコインをはじめとする暗号資産は、ブロックチェーン技術を採用した新しい時代のデジタル資産です。

暗号資産に対する日本円の価格は為替のように日々変動しており、安く買って高く売ることで利益を得ることができます。特に、2017年末から2018年にかけての大幅な価格上昇によって、暗号資産は注目されることとなりました。

暗号資産によって大金を得た人も続々誕生し、ニュースになることで話題に拍車がかかりました。市場規模はまだ小さいものの、ほかの金融商品と同じように投資をする人が増えたキッカケといえるでしょう。

暗号資産が注目されている理由として、「ほかの金融商品と比べて新しい」ことや「価格変動の幅が大きい」ことがあげられます。投資対象とされる金融商品といえば株式やFX、投資信託などが代表例ですが、暗号資産は比較的歴史の浅い新しい形の投資対象といわれています。

そのぶん、将来への期待値も高いがゆえに注目されているのです。また、市場規模が小さいためにボラティリティ(変動性)の高さにも期待されています。

FXのようにレバレッジをかけなくても、現物取引で大きな利益を得られる可能性があることも暗号資産の魅力のひとつでしょう。

ほかの金融商品と暗号資産との違い

暗号資産
新しい投資対象として魅力のある暗号資産ですが、ほかの金融商品との違いについて、いくつかのポイントを押さえておきましょう。

1. 管理者が不在の暗号資産がある

まず「管理者が不在の暗号資産がある」ことです。

暗号資産の多くは、法定通貨における国のような発行主体が存在しないため、特定の人が価格を操作できないのはもちろん、一定の独立性が担保されています。

また、多くはブロックチェーン技術を採用しており、多くのユーザーが互いに監視する仕組みとなっており、不正などが起きにくい仕組みとなっています。

2. 法整備が発展途上

つぎに「法整備が発展途上」なことです。

銀行預金や証券取引所を介した株の売買などは、仮に組織が破綻しても利用者が保護される制度が確立されています。対して、暗号資産はまだ法整備が十分に整っておらず、利用者が完全には守られているとはいえない状況です。

そのため、仮にユーザーが操作ミスをして暗号資産を別のアドレスに送金したとしても、取り戻せる可能性はかなり低かったりします。

3. 主体的に資産の管理が必要

さらに「ユーザー自身が主体的に資産を管理する必要がある」ことです。

暗号資産はネット上の通貨という特徴があるため、ハッキングなどのリスクが存在します。こうしたリスクから身を守るためには、自分できちんとした暗号資産の知識を身につけ、正しい管理を行う必要があります。

暗号資産に投資を行うときの注意点

暗号資産投資
暗号資産を実際に取引する際の注意点として、まず「銘柄ごとの特徴や送金方法などを把握しておく」のも良いでしょう。

暗号資産の銘柄の特徴を理解する

暗号資産の銘柄は2018年時点で1,500種類以上存在すると言われており、それぞれの銘柄は強みとする領域が異なります。

今後の発展も含めて、保有している銘柄がどのような特徴を持っているのか、またどんな送金方法を採用しているのかを把握しておくことが大切です。投資を行う前に、それぞれの銘柄の特徴を理解したうえで選択するのも良いでしょう。

暗号資産の動向やニュースに注意する

また、「暗号資産の動向やニュースなどにアンテナを向けておく」ことも大切なポイントです。

暗号資産は発行して終わりではなく、絶えず開発が進行しています。暗号資産に関するニュースによって価格が大きく変動する可能性もあるため、動向には注視しておくことが肝心です。

セキュリティ対策を行う

また、「セキュリティ対策を十分に施す」ことも大切です。

前述した通り、暗号資産はハッキングなどのリスクにさらされています。大事な資産となるものなので、二段階認証やハードウォレットでの保管など、できる限りのセキュリティ対策を行いましょう。

リスク管理について意識を向けておく必要がある

セキュリティ対策
暗号資産に投資するときは、リスク管理にも意識を向けておきましょう。リスク管理をする際に押さえておきたいポイントには、以下が挙げられます。

1. 相場の変動が激しい

まず「相場の変動が激しい」ことです。

暗号資産は相場の変動が大きいため、ハイリスクハイリターンの金融商品といわれています。余裕資金で行うようにし、初心者はミスをしないように、正しい知識を身につけてから参加するのがいいでしょう。

2. 自分のリスク許容度を理解しておく

つぎに「自分のリスク許容度を理解しておく」ことです。

暗号資産ではレバレッジ取引も可能ですが、自分の余裕資金や投資スタイルに合わせて、どのくらいのリスクまでなら許容できるのかを決めておくことが大切です。

3. 暗号資産の取引所選びに注意する

さらに「取引所選びに注意する」ことです。

実際に暗号資産を取引するうえで利用するのが、暗号資産の取引所です。取引所は国内外でさまざまな業者が運営していますが、自分に合った取引所を選ぶことが先決です。

国内の取引所を利用する場合は、金融庁の登録業者を選ぶようにしましょう。続いて、セキュリティは十分か、取引したい銘柄を取り扱っているか、サポート体制は万全か、操作画面は扱いやすいかなど、さまざまな観点から判断するのがいいでしょう。

投資を始める前に投資目的をきちんと考えておく

投資の目的
暗号資産取引に限らず、投資を始めるにあたっては「投資目的」をきちんと定めておくことも大切です。

投資目的をはっきりさせておけば、大事な場面での判断に迷うことが少なくなります。投資目的を明確にするポイントは、以下が挙げられます。

1. 投資額を決める

1つ目は「投資額を決める」ことです。

自分がいくらまでなら投資に回せるのか、投資限度額を決めておきましょう。生活資金に影響が出るほどの投資は危険なので、余裕資金で行うのが基本中の基本です。

2. 取引の期間を定める

2つ目は「取引の期間を定める」ことです。

投資には、数日程度で取引する短期取引や、数年単位で取引する長期取引など、様々な取引のスタイルがあります。自分の取引スタイルや金融商品に合った取引の期間を決めたうえで、投資を始めるのが良いでしょう。

3. 取引の判断基準を設定する

3つ目は「取引の判断基準を設定する」ことです。

どのくらい利益が出たら利益を確定するのか、どのくらい損失がふくらんだら損切りするのかなど、自分の基準ラインをあらかじめ決めておくのもよいでしょう。

この基準を決めないと、ズルズルと損失が拡大していくリスクもあります。以上のようなポイントを参考に、自分に合ったトレードスタイルを確立していきましょう。

少額投資から始めて適切な資金管理を心がける

資金管理
投資においては、資金管理もとても大切なポイントです。

資金管理について押さえておきたいことは、「少額投資から始める」「リスクの許容度を把握しておく」などです。

いきなり大金を投資するよりも、最初は少額で始めるほうがリスクは小さくなります。取引を繰り返していくうちに、相場の動きや銘柄の特徴を理解できるようにもなるでしょう。

また、自分の余裕資金と相談しつつ、どの程度までのリスクなら許せるのかを把握しておくことも大切です。リスク許容度に応じて、取引に対する自分のスタイルや基準はおのずと決まってきます。

分散投資を行えば金融商品ごとの特性を活かせる

分散投資
また、投資を行うときのリスク低減策が「分散投資」です。

分散投資とは、ひとつの金融商品に集中して投資するのではなく、さまざまな金融商品に分散して投資する方法です。分散投資は、プロの投資家も行っているポートフォリオ理論に基づく方法のため、リスクに対する軽減効果が期待できます。

暗号資産における分散投資には、「暗号資産とほかの金融商品で分散する方法」「暗号資産のなかでいくつかの銘柄に分散する方法」などが挙げられます。資金に余裕がある人は、リスクと相談しながら分散投資を心がけるのも良いでしょう。

ただし、さまざまな金融商品に投資を行うと管理に手間がかかるため、あまり手を広げすぎずに、適切な範囲にとどめておくほうが管理はしやすいでしょう。

安心して利用できる暗号資産の取引所を選ぶ

コインチェックの取り扱い通貨
国内で暗号資産の取引を安心して行うためには、取引所選びを怠ってはいけません。

中には怪しい業者も存在しますので、基本的には金融庁に登録された暗号資産交換業者を利用するようにしましょう。国内の大手取引所Coincheckは、投資の初心者にも使いやすいサービスを提供しています。

取引の画面が見やすかったり、スマホアプリが使いやすいなど、初めて暗号資産に投資する人でも迷わずに取引できるようになっています。また、取り扱い暗号資産の銘柄が多いため、分散投資に活用することができます。

ビットコインはもちろんのこと、リップルやイーサリアムなど人気のアルトコインがそろっています。さらに、セキュリティ対策にも注力しているため、安心して取引に集中できるでしょう。

金融商品ごとの特徴をしっかりと押さえよう

株や投資信託などといった金融商品には、それぞれ特徴があります。

近年市場が急成長を遂げている暗号資産も投資対象として人気ですが、初めて投資する人は、各金融商品の違いを理解したうえで取引することが大切です。

特に、リスクやデメリットなどの知識がないままに投資を始めてしまうと、思わぬ損失につながりかねません。自分のトレードスタイルや投資目的に沿いながら、自分に合った金融商品を選んでいきましょう。