ビットコイン(BTC)の売買取引を行う場合は、取引価格の動向や値動きの特徴を把握しておくことが重要です。動向や特徴を知らずに取引を行っていると、予想外の値動きによって大きな損失を被るリスクがあります。
過去からの価格推移と高値・安値を知っていれば、将来の価格を予測する場合の参考になるでしょう。また、ビットコイン(BTC)が高値になる状況を分析することは、値動きに関する特徴の把握にも繋がる可能性があります。
そこで、ビットコイン(BTC)の価格について最高値に焦点をあててご紹介します。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)が辿ってきた主な歴史
ビットコイン(BTC)は、2009年1月に世界初のビットコイン(BTC)取引データを含む最初のブロックが誕生しました。ビットコインシステムの生みの親だとされているサトシ・ナカモトが自ら行った、世界で初めての取引です。
2009年10月には、ドルなどの法定通貨とビットコイン(BTC)の交換が世界で初めて行われます。この段階で、ビットコイン(BTC)は法定通貨建ての価格がわかるようになりました。
その後、ビットコインは世界中に広がりを見せます。世界への広がりに一役かったのが、2013年3月の初登場したビットコイン取引に対応するATMサービスです。
このATMを利用すれば、法定通貨を入金してビットコイン(BTC)を購入したり、保有しているビットコイン(BTC)を送金したりすることが可能です。2017年8月には、ビットコイン(BTC)のハードフォークにより、ビットコインキャッシュ(BCH)が誕生しました。
2023年 上半期のビットコイン(Bitcoin/BTC)価格は?
ビットコイン(BTC)の過去最高値情報を把握する前に、価格動向を把握しておくことが大切になります。過去の最高値と現状の価格を比較できるようになるからです。
ビットコイン(BTC)価格は、2023年5月時点で、1BTC(ビットコインの通貨単位)約27,000USD(アメリカドル)で取引されていました。同時点の為替レートで日本円に換算すると、約370万円前後です。
2022年末には大手暗号資産取引所のFTXが破綻した余波で低調な価格推移でしたが、2023年はリーマンショック以来の金融不安が米国で発生。結果的にビットコインのもつ既存金融への強みが再び評価され、2023年年の上半期にはビットコインの価格が一時30,000ドルを上回りました。
【過去の最高値の記録その1】2011年
ビットコイン(BTC)は、誕生してから何度か価格高騰を経験しています。
最初のバブルは、2011年に発生しました。暗号資産(仮想通貨)の価格高騰は、世界中に広がるための環境が整うことや、なんらかの良いニュースが飛び込むことがきっかけで起こる場合があります。
2011年に生じた価格高騰の理由は、例えば下記の3つがあげられます。
1. ニュース
1つ目は、ビットコイン(BTC)に関するニュースです。
前年の2010年時点において、ビットコインV0.3リリースに関するニュースがWeb掲示板で話題になったことがきっかけです。
2. 環境・インフラ面
2つ目は、環境・インフラ面の理由です。
2011年には、イギリスのポンド、ブラジルのレアルとの間でビットコイン(BTC)の交換ができる環境が整いました。暗号資産取引を行うインフラが整い始めたことも、価格高騰の理由となったと言えるでしょう。
3. シルクロード
3つ目は、少し特殊な要因です。シルクロードという闇サイトがあり、そのサイトでの取引価格が市場価格と連動している状況でした。
闇サイトでの取引価格高騰が、市場価格に波及したことも価格高騰の理由と言われています。
【過去の最高値の記録その2】2013年
2013年には、2度の価格急騰がありました。
1. キプロスでの金融危機
1回目は、キプロスでの金融危機が引き金になった急騰です。
EU(欧州連合)は、キプロスの金融支援を行うにあたって、キプロス国内預金への課税を条件としたのです。その税率は約10%にも達し、キプロス国民は預金を別の資産に逃がす行動をとります。
その逃避先として注目されたのがビットコイン(BTC)でした。ビットコイン(BTC)は、中央銀行などの影響を受けないと考えられていたため、資金の逃避先としてビットコイン(BTC)が買われて価格が急騰しました。
2. 中国からの資金流入
2度目は、世界的にも分散投資先として、ビットコイン(BTC)が注目され始めたことがきっかけです。
特に、中国の法定通貨である元の下落が続いていたため、中国から多くの資金がビットコイン(BTC)に流入しました。その結果、ビットコイン(BTC)価格が高騰したと言われています。
【過去の最高値の記録その3】2017年
ビットコイン(BTC)は、2017年に過去最高値を記録します。
2017年12月時点で、1BTCが2万USDに達したのです。価格高騰の理由は複合的であり、確定的な原因を特定することは難しいとされています。
考えられるいくつかの原因のなかで、大きな影響を与えたといわれている要因は例えば下記の2つが挙げられます。
1. ビットコイン先物の上場
1つは、CBOE(シカゴ・オプション取引所)とCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)でビットコイン先物が上場されたことです。
取引高が多く、世界的にも有名な取引所に上場を果たしたことによって、機関投資家からの資金が流入するという思惑が働き、価格が高騰したと考えられています。
2. ビットコイン(BTC)のハードフォーク
もう1つの要因は、ビットコイン(BTC)のハードフォークビジネスが加速したことです。暗号資産システムの仕様変更により元の通貨から新しい通貨が分岐することを、ハードフォークといいます。
2017年にはこのハードフォークによって、ビットコイン(BTC)から分岐した通貨だけでなく、分岐元のビットコイン(BTC)価格も上昇する現象がみられました。
その結果、ますますビットコイン(BTC)は世界中の資金を集めることになり、過去最高値となる価格高騰が発生したのです。
【過去の最高値の記録その3】2021年
ビットコインや暗号資産は2018年以降、価格が大きく上昇することがなく、
しかし、NFTやレイヤー2といった様々な技術トレンド、加えてWeb3やDAOといったバズワードの普及が重なったことで、暗号資産市場の急激な成長につながりました。
また、イーロンマスク氏がCEOをつとめる米国のテスラ社がビットコインを保有していることや、Facebook社が社名をMeta社に改名するなどにより、暗号資産やその関連技術に大きな注目が集まりました。
2021年11月8日には、ビットコインの価格は市場最高値である1BTC約776万円に達しました。
分岐しても最高値になるのはなぜなのか?
ビットコイン(BTC)は、2017年8月にハードフォークを経験しています。そのときにビットコイン(BTC)から分岐して誕生したのがビットコインキャッシュ(BCH)です。
分岐することで価格が下落する可能性も指摘されていましたが、結果として分岐後にビットコイン(BTC)は過去最高値を記録しています。また、ビットコインキャッシュ(BCH)も、分岐後の価格上昇がみられました。
分岐元の通貨価値は、理論的には分岐することによって分散します。しかし、ビットコイン(BTC)の価格は下落せず、逆に大幅な上昇を見せたのです。
その理由は、分岐に関して多くの報道が行われたことによって知名度が高まり、資金流入が発生したからだと言われています。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の今後は?
ビットコイン(BTC)の価格変動は、さまざまなイベントにより左右される傾向があります。
そのため、今後どんな重要イベントがあるかを認識しておくことも大切です。主なイベントは、今後の規制の動向などがあげられるでしょう。
1. 規制の動向
ビットコインは2022年のFTXの破綻や、過去のMt.GOXの破綻など、世界規模の暗号資産取引所の不祥事や破綻などにより、大きく価格が下落する傾向になります。
すべての暗号資産取引所が問題を抱えているわけではありませんが、一部の取引所は潜在的な問題を抱えているケースもあるため、国や金融当局による規制強化が行われる可能性もあります。
しかし、規制強化が必ずしも悪い方向にはたらくわけではありません。2022年のFTX破綻では、日本で展開していた部分に関しては金融庁の規制下に置かれていたため、日本のユーザーは大きな被害を被ることはありませんでした。
適切な規制が行われれば、大きな資本が暗号資産に参入してくる可能性もあるのです。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の取引をするならニュースと値動きを要チェック
ビットコイン(BTC)の取引を行う場合は、価格がどのように変動するかをある程度予測することが大切です。
例えば、上昇トレンドにある際にビットコイン(BTC)を購入することで、値上がり益が見込めるかもしれません。逆に、下降トレンドになりそうな場合は、手持ちのビットコイン(BTC)の売却をしておくことで、損失を抑えることができる可能性もあるでしょう。
価格動向に合わせた取引を行うためには、ビットコイン(BTC)の価格に影響を与える要因を理解しておくことは大切です。
ビットコイン(BTC)が過去最高値を記録したときは、世界的な金融危機やハードフォークによる新通貨の誕生、先物市場への上場などが価格に大きな影響を与えたとされています。
よって、価格動向を予想する場合は、暗号資産に関するニュースやイベントに注目することが必要です。自分なりの情報収集方法を確立し、こまめに値動きをチェックすることは、ビットコイン(BTC)の価格動向の把握に役立つことでしょう。