株や投資信託と並んで、投資対象として注目が集まっているのが暗号資産(仮想通貨)です。
ビットコインをはじめ、リップルやイーサリアムなどのアルトコインも人気を集めています。そんな暗号資産ですが、これから投資を始める人にとって銘柄選びはとても大事なポイントです。
暗号資産には豊富な銘柄がありますので、それぞれの特徴を正しく理解しておくことが賢い取引につながります。そこで今回は、暗号資産の基本的な仕組みと、どのような銘柄があるのか、各銘柄の特徴について解説します。
目次
- 暗号資産の基本的な仕組みと銘柄数
- 初めて登場した暗号資産であるビットコイン(BTC)
- ブリッジ通貨としての役割を果たすリップル(XRP)
- スマートコントラクト機能を持つイーサリアム(ETH)
- イーサリアム(ETH)から分岐したイーサリアムクラシック(ETC)
- ハーベスティングが特徴的なネム(XEM)
- ビットコイン(BTC)を補完する役割を目指したライトコイン(LTC)
- ビットコイン(BTC)から分岐して誕生したビットコインキャッシュ(BCH)
- Microsoftとパートナーシップを結んでいるリスク(LSK)
- 日本で生まれた暗号資産 モナコイン(MONA)
- Coincheck(コインチェック)なら代表的な暗号資産の銘柄の取引ができる
- 暗号資産の銘柄に詳しくなって投資のチャンスを広げよう
暗号資産の基本的な仕組みと銘柄数
暗号資産は、2009年に運用が開始されたビットコインの誕生から、次第に知名度を上げてきた新しい時代の通貨です。暗号資産の基本的な特徴のなかで、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
1. デジタル通貨
まず「目に見えないデジタル通貨である」ことです。
日本円や米ドルといった紙幣や硬貨が存在する法定通貨とは異なり、暗号資産はネット上に存在し、実物を持たないデジタル通貨という特徴を持ちます。
価格の変動が激しいため、投資対象として見られることも多いですが、今後の技術発展とともに、法定通貨に代わりうる通貨としても期待されています。
2. ブロックチェーン技術
次に、多くの暗号資産は「ブロックチェーン技術を採用している」ことです。
ブロックチェーン技術は、今後様々な業界での活用が期待されている技術であり、暗号資産の根幹をなしている技術の一つです。記録の改ざんや不正がしにくいなどの特徴を持ちます。
また、多くの暗号資産はこのようなブロックチェーン技術を利用することで、従来の決済手段に比べて低コストかつスピーディになっている点が魅力となっています。
3. 銘柄数は1000種類以上
さらに、「暗号資産の銘柄数は1000種類を超える」ことです。
2019年4月時点にて、暗号資産の銘柄数は1000種類を超えており、さまざまな通貨が暗号資産の取引所で取引されています。実際に取引できる通貨数は取引所によって異なりますが、国内の場合には数あるアルトコインのなかから、金融庁によって許可された通貨のみが取り扱われています。
暗号資産には、ビットコインだけでなく、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)にもそれぞれの領域で強みを持つ特徴的な通貨が数多くあります。ここからは日本の金融庁登録済の暗号資産の取引所で購入することができる、いくつかの代表的な暗号資産をご紹介します。
初めて登場した暗号資産であるビットコイン(BTC)
暗号資産の代表ともいえる「ビットコイン(BTC)」については、以下のような特徴を押さえておきましょう。
1つ目は「初めてつくられた暗号資産である」こと、2つ目は「決済手段としても利用されている」こと、3つ目は「ほかの暗号資産に与える影響が大きい」ことです。
1. 初めてつくられた暗号資産
ビットコインは、2008年にサトシナカモトという匿名の人物の論文によって、初めて発表された暗号資産です。
ブロックチェーン技術を採用し、マイニングという取引の承認作業によって新規発行されています。中央に管理者がおらず、発行上限は2100万枚と、あらかじめプログラムによって定められています。
2. 決済手段としても利用されている
また、ビットコインは知名度も高く、暗号資産の代表として広く知られていることから、すでに決済手段としても活用されています。実際に電子マネーやクレジットカードなどと同じようにビットコインを使って買い物ができる店舗も増えており、今後の動向が注目されている通貨です。
3. ほかの暗号資産に与える影響が大きい
ビットコインは暗号資産のなかでもっとも時価総額が大きく、多くの通貨の基軸となっています。
そのため、ビットコインの価格変動が、ほかのアルトコインに影響することも多いのが特徴です。これまでも、アルトコインの価格を誘導するかのように価格変動してきたことも少なくありません。
また、ビットコインから派生した暗号資産も多いことから、暗号資産界は今のところビットコインがけん引しているといっても過言ではないでしょう。
ブリッジ通貨としての役割を果たすリップル(XRP)
アルトコインのなかでも時価総額が高く、実用化が期待されているのが「リップル(XRP)」です。
リップルについては以下のような特徴があります。
1. 国際送金の手段として活用が期待されている
1つ目は「国際送金の手段として活用が期待されている」ことです。
リップルが特に強みとするのが、国際送金です。リップルのXRPは、既存の法定通貨と暗号資産の橋渡し的な役割を持つブリッジ通貨でもあり、送金速度が速いことを特徴としています。
リップルが普及することで、従来の国際送金をスピーディかつ低コストで行うことができるようになるかもしれません。
2. 開発者がリップル社
2つ目は「開発者がリップル社である」ことです。
ビットコインの場合は中央に管理者が不在で、オープンソースのP2P通貨となっています。一方、リップルはリップル社が開発した中央集権型の通貨となっています。
中央集権的であることに対しての批判もあるものの、効率よく開発や普及活動を行えるなどのメリットも持ち合わせています。
3. 世界中の大企業と提携
3つ目は「世界中の大企業と提携している」ことです。
日本においても三菱UFJ銀行などの大手金融機関など、多くの企業がリップルの実験に参加を表明しています。これらの大企業がリップルを活用するようになれば、よりリップルなどの暗号資産が身近な通貨になる日もくるかもしれません。
スマートコントラクト機能を持つイーサリアム(ETH)
イーサリアムは、暗号資産の時価総額では常に上位に位置しており、市場からの期待値も高い通貨の一つともいえるでしょう。
イーサリアムの特徴としては、「スマートコントラクト機能が搭載されている」ことや、「さまざまな通貨やサービスの基盤となっている」ことなどがあげられます。スマートコントラクトとは、簡単にお伝えすると、契約を自動で実行する仕組みのことです。
ビットコインが通貨としての側面を持つのに対し、イーサリアムは契約をスムーズに行うためのプラットフォームとしての特徴を持ちます。また、イーサリアムは、さまざまな通貨やサービスの基盤にもなっています。
イーサリアムをベースにした新しい暗号資産やシステムなどがすでに多く存在し、それらが普及することで、イーサリアムの知名度もますます上がっていくでしょう。これまでにも、暗号資産を使った資金調達方法であるICO(イニシャルコインオファリング)のプラットフォームとしても使われており、利用の幅を広げています。
イーサリアム(ETH)から分岐したイーサリアムクラシック(ETC)
イーサリアムに関連したアルトコインとしてあげられるのが「イーサリアムクラシック(ETC)」です。
イーサリアムクラシックの特徴は「イーサリアムから分岐して生まれた暗号資産である」こと、「非中央集権的な暗号資産を目指して誕生した経緯がある」ことなどです。イーサリアムクラシックは、イーサリアムがハードフォークした際に分裂した通貨です。
基本的な機能はイーサリアムと同じものの、セキュリティの改善を目指したりしています。また、イーサリアムの仕様変更に対して異議を唱えた人たちによって実現された通貨のため、イーサリアムクラシックは非中央集権に重きを置いた通貨となっています。
とはいえ、イーサリアムクラシックとイーサリアムは価格面でも連動している傾向が強く、切っても切り離せない関係と言えるでしょう。
ハーベスティングが特徴的なネム(XEM)
アルトコインのなかでも根強いファンが多いのが「ネム(XEM)」です。「開かれたコミュニティの結束が強い」ことや「ハーベストという仕組みがある」ことなどが主なネムの特徴です。
ネムを使ったサービスが登場
ネムは、金銭的な自由や分散化を理念としており、新しい経済圏の創出を目標としている通貨です。そのため、多くの人に開発される仕組みが整っており、実際にネムを使ったサービスやシステムが続々と登場しています。
また、ファンが多い通貨として知られ、コミュニティの連帯感がしっかりしているのも魅力です。
ネムの独自機能のハーベスト
ハーベストとはネム独自の機能で、一定数以上のネムを保有していることで自動的に報酬としてネムを受け取ることができる仕組みです。
報酬がもらえる点ではビットコインのマイニングに似ていますが、ネムの場合には一定数以上保有して特定のウォレットに預けていれば、誰でも簡単にネムを受け取れます。
ビットコイン(BTC)を補完する役割を目指したライトコイン(LTC)
ビットコインの技術をベースにして誕生したのが「ライトコイン(LTC)」です。
ビットコインの改良版を目指して生まれたライトコインは、ビットコインよりも送金スピードが速かったりと、より実用性を重視した暗号資産だといえるでしょう。ビットコインが金だとすれば、ライトコインは銀だとよくいわれます。
ビットコインの発行枚数が2100万枚なのに対して、ライトコインは8400万枚です。発行枚数が4倍と多いので、より実用的に使われやすいという側面を持ちます。
また、送金スピードが速いため、ビットコインより決済手段として優れており、ビットコインを補完する存在として期待されています。
ビットコイン(BTC)から分岐して誕生したビットコインキャッシュ(BCH)
ビットコインから分岐した代表的な通貨として知られるのが「ビットコインキャッシュ(BCH)」です。
ビットコインキャッシュの特徴としては、「分岐時にブロック容量をビットコインの8倍にした」ことなどがあげられます。ビットコインのブロック容量を1MBから8MBに拡張することで、ビットコインのスケーラビリティ問題の解決を目指しました。
そのため、ビットコインキャッシュは、ビットコインの容量や生成スピードに疑問を感じていた人たちに支持されているのが特徴です。なお、ビットコインからハードフォークして誕生した通貨ではありますが、価格変動はビットコインと連動しやすい傾向があります。
ビットコインと比較しながら、今後の動向を注視したいアルトコインのひとつです。
Microsoftとパートナーシップを結んでいるリスク(LSK)
日本でも知名度の高いアルトコインとして知られるのが「リスク(LSK)」です。
リスクの特徴としては「開発言語としてJavaScriptを採用している」こと、「Microsoftとパートナーシップ契約を結んでいる」ことなどがあげられます。リスクは、イーサリアムと同様にスマートコントラクト機能を備えており、誰にでも開発機会が開放されています。
JavaScriptは、広く用いられているプログラミング言語なので、より多くの人が開発しやすいというメリットがあります。また、リスクの大きな魅力といえるのが、世界的なソフトウェア企業であるMicrosoftとパートナーシップ契約を結んでいることです。
大手企業と連携していることでリスクの普及や知名度の向上が見込まれ、各方面での活用が期待されています。なお、リスクは国内で取り扱っている暗号資産の取引所が限られているため、取引したい場合には慎重に取引所を選ぶようにしましょう。
日本で生まれた暗号資産 モナコイン(MONA)
モナコイン(MONA)は、日本で初めて作られた暗号資産です。
モナコイン(MONA)は、それまで理論上でのみ提唱されていたSegwit(セグウィット)と呼ばれる技術を、世界で初めて実装した暗号資産です。
Coincheck(コインチェック)なら代表的な暗号資産の銘柄の取引ができる
アルトコインの購入を検討しているなら、国内の大手暗号資産の取引所Coincheckが便利です。Coincheckの魅力の一つに、取り扱い通貨数の多さがあります。
その数は全部で30種類以上となっています。選べる通貨が多いと分散投資をできるだけでなく、投資の選択肢を広げることができます。
また、Coincheckは取引画面がシンプルなデザインとなっており、特にスマホアプリが使いやすいことから、初心者に人気のサービスとなっています。操作性が高いので入力ミスなどをしにくく、暗号資産を初めて取引する人にも向いているといえるでしょう。
さらに、セキュリティ対策にも率先して力を入れているのも安心できます。2019年1月には金融庁の認可を受け、正式な登録業者となりました。
二段階認証やコールドウォレットでの保管など、一定水準のセキュリティの高さを誇っています。アルトコインの取引を行おうと考えている人は、まずはCoincheckの口座を開設してみるとよいでしょう。
暗号資産の銘柄に詳しくなって投資のチャンスを広げよう
暗号資産取引では、ビットコインはもちろんのこと、多くのアルトコインも売買を行うことができます。
投資のチャンスを広げていくために、こういったアルトコインについても投資を検討されるのも良いでしょう。アルトコインはそれぞれ特徴が異なり、得意分野も違います。
賢く投資をするなら、それぞれの特徴をよく理解したうえで取引に参加するのが基本です。どの銘柄が将来伸びるのかは誰にも予測できませんが、暗号資産の銘柄に詳しくなれば投資の対象もおのずと広がっていくでしょう。