「積立投資って何?」
「積立投資ってどんなリスクがあるの?」
「仮想通貨での積立ってできるの?」
これから投資を始めようと思っている人、投資に興味を持っている方はこのような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
投資を行う前に、投資の種類や、それぞれのメリットやデメリットを理解した上で投資を行う必要があります。
この記事で解説する積立投資のメリットとデメリットを理解することで、投資で損をするリスクなどを大きく減らすことができるでしょう。
ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
投資信託における積立投資とは
積立投資とは、毎月一定額の「投資信託」を購入し、コツコツと買い増すスタイルの「投資方法」を指しています。
誤解されやすいですが、積立投資は特定の金融商品を示す名称ではありません。
同様に、投資信託も「投資の専門家に運用してもらう投資方法」のことです。
投資の専門家に毎月お金を渡して運用を任せるものであり、自分で投資先を選んだり、運用したりする必要はありません。投資について詳しい知識を持たない人でも、専門家に任せれば資産運用ができるという仕組みです。
実は、投資に興味のない人にとっても、積立投資は非常に身近な存在となっています。
給与収入を得ているサラリーマンの場合、給与から毎月「年金保険料」が差し引かれているケースが多いでしょう。
差し引かれた年金保険料は、専門機関が分散投資して利益を出し、将来年金として私たちに還元されます。厳密には個人が行う投資ではないものの、年金の仕組みは積立投資に近いものと言えます。
意識していないだけで、実は多くの人が積立投資に接しているのです。
積立投資のメリット4つ
積立投資には、ほかの投資方法にはないさまざまなメリットがあります。うまく活用すればリターンも期待できるので、まずは積立投資の主なメリットについて解説します。
メリット① 少額から手軽に始められる
積立投資の大きなメリットは、少額からでも手軽に始められるという点です。金融商品や、それを扱う金融機関にもよりますが、中には1000円からスタートできる銘柄もあります。
株式の場合、中には1株1000円程度で購入できるものもあります。しかし、実際に取引をしようとすると、100株以上などまとまった株数を求められるケースがほとんどです。
この場合、投資を始めるには10万円を準備しなければなりません。人気や価値が高い銘柄の場合、売買単位が1000株以上ということもあります。そうなれば100万円が必要となり、投資初心者は手を出しにくくなってしまうでしょう。
それに比べると、積立投資は初心者でも始めやすいので安心です。投資に回す金額が少なければ、失敗したとしても損失を抑えられます。最初にまとまった現金を用意する必要がなく、挑戦しやすいというのは大きな魅力です。
メリット② 安定した成果が見込める
積立投資は、一括で金融商品に投資するスタイルと比べ、安定した成果が見込めるというメリットもあります。
積立投資では、毎月一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」により、買い付け時期を分散する手法が一般的です。買い付け時期を分散することで、金融商品の価値の変動に振り回されず、安定した投資を実現できます。
なお、分散できるのは買い付けのタイミングだけではありません。少額からスタートできる積立投資なら、予算が少なくても複数の銘柄に分散投資が可能です。どれかひとつの銘柄で失敗しても、ほかの銘柄でリターンを得られる可能性があり、リスク軽減に役立ちます。
さらに、毎月コツコツと買い増していく積立投資は、銘柄を長期保有するケースがほとんどです。これにより、短期間の市場の変動に影響を受けることなく、1年ごとのリターンを安定させられます。
メリット③ 無理なく継続できる
積立投資は状況に応じた判断が不要で、無理なく継続できるというメリットがあります。
一般的な投資の場合、購入する銘柄や売買のタイミングなど、すべてを自分で判断しなければなりません。判断した後も、実際に買い付ける作業などが必要です。投資は売買のタイミングが損益に直結するため、市場の動きから目を離せないケースも珍しくありません。
しかし、仕事中に1日中パソコンやスマホを眺めているわけにもいかず、投資を諦めることもあるでしょう。そこで積立投資が役に立ちます。
最初に購入する銘柄や金額などを設定すれば、その後は自動で買い付けられます。そのため、買い付けのタイミングに頭を悩ませる必要もなく、時間がない人にとって有効な投資手法となります。
メリット④ ストレスがかからない
積立投資なら、毎月決まった金額のみ買い付けられるため、このようなストレスがかかりません。
一般的な投資の場合、買い付けのタイミングや購入する銘柄などを自分で判断する場合、どうしてもストレスが大きくなってしまいます。臨機応変で柔軟な対応ができる反面、日々判断を迫られるプレッシャーは相当なものです。
市場の動きに一喜一憂したり、動きが気になってパソコンから離れられなくなったりすることもあるでしょう。売買のタイミングを見極めるため、どんな時も情報収集しなければと常に気を張る生活にもなりかねません。
反対に積立投資なら、プレッシャーから解放され、毎月資産が買い足されていく様子を楽しむ余裕もできるでしょう。
積立投資のデメリット
さまざまなメリットが期待できる積立投資ですが、一方でデメリットもあります。
たとえば、毎月少しずつ買い増していくスタイルであるため、短期的に大きなリターンを得るのは難しいです。少額で始めた場合、長期保有してもあまりリターンが大きくならない可能性もあります。
また、元本保証がない点にも注意しなければなりません。*これは積立投資に限った話ではありませんが、銘柄の価値が下がれば元本割れする可能性は十分にあります。
必ず儲かるわけではないという覚悟はどんな投資を行う上でも必ず必要です。
また、手数料がかかるというデメリットもあります。積立投資は、証券会社や銀行などの専門家に依頼して運用してもらいます。
そのため、販売手数料や信託報酬など、さまざまな手数料を支払わなければなりません。思わぬ出費を防ぐためにも、事前に手数料の詳細を確認しておきましょう。
さらに、売却益や分配金が課税対象となる点もデメリットです。2018年は、売却益や分配金に対して20.315%の税金が課されていました。10万円の売却益を得た場合、2万315円の税金になる計算です。売却益や分配金が多いほど納めるべき税金も高くなるので、注意しておきましょう。
積立投資はこんな人におすすめ
積立投資は「投資初心者」や「中長期的な運用で安定したリターンを得たい人」におすすめです。
メリットやデメリットを考えると、積立投資は特に投資初心者におすすめのスタイルだと言えます。後述するドルコスト平均法や長期保有などにより、リスクが軽減できることが大きな理由です。
少ない金額で始められる点、専門家に任せるため勉強量が少なくても良い点なども、初心者が挑戦しやすいポイントでしょう。
ドルコスト平均法とは
投資の勉強をしていると、「ドルコスト平均法」というキーワードを目にすることが多いです。積立投資の大きな特徴のひとつであるため、実際に投資を始める前に正しく理解しておきましょう。
ドルコスト平均法とは、あらかじめ決めたタイミングで、一定額ずつ買い付ける方法のことです。
たとえば、毎月1万円ずつ買い付けると最初に設定したら、市場の動きにかかわらず必ず毎月1万円分ずつ継続して購入します。銘柄の価格が安いときには多く買い、価格が上がれば少なく買うのが特徴です。
購入単価を平準化することで、長期的に見たときにリスクを軽減できるというメリットがあります。
ただし、毎月少しずつ買い増していくという特性上、取引回数が増えて手数料がかさみやすい点には注意が必要です。
銘柄の価値が下がった場合、トータルで見ると手数料が積み上がり、損失が出てしまう可能性もあります。
仮想通貨でも積立投資ができる!仮想通貨初心者も始めやすい積立投資
何かと話題の仮想通貨が気になっているものの、リスクが気になって挑戦できないという人も多いでしょう。
実は、仮想通貨の中には、積立投資に対応している商品もあるのです。一般的な仮想通貨の売買と比べ、リスクを軽減できるので初心者も挑戦しやすいです。
次は、気になる暗号資産の積立投資について解説します。
仮想通貨の積立とは
仮想通貨は、デジタル上に存在する、管理している国家がない通貨のことを指します。一般的な貨幣のように、紙幣や硬貨として存在しているわけではありません。インターネット上で取引されるため、電子マネーと混同されることも多いです。
しかし、電子マネーはあくまでも「円」をデジタルデータにしているだけであり、仮想通貨と同じではありません。
この仮想通貨を用いた積立投資は「コイン積立」と呼ばれ、毎月一定額の仮想通貨を購入して積み立てます。
ドルコスト平均法を用いてリスクを軽減する、少額から始められるなど、その特徴は一般的な積立投資とほぼ同じです。
商品としては、「Coincheck(コインチェック)つみたて」などが登場しています。ただ、仮想通貨の積立投資を取り扱う取引所は、まだまだ少ないです。
仮想通貨投資をこれから始めたい人におすすめ
仮想通貨投資を始めようと考えていた人には、まず暗号資産の積立投資から試してみるのがおすすめです。仮想通貨は価格の変動が非常に大きく、ハイリスクハイリターンが特徴です。
このため、興味はあっても手を出せなかった人も多いでしょう。この点、積立投資なら長期にわたって少しずつ買い増していくため、リスクヘッジが可能です。また、長期保有を前提として毎月決まった額だけ買い付けるため、価格変動のストレスを受けにくいというメリットがあります。
投資に慣れていない初心者の場合、価格変動にストレスを抱えやすいので、積立のほうが安心です。
「Coincheckつみたて」の特徴
仮想通貨の積立投資サービス「Coincheckつみたて」は、手数料がかかりません。
主な特徴は以下の4つです。
- 毎日プランから自動積立可能(最新)
- 月々1万円からも自動積立可能
- 積立で安定した仮想通貨取引
- 入金から購入まで全て自動
また、「Coincheckつみたて」には主に2つのプランがあるので、利用する前に確認しておきましょう。
月イチつみたてプラン
あらかじめ、1カ月あたりの積立金額と投資する仮想通貨を指定すると、毎月自動積み立てをしてくれます。
月に1度の取引となるため、市場の動きによる影響を受けやすいのが特徴です。ほかのプランと比べ、利益も損失も幅が大きくなる可能性があります。
毎日つみたてプラン
最初に1カ月あたりの積立金額と投資する仮想通貨を指定し、その月の日数で割った金額分を毎日自動で積み立てます。
たとえば、1カ月に3万円分を積み立てると設定した場合、1,000円 × 30日と、1日ずつ1000円分の仮想通貨を購入していく計算です。買い付けるタイミングを増やすことでリスクを分散し、市場の動きによる影響を受けにくくなります。
仮想通貨の投資の中でも比較的安定しているので、特に初心者や堅実に投資したい人におすすめです。
積立投資で大事なこと
積立投資は比較的安定しているとはいえ、あくまでも投資であることを忘れてはいけません。最後に、積立投資を行う上で大切な心構えについて、確認しておきましょう。
「続ける」こと
投資をしていると、つい市場の動きが気になり、一喜一憂してしまうことも珍しくありません。「早く利益を得たい」「損失が出たらすぐにやめないと危ない」など、結果を急ぎたくなる人もいるでしょう。
しかし、短期的な損益だけで、投資の成否を判断するのは早計です。特に、積立投資は長期的な保有でリターンを得るスタイルなので、あまり価格変動を気にし過ぎてはいけません。
数カ月、数年という長いスパンでの判断が必要になるため、とにかく長く続けることを意識しましょう。
リスク分散すること
ひとつの銘柄にすべての資産を投資していると、その銘柄の価値が下がったとき、一気に損失が出てしまいます。
このため、投資を行う際はリスク分散を心がけるのが基本です。複数の銘柄に分散投資しておけば、どれかひとつが失敗しても、ほかの銘柄でカバーできるため損失を抑えることができます。
株や仮想通貨など、違うジャンルに分散することで、リスクを軽減できる可能性が高まるでしょう。分散投資と長期投資を組み合わせれば、安定した効果も期待できます。
仮想通貨の分散投資について詳しく知りたい方は以下の記事を読んでみてください。
積立投資から投資を始めてみよう
毎月買い増していく積立投資は、長期にわたる運用により、リスクを抑えることができます。短期間で大きなリターンを得るのは難しいですが、長いスパンでコツコツと利益を積み重ねることは可能です。
小額から始められる、ストレスを感じにくいなど、投資初心者にとって魅力的なメリットもあります。まとまった資金を準備できない場合など、都合にあわせて賢く活用してみましょう。