「暗号資産(仮想通貨)ってなんか怪しい…」そんな風に思われている方もいらっしゃるかもしれません。
日本では暗号資産の法律が整備されつつあり、金融庁に登録された暗号資産交換業者から、簡単にビットコイン(BTC)などの暗号資産を購入できるようになってきています。
しかしながら、昨今の暗号資産の価格高騰を受けて、暗号資産の投資を勧誘してくる、怪しい集団や詐欺師なども、残念ながら増えているようです。
隙間時間に一息ついたり、友人とお喋りしたりできる場であるカフェなどでは、時折怪しい暗号資産の勧誘をしている人がいたりします。実際に怪しい人から暗号資産の投資を勧誘されたという人も、中にはいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、初心者が知っておくべき怪しい暗号資産の特徴や注意点、対策方法などについてご紹介したいと思います。
目次
暗号資産は怪しい?初心者が気をつけるべき事は?
「自分は大丈夫!」そう思っていても、「気づいたら騙されていた…」という場合もあります。
暗号資産で騙されやすいのは、きちんとした暗号資産の知識のない人です。正しい暗号資産の知識を身に付けることで、詐欺にも騙されにくくなります。
また、「労力をかけずに手っ取り早く稼げる」「〇〇をするだけで簡単に稼げる」というようなうまい話には注意が必要です。
以下にて詐欺に騙されやすい人の特徴をご紹介しますので、もし当てはまっていたら、より一層警戒心を強めてください。
1. 自分だけは騙されないと思っている人
「自分だけは騙されると思っていなかった…」詐欺の被害に遭った人の多くは、口を揃えてそう言うそうです。
自分だけは騙されないだろうと高を括っている人は、疑い深く簡単に他人に心を開きませんが、だからこそ注意が必要です。「自分は大丈夫」という根拠のない自信が、詐欺への対策を怠る原因になるからです。
2. はっきりと断れない人
また、怪しい話に対して、はっきり「NO」と断れない人も危険です。
詐欺師は気が弱い人を見つけると、断れないのをいいことにしつこい勧誘を続けて、相手が根負けするのを待つ可能性があります。ですので、怪しい儲け話などに対しては、しっかりと「NO」と断ることが大切です。
3. 限定品や流行物が好きな人
「限定品に弱い」「流行物が好き」というのは、当てはまる人も多いのではないでしょうか。限定品に弱い人は「今ここでしか販売していない」「今だけの限定価格」という言葉に弱く、流行が好きな人は「みんな持っている」という言葉に弱いなどと言われています。
しかし、暗号資産の取引は、全世界で行われるので、「日本限定」「先行販売」といったことは、通常ではあり得ません。
売る方もお金儲けが目的でやっているので、売り先を限定して自分が損をするようなことをするはずがありませんので、注意が必要です。
「絶対儲かる暗号資産セミナー」は注意!
「自分の買った暗号資産の情報をさらに詳しく知りたい」「価格が上がりそうな暗号資産を知りたい」など、暗号資産に関わるセミナーへの参加を検討している方や、どのセミナーを受講するか迷っている方にも注意が必要です。
世の中には、詐欺のような怪しいセミナーがたくさんあります。「絶対」「必ず」「損はしない」のようなフレーズが出てきたら、警戒が必要です。
例えば、セミナー等でマルチ商法を利用し、高齢者の間で拡散された暗号資産やICOには、「クローバーコイン」があります。
なお、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)とは、暗号資産を利用した資金調達のことを指します。
一般投資家は、暗号資産取引所に上場されていない未公開の暗号資産を事前に購入し、将来的に購入した暗号資産が取引所に上場し、価格が上がれば利益をあげることができる仕組みです。
しかしながら、一部のICO(イニシャル・コイン・オファリング)は、最初から投資家を騙す目的で行われていたりしました。
クローバーコインとは?強制捜査が日経新聞で報道
「クローバーコイン」は、48ホールディングスという会社が発行し、2017年には全国展開されていました。
2017年9月上旬、48ホールディングスの札幌本社が消費者庁と国税庁の両方から強制捜査を受けたことが、日本経済新聞で報道されました。現在は販売を中止しており、公式HPで販売終了のアナウンスをしています。
しかし、このアナウンスが出るまでは、クローバーコインの連鎖販売取引のための勧誘、契約の締結、及び勧誘のためのセミナーや説明会、研修会が実際に行われていたそうです。
高齢者はよく詐欺の対象になると言われますが、クローバーコインの主な被害者も高齢者でした。
高齢者は暗号資産の知識があまりなく、インターネットで事前に調べることができず、強く断れない人が多かったことから、ターゲットとなってしまったのです。
クローバーコインの手口や特徴について
クローバーコインは、1口30,000円、登録手数料3,000円と消費税の合計35,640円でプレリリースをしていました。
クローバーコインの特徴は、大きく分けて次の3つでした。
- 日本にビットコインを持ち込んだ中田義弘がプロデュース
- 今、クローバーコインを購入すれば、購入額の20%分の暗号資産リップル(XRP)をプレゼント
- クローバーコインを他の人に紹介し、その人が購入したら、購入額の60%分のクローバーコインを運営から配布
以下、それぞれの主張を紐解いていきます。
ビットコイン(BTC)はインターネット上の通貨
1についてですが、ビットコイン(BTC)はインターネット上の暗号資産なので、「日本に持ち込む」ものではありません。
続いて2についてですが、1口30,000円で販売されていたクローバーコインの内訳は、20%がコイン、20%が会社の運営費、60%がコミッションだったようです。
この20%のコインを、リップル(XRP)に交換するかクローバーコインで持つか選べるというものでした。
問題は、そのリップル(XRP)が、現在、48ホールディングスを通してしか買うことができないと説明していた点です。
リップル(XRP)は暗号資産の取引所で購入が可能
「ここでしか販売していない」「今だけの限定価格」といった、販売場所や購入金額に限定性を持たせ、購入を促すパターンです。
暗号資産の取引は、全世界で行われるので、このような仲介を必要とすることはありません。実際にリップル(XRP)はCoincheckなどの暗号資産の交換業者を通じて、購入することができます。
マルチ商法について
3についてですが、これは典型的なマルチ商法、別名、ネットワークビジネスやMLM(マルチ・レベル・マーケティング)とも呼ばれます。
主に口コミによって商品を販売し、同時に購入者を「販売員(ディストリビューター)」として勧誘します。そして、その販売員はさらに別の人を販売員として勧誘していくモデルで、ピラミッドのような多階層構造になっています。
販売員は、自分の商品の売上額が多ければ多いほどマージンを手に入れることができます。さらに自分が紹介した人(ピラミッドで言うとより下の階層の人)の売上額に応じて、報酬を得ることができます。
報酬を得るためには、新たな購入者を見つけ、販売実績を上げる必要があるため、販売員は無理やりな勧誘活動を行ったり、自分自身で商品を購入したりすることもあります。
ですが、人の数が限られているため、広げるネットワークにも限界がありますし、人間関係やお金のトラブルを引き起こす原因にもなると言われています。
暗号資産を用いた情報商材にも注意
続いて、情報商材詐欺にも注意しましょう。情報商材詐欺は、いわゆる「儲かるノウハウを教える」といった詐欺です。
「わずか3ヶ月で1億稼ぐ方法」などというフレーズで、高額のDVDや有料メルマガなどを購入させる仕組みです。
独学で暗号資産投資を成功させたいと思っても時間や知識が必要なので、手っ取り早く、効率的に勉強できる教材やセミナーを探す人がターゲットになります。
実際に調べれば簡単にわかるような一般的な知識であったり、リスクがあることに触れず、都合のいいことだけをまとめたものであったりと、値段には見合わないお粗末な内容であることがほとんどのようです。
しかし、情報商材やセミナーは情報自体に価値があるので、実際にお金を払ってみないと、本当に価値があるものなのかわかりません。そのため、詐欺のような劣悪なものであっても、「あなたのやり方が間違っている」「あなたの勉強が足りない」と言われて、泣き寝入りするケースが多いそうです。
また、このように詐欺であることを証明することが難しいため、運営者側は堂々と詐欺商材を売りつけたり、詐欺セミナーを開催したりしています。
対策としては「そもそも購入しない」という選択がベストです。本当に簡単に儲かる方法を知っているなら、世の中は億万長者で溢れ返ることになるでしょう。
怪しい暗号資産で騙されないためのポイント
暗号資産詐欺では、セミナーを開いて勧誘してくるケースが多いようです。
友人やセミナーなどを人づてで行うのは、公にできないかたちで勧誘する必要があるためです。セミナーを検索した時に、勉強内容や講師名等の情報が出てこなかったら要注意です。
そもそも暗号資産は、株やFXと比較すると口座開設も簡単で、手続きもインターネット上で完結することがほとんどです。
このように考えると、暗号資産投資を始める際にわざわざお金や時間を費やしてセミナーに行く必要はほとんどなさそうですが、実際に暗号資産のセミナー参加を検討する際は下記に注意をして、詐欺かどうか見極めてください。
1. 聞いたことがない暗号資産を勧められないか
セミナーで聞いたことがない暗号資産の投資勧誘があったら、「詐欺かもしれない」と疑いましょう。
今では1000種類以上あると言われている暗号資産ですが、日本では、2017年4月1日から暗号資産取引所の運営が登録制となり、金融庁への申請が必須となりました。
つまり、金融庁に登録がないにも関わらず暗号資産を取り扱っている取引所は、全て違法ということです。Coincheckのようにきちんと登録がなされている取引所を利用することで、詐欺に遭うリスクを下げることができます。
なお、Coincheckでは以下の通貨を含む30種類以上の通貨を取り扱っています。
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- リスク(LSK)
- リップル(XRP)
- ネム(XEM)
- ライトコイン(LTC)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- モナコイン(MONA)
- ステラルーメン(XLM)
- クアンタム(QTUM)
- ベーシックアテンショントークン(BAT)
- アイオーエスティー(IOST)
- エンジンコイン(ENJ)
- パレットトークン(PLT)
- サンド(SAND)
- ポルカドット(DOT)
- フィナンシェトークン(FNCT)
- チリーズ(CHZ)
- チェーンリンク(LINK)
- メイカー(MKR)
- ダイ(DAI)
- ポリゴン(POL)
- イミュータブル(IMX)
- エイプコイン(APE)
- アクシーインフィニティ(AXS)
- ラップドビットコイン(WBTC)
- ブリリアンクリプトトークン(BRIL)
2. 儲からないリスクについて説明があるか
また、多くの人が聞きたいのは、「儲かる話」だと思いますが、チェックポイントの2つ目は「儲からない話」をしてくれるのかどうかです。
リスクはどのくらいあるのかなど、儲からないことについても正しく説明をしてくれるかどうかは、注意深く確認するようにしましょう。
もし、「元本保証」とか「絶対」「必ず」「損はしない」のようなフレーズが出てきたら警戒してください。詐欺の可能性も考えられます。
暗号資産への投資を始める際には、これまでに述べたような怪しい暗号資産の特徴に注意して、金融庁登録済の暗号資産の交換業者で取引を行うようにしましょう。