仮想通貨におけるファンダメンタルズ分析とは?メリット・デメリットやテクニカル分析との違いを解説

ファンダメンタル分析は、株やFX、仮想通貨(暗号資産)などの投資やトレードで用いられる分析方法です。

投資対象の価格予想をする際に効果を発揮するファンダメンタル分析ですが、まだ投資を始めて間もない方の中には、「どういう分析なのかわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、仮想通貨のファンダメンタル分析について徹底解説。ファンダメンタル分析の基本情報からメリット・デメリット、よく比較される「テクニカル分析」との違いなどを余すところなく解説していきます。

ファンダメンタル分析を覚えて、今後の投資に活用していきましょう。

執筆柳田孝介

出版社でテレビ情報誌や映画雑誌の編集を経験した後、2019年からフリーライターとして活動。暗号資産の取引は2017年から開始。推し通貨はイーサリアム(ETH)。最近はNFTマーケットでデジタルアートの取引を始め、日々、審美眼磨きにいそしんでいる。

仮想通貨(暗号資産)におけるファンダメンタル分析とは

投資の世界には、「ファンダメンタル分析」と「テクニカル分析」の2種類の分析方法があります。

ファンダメンタル分析とは、景気動向や財務状況などをもとに将来の価格を予測する手法のことを言います。

例えば株式投資でファンダメンタル分析を行う場合、投資先の企業の財務状況や業績を分析して、現在の市場価格が割安か割高かを判断します。

そして、市場価格が割安という結論が出れば株式を購入して、株価が適正価格になったら(本来の価値まで上がったら)売却するというのがセオリーになります。

仮想通貨のファンダメンタル分析も株と同じように、通貨の開発元の財務状況や活動内容などから組織としての成長性や健全性を分析し、それをもとに通貨の将来の価格を予測します。

財務状況や活動内容はネットで調べる

仮想通貨の開発元の財務状況は公式サイトで、活動内容はTwitterやFacebook、TelegramなどのSNSや、Discordなどのチャットツールを使って情報収集するのが一般的です。

活動内容は公式サイトでも閲覧できる場合が多いですが、最新の活動はSNSを通じて告知している通貨が多いため、最新の情報を入手したい方はSNSを利用しましょう。

財務状況を公式サイトで公表している通貨の例としては、リスク(Lisk/LSK)が挙げられます。リスクの公式サイトでは、プロジェクトの概要とともにに、2019年8月からの財務状況を公開しています。

ただし、すべての通貨がリスクと同じように財務状況を開示しているわけではないので注意が必要です。

また、仮想通貨の情報収集方法に関してはこちらの章で詳しく解説しています。

景気や経済政策も分析材料になる

仮想通貨でファンダメンタル分析を行う際には、発行元の財務状況や活動内容などの内的要因だけでなく、景気や経済政策などの外的要因もチェックする必要があります。

例えば、2008年に起こった世界的な金融危機「リーマン・ショック」の際には、株、為替、債権といった金融商品が軒並み暴落しました。これと同じように、仮想通貨にも政治・経済のニュースの影響を受けて価格が変動するという特徴があります。

具体的な例としては、2017年に中国政府が国内のすべての仮想通貨取引所に業務停止を要請した際には、ビットコインの価格が1日で15%近く下落しました。

テクニカル分析との違い

投資の世界では、ファンダメンタル分析とよく比較される手法として「テクニカル分析」というものがあります。

テクニカル分析とは、過去のチャートの値動きからパターンを読み取り、将来の価格予想をする分析方法です。

チャートの動きだけを見て価格を予測するテクニカル分析は、経済や相場についての知識がなくても利用できるというメリットがあります。しかしその反面、世界情勢の変化や経済政策の転換など、時事的な問題が原因となる価格変動には対応できないという欠点もあります。

テクニカル分析には多様な手法があり、複数の系統に分類することができます。仮想通貨のテクニカル分析は、「トレンド系分析」、「オシレーター系分析」、「フォーメーション分析」の3種類に大別することができます。

ファンダメンタル分析のメリット

仮想通貨

ファンダメンタル分析には、主に以下のようなメリットがあります。

・価格が変動した理由がわかる
・機会損失の回避に役立つ
・リスク回避に役立つ
・中長期の価格予想に効果的

どのような内容なのか、ひとつずつ解説していきます。

価格が変動した理由がわかる

ファンダメンタル分析には、仮想通貨に関するニュースや世界の経済情勢などを調べることで、価格変動の原因が把握できるというメリットがあります。

例えば、前述した中国政府による仮想通貨取引所に対する規制の際も、テクニカル分析だけをしていたら、ビットコインが急落した理由はわからなかったかもしれません。

仮想通貨の価格が大きく動いた際には、ファンダメンタル分析をすることで、価格変動の原因を理解できる可能性が高くなります。

機会損失の回避に役立つ

運営側が公式サイトやSNSなどを通じて、「近いうちに通貨のアップデートに関する重大な発表があります」というように、価格上昇につながりそうな情報を公式発表前に流す場合があります。

このような場合、日ごろからファンダメンタル分析をして情報収集をしていれば、価格が上昇する前に通貨を購入し、利益を得ることができる可能性が高くなります。

リスク回避に役立つ

同じように、ファンダメンタル分析はリスク回避にも役立ちます。

例えば、政府による仮想通貨の規制など、価格下落につながりそうなネガティブなニュースが流れた際には、いち早く情報をキャッチして所有する通貨を売却することで、価格下落の被害を最小限に抑えることができます。

中長期の価格予想に効果的

通貨の発行元の財務状況や活動内容を参考にするファンダメンタル分析は、中長期の価格予想に向いています。

発行元の財務状況や通貨の開発状況に関する知識があれば、その通貨の価格がこれからどのような推移で移動するのかを予測しやすくなるのは当然と言えるでしょう。

ファンダメンタル分析のデメリット

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先述の通り、ファンダメンタル分析にはさまざまなメリットがあります。

しかし、ファンダメンタル分析がどんなときでも万能かと言えば、決してそのようなことはありません。仮想通貨の価格変動は、ファンダメンタル分析やテクニカル分析では把握できないようなケースが少なからずあるからです。

例えば、大口投資家が何らかの事情で現金が必要になり、保有している通貨を大量に売却した場合、他の投資家たちにはなぜ価格が下落したのか理由がわかりません。このように、ニュースなどの形で表には出てこない原因で価格変動が起こるとき、ファンダメンタル分析は機能しません。

ファンダメンタル分析をする前に覚えておきたい重要ワード

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仮想通貨でファンダメンタル分析を行う際は、覚えておきたいポイントがいくつかあります。本項では、仮想通貨独自の分析材料となる3つのワードについてご紹介します。

半減期

半減期とは、仮想通貨のマイニング(採掘)報酬が半分になるタイミングのことをいいます。ビットコインの半減期はおよそ4年に一度の周期で訪れ、3回目となる直近の半減期は2020年5月に迎えました。

半減期の前後は、ビットコインの価格が大きく変動しやすいという傾向があります。例えば2016年7月にあった2回目の半減期の際は、5月には4万円台だった価格が、半減期当日には7万円台まで上昇しました。

また、2020年5月の3回目の半減期の際は、4月に70万円前後だった価格が、5月には100万円前後まで高騰しました。

ファンダメンタル分析の基本は、価格の変動につながりそうな情報を収集することです。半減期前後のビットコインは価格が大きく変動しやすいため、半減期は仮想通貨のファンダメンタル分析をする上で欠かせない要素と言えます。

バーン(Burn/焼却)

英語で「焼却」を意味するバーンは、すでに発行し市場に流通している仮想通貨の枚数を減らす行為のことを意味します。通貨の供給量を減らすことで希少価値を上げ、価格を上昇させるのが目的です。

最近では、2019年11月にステラルーメン(XLM)が総供給量の約半分となる550億トークンをバーンしたことを発表し、それに伴い価格が約20%急騰しました。

半減期と同じように、バーンも通貨の価格に影響を与える可能性が高いため、仮想通貨のファンダメンタル分析では重要な要素です。

FUD

仮想通貨の情報収集をしていると、よく「FUD」というワードを目にします。FUDとは、Fear(恐怖)、Uncertainty(不安)、Doubt(疑惑)の頭文字をとった造語で、仮想通貨だけでなくマーケティング業界などでも使われています。

FUDは、簡単に言うと「デマ」や「ネガティブ・キャンペーン」のような意味合いで使われます。

仮想通貨の世界では、価格を自分の思い通りに動かしたいと考える人たちが、あえてデマの情報を流すことで価格操作をしようとする場合があります。そして、このデマのことをFUDと呼び、「その情報はFUDです」や「FUDに気をつけてください」というように、おもに注意喚起をする際に用いられます。

仮想通貨でファンダメンタル分析をする際は、こうしたFUDにだまされないように、信用できる情報源を見つけることが重要になります。

情報収集方法

仮想通貨

先述の通り、仮想通貨でファンダメンタル分析をする際は、FUD(デマ)やフェイクニュースにだまされないために、信用できる情報源を見つけることが重要です。

ここでは、信頼性の高い4つの情報源をご紹介します。

政府・行政機関

政府・行政機関が発表する仮想通貨関連の情報は、ファンダメンタル分析をする上で欠かせない分析材料です。日本の場合、金融庁や経済産業省などが該当します。

また、仮想通貨は世界中で取引されている金融商品であるため、国内だけでなく、外国政府の発表する情報にも注目する必要があります。特に、アメリカや中国などの経済大国が発表する情報は市場に大きな影響を与えることが多いため、可能な限りチェックするように心がけましょう。

仮想通貨取引所

仮想通貨取引所が発表する情報も、市場に大きな影響を与えます。特に、新規上場や上場廃止に関する情報は価格変動に大きな影響を与える可能性が高いため、欠かさずチェックしましょう。

仮想通貨の開発・運営チーム

仮想通貨の開発・運営チームが発表する公式情報は、ファンダメンタル分析をする上で不可欠です。

特に、通貨の技術的なアップデートや大手企業との提携に関する情報などは、価格上昇につながりやすいもっとも重要な情報です。TwitterやFacebook、TelegramなどのSNSで公式アカウントをフォローして、運営チームからの情報をいち早くゲットしましょう。

ニュースメディア

新聞やニュースサイトなどのメディア媒体も、貴重な情報源です。特に、仮想通貨関連のニュースを配信するウェブメディアは、鮮度の高い情報が入手できるのでおすすめです。

自分一人で情報収集をするのは限界がありますが、こうしたメディアをうまく利用することで、気になる情報を効率的に集めることが可能になります。

ファンダメンタル分析に関するよくある疑問

仮想通貨

ファンダメンタル分析に関するよくある疑問を、Q&A形式でご紹介します。

Q:仮想通貨でファンダメンタル分析は効果的?

ファンダメンタル分析は、仮想通貨でも効果的と考えられます。

仮想通貨のトレードは、情報戦の側面を強く持ちます。利益を出すためには、他の投資家よりいかに早く情報を入手して、取引に活かせるかどうかが重要になります。

ファンダメンタル分析の基本は情報収集です。日ごろから通貨に関する情報や経済ニュースなどをチェックしておくことで、将来的な価格予想がしやすくなります。

Q:ファンダメンタル分析とテクニカル分析はどちらがオススメ?

どちらの分析方法にもメリット・デメリットがあるため、どちらが優れていると断言することはできません。

過去のチャートの動きから将来の価格を予測するテクニカル分析は、短期の価格予想に向いています。一方、景気動向や財務状況などをもとに予測をするファンダメンタル分析は、中長期の価格予想に適しています。

両方の分析方法を覚えて、ケースバイケースで使い分けることをおすすめします。

ファンダメンタル分析を活用して計画的な運用を

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ファンダメンタル分析には、リスクや機会損失の回避や、中長期の価格予想に役立つなどのメリットがあります。

ただし、ファンダメンタル分析を行えば常に正しく予測できるというわけではないので注意が必要です。取引の際には無理をせず、計画的な運用を心がけましょう。