「暗号資産(仮想通貨)が自動で売買できると聞いたけれど、どんな仕組み?」
「自動売買してみたいけれど、リスクはないんだろうか?」
資産運用や投資に興味がある人なら、そんな疑問や不安を感じているのではないでしょうか?
暗号資産を自動売買する仕組みをひとことで説明するのは難しいですが、あえて言うなら「暗号資産の取引用に作成されたアルゴリズムが、人間にかわって24時間体制でチャートを分析し、最適と判断したタイミングで売買してくれるシステム」です。
自動売買用に作成されたbotに、「通貨の相場がこうなったら売り、こうなったら買いの注文を出して欲しい」といったルールを設定すると、それに従ってbotが自動的に売買の注文を出し取引してくれるのです。
これを利用すれば、人がPCに張り付いてチャートの動きを追いかける必要はなくなりますし、寝ている間でも売りどき・買いどきのタイミングを逃さず取引することができるため、2018年ごろから注目を集め始めました。
ただ、もちろんリスクはあります。
急な価格変動があると対応が追いつかなかったり、手数料や利用料を合算すると意外に高額になってしまったりするのです。
現状では、そのリスクとメリットを比較して、利用するかしないかを決めなければなりません。
そこでこの記事では、まず最初に
◎「暗号資産の自動売買」の意味と仕組み
についてわかりやすく説明します。
それを踏まえた上で、
◎暗号資産を自動売買する8つのメリット
◎暗号資産を自動売買する際の3つのリスク
を挙げていきます。
さらに、実際に自動売買してみようという人のために、
◎自動売買の方法
◎自動売買ツールを選ぶポイント
も紹介しますので、参考にしてください。
目次
暗号資産の自動売買とは?
「暗号資産の自動売買は便利らしい」と聞いても、どんなシステムかよくわからなければ簡単に信用できませんよね。
そこでまず最初に、「暗号資産の自動売買」とは何か、その意味や仕組みをわかりやすく説明しましょう。
「自動売買」の意味
本来の暗号資産の取引は、人が相場の変動をリアルタイムで見ながら、相場に関する知識や経験を加味して行うものです。
価格が下がったときに買い、上がったときに売ることで利益を生みますが、最適なタイミングで売買するためにはPCの前に張り付いてチャートを見続けなければなりません。
トレードを専業にする人ならそれも可能ですが、働きながら「お給料以外にも収入があれば余裕ができる」「老後資金を貯めたい」などと考えて投資を始める人にとっては、なかなかハードルが高いでしょう。
そこで登場したのが、暗号資産の自動売買です。
暗号資産の取引用に作成されたアルゴリズムが、人間にかわって24時間体制でチャートを分析し、最適と判断したタイミングで売買してくれるのです。
この仕組みは2018年ごろから注目を集め始めたまだ新しいものです。
暗号資産取引所のAPIと連携して、自分でプログラムを組むこともできますが、最近では自動売買ツールも各社から提供されています。
これらを利用すれば、夜中でも取引ができますし、「暗号資産取引は初心者で、知識にまだ自信がない」という人でも、ツール内のbotが蓄積されたデータをもとに分析、判断してくれるというメリットがあるのです。
自動売買の仕組み
では、暗号資産の自動売買とはどんな仕組みで行われるのでしょうか?既成の自動売買ツールを利用する場合で見てみましょう。
まず、ツールをインストールします。
ツール内には売買用のbotやストラテジー(戦略)が複数用意されていて、その実績などをもとに自分が使用するものを選択すると、そのbotが自動的に売買してくれる仕組みです。
botには、「何がどうなったときに売るか・買うか」など、取引のルールが設定されています。
それをもとに、botが24時間相場の動きをチェックし続け、ルールに合致する状況になれば、インターネットを通じて取引所に自動で注文を出すのです。
中には、AIを搭載しbotが蓄積したデータを分析して売買の判断に加味したり、ユーザーがbotを作成して共有できたりするツールもあって、「このbotではあまり利益が出なかった」「むしろ損をした」という場合には、自由にbotを変更することが可能です。
また、それとは異なる仕組みのツールもあります。
例えば、実績をあげているトレーダーをツール内でフォローすると、その人と同じ注文が自動的になされるものなどです。
豊富な知識と経験を持った優秀トレーダーの判断を、そのまま自分の取引に活かすことができるという点で注目されているようです。
暗号資産を自動売買する8つのメリット
では実際にこの方法を利用するメリットはあるのでしょうか?
「人間が自分で取引するよりも、自動売買の方がよい」と言える点をあげてみました。
メリット① 忙しい人でも取引できる
最大のメリットはやはり、長時間チャートを見続ける必要がなく、botに任せることができるという点でしょう。
「忙しくて相場のチェックができず、タイミングを逃してしまいがち」、「暗号資産取引について勉強する時間が取れない」という人にはとても便利と言えます。
メリット② 24時間いつでも取引できる
自動売買ツールなら24時間いつでも取引ができます。
株式投資の場合、市場が開いている時間は決まっていますが、暗号資産の取引所では、土日祝日も含めて24時間365日取引が可能です。ですが人間は24時間365日稼働することはできませんよね。
特に、暗号資産の取引は、アジア地域とアメリカ、ヨーロッパの活動時間が重なる17時〜25時ごろに活発に動くと言われています。
日本ではその時間は、仕事〜帰宅(移動)〜食事や家事など〜睡眠にあてるという人も多く、その合間を縫って取引するのは大変です。
そんなとき自動売買ツールを利用していれば、botが休むことなく取引してくれるので助かります。
メリット③ 知識がなくても「bot」が取引してくれる
自動売買なら、知識があまりなくても始められます。
なぜなら、今まで蓄積されてきた投資に関する知見や経験から作成されたbotが、かわりに判断や分析をしてくれるからです。
そのため自動売買は「初心者でも始められる」と言われていますが、もちろん知識ゼロで始めるのはリスクを伴います。
少なくとも最低限の基礎知識、特に投資におけるリスクについてはかならず知っておいてください。
メリット④ 人間の感情に左右されない
botには人間の感情がないので、あくまでもルールとデータにしたがって判断してくれます。
トレードにおいて危険因子となるもののひとつが、取引を行う人間の感情、精神状態です。
例えば相場が高騰すると、気持ちが高ぶって「チャンスが来た」「このままもっと上がるはず」と期待しがちになります。
その結果、利益確定のタイミングを見誤ってしまうこともあり得ます。
反対に、相場が下落しているときには「もう少し待てば上がるかもしれない」「いま手放したら大損だ」といった焦りから、損切りできずにさらに損失を大きくしてしまうこともあります。
期待や不安といった感情の揺れの影響で、冷静な判断を欠いてしまうわけです。
ですが自動売買ならそんな心配はありません。感情に左右されずルールとデータにしたがって判断してくれます。
メリット⑤ 複数の通貨を取引できる
自動売買には複数の通貨に対応しているツールもあります。
暗号資産といえば「ビットコイン」が有名ですが、実は世界中で発行されている暗号資産は1,500種とも2000種とも言われるほど種類が豊富です。
これらはそれぞれに値動きしていますから、通貨Aが下落傾向のときに通貨Bが高騰しているというケースも考えられます。
そこで、リスクを最小限に抑えて利益を上げるために、複数の通貨を取引するという手があります。
ですが、自分で取引するとなると、何種類もの通貨のチャートを追いかけるのはとても大変ですよね。
そんなときは、複数通貨に対応している自動売買ツールを選べば便利です。
それぞれの通貨ごとに売り時買い時を判断してくれるので、一点買いより安心度高く取引できます。
メリット⑥ 複数の取引所で取引できる
自動売買ツールには複数の取引所に対応しているものが多いです。
複数の取引所で通貨を取引するメリットは前項と同様にリスク分散するためです。
取引所ごとに扱っているコインの種類は異なるので、複数箇所で取引することで売買できるコインの種類が増やせます。
また、同じ種類のコインでも取引所ごとに価格は違うので、通貨AはB取引所で、通貨CはD取引所をメインにして売買することもできます。
メリット⑦ アービトラージ取引ができる
アービトラージができる自動売買ツールもあります。
アービトラージとは、同じ暗号資産でも取引所によって価格が違うことを利用して、その差額から利益を得ようという方法です。
具体的にいうと、現在通貨Aの価格はB取引所では10万円だとします。
一方、C取引所では通貨Aは11万円だった場合、B取引所で買ってC取引所で売れば差額1万円の利益がでます。
このように、同じ通貨を安い取引所で買って高いところで売るのが、アービトラージなのです。
大きな利益は生まれにくい方法ですが、リスクをなるべく避けたい場合に使われることが多い方法です。
メリット⑧ スマホで売買できるツールもある
スマホに対応している自動売買ツールもあります。
スマホ対応の良い点は、PC対応の自動売買ツールと比較して柔軟性に優れており、チャート画面を出先で空き時間にスマホでチェック・操作ができるので、botの乗り換えもスマホから可能になります。
もしbotAがうまく利益を上げられていなければ、botBやbotCに乗り換えるなどの対応が必要です
そんな時にスマホで売買できる自動売買ツールが役立ちます。
暗号資産を自動売買する際の3つのリスク
以上のようなメリットがある一方で、自動売買にはもちろんデメリットやリスクもあります。
リスク① 急な価格変動に追いつけない場合がある
人間であれば対応できた急な相場変動に、botは追いつけないケースがあります。
例えばある朝、暗号資産Aに関するトラブルがニュースになったとします。Aの価格は下落することが予想されるので、買い注文を出す人は少ないでしょう。
botの場合、ニュースや世間の動きなどは、botの判断材料にはないため、通貨Aの下落を予想することはできません。
したがって、急激な相場変動の時は手動で売買を行った方が利益を上げられる可能性が高いというわけです。
リスク② 自動売買ツールの利用コストがかかる場合がある
利用コストがかかる自動売買ツールはたくさんあります。
少額の売買で利益も薄い場合は、利用コストの方が高くなってしまう可能性もあるため料金を比較しながら慎重に選びましょう。
リスク③ 高額の売買ツールには詐欺被害が疑われるケースがある
自動売買ができるツールやシステムの中には、利用料や販売価格が非常に高額なものがあります。
その中には、お金を集めたあとに会社を潰し、サービスの継続も返金もされないという詐欺を疑われている例もあるので注意しましょう。
低コストや無料で利用できるツールがいろいろあるので、自動売買を始めるならそれらの中から選ぶ方が安全です。
暗号資産を自動売買する方法
では、実際に「暗号資産を自動売買してみよう!」と決めた場合、どんな方法で始めればいいのでしょうか?
それには大きく分けて以下の2通りがあります。
自動売買ツールを使う
まず、ここまで解説してきたような既成の自動売買ツール、ソフトを利用する方法です。
ツールによって利用の流れは異なりますが、大まかには以下の通りです。
1)利用したいツールをインストール、またはサービスに登録する
2)利用する暗号資産取引所の口座を開設する
3)botやストラテジーを選ぶ
4)自動売買開始
自動売買botを自作する
プログラミングができるなら、自動売買用のbotを自作することもできます。
暗号資産の取引所はAPI(Application Programming Interface)を公開していますので、それを利用して作成します。
ですが、そのためにはプログラミングの技術と同時にトレードの知識も必要になってきます。
これから始めようという場合は、既成のツールを利用するのがおすすめです。
自動売買ツール選びのポイント
自動売買ツールを選ぶ際、何を基準にすればいいのでしょうか?
選び方のポイントも解説します。
ポイント① 手数料など費用をチェックする
前述したように、暗号資産の取引には取引所で必要になる手数料、自動売買ツールの利用料などの費用がかかります。
利用コストが高ければ、せっかく利益を出しても実質的には目減りしてしまいます。
多額の暗号資産を動かして大きな利益を得ているなら気にならないでしょうが、少額の取引で小さな利益をコツコツ積み重ねるやり方ですと、自動売買の費用は抑えるべきです。
まずは自分の取引スタイルをどうするか決めて、それに照らして無理のない範囲に費用がおさまるツールの中から選びましょう。
ポイント② 運営元が信頼できるか
次に、ツールやサービスの運営元の企業が信頼できるかどうかを調べましょう。
ネットで検索して企業の詳細(住所、連絡先、代表、設立年など)が明示されているか確認します。
さらに企業名やツール名についての評判や口コミも検索します。
良い口コミ・悪い口コミの両方を調べて、安心できれば利用を検討してもいいでしょう。
気になることがあれば、電話やメールで問い合わせてその反応を見て判断するのもひとつの手です。
ポイント③ 対応する取引所はどこか・いくつあるか
複数の取引所を利用してリスクを分散したい場合や、アービトラージ取引をしたい場合には、対応している取引所がいくつあるか、どの取引所が利用できるかも確認する必要があります。
取引所によって手数料も異なるので、コストを抑えたいなら手数料が安い、または無料の取引所に対応しているツールを探しましょう。
暗号資産の自動売買を振り替えよう
暗号資産の自動売買について理解できたでしょうか?
では最後に、この記事の要点をまとめてみましょう。
◎暗号資産の自動売買とは「自動売買用に作成されたアルゴリズムが、人間にかわって24時間体制でチャートを分析し、最適と判断したタイミングで売買してくれるシステム」
◎暗号資産を自動売買する8つのメリットは、
・忙しい人でも取引できる
・24時間いつでも取引できる
・知識がなくても「bot」が取引してくれる
・人間の感情に左右されない
・複数の通貨を取引できる
・複数の取引所で取引できる
・アービトラージ取引ができる
・スマホで売買できるツールもある
◎暗号資産を自動売買する際の3つのリスクは、
・急な価格変動に追いつけない場合がある
・売買ツールの利用コストがかかる場合がある
・高額の売買ツールには詐欺被害が疑われるケースがある
なお、自動売買より手動売買を検討している方は初心者から定評のあるコインチェックを利用してみてはいかがでしょうか。
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