元手100万円を暗号資産(仮想通貨)で上手に運用する方法はある?税金も知っておこう

電子的な決済手段として利用できる暗号資産(仮想通貨)は、価格が変動するため投資対象としての魅力もあります。

暗号資産は、債権や株式、投資信託などさまざまな投資対象のなかでもリスクは高くなります。その反面、運用によって大きな利益が生じる可能性があります。

暗号資産は500円などの少額から投資が可能ですが、投資元本として100万円用意できれば、十分に資産運用を始めることもできるでしょう。これから暗号資産投資を始める人は、運用のコツを理解しておくことが大切です。

そこで、暗号資産投資におけるポイントやコツ、注意点などについて解説します。

※仮想通貨の税金については、2024年2月13日時点の情報となります。

暗号資産は今から始めても遅くはない?

ビットコイン(BTC)
代表的な暗号資産であるビットコインは、2017年から2018年の初めにかけて価格が10倍以上に高騰しました。いわゆるバブル状態だったと言われています。

しかし、最高値を付けた2018年の初め以降は価格が伸び悩み、2019年2月時点には最高値の約5分の1の価格にまで下がりました。そのため、バブルがはじけたあとの暗号資産に投資することに不安を感じる人もいるのではないでしょうか。

しかし、暗号資産はビットコインだけではなく、世界中に1000種類を超える暗号資産が存在しているといわれています。その中には、ビットコイン以上に価格が上昇すると期待されている暗号資産も多数含まれています。

将来的に価格が上昇する可能性がある暗号資産を見つけて投資できれば、これから投資を始めても遅いということはありません。

暗号資産の運用を始める前に気を付けること

暗号資産の運用で注意すること
100万円の投資元本が用意できたら、すぐにでも暗号資産へ投資して運用を始めたいと思うかもしれません。

しかし、運用を始める前に知っておいたほうがよいことがあります。ここでは、暗号資産の運用を始める前に気をつけたほうがよいことについて解説します。

暗号資産投資はギャンブルとは別

投資を始める前に知っておくべきポイントの1つ目は、暗号資産投資はギャンブルではないということです。

暗号資産への投資は、その価格変動の大きさからギャンブルだといわれることもあります。ギャンブルは、運によって勝率が変わることが特徴です。

一方、投資は、市場動向から価格変動を予測し、利益を積み上げる長期的な戦略を持つことで勝率を高めることができる点が異なります。慎重に計画を立てしっかり準備することによって、運任せにせず自らリスクをコントロールできるのです。

暗号資産への投資はギャンブルとは言い切れず、一定のリスク管理が可能な投資であると言えます。確かに、完全にリスクはコントロールできるわけではありませんので運の要素もありますが、それでも暗号資産投資の経験を積み知識を深めれば、勝率を上げていくことは可能です。

他人の話を鵜呑みにしすぎない

2つ目のポイントは、個人的に発信されている投資情報を安易に信じないことです。

暗号資産の世界には、多くのインフルエンサーやトレーダーが思い思いに投資に関する情報を発信しています。投資判断を行う場合、そういった情報を鵜呑みにしてしまうのではなく、投資判断の参考程度として認識しておくことが大切です。

ネット上にあふれる情報の中には、誤った情報も混じっています。他人の情報だけで自らの投資判断を行うのではなく、必ず自ら情報を取得したうえで整理し、どの暗号資産に、いつ投資するのかなどを決めるように心がけましょう。

価格が下がった時に慌てて売らない

3つ目のポイントは、予想外の方向に価格が変動しても慌てて決済しないことです。

暗号資産価格の値動きは、ほかの金融商品などと比較すると激しく変動するという特徴があります。暗号資産を購入して保有している状態で大幅に価格が下がると、価格の下落が継続するのではと不安になり、すぐに売却してしまう人が多くなっています。

しかし、価格変動が激しいということは、暴落したあとですぐに大幅な価格上昇に転じる可能性もあるということです。そのため、価格変動が生じても、焦らずに相場の状況を冷静に見極めることが重要です。

価格変動が一時的なものであれば、しばらく様子を見て上昇トレンドへの転換を待つことも大切になります。

暗号資産はハイリスクハイリターン

ハイリスクハイリターン
暗号資産投資を行っている場合、予想した方向に価格が大きく動けば、リターンも大きくなります。ただし、予想の反対方向の値動きになると、大きな損失を被ります。

つまり、暗号資産投資は、ハイリスクハイリターンの投資だといえるのです。また、投資対象としての安全性についても高いとはいえないでしょう。

暗号資産は、金などのように実物がなく、株式などのように法律に基づく権利証券でもない存在です。最悪の場合は暗号資産そのものがなくなってしまうリスクもあります。

そういった大きないリスクがあるからこそ、うまく取引すれば多額のリターンが得られる可能性があるのです。暗号資産投資を行うにあたっては、ハイリスクハイリターンの取引をしているということを忘れないようにしましょう。

元手100万円で暗号資産の運用を行うコツは?

暗号資産の運用を行うコツ
投資の元手として100万円を用意できた場合、いきなり何の投資方針もなく取引を始めることは避けたほうがよいでしょう。

そこで、100万円で暗号資産を運用する場合のポイントの事例についてご紹介します。

1. 短期でなく長期で勝負する

1つ目のコツは、長期投資で取引することです。

短期取引で利益を出す難易度は高くなります。経験豊富な投資家であれば、チャートによるテクニカル分析や経済指標などによるファンダメンタルズ分析など、高度な知識を駆使すれば、短期でも利益を出せる可能性を高められるでしょう。

しかし、初心者には短期投資はハードルが高いのが現実です。一方、長期投資であれば、何度も頻繁に売買する必要がなく、暗号資産価格の大きなトレンドに沿って投資すればよいため、難易度は下がります。

さらに、100万円あれば、市場動向に左右されず長期間保有を継続する「ガチホ(ガチっとホールドするの略)」戦略を試すという選択肢もあります。

2. 複利を味方につける

2つ目のコツは、複利効果を最大化することです。

複利効果とは、投資元本が生んだ利益を再投資して元本に加算することで、利益が利益を生む状態を作り出すことです。複利効果を使えば、運用資産を増やしやすくなります。

元本が生み出す利益をその都度引き出すと、複利効果は得られなくなります。都度引き出してしまえば、利益率が一定の場合における一定期間に得られる利益はずっと同額です。

一方、複利で運用する場合は、元本だけでなく投資した利益も同じ利益率で稼ぐことができます。利益の再投資によって時の経過とともに元本が増加し、得られる利益は足し算ではなく掛け算で増えていくのです。

暗号資産投資で得た利益は、出金ではなく再投資して複利効果を獲得するのも良いでしょう。複利効果をうまく活用することで、100万円を効率的に増やせることにつながる可能性もあります。

3. 複数の銘柄をチェックする

3つ目のコツは、複数の銘柄に分散投資することです。

初心者の場合、1つの暗号資産だけに資金を集中させてしまうと、予想が外れて通貨価格が暴落すると投資を継続できなくなるリスクがあります。1銘柄に集中する投資方法は、当たれば大きなリターンを得られる反面、リスクも大きいです。

そこでリスクを減らすためには、複数の期待できる暗号資産に少しづつ分散投資する方法が有効です。ただし、過度な分散はリターンの減少につながります。

投資可能資金が100万円であれば、例えば50万円で2銘柄、もしくは、25万円で4銘柄程度に分散すれば、リスクとリターンのバランスをとることも可能です。複数の銘柄を確認し、価格上昇が見込める確率が高そうな通貨を厳選して分散投資するのも良いでしょう。

アルトコインで時価総額の高い銘柄の事例

ビットコイン以外の暗号資産のことをアルトコインといいます。

多数のアルトコインが存在していますが、そのなかでも時価総額が大きく、日本でも知名度の高い3つのアルトコインについて簡単にご紹介します。

1. リップル(XRP)

1つ目は、リップルです。

リップルは、ビットコインなど多くの暗号資産で使われているブロックチェーン技術が使われていないという特徴があります。

ブロックチェーンの代わりに採用されている技術は「XRP Legder(リップル・レジャー、リップル分散台帳)」という決済プロトコルです。リップルは、このプロトコルを採用したことによって、優れた決済スピードを実現しています。

また、送金手数料も低く抑えられるため、既存の国際送金などよりも低コストでの送金ができる点が大きな強みです。そのため、国際送金や銀行間送金などで、さらなる利用拡大が期待されています。

2. イーサリアム(ETH)

2つ目は、イーサリアムです。

イーサリアムは、通貨名であると同時に、ブロックチェーンを使ったプラットフォームの名称でもあります。ブロックチェーンとは、簡単にお伝えすると暗号資産の取引データを記録する技術です。

また、イーサリアムには、スマートコントラクト機能も実装されています。スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で自動的に取引条件を判断して契約を実行できる機能のことです。

さらに、イーサリアムのプラットフォームを活用した資金調達手法である、ICO(イニシャルコインオファリング)の事例も多くなっています。イーサリアムは、暗号資産としてだけでなくブロックチェーンを活かしたプロジェクトにも数多く採用されている状況にあります。

3. ビットコインキャッシュ(BCH)

ビットコインキャッシュ(BCH)
3つ目は、ビットコインキャッシュです。

ビットコインキャッシュは2017年8月に誕生したコインで、ビットコインからのハードフォークによって登場しました。ハードフォークとは、暗号資産の分岐を表す用語です。

ビットコインキャッシュの特徴は、ビットコインの課題の解決を目指していることです。ビットコインとは共通している機能も多いですが、取引データを格納するサイズを拡大するなどの取り組みを行っています。

誕生当初から市場から注目されていることもあり、今日まで高い時価総額を保っています。

暗号資産の運用における税金について

暗号資産の運用における税金について
暗号資産の運用によって利益が生じた場合は、税金がかかります。

そのため、運用を始める前に、暗号資産の税制についても理解しておくことが大切です。ここでは、暗号資産取引で得られた利益に関する課税について解説します。

暗号資産は確定申告が必要

暗号資産取引で生じた所得がある場合は、原則として確定申告が必要です。

ただし、給与所得者については、給料やボーナス以外の所得が20万円以下であれば原則申告不要とされています。20万円を超えた場合は、自営業などと同様に、確定申告が必要です。

個人が得た所得は10種類に分類されことになっており、暗号資産の所得はその中の雑所得に該当します。暗号資産取引で課税されるタイミングは、売却による円などへの交換や暗号資産同士との交換、商品などの購入時です。

基本的には、取得したときと手放した時の差額が雑所得となります。購入後、保有しているだけの場合は、含み益が生じていても課税されず、申告する必要はないことも念頭に置いておきましょう。

※税金等の詳細につきましては管轄の税務署や税理士等にお訊ねいただくか、または国税庁タックスアンサーをご参照ください。

利益の一部は税金となる

暗号資産で得た利益は、課税対象です。

しかし、取引により生じた利益は、再投資や円への交換、商品の購入などで使ってしまいたくなるものです。しかし、あとで課税された税金を支払う必要があることは念頭に置いておきましょう。

たとえば、前年に価格高騰によって大きな利益を手にして全額再投資し、当年に入って暴落が生じたとします。この場合、前年の所得に対する納税分は、当年の価格の値下がりによって消滅してしまうリスクがあります。

こうなると、納税資金の捻出が難しくなる可能性があります。そういった事態にならないように、資金管理はしっかりと行っておくことが大切です。

暗号資産の中には将来性が期待されている銘柄が数多く眠っている

期待されている暗号資産
暗号資産の元祖はビットコインですが、今ではビットコイン以外にも数多くのアルトコインがあります。また、新しい通貨も誕生し続けている状況です。

それらの暗号資産のなかには、将来における価値上昇や利用拡大などが期待されている通貨もあります。暗号資産投資を始めるには遅すぎるのではないかと心配している人にも、まだまだ将来性がある暗号資産を見つけるチャンスが残されているのです。

今から始めても決して遅くはないため、まずは金融庁登録済の暗号資産の取引所に口座開設をすることから始めるのが良いでしょう。