ビットコイン(BTC)価格推移の歴史!過去10年間・15年間の上昇・下落の理由についても解説

ビットコインは2008年にサトシ・ナカモトと名乗る匿名の人物が、インターネット上に発表した論文から開発がスタートした暗号資産(仮想通貨)です。誕生からわずか十数年の間に、その価格は大きく変動を繰り返しながらも、世界的な投資対象として存在感を高めてきました。

2024年3月5日には、ビットコイン(BTC)の価格はついに1,000万円を突破。さらには2025年8月現在、過去最高値を更新し続けています。

では、ビットコインはなぜこれほど急速に成長することができたのでしょうか?この記事では、2008年から2025年8月時点までのビットコインの価格推移を振り返りながら、ビットコインの価格が上昇・下落する仕組みについて検証していきます。

BTC_JPY

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この記事でわかること


ビットコインの最高値と価格推移の歴史

ビットコイン(BTC)の最高値(最高価格)は日本円建てで18,224,479円、ドル建てで124,517ドルです。(2025年8月時点。日本円建ての価格はCoinGecko、ドル建て価格はTradingViewを参照)

市場の注目が高まる中で、ビットコインは「デジタル資産の代表格」として確固たる地位を築きつつあります。

ビットコインの価格推移

引用:Coingecko

ここからは、2008年の誕生から直近までの価格推移を時系列で振り返っていきましょう。

2008年〜2010年の価格推移

最高値:約7円(2010年7月)
最安値:約0.07円(2009年10月)

年月
出来事
1BTCの価格
2008年10月
サトシ・ナカモトによるBTCについての論文が公表される
-
2009年1月
最初のブロックである「Genesis Block」が生成される
-
2009年10月
New Liberty Standardで初めてBTCの価格が提示される
約0.07円
2010年5月
フロリダのプログラマーがピザ2枚を1万BTCで購入
約0.2円
2010年7月
Mt.Goxサービス開始
約7円

2009年1月に誕生した当初のビットコインは、まだ通貨としての価値が認められておらず、1BTCの価格はほぼ0円でした。

同年10月、「New Liberty Standard」というサイトで初めて価格が提示され、1BTC=約0.07円と算出されました。この価格は、当時のマイニングにかかる電気代をもとに決められたものです。

翌2010年5月には、フロリダ州のプログラマーがピザ2枚を1万BTCで購入するという出来事がありました。この時の価格は1BTC=約0.2円で、これがビットコインを使った初めての実用的な決済とされています。

さらに同年7月、当時最大級のビットコイン取引所「Mt.Gox(マウントゴックス)」がサービスを開始し、価格は1BTC=約7円まで上昇しました。

2011年〜12年の価格推移・最高値・最安値

最高値:約約2,500円(2011年6月)
最安値:約20円(2011年1月)

年月
出来事
1BTCの価格
2011年3月
Mt.GoxがTibanne社に買収される
約70円
2011年4月
TIME誌でBTCの特集が組まれる
約80円
2011年5月〜6月
BTC初となるバブル期
約2,500円
2011年6月19日
Mt.Goxがハッキング被害を受ける
約1,400円
2012年11月15日
WordPressがBTC決済を採用
約900円
2012年11月28日
マイニング報酬の初となる半減期
約1,000円

2011年に入ると、ビットコインは世界中から注目を浴び始め、それに伴い価格も急上昇しました。

まず3月、Mt.Goxが日本のTibanne社に買収されたニュースをきっかけに、価格は70円台へ高騰。翌4月には米TIME誌で特集が組まれ、知名度が一気に広がり、80円台を突破しました。大手メディアにビットコインが紹介されたのは、これが初めての出来事でした。

その後、TIME誌での報道をきっかけに投資家の関心が集まり、価格は約1,500円まで急騰。2009年に約0.07円だった価格と比べ、わずか2年で約2万倍に達したことから、ROI(投資利益率)の高さが世界的に注目されるようになりました。

しかしバブルは長くは続かず、6月にMt.Goxがハッキング被害を受けたことで相場は反転。セキュリティ不安が広がり、2011年末には300円台まで値下がりしました。

2012年になると、WordPressにビットコイン決済が可能となるプラグインが誕生したことや、マイニング報酬の初となる半減期を迎えたことなどがプラス材料となり、1BTC=1,000円台まで回復します。

2013年の価格推移・最高値・最安値

ビットコインの2013年の価格推移

引用:Coingecko

最高値:約12万円(2013年12月)
最安値:約2,000円(2013年1月)

年月
出来事
1BTCの価格
2013年3月
キプロス危機が起こる
約4,500円
2013年10月
百度(バイドゥ)がBTC決済を採用
約1万5,000円
2013年12月
NHKでBTC特集が組まれる
約12万円
2013年12月
中国政府がBTC取引の禁止を発表
約7万5,000円

2013年は、ビットコインの勢いが大きく加速した年でした。年初に1BTC=約2,000円だった価格は、12月には一時12万円を突破するなど、年間で60倍もの高騰を見せました。

背景には複数の出来事があります。3月に起きたキプロス危機では、ユーロなど法定通貨への信用が揺らぎ、代替資産としてビットコインが注目を浴びました。このとき価格は約4,500円に上昇。さらに10月には中国の大手検索エンジン「百度(バイドゥ)」がビットコイン決済を採用し、価格は約1万5,000円に達しました。

12月には日本のNHKでビットコイン特集が放送され、日本国内での知名度も一気に拡大。それに伴い価格は12万円台まで急騰しました。

しかし同月、中国政府がビットコイン取引を禁止すると発表。この規制により相場は急落し、約7万5,000円まで値を下げ、成長の勢いは一旦落ち着きました。

2014年の価格推移・最高値・最安値

2014年のビットコインの価格推移

引用:CoinGecko

最高値:約99,000円(2014年1月)
最安値:約36,000円(2014年4月)

年月
出来事
1BTCの価格
2014年2月
Mt.Gox閉鎖
約6万1,000円
2014年7月
DellがBTC決済を採用
約6万5,000円
2014年12月
マイクロソフトがBTC決済を採用
約4万円

2014年はビットコインにまつわる大事件が起こりました。

暗号資産取引所のMt.Goxが再びハッキング被害を受け、当時の価格で約470億円に相当する85万ビットコインが盗まれるという事件が起こります。この事件を受けて、Mt.Goxは暗号資産に関するすべての取引を中止し、2月24日に取引所を閉鎖します。

1月には9万円前後で推移していたビットコインの価格は、この事件をきっかけに一気に6万1,000円台まで急落。そのまま相場は下げ進み、4月には約36,000円台にまで落ち込みました。

しかし、その後はアメリカでDellやマイクロソフトなどの大手IT企業がビットコイン決済を採用したことなどを受けて、同年12月には1BTC=4万円前後まで回復します。

2015年の価格推移・最高値・最安値

2015年のビットコインの価格推移

引用:CoinGecko

年月
出来事
1BTCの価格
2015年1月
Bitstampがハッキング被害を受ける
約2万500円
2015年6月
ニューヨーク州が「Bit License」を導入
約2万5,000円
2015年10月
欧州司法裁判所がビットコインの取引はVATの課税対象外であると発表
約3万3,000円

前年に価格が急落したビットコインに、2015年は再び試練が襲いました。

Mt.Gox閉鎖後に、ユーザーを取り込んでいたBitstamp(ビットスタンプ)がハッキングされたのです。その結果、ビットコイン価格は約2万500円に暴落。相次ぐハッキング事件の発生を受けて、同年6月にアメリカのニューヨーク州がビットコインを取り扱う事業者を免許制とする「Bit License(ビットライセンス)」を導入しました。

続いて、同年10月に欧州司法裁判所で、ビットコインの取引は付加価値税であるVATの課税対象外であるという見方が示されます。これにより、ビットコインは正式に支払い手段として認められ、税金の問題がクリアになりました。

このようなニュースにビットコイン市場が反応して、年末には1BTC=約5万1,000円まで上昇しました。

2016年の価格推移・最高値・最安値

2016年のビットコインの価格推移

引用:CoinGecko

最高値: 約11万円(2016年12月)
最安値: 約4万5,000円(2016年1月)

年月
出来事
1BTCの価格
2016年5月
「改正資金決済法」成立
約5万円
2016年7月
2回目の半減期
約7万円
2016年8月
Bitfinexが盗難被害を受ける
約6万円

2016年には、日本でもビットコインの動きが活発になり始めました。

暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンに関する実証実験を行う大手金融機関や、大手企業が現れはじめます。また、5月には暗号資産に関する規制を初めて法律に明記した「改正資金決済法」が成立しました。

続く7月には、ビットコインは2回目の半減期を迎え、マイニングの報酬がそれまでの25BTCから12.5BTCに減少しました。これを受けて、年明けには4万5,000円ほどだったビットコインの価格は、約7万円まで値上がりします。

しかし、8月には香港で有名な暗号資産の取引所Bitfinex(ビットフィネックス)が、およそ12万BTCの盗難被害に遭います。価格は一時的に下落しますが、その後に持ち直して1月には1BTCあたり4万円台から、12月には約11万円程度にまで上昇しました。

2017年の価格推移・最高値・最安値

ビットコインの価格推移

引用:CoinGecko

最高値: 約230万円(2017年12月)
最安値: 約9万円(2017年1月)

年月
出来事
1BTCの価格
2017年4月
「改正資金決済法等」施行
約12万円
2017年8月
ビットコインキャッシュ(BCH)誕生
約45万円
2017年12月
CMEがBTC先物を開始
約230万円

2017年は、日本国内でもビットコインの存在が広く知れ渡り、暗号資産に対する法整備が進んだ年でした。さらに、大手金融機関や機関投資家が市場に参入し始めたことで、ビットコインをはじめとする暗号資産の価格が急騰した年でもあります。
4月には、2016年に成立した「改正資金決済法等」が施行され、暗号資産取引所の登録制が導入されました。投資家保護やマネーロンダリング防止を目的とした重要な制度改革です。
同年8月には、開発者とマイナーの対立から分岐し、ビットコインキャッシュ(BCH)が誕生。価格下落が懸念されましたが、大きな影響はありませんでした。
そして12月、アメリカの先物取引所である「CME(シカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジ)」がビットコイン先物取引を開始。機関投資家の参入も相まって市場に大量の資金が流入し、価格は一時230万円を突破しました。

2018年の価格推移・最高値・最安値

2018年のビットコインの価格推移

引用:CoinGecko

最高値: 約207万円(2018年1月)
最安値: 約36万円(2018年12月)

年月
出来事
1BTCの価格
2018年1月
Facebookが暗号資産の広告掲載の禁止を発表
約110万円
2018年3月
Googleが暗号資産の広告掲載の禁止を発表
約95万円
2018年3月
Twitterが暗号資産の広告掲載の禁止を発表
約90万円

2018年は、ビットコインにとって大きな試練の年となりました。数々のSNSサービスが暗号資産に関する広告の掲載禁止を発表したことにより、ビットコインに対する信用が低下し、価格も急速に下落していきます。
まず1月にFacebookが広告禁止を発表すると、続く3月にはGoogleとTwitterも同様の措置を発表しました。その影響で、年初に1BTC=約150万円だった価格は、4月上旬には70万円前後まで急落。
その後も価格が回復することはなく、最終的に12月には約36万円まで下落しました。

2019年の価格推移・最高値・最安値)

2019年ビットコインの価格推移

引用:CoinGecko

最高値: 約140万円(2019年6月)
最安値: 約37万円(2019年2月)

年月
出来事
1BTCの価格
2019年9月
BakktがBTC先物サービスを開始
約87万円
2019年11月1日
Bitmexで顧客のメールアドレスが流出
約100万円
2019年11月22日
中国政府が暗号資産取引を取り締まる新たな規制をスタート
約80万円

2018年から続いた弱気相場は2019年3月頃まで続き、ビットコイン価格は一時約37万円まで下落しました。しかし、4月以降は一転して上昇トレンドに入り、6月には約140万円まで値上がりします。

しかし上昇トレンドは長続きせず、9月以降は再び下降トレンドに。暗号資産取引プラットフォーム「Bakkt(バックト)」がビットコイン先物サービスを開始するものの、出来高の低さから市場に失望感が広がり、ビットコインの価格は80万円台まで下落します。

その後、一時100万円台まで回復したものの、11月には暗号資産取引所「Bitmex(ビットメックス)」での顧客メールアドレス流出事件や、中国政府の新たな規制強化が相次ぎ、再び80万円台に落ち込みました。

2020年の価格推移・最高値・最安値

2020年ビットコインの価格推移

引用:CoinGecko

最高値: 約300万円(2020年12月)
最安値: 約53万円台(2021年3月)

年月
出来事
1BTCの価格
2020年3月
WHOによる新型コロナウイルスについての発表
約53万円
2020年5月
3回目となる半減期
約100万円

2019年末まで続いた下降トレンドは、2020年に入ると一転し、上昇相場に突入しました。1月に1BTC=約75万円だったビットコインは、2月には100万円台に到達します。
しかしその後は反落し、3月13日には約53万円まで急落。わずか1か月ほどで半値になる大幅下落でした。この背景には、3月11日にWHOが新型コロナウイルスを「パンデミック(世界的流行)の状態にある」と宣言し、世界的に金融市場全体が混乱、株や金など暗号資産以外の価格も急落しました。

一時はさらなる低迷も懸念されましたが、各国政府の大規模な金融緩和策が市場を下支えし、5月12日には3回目の半減期を迎えて価格は再び100万円台へ回復。その後もDeFi(分散型金融)の人気上昇などを背景に堅調に推移し、10月には約130万円に達しました。その後も価格は上昇を続け、12月31日には約300万円を記録しました。

2021年の価格推移・最高値・最安値

2021年ビットコインの価格推移

引用:CoinGecko

最高値: 約776万円(2021年11月)
最安値: 約300万円(2021年1月)

年月
出来事
1BTCの価格
2021年2月
米テスラ社が15億ドル分のビットコインを購入
約490万円
2021年3月11日
ビープルのNFTアートが歴史的な高値である約75億円で落札される
約600万円
2021年4月14日
米コインベースがナスダックに上場
約690万円
2021年5月
複数の要因により下落相場へ突入
約400万円
2021年9月7日
中米エルサルバドルがビットコインを法定通貨に定める
約500万円
2021年10月19日
アメリカで初めてビットコイン先物ETFが上場
約730万円
2021年10月28日
フェイスブック社が社名を「メタ」に改名し、メタバースに注力する姿勢を発表
約670万円
2021年11月8日
ビットコイン価格が過去最高値を記録
約776万円

2021年は、暗号資産市場にとって大きな飛躍の一年となりました。NFTやレイヤー2技術の普及、Web3やDAOといった新たな概念の浸透が重なり、市場は急成長を遂げました。
ビットコインは年始に1BTC=約300万円、10日後には400万円に達し、2月にはテスラによる大量購入発表を受けて約600万円に高騰します。3月にはBeepleのNFT作品が約75億円で落札されるなど、NFT市場が一気に拡大。BAYCやCryptoPunks、The SandboxといったNFTやメタバース関連プロジェクトの価格が急騰しました。さらに4月には、コインベースの上場などポジティブな材料が相次ぎ、市場の熱気はさらに高まりました。

一方、5月にはテスラが環境問題を理由にビットコイン決済停止を発表し、相場は下落に転じます。しかし9月、エルサルバドルでビットコインが法定通貨となり、市場は再び強気に。10月には米国初のビットコイン先物ETFが承認され、さらにFacebookが「Meta」へ社名を変更したことでメタバース関連銘柄が急騰しました。

こうした好材料が重なり、2021年11月8日には過去最高値となる約776万円を記録しました。

2022年の価格推移・最高値・最安値

2022年ビットコインの価格推移

引用:CoinGecko

最高値: 約580万円(2022年3月)
最安値: 約230万円(2022年12月)

年月
出来事
1BTCの価格
2021年末〜2022年1月 FRBによるテーパリング実施に対する懸念
400万円台
2022年1月20日 ロシア中銀が国内における暗号資産の利用およびマイニングの禁止を提案 約400万円
2022年2月24日 ロシアがウクライナに侵攻を開始 約430万円
2022年5月9日 テラ(LUNA)問題により市場が急落 約380万円
2022年7月20日 米EV大手「テスラ社」、保有するビットコインの75%を売却 約290万円
2022年8月26日 米FRBパウエル議長、利上げ継続を示唆 約270万円
2022年9月初旬 イーサリアムの大型アップデート「The Merge」を間近に控え、市場全体が上昇 約320万円
2022年11月 FTXグループが破産申請 約230万円

2021年に過去最高値「1BTC=約760万円」を付けたビットコインですが、2022年に入ると一転して下落トレンドに突入。米国のFRB(連邦準備制度)による金融引き締めや、ロシアのウクライナ侵攻といった悪材料が続き、年初の400〜500万円台から大きく値を下げました。

3月下旬には株価の反発を背景に約580万円まで回復しましたが、5月にアルゴリズム型ステーブルコインUSTとUSTのペグ(連動)を維持するためのガバナンストークンLUNAが崩壊し、市場に不安が広がるとBTCも急落。

続く7月には、テスラが保有するBTCの75%を売却したことが追い打ちとなり、約320万円から約290万円まで下落します。なお、同社CEOのイーロン・マスク氏は売却理由について、「中国のコロナロックダウンの影響による業績悪化に備えて、手許現金を最大化させるため」と説明しています。

また、8月にはFRBの利上げ継続姿勢もあり、株式や暗号資産など金融市場全体が下落。価格は約270万円まで下がりました。

9月にはイーサリアムの大型アップデート「The Merge」を背景に一時的に反発しましたが、11月に大手取引所FTXグループが破綻。関連会社を含む約130社が米連邦破産法11条を申請し、創業者サム・バンクマン=フリードが辞任する事態に発展しました。この影響で市場は再び急落し、12月には約230万円まで値を下げました。

【補足】

UST(TerraUSD)は、テラ(LUNA)のブロックチェーン上で稼働する暗号資産(仮想通貨)です。

※UST(TerraUSD)は1UST=1米ドルを目標価格として設計しており、実際に1米ドル付近で価格が推移していることから、アルゴリズム型ステーブルコインと認識されていますが、1UST=1米ドルの価値を保証するための原資産が確保されているものではなく、相場の変動等により目標価格に対して大きく下落する可能性があります。

2023年の価格推移・最高値・最安値

引用:CoinGecko

最高値: 約580万円(2023年12月)
最安値: 約217万円(2023年1月)

年月
出来事
1BTCの価格
2023年1月14日 ビットコインが2万ドル回復
約260万円
2023年3月 米国シリコンバレー銀行(SVB)とシグニチャーバンクが破綻 約360万円
2023年4月 米国ファースト・リパブリック銀行の株価が暴落・翌月破綻 3万ドル台へ 約390万円
2023年6月 ブラックロックがBTC現物ETFを申請 約380万円
2023年10月 SECが敗訴し、BTC現物ETFの承認が現実的に 約500万円
2023年12月 ビットコインが4万ドルに回復 約610万円

2023年のビットコインは、金融不安を背景に「退避資産」としての強みを発揮しました。年初は約217万円でスタートし、FTXやTerra破綻の影響から落ち着きを取り戻すと、1月中旬には約260万円まで回復しました。

3月には米シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャーバンクの破綻、さらにスイスのクレディ・スイス経営不安が世界的な金融危機に発展。安全資産への需要が高まり、BTCは一時270万円台まで下落した後、約370万円まで急上昇しました。4月には米ファースト・リパブリック銀行の株価暴落から破綻に至り、BTCは約400万円に到達しました。

好調に推移していたビットコインですが、5月にはPEPEコイン高騰によりネットワークが混雑し、送金遅延や手数料高騰が発生。Binanceが一時出金停止を行ったことで、BTCは約360万円まで下落しました。6月には米SECがBinanceやCoinbaseを提訴し、価格は一時350万円台まで下落しましたが、同月のブラックロックによる現物ETF申請を受けて再び400万円を超えました。

7月には長く続いていたリップル裁判でSECが部分的に敗訴し、BTCは約420万円に上昇。8月には中国不動産大手「恒大集団」の破産法申請やイーロン・マスク氏率いるSpaceXのBTC売却報道を受けて再び下落しましたが、9月以降には、これまで暗号資産に否定的な姿勢を示していたインド政府が、数か月以内に暗号資産規制の方針を策定すると発表。この動きが「規制緩和につながる可能性」として好感され、ビットコインは約380万円まで回復し、下落基調から持ち直し始めました。

10月には、グレースケールが米国証券取引委員会(SEC)に対して行っていた裁判で勝訴。SECは控訴を断念し、同社のビットコイン投資信託(GBTC)のETF転換申請が前進する形となりました。このニュースは米国でのビットコイン現物ETF承認への期待を高め、市場は活気づき、BTCは約500万円に到達しました。

その後、11月は大きなサプライズニュースは少なかったものの、利下げ観測やETF承認への期待が引き続き支えとなり、底堅い展開が続きました。そして12月には、米金融政策の緩和姿勢が意識される中、年間最高値となる約640万円へと高騰。FTX破綻以前の高値水準を取り戻す形となりました。

2024年の価格推移・最高値・最安値

引用:CoinGecko

最高値: 約1,635万円(2024年12月)
最安値: 約590万円(2024年1月)

年月 出来事 1BTCの価格
2024年1月10日 SECが11件のビットコインETFを承認 約680万円
2024年3月5日 ビットコインの価格が1,000万円を突破 約1,030万円
2024年4月15日 香港証券先物委員会(SFC)がビットコインETFとイーサリアムETFを承認 約1,030万円
2024年4月18日 BinanceがビットコインNFT取引と入金のサポートを停止 約940万円
2024年4月20日 ビットコインが4度目の半減期を迎える 約980万円
2024年4月20日 ビットコインでRunesプロトコルが開始 約980万円
2024年5月6日 ビットコインの累積トランザクション数が10億件に到達 約980万円
2024年5月13日 ウェルズ・ファーゴ銀行がビットコインに1億4300万ドルを投資 約960万円
2024年5月21日 ビットコイン価格が日本円建てで初めて1,100万円を超える 約1,115万円
2024年6月7日 ビットコイン価格が日本円建てで過去最高値を更新 約1,124万円
2024年6月19日 ドイツ政府がMovie2k運営から押収したビットコイン5万BTCの売却を開始 約1,030万円
2024年6月24日 マウントゴックスがBTCとBCHの弁済開始を発表 約1,010万円
2024年7月5日 マウントゴックスによるBTCとBCHの弁済が開始 約920万円
2024年7月13日 ドイツ政府がMovie2k運営から押収した全てのビットコインを売却完了 約910万円
2024年8月3日 ビットコインの価格が約900万円に下落 約900万円
2024年8月5日 恐怖指数が再び65以上に上昇 約850万円
2024年8月6日 ビットコイン価格が約790万円に下落 約790万円
2024年8月23日 FRBパウエル議長が連邦金利引き下げを示唆 約880万円
2024年9月19日 FOMCの会合で米FRBが0.5ポイントの大幅利下げを決定 約880万円
2024年11月22日 ついに10万ドル(約1,500万円)を突破。ETF承認や米政権交代期待などを背景に、年末にかけて大幅上昇。 約1,500万円

2023年の「金融不安で買われるビットコイン」から一転、2024年はポジティブな材料が相次ぎました。

まず1月10日、米証券取引委員会(SEC)がついにビットコイン現物上場投資信託(ETF)を承認。投資家は証券会社の口座を通じて株式と同様にBTCを取引できるようになり、機関投資家の参入拡大が期待されました。ただし市場はすでに織り込み済みと判断され、一時的に「事実売り」が発生。価格は約590万円に下落しました。

その後は強気相場が続き、3月5日には1,000万円を突破。12日には1,050万円と過去最高値を更新しました。背景にはETF承認効果、マイクロストラテジー社による追加購入、そして「4月に半減期を控えている」という期待がありました。

4月15日には香港証券先物委員会(SFC)がBTCとETHの現物ETFを承認し、香港市場でも暗号資産ETFが始動。4月20日にはビットコインが4度目の半減期を迎え、マイニング報酬は6.25BTCから3.125BTCへ減少しました。同時にOrdinalsの開発者ケイシー・ロダモール氏による新プロトコル「Runes」もローンチされ、注目を集めました。ただし、半減期前後の価格は大きく動かず、1,000万円前後で推移しました。

その後も強気ムードは続き、5月21日には日本円建てで初めて1,100万円を突破。高値は約1,115万円に到達しました。6月7日にはさらに円安(1ドル=155.81円)の影響も重なり、約1,124万8,000円と過去最高値を更新しました。米国でのイーサリアム現物ETF承認観測やFOMC前の利下げ期待も価格を押し上げました。

しかし6月後半以降、相場に冷や水を浴びせるニュースが続きます。6月19日、ドイツ政府が保有していた押収済みビットコイン(元は違法サイトMovie2kから押収した約5万BTC)の一部を大手取引所へ送金。その後、7月13日までに段階的に全量を売却しました。これにより売り圧力が強まり、ビットコインは一時約910万円まで急落しました。

引用:Arkham

さらに、6月24日にはマウントゴックスが、債権者にビットコイン(BTC)およびビットコインキャッシュ(BCH)による一部弁済を実施することを発表。長期にわたり資金を回収できなかった債権者は、価格上昇益(約85倍)を確定するため売却に動くと予想され、市場心理はさらに悪化しました。

これらの要因に加え、8月初旬から円相場は急速に円高が進み、3日には価格が約900万円へ下落。VIX指数(恐怖指数)が65を超え、リーマンショックやパンデミック時以来の水準となったことで、6日には約790万円まで急落しました。

しかし、8月下旬以降は回復基調に転じます。8月23日のジャクソンホール会議で、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が「インフレは2%目標に近づいており、政策調整の時期が来た」と発言。利下げの可能性が示唆されたことで投資家心理が改善し、ビットコインは24日までに約920万円まで回復しました。

さらに、9月中旬のFOMCでは、FRBが0.5ポイントの大幅利下げを決定。10月には米SECがETFのオプション取引を承認し、機関投資家の取引環境がさらに拡充されました。株式市場が下落する中でもビットコインは資金流入で上昇し、10月末には1,080万円を突破しました。

そして、11月の米大統領選を背景に市場の期待が高まり、下旬にはついに10万ドル(約1,500万円)を突破。12月17日には最高値である約1,635万円を記録し、ETF承認ラッシュ、金融政策の転換、政治要因が重なり、2024年はビットコインが新たな局面に入った年として記録されました。

2025年の価格推移・最高値・最安値

引用:CoinGecko

最高値: 約1,882万円(2025年10月)
最安値: 約1,111万円(2025年4月)

日付 出来事 価格(円建て)
2025年1月1日 米現物ETFへの資金流入拡大、MicroStrategyが追加購入 約1,620万円
2025年2月21日 Bybitが約2,200億円規模のハッキング被害 約1,150万円
2025年3月6日 トランプ政権が「戦略的ビットコイン準備資産」創設を発表 約1,200万円
2025年4月7日 年初来最安値を記録 約1,079万円
2025年5月21日 FRB利下げ観測とETF残高拡大で上昇 約1,600万円
2025年6月中旬 米中摩擦懸念で一時調整 約1,500万円
2025年7月中旬 米議会で暗号資産法案可決、史上最高値更新 約1,812万円
2025年8月1日 FRB利下げ観測強まり、英国が暗号資産ETN解禁を発表、2025年10月8日に有効化 約1,700万円
2025年10月9日 ビットコイン価格が過去最高値を更新 約1,882万円

2025年のビットコイン相場は、ETF資金流入や規制整備の進展を背景に、史上最高値を更新しながら高値圏で推移した一年でした。

年初の1月、2024年末に承認された米国の現物ビットコインETFに巨額の資金が流入し、1月1日にはBTCが1,620万円に到達しました。ブラックロックのETFには数千億円規模のマネーが流れ込み、MicroStrategyやエネルギー企業のKULRなど上場企業による追加購入も報じられました。市場は「ETF経由で年金基金や大口資金が参入する」という強気の見方で盛り上がりました。

しかし2月に入ると、Bybit取引所が約2,200億円相当の暗号資産を流出させるハッキング被害を受け、価格は急落。加えて、トランプ新政権の関税政策によるインフレ再燃懸念からFRBの利下げ観測が後退し、BTCは一時1,100万円台まで下落しました。
3月にはトランプ大統領が「戦略的ビットコイン準備資産」を創設する大統領令に署名。米国政府が押収済みBTCを売却せず備蓄する方針を示したことで、「国家レベルでのビットコイン保有」が現実味を帯び、相場は下げ止まりました。

4月7日には年初来最安値の1,079万円を記録しましたが、米国・EUでの暗号資産規制整備の進展や投資家心理の改善を背景に反発。5月にはFRBの利下げ観測とETF運用残高拡大が相場を支え、BTCは再び1,600万円台を回復しました。

6月は米中摩擦への懸念から調整局面となりましたが、BTCは1,500万円前後で下値を固めました。そして7月には転機が訪れます。米議会で「Crypto Week」と呼ばれる集中審議が行われ、CLARITY法を含む暗号資産関連法案が可決。米国が明確な規制環境を整備する方向性を示したことで、市場は沸き立ち、BTCは7月14日に史上最高値の1,812万円を記録しました。欧州でもMiCA規制が施行され、世界的に法整備が進展したことも強い追い風となりました。

そして8月、調整を経ながらもFRBの利下げ観測強化や英国当局による暗号資産ETN提供解禁を背景に、BTCは1,700万円前後を維持。10月9日には過去最高値の約1,882万円を記録しました。株式市場の好調とも相まって、ビットコインは「高値圏での安定」という成熟した値動きを示しています。

総じて2025年は、ETF・規制整備・政治的後押しという複数の要因が重なり、ビットコインが「デジタルゴールド」としての地位を一段と固める年といえます。

ビットコイン、10年前に買ってたら何倍に?

ビットコイン(BTC)

2025年8月現在、ビットコイン(BTC)の価格は約1,882万円(124,000ドル前後)と過去最高値を更新し続けています。

では、もし10年前に購入していたらどうなっていたのでしょうか。10年前(2015年8月)、当時の価格はおおよそ 34,500円。現在の価格と比較すると約546倍に上昇しています。「10年前から持ち続けていた人」が驚くべきリターンを得ていることがわかります。

15年前に買っていたら何倍に?

さらにさかのぼって15年前(2010年頃)のBTCはわずか約0.25円(ピザ2枚=10,000BTCの取引履歴より推測)。現在の価格と比較すると、約7,528万倍の上昇です。

仮に100円分(=400BTC)購入していたら、現在は 約75.3億円 に。10年・15年前からの価格推移を見ると、ビットコインがいかに大きな成長を遂げてきたかがわかります。

ビットコイン(BTC)価格が上昇する理由

ビットコイン(BTC)

ビットコイン(BTC)の価格が上昇するのは、需要・供給・流動性の3つが同じ方向を向いたときです。需要面では、決済・送金などの実利用の拡大に加え、現物ETFの普及や規制の明確化によって参入しやすさが増し、投資家層が厚くなります。供給面では発行上限2,100万BTCという設計と、約4年ごとの半減期により新規発行が少なくなります。さらに、長期保有の増加や取引所からの純流出(コインが個人ウォレットへ移る動き)が進むと、市場で実際に売買に回る枚数が減り、希少性が意識されます。
流動性の観点では、主要取引所や金融商品の上場、ネットワーク手数料や処理性能の改善が売買コストと摩擦を下げ、資金が入りやすくなります。こうした条件が重なる局面では、短期の売りポジション解消(ショートカバー)が加わり、上昇が加速することもあります。

ビットコインの価格推移を十分に理解して投資しよう

ビットコインは誕生からこれまで、何度も急騰と急落を繰り返しながらも、長期的には右肩上がりの成長を続けてきました。価格が大きく動く背景には、半減期や普及の進展といったプラス要因だけでなく、規制や取引所の問題といったリスク要因も絡んでいます。
将来の価格については「数億円に到達する」という強気な予想から、「需給や規制で調整が入る」という慎重な見方まで幅広く存在します。つまり、上昇の可能性と同時に下落リスクも常に意識する必要があります。
投資を検討する際は、短期の値動きに惑わされず、中長期での成長性をどう捉えるかがポイントです。たとえば定期的な積立で価格変動リスクをならす方法や、資産の一部をビットコインに分散させる戦略も選択肢の一つです。
過去の価格推移やアナリストの見解を理解し、自分の投資目的やリスク許容度に合わせた計画を立てること。それが、ビットコインを長期的な資産形成に活かすうえで欠かせない視点といえるでしょう。