代表的な暗号資産(仮想通貨)として、ビットコイン(BTC)が有名です。
ビットコイン(BTC)はインターネット上の通貨なので、円やドルなどの法定通貨のように、紙幣や硬貨といった現物がないという特徴があります。目に見えない存在であるため、安全性などに不安を感じる人もいるでしょう。
そういった不安は、ビットコイン(BTC)の仕組みや安全性、リスクなどについて理解することで解消されるかもしれません。そこで、ビットコイン(BTC)の特徴や通貨管理の仕組み、安全性とリスク、投資の始め方などについてご紹介します。
目次
ビットコイン(Bitcoin/BTC)とは?
ビットコイン(BTC)とは、インターネット上でのみ流通する暗号資産のひとつです。
暗号資産は、暗号の仕組みが使われている通貨システムであるため、暗号資産と呼ばれることもあります。暗号資産は、商品を購入したときやサービスの提供を受けたときの支払手段として利用することが可能です。
また、ネット上に存在している通貨であるため、銀行などで送金を行う場合よりも手軽に送金できます。特に、海外送金を行う場合は、手数料を大幅に抑えられる可能性があることもメリットです。
さらに、ビットコイン(BTC)は市場で取引されており、需要と供給のバランスにより価格が変動します。そのため、投資対象にもなることも特徴です。
ビットコイン(BTC)は、数ある暗号資産のなかでも、最初に世の中に登場した暗号資産です。そのため、知名度は高く、暗号資産投資家にとっての主な運用対象となっています。時価総額も大きく、多くの人に評価されている通貨です。
また、ビットコイン(BTC)の支払いを認める店舗も増加しています。多くの場面ですでに活用されており、今後も活用の幅が広がると期待されている状況です。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の仕組み
ビットコイン(BTC)についての不安を払拭するためには、仕組みを理解することが大切です。
仕組みを把握することによって、安全性やリスクを認識できるようになるでしょう。ビットコイン(BTC)の仕組みを理解するにあたってのポイントは、例えば以下の3つが挙げられます。
1. 中央に管理者がいない
1つ目は、中央管理者がいない通貨システムという点です。
円やドルなどの法定通貨は、中央銀行などの管理者が存在します。中央銀行は、意図的に通貨発行量の調節を行う存在です。
一方、ビットコイン(BTC)は、プログラムによって動いており、中央管理者は存在していないという特徴があります。新規通貨発行は、一定のルールに従ってシステムが自動的に発行する仕組みです。
2. 参加者によってシステムが支えられている
2つ目は、不特定多数のビットコインシステム参加者によって、ネットワークが支えられている点です。
ビットコイン(BTC)のシステムはホストコンピュータで一括管理されていません。誰でもビットコインネットワークにアクセスできる仕様になっており、ネットワークは参加者によって分散して管理されています。
そのため、たとえ1つのコンピューター端末がダウンしても、ビットコインネットワークには影響が出ないという特徴があります。
3. 参加者が取引内容を検証できる
3つ目は、ネットワーク参加者が誰でも取引内容を検証(マイニング)できることです。取引はインターネット上に公開されており、誰でも確認することができます。
このような衆人環視によるチェックが行われることによって、事実上、不正取引ができない仕組みになっています。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)のマイニング
ビットコイン(BTC)は、マイニングと呼ばれる仕組みによって新規通貨発行が行われます。
マイニングとは、取引内容を検証する作業のことです。ビットコインシステムでは、約10分ごとに取引がまとめられ、ブロックと呼ばれるものに格納されます。
格納するにあたっては、膨大な計算量を必要とする作業を行うことが必要です。この作業は誰でも参加でき、計算をいち早く終えて正解を得た人が、報酬として新規発行されるビットコイン(BTC)を受け取る仕組みになっています。
マイニングという言葉は、鉱物採掘を表す用語です。マイニングによってビットコイン(BTC)を得る作業が鉱物採掘に似ているため、取引検証行為をマイニングと呼ぶようになりました。
取引検証の結果として得た正解の値は、取引履歴を少し変更するだけで大きく変わってしまいます。そのため、ビットコインシステム参加者は、取引履歴の改ざんが行われるとすぐに認識できる仕組みです。
マイニングは、計算競争に参加する人にとっては報酬を受け取るというメリットがあります。また、それだけではなく、通貨システムに欠かせない不正ができないという安全性を確保するための仕組みでもあるのです。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の安全性
ビットコイン(BTC)の安全性を担保している技術の一つとして、ブロックチェーン技術が挙げられます。
一定の時間で生成され取引検証が完了しているブロックが、時系列に沿ってつながって、ブロックチェーンを形成します。ブロックチェーンは、ビットコイン誕生から現在までのすべての取引履歴が納められているネット上の取引台帳です。
この取引台帳は、世界中のシステム参加者によって分散保管されています。そのため、ブロックチェーン上のデータを改ざんするためには世界中の端末のデータを書き換える必要があり、事実上不可能です。
取引の正当性が確保されているという点で、安全性は高いと言えます。また、保有しているビットコイン(BTC)を送金したり売却したりする取引にあたっては、秘密鍵と公開鍵を使った暗号技術が使われています。
ビットコイン(BTC)は電子データです。そのため、ハッキングなどにより盗まれることが心配だという人もいるでしょう。
しかし、秘密鍵を盗まれない限り、誰もビットコイン保有者のデータにアクセスはできない仕組みです。この点も、ビットコイン(BTC)の安全性に寄与しています。
ただし、自分のパソコン内の口座などへのアクセスに必要となる秘密鍵は、自己責任で管理する必要があります。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)投資に借金のリスクはある?
ビットコイン(BTC)に投資してみようと考えている人のなかには、大きな損失が生じて借金をする羽目になることを心配している人もいるでしょう。
ビットコインの取引には、主に2つの方法があります。
1. 現物取引
1つは、現物取引です。
現物取引によってビットコイン(BTC)を購入すると、実際にビットコイン(BTC)を手に入れることができます。売却はもちろん、送金したり支払手段として利用したりできることがメリットです。
現物取引でビットコイン(BTC)を購入するのは、土地や金、現物の株式を購入することと似ています。価格に相当する代金を支払う必要がありますが、購入後に価格が下がったとしても、支払った金額以上に損はしないのです。
そのため、現物取引であれば、借金のリスクはないということになります。
ビットコイン(BTC)の現物取引は、暗号資産を取り扱う取引所で行うことができます。
2. レバレッジ取引
もう1つ投資方法は、レバレッジ取引です。
レバレッジ取引では、購入してもビットコイン(BTC)の現物を手にすることはありません。売買の価格差分の利益を狙う取引です。
レバレッジ取引は、自己資金を担保に借金をして、何倍もの金額の取引ができるという特徴があります。大きな利益を手にできる可能性がある反面、大きな損失が生じるリスクもあります。
最悪の場合は、自己資金以上の損失となる場合もあるリスクが大きい取引です。現物取引だけにとどめておけば、ビットコイン投資で借金を背負わずに済むことは、認識しておきましょう。
※Coincheckでは、2020年3月13日をもちまして、レバレッジ取引のサービス提供を終了いたしました。
暗号資産のハッキングのリスクはある?
暗号資産の取引所がハッキングされて暗号資産が流出したというニュースを聞くと、ハッキングのリスクが気になります。
実際にハッキングを受けて、倒産した取引所もあります。ただし、ビットコインシステムの安全性を支えるブロックチェーン技術が破られてハッキングされた事例は、過去に生じていないことを認識しておきましょう。
また、取引所のハッキング被害に遭わないためには、自己防衛も必要です。万が一の予防策としては、暗号資産を管理できるウォレットと呼ばれる暗号資産保管管理用ソフトウェアを利用して、自ら管理する方法があります。
また、ひとつの取引所ですべての暗号資産を保有するのではなく、複数の取引所を利用して分散保管することも一つのリスク対策の手法と言えるでしょう。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の保管場所
暗号資産の保管機能を持つウォレットを利用することで、ビットコイン(BTC)を保管できます。ウォレットには、いくつかのタイプがあります。
1. ウェブウォレット
1つ目は、ウェブウォレットです。
ウェブウォレットは、クラウド上に保管するイメージです。取引所に預けておく場合も、基本的にはウェブウォレットに保管してあることになります。
2. デスクトップウォレット
2つ目は、デスクトップウォレットです。
デスクトップウォレットを利用すれば、自分のパソコン上で保管できます。
3. モバイルウォレット
3つ目は、モバイルウォレットです。
スマホやタブレットに保存できます。日常の支払いなどで利用する際には便利な保管方法です。
4. ハードウェアウォレット
4つ目は、ハードウェアウォレットです。
暗号資産をUSBのようなデバイスに保存するイメージです。
ハードウェアウォレットの状態で保存しておけば、暗号資産の秘密鍵はネットにつながっていない状態になります。そのため、ハッキングリスクを大幅に抑えることが可能です。
5. ペーパーウォレット
5つ目は、ペーパーウォレットです。
ビットコイン取引に必要な秘密鍵情報などを紙に印刷して保管します。ペーパーウォレットは、ハッキングリスクをなくすことが可能です。
ただし、ペーパーウォレットを紛失してしまうと、ビットコイン(BTC)は失われてしまいます。ペーパーウォレット自体の保管には注意が必要です。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)はギャンブルなの?
ビットコイン投資は、やり方によってはギャンブルと似たような性質を持つものです。
ただし、どんな投資でも損することはありますし、大きな利益を手にできる可能性もあるでしょう。実際に、ビットコイン投資で資産が数百倍になった人も存在します。
ただし、投資に失敗して多額の借金を抱えることになった人もいるのです。やり方によっては、ギャンブルと同じような結果になる可能性があると認識しておく必要があります。
ただし、多額の借金を背負った人は、レバレッジ取引を行っていたケースが多いようです。レバレッジ取引では、自己資金以上の取引ができるため、借金につながる可能性があります。
しかし、現物取引だけを行っていれば、借金をする羽目になることはないでしょう。現物取引で適切な投資を行えば、ギャンブル性を抑えることは可能です。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の始め方
ビットコイン取引を始める一般的な方法は、金融庁登録済の暗号資産交換業者が運営している取引所に口座を開設する方法です。
口座開設後に日本円を開設したアカウントに入金すれば、ビットコイン(BTC)を購入できる状態になります。
ビットコイン価格は需要と供給によって変動することが特徴です。ビットコイン(BTC)は2017年には200万円以上の価格になりましたが、小数点単位で購入できるため、自己資金の範囲で少額から購入が可能です。
また、購入したビットコイン(BTC)を価格が上昇したときに売却することで、売却益を得られます。そのため、価格が低くなったタイミングを狙って、ビットコイン(BTC)を購入するのも良いでしょう。
現物取引で購入したビットコイン(BTC)は、別のアカウントに送金することも可能です。さらに、ビットコイン(BTC)の支払いを受け付けているネットショップや実在店舗を利用して、支払手段として利用することもできます。
暗号資産の取引所への登録方法
Coincheckでは以下の2ステップでかんたんに口座開設ができます。
- 1.アカウント作成をする
- 2.本人確認を行う
口座開設はスマートフォンのアプリまたはパソコンのブラウザから行うことができます。口座開設のやり方については、以下の記事で詳しく解説しています。口座開設をご検討の方は、ぜひご覧ください。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の仕組みや安全性についてのまとめ
ビットコイン(BTC)のシステムは、ブロックチェーン技術や暗号技術などを使うことによって安全性を確保しています。特に、ブロックチェーン技術は、データ改ざんを防ぐ仕組みとして暗号資産以外への応用も期待されている、セキュリティーが高い技術です。
ビットコイン取引を行う人は、安全性に対して過度な心配をする必要はないかもしれませんが、どんなものでも100%安全とはいかないものです。
そのため、ビットコイン取引を行う人は、パソコンのセキュリティレベルを上げたり、取引所を利用する際には必ず2段階認証設定を行うなど、自分でできる万全の対策を講じておくことも重要です。
安全性を確保しながら、ビットコイン取引を楽しみましょう。